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2015年9月19日土曜日

フォード・フォーカス いよいよ北米フェイスが10月に日本登場か?

  先日、マスタングに乗りにいって以来フォードからしばしばDMがやってくるようになりました。DMの頻度は売り上げの好不調をかなり表しているようで、販売好調が伝えられるマツダやメルセデスなどは新車発表のタイミングくらいしか来ませんが、フォード以外にもBMW、MINIあたりは相当に苦戦しているようで、目立つ位置に「50万円の購入資金プレゼント」(つまり値引き)が書いてあったりします。

  そんなフォードのDMには必ずといっていいほど、ビックリのスペシャル価格で登場するのがCセグ車のフォーカスです。1990年代に欧州で大ブレイクして、ゴルフやシビックを蹴散らした欧州フォードの生んだ屈指の名車ですが、マツダ車(アクセラ)と共通設計ということであまり熱心なプロモーションもなかったため、日本では全く知名度がない?クルマですね・・・なにそのクルマ?が普通のリアクションです。

  ベンツ、BMW、アウディ、VW、ポルシェ・・・ボルボ、ジャガー、ミニ、ランドローバー、プジョー、シトロエン、ジープくらいですかね。一般の人々に説明なくすんなり理解されるブランドは。フォードとかルノーとか堅実なクルマ作りができるメーカーが日本でもグローバル・フルラインナップを揃えてくれれば、日本メーカーももっと努力するようになって、オッサン相手の軽スポーツカーじゃない形で個性的なモデルが期待できそうですが・・・と悲壮感を込めて書きながらも、ルノーとフォードは今後は日本でもジワジワ来るのではないか?という予兆を感じています。

  フォーカスの現行日本モデルは、一応グローバルで現行の3代目の前期に当たります。欧州ではディーゼルがあるので、その気になればマツダやボルボのように日本でも展開できます。2011年発売から2年遅れの2013年に日本に導入されましたが、2L自然吸気エンジンの1グレードのみで、設計自体はボルボV40や先代アクセラと共通のプラットフォームなので、エンジンバリエーション的にもなかなか売りにくい立ち位置ではあります。

  ちょっと余談ですが、旧フォードグループは縄張りをしっかり分けているのか、共通設計かつ共通エンジンの別ブランド車が同一市場に登場しないような工夫が、グループ解体後からなんらかの契約に縛られて有効になっているようです。マツダエンジンを積むフォーカスが日本に投入されたタイミングがちょうど、先代アクセラの2L車がスカイアクティブ化した後のタイミングでした。ほぼ同時期に登場したボルボV40には、これとは全く別の1.6Lエコブースト・エンジンが搭載されるなど、アクセラ・フォーカス・V40が全て異なるエンジンを積んで共存してきました。

  単純にドライビングだけを楽しむならば、「スカイアクティブ」や「エコブースト」といった低速トルクを重視したエンジンは、「回す」という点では限界があるので、フォーカスが使いつづける「自然吸気・ショートストローク」が一番気持ちいいとは思います。しかしフィーリングに関してはスペックに反映されませんし、低速トルクの使い勝手の良さが一般に浸透してきて、NAショートストローク自体がスポーツカーしか使わないあくまで趣味のエンジンと見做されつつあります。

  売る側としてはいまいちセールスポイントが掴みづらい部分もあるかもしれません。私が営業マンなら「低速トルクなんて運転が下手な人向け!本当のドライビングを知りたいなら迷わずNAショートストロークですよ!」くらいのこと言いたいです。運転が大好きなアメリカ人にはこのエンジンがまだまだ人気なようで、2016年モデルとなった本国のフォーカスでも主力エンジンとして使われつづけています。さらにアメリカではフォーカスのスポーツモデルである「ST」が用意され、これが先代からファンを増やしていて、ゴルフGTIやWRX-STIのようにCセグGTカーとして立派に市民権を得ており、2Lターボ(252ps)が使われています。また新たに「RS」というマスタングに使われる2.3Lターボを横置きにした300ps越えのエンジンを装備したグレードも追加されたようです。

  さて2016年モデルのフォーカス(3代目後期)ですが、フォードから絶賛発売中のマスタングに似たフェイスへ大きくチェンジしていて、日本で売られている前期モデルとはまるで別のクルマです。あのマスタング顔をCセグに当てはめると、スバルのインプレッサやレヴォーグに似た印象になります。昨今の日本のCセグ市場はなんといってもデザインありきの「外面主義」ですから、現在の不調なフォーカスの弱点をしっかりとマーケティングした上での大幅デザイン変更が施されていますが、北米でも好調なスバルがベンチマークだったのかもしれません。

  Cセグ=デザインの風潮を築いたのは、マツダアクセラ!・・・ではなくメルセデスAクラスとVWゴルフの競り合いに端を発しています。フォーカスだけでなく、アルファロメオ・ジュリエッタやその輪郭をなぞったトヨタ・オーリスそしてプジョー308やルノーメガーヌ、BMW1シリーズといった錚々たる顔ぶれをまとめてに置いてきぼりにするくらいにAクラスとゴルフは洗練されたデザインでした(スペックはともかく)。置いて行かれたクルマはその後相次いで、フェイスリフトが行われ、308はゴルフをお手本にし、メガーヌは新生ルノーの「ヴァンデンアッカー顔」(マツダのチーフをヘッドハンティングした!)に生まれ変わり、1シリーズも大変身となりました。

  Aクラスとゴルフの洗練度に対抗できたのがアクセラ、インプレッサ、レクサスCT、ボルボV40、DS4、アウディA3といった面々で、これだけ数が揃ってもなおスペックはドングリの背比べですけど、デザインに関してはかなりハイレベルな拮抗といって良さそうです。この中で注目したいのが、日本車よりもお買い得?と思える価格を付けて登場した「ルノー・メガーヌ・ゼン」で、他の各車がプレミアム志向なのに対し、逆張り路線で勝負をかけてきました。マスタング顔のフォーカスには北米と同じくいよいよ戦略価格(250万以下!)の1.0Lエコブーストが投入されるでしょうが、2L自然吸気も残るといいな〜・・・(選ばせろ!)、さらにCT(2Lターボ)やRS(2.3Lターボ)をお手頃価格(CTが350万でRSが400万で!)で出すことで、700万円とかいう価格でぼったくっているA45AMGやシビックtypeRに冷や水を浴びせてほしいですね!

追伸・フォードジャパンからは1.5Lターボ(309万円)がすでにアナウンスされています。

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↓マツダの設計を使っているのに、スバルに憧れているクルマ!?

2015年5月20日水曜日

フォード・マスタング 「いっそ車名変更もありかも!」

  かねてから「直4のFRなんてダメだ!」なんて生意気な主張を繰り返していましたが、いろいろ思う所があって新型になって直4モデルの限定車のみで先行販売が始まった「フォード・マスタング」に乗ってきました。最近の輸入車スペシャルティカーは最初に「限定モデル」によって市場の反応を探り、そのうえで日本での正規価格を決めるというやり方が多いです。もし限定車がさっさと売り切れて大人気ならば、正規の日本価格はさらなる利益と納車日数の短縮のためにさらに上昇していくでしょうし、なかなか売れずに残るようならばもしかしたら日本への本格導入は見送られるかもしれません。どっちに転んだとしても、なんだか日本のユーザーにとってはあまり面白くない結末がチラホラします。

  さてマツダが20年以上前に設計した2.3LのMZRエンジンに、フォード自慢の「エコブースト」を組み合わせたユニットに私は興味振々だったわけですが、営業マンは少々震え声で「フォードの最新鋭のエンジンです!」と言い切っていました(笑)。それでも乗ってみると現在のマツダの「スカイアクティブエンジン」よりも間違いなく楽しいです。「エコブースト」という商標を使って「ダウンサイジングターボ」の最先端を自負するメーカーらしく、最高出力314ps / 最大トルク44.3kg・mといったスペックは、2.3L直4ターボで4.5L・V8自然吸気に匹敵するというフォードの説明を十分に裏付けています。そして何よりこの新型マスタングの最大の魅力は、欧州車相手でも負けないハイスペックな足回りに強化しつつも、価格設定もほぼ「WRX STI」「ランエボXファイナルエディション」「スカイライン350GT」といった、「馬力単価が安く」良心的価格で知られる日本の高性能車とほぼ同じコストパフォーマンスを実現している点です。

  しかもこの3台の日本車よりも格段に目立つスタイリッシュで洗練された印象を放つ新型デザインは素晴らしく、この美点をきっちりと「商品力」に入れこむならば、3台の日本車を軽く超える「超絶・コスパ」のクルマと言っても過言ではないです。単純に街中での注目度は「マスタング>>>>>スカイライン>>WRX=ランエボ」くらいで、そのまま所有欲を満たしてくれる「満足度」と捉えてもいいかもしれません。日本車の常識的サイズによって縛られた3台では、アメリカンサイズに立ち向かうのは到底に無理で、まるで「日本の読モ」と「アメリカのスーパーモデル」くらいにオーラが全然違います。そして見事なのは、これだけド派手なデザイン&サイズなのに、360度見回してみてビックリなほどに細部の造形にまで隙がないです。簡単に言うとどこから見ても「絵」になります。一方でスカイライン・エボ・WRXはどうもあまり好きでない角度がありまして・・・。

  あくまで個人的な感想ですが、マツダ・アテンザに新たに2ドア・クーペ版が追加されたなら、この新型マスタングに近いデザインになるような気がします。実際に見ると、マスタングもマツダの前田育男氏がデザインしたのでは?と思ってしまうほどです。今回たまたま試乗車は赤だったので、側面の雰囲気や光沢のあるボディカラーは、現行アテンザの代名詞にもなった「ソウルレッド」を余計に想起させてくれました。1920mmのワイドボディで全高が1380mmに抑えられているので、あとは全高が4400mmだろうが5100mmだろうがバッチリとスタイリングが決まります。日本メーカーがデザインコンセプトで作ってきた「日産エッセンス」「マツダTAKERI」「スバルWRXコンセプト」が車幅1900mmくらいで作ることでスタイリングを際立たせていますが、マスタングは市販車がすでにそのサイズになっています。ハッキリ言ってカッコ良くて当たり前。けれども某・日本の大手メーカーが手掛けたら一体どうなることやら・・・。変なグリルが付いて!?

  今回は友人のBMWに乗って出掛けたので、愛車のGHアテンザとのフィーリングの比較にはあまり自信がないのです。外観のイメージに引きずられたかもしれませんが、運転してみるとそこかしこから、予想を超えた「マツダらしさ」を感じることができた気がします。BMWに乗る友人は「直進安定性がない!」としきりに言ってましたが、たしかに大柄なボディに似合わず、"ZOOM-ZOOM"時代のマツダ的なクイックなハンドリングです。私もまったく同様のことを感じていて、その理由として後輪サスが平行感覚に富む「リジッド」から独立担荷式の「マルチリンク」に変わったことで、FR車で直進安定性を出すのが少々難しいのかもしれません。同じ「マルチ」を使うFRであるメルセデスやBMWにはやはり「秘伝の◯◯」があって、安定性に特化したドイツ車的な作りといくらか「差」が出たのかもしれません。またフォードの現在のトップであるマーク=フィールズは、アテンザ開発時のマツダの社長を務めていた人物で、トップになる前は現在のフォードラインナップの製品化の可否を下すエクゼクティブだったこともあって、この乗り味(ハンドリング)こそが、彼が考えるなベストフィールという可能性もあります。

  「アメリカ車」というステレオタイプなイメージ(偏見?)をいつまでも持ち続けることは、現状においてクルマを語る上で非常に危険ではあります。しかし今回50周年を迎えた「マスタング」はその中でも徹底したコンサバ系であり、米国・カナダ・日本・豪州の4カ国に広がるファンはいつまでもその「幻影」を追い続けている部分も大きいように思います。グアムやハワイでレンタカーを借りるなら、マスタングのコンバーティブルが定番だったりするくらいで、「V8エンジンを積んで力強く、そしてゆったりと優雅に走る」イメージがまだまだ強いはずです。かなり古いモデルには直4搭載があったようですが、今回の欧州への拡大を意図した直4ターボの再搭載には、それなりの賛否両論があると思います。もちろん日本のフォード・インポーターもどれくらいの反響があるのか戦々恐々の様子です。

  このマスタングには「総合評価」なんて観点は意味を成さないかもしれません。率直に評価できる点としては「スタイリング」「価格(コスパ)」「走りが楽しい」の3つです。しかもこの3点がずば抜けて高いスコアを記録しています。もちろん細かいことを言えば、「楽しい」のはサイズからはなかなか想像できない位にダイエットした車重も大きく貢献していますし、中型車用エンジンで世界を制したマツダ・MZRエンジンがその軽快な走りを支えています。他にも先代から大きく進化していると思われるのが、インパネの高級感や、レクサスに付くようなシート・エアコン(冷暖房あります!)がこの先行限定車には標準装備されています。「マスタングにシート・エアコン」なんて完全にイメージを崩壊させる要素だと思うのですが、これが付いていて怒る人はいないでしょう。

  逆に悪い点は?というと、「良い点以外の全て」です。やたらとサイズに文句を付ける人が多い日本ユーザーが、一目で諦めてしまう幅広設計がネックになります。コンビニに停車しましたが、2ドアクーペのドアを颯爽と開こうものなら、ドアエッジが豪快に隣りにヒットする姿が想像できますので、恐る恐る開けることを余儀なくされます。ちょっとデリカシーの無い人を助手席に乗せてしまったら、乗り降りの際に神経がピリピリします。そして最近のアメリカ車はというと、ドアモールを挟むほどの余裕もないほど、ドアのチリもよく合っていますし、何よりパネルの継ぎ目がほとんど目立たないデザインです。むしろレクサスRCの方がドアモールがハマってそうなドア回りの緩さを感じてしまうのは私だけでしょうか?

  さて先ほど長所で挙げた「走りの楽しさ」は人によっては欠点にもなります。先ほども直進安定性に問題があると書きましたが、正直言って60km/h走行時のNVHが、マツダアテンザの90km/h走行時くらいです。そもそもFFとFRという違いでアテンザの方が優位ではあります。さらにピラーレスのクルマだとこんなものなのかな? エンジンからの振動は全く問題ない水準ですが、19インチに大型キャリパーをぶら下げる足元がどうもざわつきの主原因かと思います。デザイン重視と思われる19インチ採用はどこのメーカーでもそこそこ批判が出る部分ではあるので、このマスタングがどうというわけではありませんが、ちょっと邪推すると、マスタングであるがゆえにマツダのような欧州車的な(BMW・アウディ的な)洗練をあえて避けて、スポーツカーの領域に片足を突っ込んだ状態での市販化になったのかもしれません。ちなみに走行モードは「S」「S♯」のほかに「トラック」というサーキット用のスピンしやすい設定もあります。この「トラック」を盛り込んだゆえのNVH対策の不徹底なのかもしれません。

  さらに言わせてもらうと、この新型マスタングもまた日産GT-Rが直面した「サーキット」か「高級GTカー」かという二択を迫られているように思います。日産GT-RとスバルWRXは、極めて日本人的な発想から「サーキット」と「高級GTカー」分けて2種類のクルマを販売する方向に舵をとりましたが、マスタングにも「NISMO / STI」「ピュアエディション / S4」の作り分けが必要だと思われます。もちろんそんなことは名門フォードは百も承知でしょうから、予定されている右ハンドルの発売と同時に、「トラック」モードを外した、ジェントルで洗練された乗り味の「マスタング」と、ハイスペックなユニットと強烈な出力を誇る「シェルビー」にラインナップを分けて展開することも十分に予想されます。フォードの営業マンから電話があったらその辺の要望をフィードバックとして強調しておこうと思います(あまり関係ないのは百も承知ですが・・・)。


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2014年2月13日木曜日

フォード・マスタング 500万円台のV8マシン

  V8エンジン搭載のモデルが本体価格570万円。潔癖性で新車しかうけつけない私にとってはフォード・マスタングは月に1回くらいは乗ってみようかなという気持ちにさせられます。詳細が乗っているアメ車専門ムックを本棚から取り出して見てみる。価格やスタイリングには大満足なので最初はルンルンなのですが、読み進めていくと「ちょっと待てよ・・・」となる。

  まず最初のネガティブなポイントは「内装」。まあ格安車なんだから文句言うなという意見もあるでしょうが、もうちょっとなんとかして欲しい。もしショップに持っていってリフォームしたらどれくらいの見積もりが来るのかな。いつもヘアカットしてもらってる美容師さんと雑談してたら、木目だろうがピアノブラックだろうがパネルはいくらでも自力で処理できると言っていましたが・・・。材料費5万円で良しとしましょうか。

  次に「スペック表」に見える後輪サス「3LR」。なんじゃこりゃ?ひたすら調べる。「3リンク・リジッドアスクル」というらしい。リジッドアスクル自体はキャデラックなどアメ車の大型車では割と当たり前に使われているみたいだ。しかしライバル車のシボレー・カマーロはレクサスや日産でおなじみのマルチリンク。まあでもこれだけ大柄なクルマならサスのストローク量も十分にあるだろうし、日本車とは意味合いが違うのだろうと、納得しかかっていたところで・・・。どうやら次期マスタングは「独立懸架式」(おそらくマルチリンク)になるらしい・・・? え、それなら次期モデルを待った方がいいのかな。しかしモデル末期の在庫車は魅力ですが。

  現行と次期モデルと比べて最も悩むのがデザインでしょうか。現行デザインの方がキャラが立っていて、前期モデルよりややおとなしくなったと言われる後期モデルでも貫禄十分。しかも孤高のブットんだデザインというわけではなく、フォードの他のクルマよりも日本人の感性に合った優美さがあります。その一方で新型は・・・。確かに目新しさがあるのですが、あまりにも小綺麗になり過ぎてないですか? 一目見てマ◯ダア◯ンザみたいです。どうもモンスターマシンの片鱗みたいな要素が見えてこないです。

  新型は2.3L直4ターボが新たに設定されるようで、直4でも似合うようなこじんまりしたデザインへ変更されたということか。フォードで2.3Lターボと聞くと、これはMSアクセラか?と思いましたが、ボア×ストロークが全く違ったのでどうやら別のエンジンのようです。とりあえずFRに直4ターボ載せる3BOX車は完全否定の立場なので、このグレードには全く関心はないですね。マスタングと言えばV8だと思うので、やはりV8に相応しいデザインで良かったのではないかという気がします。

  日本市場のラインナップでは格安ということになっている、フォードマスタングV8GTですが、一番買う気分を沈めてくれるのが、このクルマの北米での価格です。日本円で約300万円ほどしかしません。つまりアメリカで売られているBMWの最底辺グレードの3シリーズとほぼ同じです。3シリーズの日本価格は430万円程度ですから、インポーターがだいぶボッタクっているようです。しかも正規輸入でも左ハンドルしかないので、もう並行輸入業者に頼んだほうがいいのではという気がします。日本価格を約2倍に見積もっているくらいなので、アメ車のモデル末期の値引きは相当良いのではと期待できますが・・・。さて動くべきか?

  
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2013年3月14日木曜日

フォードマスタングとアテンザの融合

  北米では2万ドル〜で販売されている、フォードの看板車マスタングの日本価格は430万円〜とやや高めです。北米価格で3万5千ドル〜のメルセデスCクラスと日本ではほぼ同じ価格帯になってしまいます。インポーターの言い分としては、少量の輸入車なので輸送コストが高く付くということなのでしょうが・・・。フォードには「ONE-Ford」主義なるものがあって、世界のどの地域でも同じ性能のクルマを売るということらしいのですが、それだったら価格も揃えてほしいというのが率直なところですね。

  アメリカメーカーが日本市場で勝負するには、とてつもない信念と体力が必要になってきますが、1000万台クラスのメーカーなら世界第3位の日本市場を簡単には諦められないと思います(ヒュンダイにとっても同じ)。経営破綻を乗り越えて、GM・フォード・クライスラーは日本市場に新型車の導入を初めましたが、日独の壁はなかなか厚いようです。フォードとしても提携関係にあるマツダを足掛かりにするなどの工夫が必要かもしれません(ライバルのクライスラーの親会社フィアットはマツダOEMという画期的な戦術を採ってきました)。例えば次期マスタングをマツダと共同して開発して、アテンザと共通設計にすることで日本での市場を開拓できるのではと思います。

  元々、フォードのフュージョン/モンデオはアテンザと共通の設計でしたが、袂を分かってから独自の発展を遂げていて、アテンザは新型ではより上のグレードの車格を求めて「脱皮」しようとしています。もし新型アテンザのボディにマスタングのV8エンジンを載せることができたら、レクサスIS-Fに対抗できる上級グレードができるので、マツダにとっても望むところではないでしょうか。マツダの防府工場で作られるOEMのマスタングは日本でも話題になって売れそうですし、マツダの輸入車が好評のオセアニアにもフォードの足掛かりができそうです。

  ライバルのGMとクライスラーは日本にミドルクラス以上のセダンをそれぞれ投入してきました。GMの「キャデラックATS」はBMW3をコピーしたドイツメーカーのオペルのクルマで、ドイツ車のクオリティを持っていると認知されています。さらにクライスラーの大型セダン「クライスラー300」はダイムラー=クライスラー時代に流入した旧ベンツEクラスのノウハウが下地にあり、日本市場にも割と受けが良いのではないかと思います。
  
  フォードも日本市場への本格参入の為には、どこか日独の有力メーカーと手を結ぶことが現実的だと思います。VW&アウディはガチンコのライバルです。BMWとスバルはトヨタに取込まれています。日産とメルセデスは既に提携に至っています。三菱はヒュンダイに全面的な技術供与を行っています。残る有力メーカーがホンダとマツダだけです。ホンダは他車との提携には否定的だし(意外と有望かもしれないが・・・)、マツダはトヨタとフィアット(クライスラー)が引っぱり合いをしているようで、ここにフォードも一応は提携関係にあるので、もっと突っ込んだ関係に持ち込んだらいいのでは?と思うのですが・・・。「マスタング/アテンザクーペ」みたいなクルマが出来たら日本のクルマ文化もさらに成熟しそうな気がします。

2013年3月6日水曜日

アテンザとRX-8を作ったフォード

  一部のSUVを除いてフォードは日本市場にあまりコミットできていない「ビッグメーカー」です。ただ日本で現在ノリにノっているマツダのかつての親会社として、フォードから出向した社長の元、現在のマツダの原動力といえるコンセプトを数々生み出した功績はとてつもなく偉大だと思います。2002年のアテンザ誕生とともにマツダが「ZOOM-ZOOM」(アメリカの子供がミニカーで遊ぶときに発するクルマの擬音語)というコンセプトを掲げてきた理由は、当時の社長がアメリカ人だったからです。

  今そのマツダに触発されたのか、トヨタも「良いクルマ」作りへとシフトしてきて、日本のクルマ業界はにわかに明るくなってきました。それはもちろん日本のクルマ開発に関わる人々の情熱によるものですが、日本メーカーよりも長い歴史を刻むフォードが「自動車後進国」日本の発展のために誠意を持って示してくれた「クオリティカーの文化」によるところも大きいと思います。2000年頃の世界規模の自動車業界再編に対しては批判の声もありますが、マツダがフォードの傘下にいたことは、日本のクルマ好きにとってはとても幸せなことだったのではないでしょうか。

  いま30歳くらいの人にとっては、社会に出るころにデビュした「アテンザ」と「RX-8」に憧れた人も少なくないと思います。当時はまだ世の中のことがよくわからず、この2台がフォードがマツダに作らせたクルマなんて知る由もなかったですが、どちらも抜群にカッコ良くて、クルマ雑誌をコンビニで立ち読みしては「250〜300万くらいか・・・」なんて目標というか意識していた記憶があります。当時ほかにもアルティツァなどが人気がありましたが、その頃からアテンザの方が圧倒的に好きでしたね。

  今の30〜35歳は一般にクルマに興味がない世代とか言われていますが(なんとなくわかりますが)、もしマツダのこの2台が発売されてなかったら、クルマに憧れるイメージが作れずにもっと興味なかったのでは?と思ってしまいます(BMWに500万円掛けたいとはなかなか思いませんね・・・)。20代は「丁稚奉公」として休日返上で働く人も多くいて、クルマなんてそもそもいらないですし、それでいいと思います(20代都会暮らしでクルマ所有は人生狂うかも・・・)。30代になって働き方が変わって生活の中にクルマが入ってきて、クルマへの興味も高まるのですがそんなとき、このマツダの2台があったおかげで純粋にクルマが好きになれたと思います。まさにフォードさん「ありがとう」の気持ちですね。

  

2013年2月27日水曜日

マスタングとアテンザは北米価格はほぼ同じ

  フォードマスタングとマツダアテンザが同じ価格だったらどっちを買うか本当に迷いそうなんですが、素晴らしいことに北米ではどちらも2万ドルから買えます。北米で2万ドルで売られるクルマなら、日本でももうちょっと安くていいのかなという気もします(マスタングV6は430万円〜)。フォード車は輸入車としての「華」はないかもしれないけど、全てのラインナップに「フォードのポリシー」が感じられます。変にユーザーに媚びたモデルがないのも魅力で、フォードが好きな人はメーカーが一台一台に魂を込めて作っているから好きという人も多い(マツダやスバルのファンみたいですね)。


  マツダの現在のラインナップも以前フォード傘下にいたときに作られたクルマで構成されている。マツダの開発者はRX-7の後継モデルを2ドアで作らせてくれなかったフォードの経営陣を恨んでるという話も聞くが、GMではなくフォード傘下であったことはマツダにとっては幸せなことだと思う。GM傘下だったスズキは小型車の専門メーカーになってしまったが、フォードは小型車に興味がなかったようで、日本メーカーだからといってマツダを小型車メーカーにしようとはしなかった。

  もしマツダがフォード傘下じゃなかったら、いまでもセダンにロータリーエンジンを積んで、クルマ好きしか感動しないようなモデルを作り続けてとっくに倒産していたかもしれない。一般の人にとっては「ロータリー」なんて、「熱くて・うるさくて・燃費が悪くて・壊れやすい」といった最低のエンジンなのだから・・・。「スポーツカー以外にはロータリーは積むな」という当たり前が当たり前じゃなかったのが、フォード以前のマツダだ・・・。たしかにマツダの技術力はスゴいが、だからといって「フォード後遺症」といって「旧宗主メーカー」を厄介払いしたような気分になっているのは、間違っていると思う(そのように報じるメディアもおかしい)。

  アクセラやアテンザが発売当初から欧州で大ヒットしたのは、マツダの技術力とフォードの魂が注ぎ込まれたクルマに欧州のユーザーが好意的だったからだ。フォードはアメリカの会社だけど、戦前から(クルマの歴史の最初から)イギリスを中心とした欧州にしっかり根を張ったメーカーだった。いまでも欧州シェアはどの日本メーカーよりも上だ。

  少ないラインナップだけど、全車種に魂を込めるフォードのクルマ作りとその成功は、2000年代のコストダウンに堕ちた日本メーカーへの厳しい教訓になっていると思う。品質を無視したマーチやミラージュの逆輸入の販売が失敗しつつあり、今後の日本メーカーは品質の向上へと方針転換していくだろう。フォード傘下でそのクルマ作りを学んだマツダが今、脚光を浴びつつあるのは偶然ではないと思う。