2013年3月14日木曜日

フォードマスタングとアテンザの融合

  北米では2万ドル〜で販売されている、フォードの看板車マスタングの日本価格は430万円〜とやや高めです。北米価格で3万5千ドル〜のメルセデスCクラスと日本ではほぼ同じ価格帯になってしまいます。インポーターの言い分としては、少量の輸入車なので輸送コストが高く付くということなのでしょうが・・・。フォードには「ONE-Ford」主義なるものがあって、世界のどの地域でも同じ性能のクルマを売るということらしいのですが、それだったら価格も揃えてほしいというのが率直なところですね。

  アメリカメーカーが日本市場で勝負するには、とてつもない信念と体力が必要になってきますが、1000万台クラスのメーカーなら世界第3位の日本市場を簡単には諦められないと思います(ヒュンダイにとっても同じ)。経営破綻を乗り越えて、GM・フォード・クライスラーは日本市場に新型車の導入を初めましたが、日独の壁はなかなか厚いようです。フォードとしても提携関係にあるマツダを足掛かりにするなどの工夫が必要かもしれません(ライバルのクライスラーの親会社フィアットはマツダOEMという画期的な戦術を採ってきました)。例えば次期マスタングをマツダと共同して開発して、アテンザと共通設計にすることで日本での市場を開拓できるのではと思います。

  元々、フォードのフュージョン/モンデオはアテンザと共通の設計でしたが、袂を分かってから独自の発展を遂げていて、アテンザは新型ではより上のグレードの車格を求めて「脱皮」しようとしています。もし新型アテンザのボディにマスタングのV8エンジンを載せることができたら、レクサスIS-Fに対抗できる上級グレードができるので、マツダにとっても望むところではないでしょうか。マツダの防府工場で作られるOEMのマスタングは日本でも話題になって売れそうですし、マツダの輸入車が好評のオセアニアにもフォードの足掛かりができそうです。

  ライバルのGMとクライスラーは日本にミドルクラス以上のセダンをそれぞれ投入してきました。GMの「キャデラックATS」はBMW3をコピーしたドイツメーカーのオペルのクルマで、ドイツ車のクオリティを持っていると認知されています。さらにクライスラーの大型セダン「クライスラー300」はダイムラー=クライスラー時代に流入した旧ベンツEクラスのノウハウが下地にあり、日本市場にも割と受けが良いのではないかと思います。
  
  フォードも日本市場への本格参入の為には、どこか日独の有力メーカーと手を結ぶことが現実的だと思います。VW&アウディはガチンコのライバルです。BMWとスバルはトヨタに取込まれています。日産とメルセデスは既に提携に至っています。三菱はヒュンダイに全面的な技術供与を行っています。残る有力メーカーがホンダとマツダだけです。ホンダは他車との提携には否定的だし(意外と有望かもしれないが・・・)、マツダはトヨタとフィアット(クライスラー)が引っぱり合いをしているようで、ここにフォードも一応は提携関係にあるので、もっと突っ込んだ関係に持ち込んだらいいのでは?と思うのですが・・・。「マスタング/アテンザクーペ」みたいなクルマが出来たら日本のクルマ文化もさらに成熟しそうな気がします。

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