2018年3月18日日曜日

BMW・X1(2018 / NO1) 『不当評価』に断固反対!!


BMW近代化60周年
  2018年はBMWにとっては非常に「メモリアル」な1年になるとのこと。たくさんの新型モデルが出てくるだけでなく、その中には複数の自信作もあるようで、新しいBMWのフラッグシップステージとして復活する8シリーズでは、2ドア、4ドア、M8を含めたトータル展開を行い、ボトムではなかなか競争力がありそうなX2を欧州に続いて日本でも発売するようです。他にもZ4とi4などがあるらしくなかなか豊作。そして3シリーズのFMCはいつなんだろう!?

プロペラマーク
  BMWという社名は100年くらい前にあった航空エンジンメーカーに遡り、第二次大戦のドイツ空軍の主力機のエンジンを作っていた。世界初のジェットエンジンの開発を任されるものの実用化に失敗するなど、航空エンジンメーカーとしては三流だったようだが、そこから世界のBMWとして高級自動車メーカーへの第一歩を刻んだのが1959年。その年に発売した後輪駆動の乗用車が、今のBMWの原型とされる。

日本はBMWが好きだ
  航空エンジンメーカー時代は、ユンカースやメルセデスの足元にも及ばなかったBMWが、今ではメルセデスと肩を並べるプレミアムブランドへと成長しました。日本でも大人気ですねー。「BMWとはなんなのか?」についてブログに書くと他の投稿の1.5〜10倍くらい読んでもらえますし、時には怒り狂ったコメントがやってきたりもします。なんで俺のBMWへの愛が伝わらないのだろうか!? 未熟なだけなんでしょうけど、それでもなんとかこのブランドの「本質」に迫ろうとあれこれ調べてきました。とにかくBMW(とスバル)についてブログで書くとびっくりするくらい読者が増えましたね。もうBMWには頭が上がらないです。

親和性の高さがポイント
  私なりの見解では、BMWとは「メルセデスに憧れているフリをしつつ、徹底して日本メーカーを研究して商品力を上げて成功したブランド」だと思っています(定義しています)。80年代にアメリカを超えて世界トップに躍り出た日本の自動車産業は、間違いなく世界のメーカーのお手本なのですけども、BMWはその中でも最も熱心に日本車を分析しています。そして何より驚きなのが、日本の自動車産業がまだまだ二流の域を出なかった、1970年代前半くらいから早くも日本メーカーの技術やデザインに注目していたと思われる例がいくつもあります。02シリーズのサイドデザインなど。

技術✖️ブランディング
  バブル期以降は、他の欧州メーカーとは異次元のスピード感覚を見せつけます。P10プリメーラが革新的な乗り味で欧州で好評になると、日本車を模倣することに躊躇するメルセデスを横目に3シリーズに取り入れて、80年代以降にDセグに殴り込みをかけてきたメルセデスに応戦し、未だに3シリーズはCクラスに対して優位な戦いを続けています。さらにオリジナルのエンジン技術にこだわるメルセデスとは違って、三菱GDIの直噴ターボもライセンスを取って導入し、ホンダ&トヨタがバブルの終わりに開発競争を繰り広げた可変バルブ機構も、欧州メーカーの中では真っ先に導入します(バルブトロニック)。

決断が早い
  さらにトヨタ・ハリアーがアメリカなどで成功すると、これまたメルセデスとは比べものにならないスピード感でSUVに全力投球し、北米最初のプレミアムSUVブランドとしての成功を目論んでランドローバーも買収します(その後1世代を共同開発した後で売却)。BMWみたいなブランドは「意識高い系」と命名したい。なぜ日本メーカーは技術こそ開発できるのにBMWみたいに魅力的な商品としてまとめることができないのか!?日産もホンダも見ていてイライラすることも・・・。

X1登場
  ちょっと前置きが長くなりましたが、全ブランドの中でも間違いなく「意識高い系」に分類されるBMW。その高い商品力が最も端的に発揮されているのが「X1」だと思う。日産が欧州でキャッシュカイ(デュアリス)を発売すると、2年度には初代X1が用意されていた。メルセデスやVW&アウディが全くついていけないペースで発売される。とりあえずFRで発売しておいてから、2015年に満を辞してFFベース化された2代目が登場。

正常進化
  ニューモデルマガジンXの「ざ・ジャッジ」では、高齢の業界関係者に「450万円の価値はない」とか言われてましたが、そもそもX1をFRにしておくメリットはほとんどないです。むしろスタイリッシュに乗れるファミリーカーとして手頃なSUV、新古車ならば320万円くらいで買える!!それでいてJNCAPでホンダフリードやマツダデミオにも敗北した先代X1の致命的な「衝突安全性」をFF化によってスピーディに改善を成し遂げたことをもっとも評価すべきではないかと思うのですが、BMWの希少性(FR設計)を維持してほしい想いがあるんだろーけど、やはり冷静に車の中身を考えて選択すべきじゃないの!?

現行X1の選択は間違っていない
  高速道路での直進安定性と衝突安全性。これらは日本で中型車を使う上で、とても大切な要素ですが、X1に関してはどちらも先代よりも数段にレベルアップしています。そもそも6気筒ユニットを積まないならば、FRをFFに変えることは非常に合理的で有益な判断だと思う。例えば日産の2代目エルグランドを6気筒ユニットをラインナップし続けるのにFF化を強行したことに関しては疑問が残る。そういう意味ではBMWの判断は正しい。

政治の影響?
80年代、90年代にアメリカの議会では、RWD車に対する強烈な批判が巻き起こり、特にRRのポルシェは名指しで「完全に間違ったクルマ」とまで扱き下ろされたらしい。今日のカーメディアは、アメリカ議会のジャッジに抗議する意味も込もっているかのように、極端にFF車のメリットを語るレビューは見られないです。アバルト595とアバルト124スパイダーを比べて、FFの方が断然に運転が面白い!!と断じたものがありましたが、これはかなり稀な例ですね。政治的なイデオロギーで、FRやFFに関する評価が歪められてしまったのは残念なことです。

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2018年3月11日日曜日

ボルボXC60(2018 / NO1) 『WCOTYに手がとどくか!?』


世界の頂点が見えてきた 

  WCOTY2018のフィナリスト3台が発表された。マツダCX5、レンジローバー・ヴェラールそれからXC60。3台ともSUVになってしまうのは昨年と同じですども、今年は旧フォードグループが独占しての「エモーショナル頂上決戦」となりました。去年はどんぐりの背比べのスペック&装備ポイント評価に対して、「エモーショナル」評価でジャガーFペースだけが8点台を記録して圧勝。(WCOTYの採点表にはエコ、安全性、売り上げ、エモーショナルなどいくつかの項目があります)

「エモーショナル」の進化は?
  ここ数年の「ワールドカー」部門(メイン)で、エモーショナルで8点台後半以上を繰り出せているのは、旧フォードとポルシェだけ。ラグジュアリー部門でこそBMWi8が「8.9」を記録してますが、「ワールドカー」部門では渾身デザインの4シリーズで「8.2」こそありますが、他のモデルは低調。日本で売れているメルセデスはびっくりなほど評価されていません。ちなみにCクラス「8.0」がメルセデスでは「ワールドカー」部門の最高です。伝統主義の頭デッカチが審査員に多いから、最近のメルセデスデザインは「邪道」とか思われているのか!? 

M以外の日本メーカーはダメだ・・・
  トヨタや日産などの日本の主流メーカーはもっと悲惨で、2014年にスカイラインとレクサスISが参戦して「激戦」と注目されたものの、両車ともに4シリーズに及ばないばかりか、格下のマツダアクセラにも大きな差をつけられる始末。WCOTYが正しいという根拠は全くないですけども、安定企業が大好きな日本のサラリーマンにカーデザインなんて無理だ!!という先入観が強まる。トヨタ、日産の名誉のために書いておくとトヨタ86は2013年に「8.3」を、GT-Rは2009年に「8.6」を獲得。

旧フォードグループの創造性は止まらない
  昨年(2017)はFペース「8.4」の他に他部門ですがDB11が「8.8」のミラクルスコア。さらに一昨年(2016)はNDロードスターが史上最高タイの「9.0」を記録。9.0を過去記録したのは2011年のレンジローバー・イヴォークと2010年のメルセデスSLSだけ。その前(2015)は大賞こそ取れなかったもののマスタングがエモーショナルでトップスコアを記録。新生ボルボにとっては未だに8点台も出せていないのでプレッシャーがかかる展開ではあります。今年のXC60に加えて来年のXC40にも期待がかかるところ。

エモーショナルなSUVとは?
SUVってのは「アクティブ」か「ファミリー」かをはっきりさせた方がいいと思う。キャラクター、カテゴリーを色濃く示してくれないと書いにくい。そう感じるのは、去年CH-Rが、そして今年はCX8が目立ってブレイクしているからかもしれないけど。日本市場だけならば、今後しばらくもしかしたらCX5よりCX8が売れるかも。CX3はややキャラ設定に失敗したな・・・。

「ボンクラ」に見えるけど・・・。
  ボルボにおいてもXC90と今年登場する新型XC40の間に位置するXC60は少々ボンヤリ見える。河口さんは「ボンヤリ」でも売れると太鼓判を押してますけど、実際のところ、潜在ユーザーの推計7割近くは「個性不足」というだけで敬遠しているんじゃないだろうか。そんな状況で強力なライバルモデルが出現したら販売はほぼ壊滅的だと思う(ボルボにとってはいつものことだけど)。600万円台のDセグメントSUVで印象的なモデルは、今のところはマカンとRXですが、スポーティとラグジュアリーファミリータイプに分かれて市場を二分してます。この2台と比べてもXC60、SLC、 Q5、X3はちょっとボヤけた印象がある。

販売業者の都合でトレンドが左右されてしまっている!?
  輸入車販売業者にとっては、適度な値引きをしておけば、「アクティブ」「ファミリー」どっちに需要に対しても売り込み可能なので重宝するのだろう。今のところ日本導入モデルは全グレードがAWD。ガソリン(T5・254ps)でもディーゼル(D4・190ps)でも実勢価格は500万円〜。BMW、メルセデスのAWDのDセグ・SUVを同じ価格で買えたら相当にラッキー。ハリアーのAWDで2LターボもしくはHVを選んでも400万円以上するので、トヨタ並みにコスパが良いとも言える。


輸入車のメリットが伝わる市場になればいいけど・・・
  いろいろなタイプのユーザーがいるから、なかなか輸入車にヒットモデルが生まれにくい。日本メーカーの新型車にしてもメーカーが巧妙なPR戦略を繰り広げてなんとか誘導して売っているけど、半年もすれば一気に売れなくなる。定価で600万円とかするクルマではほとんどのPRが空振りに終わる。早い話が金を持っている人だけにDMを撃った方が圧倒的に効率がいいわけだ。東京モーターショーにのこのこやってくる人々に、高額モデルを見せつけたところで販売は伸びないから、どんどん参加メーカーが減る。

いいクルマを効率よく売る方法がない
  ボルボはXC60は東京MS2017ではインポーターが独自に展示を行ったけど、ボルボ本体は参加を見送っていた。まあS90やXC90を売るなら東京モーターショーとは別の方法がいいのは素人にもわかるからそっちにお金を使ったのだと思う。WCOTYも「ワールドカー」「アーバンカー」「ラグジュアリーカー」「パフォーマンスカー」に細かく分かれて審査する時代なので、メーカーもジャンルに応じて販売方法を選ぶ時代なんだろうな。

自動車販売における大革命が待たれる
  東京MSで販売が捗るのは「アーバンカー」と「パフォーマンスカー」くらいじゃないだろうか!?今ではBMWやメルセデスよりも敷居が高くなりつつある新生ボルボにとって東京MSにはもはやメリットを見出せないかも。ポルシェのようにわぎゃわぎゃいる観衆を観客に見立てて「太い客」をステージにあげて、優越感を煽る接客をやってたりするけど・・・。

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2018年3月4日日曜日

アルファロメオ・ジュリア(2018 / NO1) 本物の・・・欧州設計&欧州車



Dセグが再び活性化する!?
  プジョーが新しい508を発表するらしい。いわゆるDセグセダンだけれども、4800mmを超えていた先代モデルから一転して4750mmまで全長が縮まるようで、何やら新しい潮流がやってきたようにも感じる。実際のところ実用域でのDセグセダンの落とし所は4750mmくらいにあるのでは?とは日本で走っていて薄々は感じてましたが、日本市場で堂々の躍進を果たしたメルセデスCクラスの成功により、いよいよそれがスタンダードになる!?ちなみにマークXや先代アテンザなどがこのサイズです。やっぱりベストだよね。

北米&中華サイズに振り回されすぎ
  アメリカビッグ3が作るDセグのシボレー・マリブ、クライスラー200、フォード・フュージョンは4860~4950mmの範囲にある。これほぼクラウンサイズです。北米と中国をメイン市場と定める日本車のうち、カムリ、アコード、アルティマ(ティアナ)、アテンザなどはいずれも4850mm前後の車体を持つようになった。北米には展開されないフランス車も中国市場のトレンドに左右されていて、ルノー・タリスマン、現行プジョー508、シトロエンC5は4800mm台に突入している。その一方で、やや保守的なスバル(レガシィB4)とVW(パサート)は、先代で躍進したものの、現行も4700mm台に留まった結果、現在の北米市場ではやや苦戦を強いられている様子。

Dセグの選び方
  日本市場のDセグ4ドアをまとめると、4600mm台が3/4シリーズ、A5、ジャガーXE、ジュリア、キャデラックATS。4700mm台がCクラス、A4、スカイライン、レクサスIS、マークX、パサート、レガシィB4。4800mm台がカムリ、アコード、アテンザ、ティアナ、現行プジョー508。 同ブランド内にCLAやA3セダンを持つCクラスとA4は、差別化のためにワンサイズ上げているようだ。

406の時代とは違う
  プジョーは新しい508でDセグのマーケットを再び獲得して、映画「TAXI」の続編を作りたいでしょうけども、どーですかね。406が人気だった頃と比べて、Cクラスは確実にレベルアップしていますし、後から出てきたジャガーXEやアルファロメオ・ジュリアもひたすらに「商品力」「付加価値」を意識したクルマ作りになっているので、406時代の技術アプローチのままで、主要市場で影響力を持つことは難しいのではないかと思います。

4700mm未満は北米ではサブコンパクト
  4600mm台のDセグセダン。岩貞るみ子とかいうライターは「存在意義が無い」と断言しておられました(ジュリアは特別にOKらしいが・・・)。4ドアなのにリアのスペースが結構きつそうなイメージかもしれませんが、最新のモデルは結構座れる。4800mmサイズのFFセダンはそのスペース効率を生かして5000mm級のFRセダンと同じかそれ以上のゆとりを持たせているので、それに比べるとFRの4600mm台は不利なんですけど、3シリーズでもF30系からは後ろが極端に狭いとは感じなくなりました。XEやジュリアにしてもF30の寸法をかなり意識しているので、同様に使い勝手は悪くないです。

Dセグを引っ張ってほしい3台
  基本フロントシートしか使わないカーライフで、かつ中長距離を楽しむGTセダンとしてスポーティな要素を重視するなら、むしろ4600mm台のFRを積極的に選んでもいいんじゃないの!? キャデラックATSは、400万円代で276psのハイパワーユニットが付いてくるコスパ最強の1台ですが、左ハンドルだけしか導入しないのがややネックか。グランドツアラーへのイメージにつながる『力強さ』と『安定感』を求めるならA5スポーツバックのクワトロなのですが、やはりハンドリング対決となると、4シリーズグランクーペ、XE、ジュリアの3台に絞られる。A5はデザイン先行でまだ決定的な中身のクルマにはなっていない。

ストイックさは伝わった!!
  ホイールベースは2810mm(4GC)、2835mm(XE)、2820mm(ジュリア)で、単純に2400mm前後のスポーツカー的ディスタンスに近いのは意外にもBMWですが、他の2台はフロントサスペンションにダブルウィッシュボーンを仕込んでいて、これが効いているようでBMWよりもハンドリングのレスポンスに関しては優位に感じます。さすがはジャガーとアルファロメオがそれぞれ3シリーズの『長所』を潰すべく作り込んだ結果だと思いますし、BMWもそれに応戦するかのように仕上げた4シリーズがこれまたいい。いくら日本車好きでも認めなければならない。今のBMW、アルファロメオ、ジャガーは・・・ホンダ、MAZDAよりも清々しい設計であることを。


さらに先の勝負
「スポーツセダン」という商品を、そつなく設計してライバルと切磋琢磨して、高い評価を得た4erGC、XE、ジュリアですが、この先に何があるのか!?ベースグレードから6000rpmオーバークラスのガソリンターボを使う!? Eデフ装備のAWDになる!? 4WS&トルクベクタリングでFRのままスポーツカーに挑む!? まだまだ車体&シャシーの素材であったり、タイヤやサスペンション形式における進化も見込めるでしょう。あとは世界のユーザーが実際にドライビングを楽しんで、この手のクルマの価値が高まるかどうか・・・。この3台の売れ行きに注目したい。10年後にこの市場がどーなっているのかな!?


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2018年2月21日水曜日

BMW・4シリーズグランクーペ(2018 / NO1) 迷ったらこれ買っとけ!!


全ての不信感を払拭したBMWの会心作
  4シリーズグランクーペはいいクルマだと思う。ドライビングプレジャーの追求や、ラグジュアリーな非日常の演出など、BMWが世界のユーザーに謳っている「価値」をストレートに表現できているモデルだから。「やればできるじゃん」とちょっと上から目線で言いたくなる。

3と4の差がわかるか!?
  3シリーズの「かっこつけ」が4シリーズとか言われているみたいだけど、3シリーズと4シリーズを乗り比べて「同じ」と結論づけるヤツの感性はちょっと特殊だと思う。ベントレーとフェラーリばかりに乗ってる人かな? F30系(現行モデル)に関して言えば、3シリーズがトヨタ・ブレビスならば、4シリーズはホンダ・インテグラってくらいにキャラが違う。ブレビス復活を期待する人は3を、インテグラ復活を期待する人は4を買えばいいと思う。インテグラはFFだけど、イメージが案外バッチリなんですよ。

BMWで感じる日本の名車たち
  E90系に関して言えば3シリーズも3シリーズクーペ(4シリーズの前身)もトヨタ・アルテッツァみたいなクルマだった(それが3と4に分かれてブレビスとインテグラに分かれた)。アルテッツァ(現レクサスIS)もいい味出していたけど、さらにマニアック度が高いブレビスとインテグラへとシフトしてきたBMWの日本車オタクぶりにはちょっと頭が下がる。現行M3/M4のツインターボ(S55)は、いわばBMW版のRB26DETTというくらいに類似点が多い。

カムリではない4シリーズ・グランクーペこそが伝統の継承だ
  BMWの日産傾倒はエンジンだけでなく、1990年代に欧州を騒がせたP10プリメーラにBMWの乗り味の原点があるとも言われています。日産傾倒というより水野という天才カーガイにBMWが惚れたんだね。とにかくプリメーラだか、プレリュードだか、インテグラだか、シルビアだか知らないけど、日本車の素晴らしさをストレートかつ端的に表現したかつての名車達の面影をうまく受け継いでいる現行モデルってのは、このBMW4シリーズグランクーペ・・・とアウディA5スポーツバックとアルファロメオ・ジュリアとトヨタ86/スバルBRZ、あるいはホンダ・シビックといったところですね(結構いろいろあるね)。

スイスポではダメな理由。
  「シルビアを復活させろ!!」って騒ぐならば、やはり420iグランクーペの設計思想を理解してあげたらいいんじゃないですかね。このクルマがBMWでもっとも気持ちがいい理由は、なんだかんだ言ってもヒップポイントだなと思うわけです。中古のE46、E90、F30はかなり手軽な価格で買えますけども、420iと比べちゃうともうダメです。むしろ某国内大手メーカーのHVの方が着座位置だけならしっくりくるぞ・・・。

クルマ好きが作っている!!間違いない!!
  グランドツーリングカーってのはヒップポイントが大事だと思う。昨年話題だったシビックもスイスポもその部分の設計がダメだなー(やり直せ!!)。MAZDAはシートリフターの調整幅が大きいので好きなんですけど、それに慣れてしまうとE46やF30もダメだ・・・。E90はヒップポイントはいいけど、今度はアイポイントが変な気分になる。ボデー構造&インパネの質感に少々難がある。簡単にいうとくつろいだ長時間ドライブに向かない。

モデルが多ければ「当たり」も出てくる!?
  クルマが好きで毎週のように長時間ドライブを楽しんでいるような人が、設計の主導権を握っていればいいクルマができるはず。そういう意味で4シリーズグランクーペという企画は、かなりミラクルな結果を生み出していると思う。トヨタ86やスバルWRX・S4の内装をMAZDAが担当すれば結構いい感じなんじゃないか!?とか考えちゃいますけど、4シリーズグランクーペはそのさじ加減が奇跡的にうまくいっている。





4er・IN STYLE SPORTS
  青山スクエアから久々にDMが来た。いつも気になるモデルはムラウチで乗せてもらっていて、買う気になったらムラウチに仁義を通すと思うけど、数年前にセレブなヤツに同伴してジャパンの青山スクエアに1度行っただけなのに律儀に4シリーズのDMはくれるようだ。4シリーズの限定モデル「In Style Sports」というらしいが、よくあるレザーシートが標準になった限定モデルですけども、420iが694万円で440iが925万円。ちなみにレザーシート以外に特にコストがかかってそうな変更点はないです。

日本の限定車にも負けない内容だと思うが・・・
  86GRMNや、S208なども600~700万円くらいするのに抽選になる人気だったので、同じくらいの価格帯の420iの限定車は決して無茶な価格ではないと思うけど、要は「投機目的」で買う人はいないだろーね。日本のクルマ文化においてまだまだ420iグランクーペの素晴らしいバランス感覚が評価されていないので、中古価格が高騰することもないだろう。しかしこのクルマはもっと売れて人気になるべきだと思う。

もっと褒めろよカーメディア!!
  「エンジンではない。トータルバランスこそが素晴らしい。」といった賛辞を受けるお手本みたいな設計は素晴らしい。P10プリメーラ、3代目プレリュード(4輪DWB)、GGアテンザ(4輪DWB)など、創意工夫の日本車を徹底的に評価してくれたのがドイツ市場なのに、現行のドイツ車の中でどれが本物なのかが判断できてすらいない日本市場の音痴っぷりはちょっと恥ずかしい。


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2018年2月13日火曜日

アウディA5スポーツバック(2018 / NO1) ちょっとだけAudi

Audiってさ・・・
  アウディがやりたい事が市場に伝わらなくなったのはいつ頃からだろうか。90年代の終わりにアウディは、定評があったメカではなく、デザインによって業界を根底から変える力を持っていることを世界に示していました。『ミレニアム』という世界的な転換機運の高まっているタイミングもあって、誰の目にも21世紀の自動車業界の覇者は多分アウディになるだろうという予感はあったんですけどねー。結局は日本市場はアウディではなくてプリウスを選んだという・・・。

エコカー減税はAudi侵略を防いだ!?
  エコカー減税を国に働きかけて、無理やり市場にプリウスを選ばせた部分もあるわけですが、アウディが日本市場の定番高級車にいまいち成りきれていないのは、アウディ自身にも色々と問題があった気がします。「ディーゼル」とか「反日」とかそういう政治的な問題はどうでもいいのですが、結局のところ90年代に振り上げた拳で当時停滞していたBMWやメルセデスを叩くことには成功しましたが、アメリカ車や日本車が持つ技術的な支持を得られないままに、なんだかフワフワと『根無し草』のようなブランドになってしまったことは、「アウディの悔恨」として後世に語り継がれていくと思います。

90年代のメカAudiの万能感
  「何を言ってんだ?」って人もいると思いますが、90年代のアウディは、ホンダにも負けない高回転ユニットと、日産、三菱、スバルのAWDターボ軍団(いわゆるスカG、エボ、インプ)をも凌駕する高性能なシャシーとAWDシステム(クワトロ)を併せ持つ、ドイツ自動車産業の誇りだったわけです。それを思うと今のアウディは不甲斐ない。時代はかわり北米でも欧州でもSUVが大ブームなようですが、トルクベクタリングのエクストレイル、Eデフを装備したアウトランダー、デフロックこそないもののLSDを備えたフォレスターなど、技術的なポイントを押さえて投入される日本勢に対して、アウディのSUVのガラクタ感は半端ないです。

クワトロという名の詐欺
  昨年フルモデルチェンジした「アウディA5」は、日産GT-R/インフィニティQ60に対峙するモデルです。かつて『スカG』に対するドイツ最強のライバルという意味で君臨したアウディにとっては、このA5シリーズは特別なモデルだと思うのですが、アウディの関心はどうも新興国市場でバカ売れしているロングボデーのサルーンにばかりあるようで、A5は完全に後回しにされている感じがしますね。このFMCでも一体何が変わったのかいまいちピンとこない。しかもいつの間にか日本メーカー製のオンデマンドAWDを装備したクルマが「クワトロ」を名乗っているのはちょっと残念です。

日産の挑戦に見向きもせずに利益に走る!?
  それでもまだまだアウディの名声は生きていて、北米市場で攻勢を強めるインフィニティの主力エンジンになったVR30DETTは、アウディS5スポーツバック(北米仕様)の3L・V6の354psのユニット(EA839)をターゲットにした為に、特別に400ps版を設計したと日産の開発担当者はインタビューで明かしています。ちなみに北米市場ではEA839のツインターボ版は存在しないです(RS4アバント/RS5は導入されていない)、よって5400rpmがピークのEA839に対して、6400rpmのターボにしては異例の高回転ユニットにしたのも、アウディを徹底的に叩く為だったとか・・・。

もう少し日本価格が・・・
  北米ではS4が51000ドル、S5スポーツバックが54000ドルで買えるのに対して、日本ではS4が839万円、S5スポーツバックが913万円。ドイツメーカーではこれくらいの日米格差は当たり前なんですけども、ちょっと価格差が気になって日本ではS5なんてなかなか視界に入ってこない。しかし90年代のアウディの志をそのまま理解するならば、スカGやエボのようなグランドツーリングカーこそがこのブランドの魅力であり、そのど真ん中は間違いなくS5スポーツバックなんですよねー。

日本のAudiがダメな理由は顧客にある!?
  アウディジャパンは、そんなことをまるで気にしていないようで、せっせと廉価な横置きエンジンのクルマを仕入れて売りさばいているようです(それAudiじゃねーし)。350万円で数字が出せるクルマを多めに注文して量販するのは、日本車ユーザーをうまく引き寄せる現実的な戦略なんでしょうけども、正直言ってその内容はお世辞にも納得はできない(コスパがいいとは感じない)。やはりアメリカ向けと日本向けでAudiのイメージが大きく違ってしまう原因は、ユーザーにあるのかな!?

1.4LのAudiはもうやめてー
  北米向けのアウディは、直4なら252ps、V6なら354ps。非常にアウディらしいハイチューンなユニット『のみ』が使われていますし、RSともなると直5、V8、V10のみの特別なユニットだけを設定。ベースモデルとは全く違う異次元のマシンに仕上がっています。それに対して日本向けのアウディは1.4Lターボとかいう、今ではインドやパキスタンなどの新興国市場くらいでしか売ってなさそうなユニットが平気で使われているわけです(中国でも1.4LターボにDSGなんてもうとっくに廃止されているのに)。

ハイパワー/ハイトルクに合ったシャシーとサスなんだが・・・
  何が言いたいかというと、やはりアウディには北米市場で展開しているようなラインナップで、本当にいいクルマだけを売って欲しい。縦置きエンジンのA4なのに1.4Lや控えめな2.0Lのユニットを搭載したFF車になっていたりすると、これならA3の横置きユニットの方がロスも少なく乗り味も居住性も安全性も上じゃないかって思う。しかも高出力AWDを意識した4輪マルチリンクの実力をほとんど使いこなせていない。それだけじゃなくて、アシが粘るものだから余計にユニットが物足りないクルマだと感じてしまう。ハンドリングもスッキリしないし・・・。

FFのA5・・・
  2017年のFMCで登場したFFのA5スポーツバック543万円という不思議なモデル。日本でもアウディの本質に近づいてもらえる価格で!!という配慮なんだろうけども、「違うだろー!!」って心の声が聴こえてくる。アウディジャパンからクルマを買う立場の日本市場にとっては今後に期待を抱かせる一歩だとは思うのですけどね。アウディのグランドツアラーで『群長超え』ルートでも存分に味わえば、やっぱりドイツ車っていいよな〜という気分に浸れると思うのですが・・・。

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2018年2月8日木曜日

ルノー・メガーヌ(2018 / NO1) CMFの本気?

ルノーがドイツ車に挑む

  いまいちどこへ向かっているのかわからないフランスブランドのルノーです。欧州では主要市場で強力なVWグループを徐々に駆逐しつつあり、フランス本国はもとより、VWの本籍地であるドイツ市場にも侵略しつつあります。今ではVWグループのチェコのシュコダを除けば、ドイツで最も売れている国外のブランドになるらしいです。ちょっと前まではトヨタ、日産、MAZDA、スズキなどの後塵を拝していましたが、今では日本勢とは別格に売れているらしいです。

ドイツ車がつまらないからルノーが売れる!?
  ドイツ市場のユーザーはとっても素直で正直な人が多いようで、メカ的に優れている要素がはっきりわかるクルマなら例外なくそこそこ売れるらしい。歴代の日本車でもアコードCA(3代目)、P10プリメーラ 、歴代のMAZDA626、MAZDA6GG(アテンザ)、欧州カローラ(カローラランクス)、歴代エボ、歴代インプWRX、歴代スイフトスポーツなど、日本ではあまり人いがなくても、設計がやたらと意欲的な日本車はことごとく売れてきました。残念ながら日本車の大将格である『スカG』は、34が短期間のみの正規輸入でしたが・・・。

フランスブランドは「本格志向」
  そんな「メカ」好きなドイツ市場で『メガーヌGT』の販売が好調らしい。フランス車ってのはちょっとドイツ人からバカにされているところがあるようで、高速安定性は期待できないけど、デザインが独創的だからという理由でちょっとは売れているらしい。しかしPSAなどはかなり無視されているという話も。そんな中でメガーヌGTのようにドイツ市場を攻略しようというモデルも出てきます。「ドイツ人好み」のメカ的なフランス車は、以前にもあって、例えばプジョー406、407といった90年代2000年代のプジョーの看板モデルも「メカ」でドイツウケしたらしいが、リーマンショック以降のフランス車ではどうやらこのメガーヌGTが初めてかも。

VWはもはや完全に中国がメインだが、ルノーはまだまだ欧州中心。

  ルノーの販売で評価できるのが欧州市場でその多くが売れていること。欧州メーカーなのだから欧州市場でたくさん売るのは当たり前のような気がするが、ライバルのVWやPSAはすでにグローバル販売の半数以上を中国市場に依存しているのに対して、ルノーは6〜7割を欧州市場で販売している。欧州の「走り」の伝統で最も評価されている一般ブランドといってもいいのかも。低成長なはずの欧州に軸足を置きつつも、2017年は前年比10%の伸びを記録するなど、なかなか『ミラクル』な展開です。

トヨタが失敗した道を押し通る!?
  そんなルノー・メガーヌが「GT」グレードを前面に押し立てて日本市場にやってきました。スポーティと実用性を兼ね備えた「GTカー」&「ハッチバック」=『ホットハッチ』は、あのトヨタも一度仕掛けましたが日本では成功しませんでした。2000年頃にトヨタがカローラランクス発売で仕掛けた「Cセグハッチバックツアラー」を日本で売る!!という構想は、日本では全く受け入れられなかったです。しかしトヨタが失敗した地獄の道をルノーがやってしまおう!!という憎いまでの心意気には敬意を示したいです。


「ルノーは楽しい」という評価は定着するか
  シビックtypeRやゴルフRなど高性能なデフを装備したサーキット向け改造車ならば一定のユーザーは見込めるようですが、エンジン換装(排気量UP)とスポーティな足回りへの変更といった、クルマの使い方自体はそれほど変わらない程度のチューンだけを施して、「日本市場」で余分にお金を払わせるのはなかなか難しいんじゃないかと思います。幸いにCセグで200ps程度のユニットを積む車両の新車価格の相場がやや曖昧になっていて、ホンダ・シビックを基準とすると265万円くらいになります。果たしてここに4WSと派手なサポートが着いたスポーツシートなどの装備で差別化されたとはいえ、334万円のメガーヌGTは割って入っていけるのか!?

ルノー日産CMFの実力!?
  メガーヌに使われるプラットフォームは日産CMFプラットフォームです。これ業界では、MQB、TNGAに先んじて展開された共通シャシー化のトップランナーとか言われていて、欧州で大ヒットしたSUVキャッシュカイ(エクストレイル)とも同じものです。MQB、LMP2、TNGAと比べて、日本市場ではその実力が測定しにくいプラットフォームでしたが、エクストレイルを検分する限りでは、同クラスのSUVに採用される中では、最も優秀なモジュラー型プラットフォームという感触はあります。

北米セントラとの違い
  メガーヌGTに搭載されるエンジンは、1.6Lの208psのユニットで、北米セントラの上級ターボグレードと基本は同じですが、北米の日産版は188psなのでルノーによって特別にチューンが施されています。北米セントラと日本のシルフィは、どちらも旧型のBセグ用シャシーを引き延ばして使っていて、搭載できるエンジンもやや控えめです。CMF時代ルノー日産の本格的なCセグ車としては、このメガーヌと日産パルサー/ティーダが第一弾になりますが、日本に入ってきているのは今のところはメガーヌだけという状況。

国内生産でCMFの実力を見せて
  日本ではトヨタやVWによるメディア支配が進んでいて、TNGAやMQBはよく知られていても、CMFは知らないという人も多いです。TNGA代表のプリウス&C-HR、MQB代表のゴルフに対抗するような、ルノー日産グループCMFの大本命として登場したメガーヌですけども、とりあえず最初に乗った印象では、プリウス、ゴルフを蹴散らすに十分な操縦性が目立ちます。ルノー日産の熱いパッションが伝わって来るような、いい意味でトガった乗り味です。シートのせいもあるかも!?ぜひ日産にもNISMOベースに最適なピュアCセグを国内生産で期待したい。

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2018年1月31日水曜日

プジョー3008 & 5008 (2018 / NO1) 長所と短所が凝縮されている!?

『もはや俺たちの知っているプジョーじゃない』
『さようならプジョー』
(ニューモデルマガジンX・2017年9月号)

プジョーのアイディアが市場に届くといいな

  意地悪い『老害さん』達によるレビューが出てくるくらいに革新的なフォルムです。この手のオッサンたちにはもう日本メーカー傘下サプライヤーのミッションを使っているってだけでアレルギー反応が出るんでしょうね。シトロエン、MINI、BMW(FFモデル)、ボルボ、ポルシェカイエンなども軒並み低評価を食らうケースが多い。VWゴルフやルノーメガーヌだって他の市場ではアイシンAW製の6AT使っているのにー。

SUVはAWDじゃなきゃダメ?

  PSAはシャシーがAWDに対応できないという少々致命的な欠点があります(北海道にもディーラーあるけど)。まだHVもないですけども、スバルもHV無しで堂々と営業しているので問題無し。自動ブレーキはしっかり用意されています。N川という有名ライターは、SUVはAWDじゃないと納得できない!!とか書いてました。なるほど。しかしプジョーのSUVは『偽物』って感じの言い分にはちょっと反論したいかも。ラダーフレームじゃない時点でSUBARUもMAZDAもNISSANも偽物じゃねーか。しかもAWDといってもフォレスター以外はオンデマンドだから基本はFFだろーが。

日本車的なファミリーカー設計じゃダメ?

  PSAのEMP2シャシーのリアサスは、日本のファミリーカーでは定番のトーションビーム。日本メーカーのコンパクトカーやミニバンも基本的にはこのリアサスで作られてきました。MAZDAという一風変わったメーカーはミニバンにマルチリンクを使っていましたが、日本市場では思ったほど受け入れられず、失意のまま同じ足回りで今度はSUVを作ったら大当たりしました。マルチリンクならAWD化も簡単ですし。

トヨタがトーションビーム廃止宣言

  ちょっとPSAには辛い言い方になっちゃいますが、リーマンショックから立ち直るために策定した次世代モデルの計画は、もはや日本メーカーでは少々時代遅れになりつつあります。EMP2は欧州市場では十分に最大手のVWグループをキャッチアップできる設計ですが、日本市場ではトヨタが自社開発モデルでのトーションビームの廃止を宣言しています。今後はTNGA車とFR車(ラダーフレーム車含む)だけをトヨタが開発し、それ以外の小型モデルはダイハツなどのグループ内のOEMで済ます方針だそうです。

タイムスリップした感覚の設計

  BMWやメルセデスといった欧州市場でいうところの「プレミアムブランド」の設計でないと、トヨタの水準には辿りつけなくなってきています。MAZDAとSUBARUが育ててきたリアサスのスタンダードが、大手のトヨタ、ホンダ、日産を完全に動かしてしまった。そんな転換期に日本にたどり着いてしまった3008と5008は、少々無念ですが、日本のミドルミニバンのような設計で仕立てられたSUVという評価から逃れられない部分もあるでしょう。しかし(トーションビームのままの)ヴォクシーもセレナも日本ではダンパーを変えた純正スポーティ・コンプリートモデルがあったりするので、あとはプジョーの売り方次第じゃないでしょうか!?

プジョー・ジャポンは我慢が必要!?

  期待されたほどにはまだまだ浸透していないのか、それほどは売れていないプジョー3008です。やはりSUVの超先進国である日本市場はさすがにハードルが高過ぎたかも。クルマ好きのバカどもに売るには絶妙かもしれないですけど、日本の堅実なファミリー層にとって重要なのはやはり「信頼性」かと。アルファードやハリアーをトヨタ以外のメーカーが作ったところで多分ダメなんだと思いますね。

フランス人が作る「ファミリーカー」なんてちゃんちゃら可笑しい


  さらに余計なことを言ってしまうと、フランスって日本と比べて離婚率が高くて、そもそも子供がいても入籍しないままで過ごし別れていくらしい。ほぼ偏見ですけども、そんなお国柄で5008のような3列シートのファミリーカーがまともに設計できるのか!?って思う・・・。

日本のクルマ文化を理解しないクルマバカも多いけど。

  日本でのアルファードをはじめとしたミニバンのカルト的な人気は、日本の多くのカップルが一生同じ相手と過ごそうと思っているからであり、結婚後も両親とともに時間を過ごすからこその3列シートだと思うのですが、この素晴らしい日本ユーザーの嗜好/国民性を、「ミニバンばかりが売れるダメな市場」と徹底否定するカーメディア人ってなんなの!?

フランスが日本に家族愛を教えるっていうのか!?

  家族愛が広がる東アジア、東南アジア圏ではアルファードが900万円くらいで売られていて、日本市場と同じような3列シートが大人気です。ミニバンという東洋思想の産物が、欧州に最初に持ち込まれたのがトヨタ・エスティマとMAZDAのMPVでしたが、欧州人と日本のカーメディアはあざ笑っていたっけ。BMWもプジョーも今頃になって3列作って日本で売ることになるなんてね。あ、最初にミニバンを作ったのはアメリカのクライスラーですけどね・・・。




プジョーのイメチェンはまだ始まったばかり

  もともとの日本のプジョーのファンにとっては、プジョーにはSUVのイメージは乏しく、まだまだ心の準備がまだできていないですし、日本メーカーみたいなクルマ作りを露骨にされることでちょっと醒めてしまう部分すらあったのかもしれません。

プジョー好きは頑固だからなー・・・

  プジョーが好きで、ずっとオーナーですっていう人を何人か個人的に知っていますが、これが揃ってちょびっと変人ばかりです。他のメーカーに全くと言っていいほど興味がない!! そしてプジョーといえば・・・やはり208の一択らしい。中古車市場ではクーペ407やRCZがまだまだ手に入りますけども、あれも邪道なんだってさ。プジョー好きな奴はずっと208に乗るっぽいですね。まあこれから地道に新しいファンを開拓していくしかなさそうだな。もちろん応援してますけども。
  





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↓個人的にはプジョーといえばやっぱりこれ!!

2018年1月26日金曜日

MINI(2018 / NO1) 問題作だけど大ヒット・・・。

日本市場に怪物現る!!

  毎度のことですけども、ここで書くことが気に入らなければ、ほぼ嘘と断定してもらって構わないです。とうとう日本メーカーのデザインにまで大きな影響力を持ち始めたMINIブランドですが、日本市場ではあれよあれよという間に、月1000台を超えたなー・・・と思っていらた今では月2500台を販売するにまで成長しました。

BMWよりも高いこともある!!

  平均単価が300万円以上するコンパクトカーが月2500台売れるなんて日本もまだまだ元気だなーって気がしますが、300万円でプリウスを買う時にちょっと考えると出てくる選択肢かも・・・。メルセデスやBMWの底辺モデルは乗るのが恥ずかしいからMINIにしておこう!!というマトモな感覚の人に選ばれているようですけども、販売側もその心理を逆手に取るように巧妙なグレード設定がされていて、同じユニットを使っていてボデーも一回り以上大きいBMW車よりも割高になっているケースもあります。クーパーS買う時は「320iが400万円なのでそれと同じにして!!」と主張すれば値引きOKかも。

英国車に乗ってます!!の魅力

  それでも『ドイツ車乗ってます!!』っていうより『英国車乗ってます!!』って方がまだまだレアでかっこいいからか、MINIの人気は止まりそうにありません。別に批判しているわけではないですけども、BMW傘下に入って3世代目となったMINIですが、初代から15年余りでそのアイデンティティは徹底的に破壊されました。ジアコーサ式の横置きFF車という枠組みこそ守っているものの、左端からかなり右の方へと移行しました。アバルトがカローラになった感じ。

いい意味でデジャブ!?

  アバルトよりもカローラの方が絶対によく売れるのが日本市場ですから、3世代目の現行モデルが「プレミアム・カローラ」をテーマに開発されたなんてあまり知られてないですけども、かつてカローラに乗っていたことがある人ならば、座った瞬間に「懐かしい」感触が蘇ります。あ?これ褒めてますよ!!デミオのぎこちないレイアウトでも、フィットの素っ気ない感じでもない、紛れもない全盛期のカローラらしいディスタンス!!シートの調製幅などは、それなりなんだけども、やはりトヨタ車インテリアの温もりには作り手の真心が感じられる。

カローラを愛していた人が買っている!?

  そしてミッションも、そのまんまトヨタ!!最近のトヨタのFF車はCVTばかりになってますけども、2000年頃のカローラに使われていた、4ATは今考えるとプレミアムカー並みのハイスペック装備でした。このMINIは同じアイシンAWの後継となるトルコンAT使っているので、当たり前だけれども、加速のタイミングもカローラが蘇る!!ただしエンジンはBMW製のシャープなカムで、グイーンと息切れすることなく回るのでいいですね。これが2000年当時のカローラに積まれていたら・・・。ユニットは余力たっぷりで、いわゆるシャシーがエンジンに負けちゃってる感じではありますが、わざとそういう味付けを狙ったのでしょうけど、これは・・・ベタ踏みするともうまっすぐ走らないって!!

カローラとは決定的に違うところ

  元々は90psでコトコト走る、上半身揺らしてコーナリングするクルマだったのが、BMWの手が入ればあっという間にGTカーじゃねーか!?しかもまっすぐ走らない!! もっと褒めてあげてもいいのかもしれない。腕が要求されるクルマって嬉しいよね。厳密に言うと、シャシーが足りないのではなくて、タイヤグリップそのものとフロントタイヤを保持するアームやら、ハンドリングがややチグハグするところが、クルマのバランスを決定的に崩壊させている。俺って運転下手だな・・・と納得するしかない。

日本車へのアンチテーゼとして完全に機能!!

  しかしリニアなハンドリングを目指すセットアップなんて、本物のプレミアムカーでも完成しているものはほとんどないし、400psなんてユニットを積み始めた現在では、半機械制御のステアリングシステムじゃないとクルマ自体が成立しないらしい。日産がステアバイワイアを投入したのも、この状況を完全に見越したからだとか・・・。

ホイールスピン上等!!

  もちろんそんなギミックなどついていないMINIですから、アクセル操作のタイミングを誤れば、すぐにホイールはスピンし始めるし、ハンドル操作がちょっと雑になれば、何の前触れもなくクルマが横向きになる!?くらいのタックインすることも。FRのBMWのようなフラットなクルマ乗ってる人が、ちょっと踏み込むとヒヤリとするんじゃないでしょうか!?FFこわーい!!ってなる。

FFの『二大流派』をクロスオーバー!?

  誤解を恐れずに言うならば、FF車には2つの大きな勢力があって、1つはVWとMAZDAが推し進める「フラット」な乗り味で高級感を演出するタイプ。もう1つはホンダ、フィアット、スズキが信じる「上半身で曲がる」タイプ。前者は中型車用エンジン (2L級)を載せたい派で、後者は小型車専用エンジン(1~1.5L級)にこだわる派。

4代目を見ないことにはジャッジ不能・・・

  つまりBMW傘下のMINIは、初代は90psチューンの1.6L自然吸気を使った後者であり、二代目もPSAと共同で開発した130ps程度のプリンスエンジンを使っていてまだ後者の一員であったものの、現行モデルになってBMWと共通の2Lユニットが搭載されるようになり、いよいよ前者へと移行しました。ホンダのシャシーを下敷きに始まっているモダンMINIですけども、その現在地は「前者」と「後者」のちょうど中間あたりを大きく蛇行しています。

誰かドイツの馬鹿どもを止めてくれー!!

  ちょっと知られた某英国誌が言うには、あと数年のうちにCセグの「ホット」な走りをするゾーンは完全にメルセデス、BMW、アウディの「三国志」になるんだとか。そうなると『前者』も『後者』もなくドイツの規格外だけを武器にしたひたすらなる「暴力」が全てを支配するジャンルになるんだろうな。確かにもうマツダもスバルもやる気は全くなさそうだ・・・。上からプレミアム勢による「ユニット」の支配が及び、Bセグ出身のMINIは現行モデルですでにCセグに軸足を移していますが、下からアブノーマルなMINIがCセグの盟主として日本市場で対抗する!?

・・・そもそもCセグってなんだっけ!?っていうカオスな疑問だけがグルグル回る。シビックtypeRやフランス勢がオモチャに感じられるほどにクレイジーなドイツCセグが無益な争いをするらしい。ふーん。



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2018年1月22日月曜日

メルセデスCクラス(2018 / NO1) セダン復興の神が現る!?

シンプルさで『孤高』の存在!?

  昨今の日本車のDセグメントは、やたらとハイテク満載で上昇志向の塊みたいなクルマが多いですけど(スカイライン、カムリ、アテンザなど)、それに対してドイツの名門プレミアムブランドとなると、同じDセグでも方向性がまるで違っていて、なんともシンプルに『洗練』されたパッケージのクルマになります。あまりゴチャゴチャとした要素がない。素っ気なくそ物足りないと感じる人は日本車に乗ってろってのがメルセデスの主張というか、敷居の高さを感じます。

メルセデスの好調にはワケがある。

  未使用のC180なら400万円でお釣りがくるくらいの価格。Cクラスと比べてちょっと幅がタイトだけども(それがいいという意見も)、211psのユニットを積んだAWDモデルのCLA250も450万円程度で未使用車がたくさん出てます。日本車の価格がそれなりに上がったことで、400万円台ならば割高感もそれほどなく、憧れのメルセデスに乗れるのだから買う人の気持ちもよくわかる。しかも日本車を移植したような出来のFFのAクラスではなく、メルセデスが長年作り続けてきたFRシャシーと立て置きミッションが載っているCクラスが400万円以下ってのは嬉しい。

Cクラスのマーケティングは冴えている

  日本人は元々からFR好きというのもありますし、このクラスのプレミアムブランド車の中で他に見当たらない妥協なき『世界観の構築』を掲げたクルマという美点も非常にわかりやすいです。消耗戦になりがちなスペック競争ではなく、「センス」で勝負!!という割り切った判断で完全勝利しています。メルセデスが声高に(どっかの日本メーカーみたいな)「イメージ戦略」を叫んでいるわけではないのですが、10年前のメルセデスとはまるで違う『感触』しかないインテリアは、Sクラス、Eクラス、Cクラスだけでなく、Aクラスとその派生のボトムグレードまでもしっかりと貫かれていて、これがなかなか和みます。エンジンスペックなんてどーでもよくなる。



(レクサスISを喰った)Cクラスの劇的変化

  2000年頃のCクラスは、ユーザーからもほぼメルセデスと見なされておらず、Dセグメントサルーンとしても見るべきものが少ないなど、非常に存在感が薄かったわけですが、ちょっとビックリなのは、その当時の価値観(バランス良いスペック)を変えることなく、気がつけば日本市場で最も売れるDセグへとのし上がりました。『C180』とは1.8L自然吸気相当のユニットを積んだモデルなわけで、その走行性能はトヨタが今も国内専用で作り続けていて、1.5L/1,8L/2.0Lの3段階の自然吸気ユニットを使うプレミオ/アリオンみたいなクルマです。

Cクラスが日本市場を撃ち抜いた!!

  プレミオ/アリオンをレクサスで売ればほぼCクラスみたいなもの!? 駆動方式も違うし、ボデーサイズもグローバルモデルのCクラスが一回り大きいわけですが、Cクラスとプレミオ/アリオンに共通しているのは、むやみに「スポーティ」だとか「ラグジュアリー」だとか変なキャラ付けをせずに、「中型車の本分」を守って淡々と開発が進められた(守り抜いた)ことで、それが個性となり逆にコアなファンを獲得していること。

計画的な販売戦略も素晴らしい!!

  確かにCクラスには超絶スペックを擁するAMGモデルも存在するわけですが、月に2000台を超える販売の主流はもちろん素のモデルです。現状の日本市場では400万円前半の「C180」に加えて、シンプルなパッケージを意識して500万円以下に抑えた「C180ローレウスエディション」が、未使用中古車の実勢価格400万円で流通しており、これが発売から3年が経過してもなお好調を維持しつつ、さらなる販売拡大をみせる快進撃に大きく貢献しているようです。

Cクラスの作った道に、ホンダのあのクルマが・・・

  走りに関して過剰なまでにハイテクになっている新世代の日本車勢を抑えて、必要最小限スペックを「掲げる」Cクラスとプレミオ/アリオンが販売で優位に立っているという状況となっています。これは日本が単純に高齢化しているからという理由だけでは片付けられない、クルマに関する新しい価値観がDセグにおいて生まれつつあるという、全く新しいトレンドではないかと思います。

中型車の美徳ってヤツですねー

  156psの1.6Lターボを使うC180が441万円、184psの2Lターボを使うC200が530万円なのに対して、同じメルセデス製211psの2Lターボを使うスカイライン200tが416万円という設定でもCクラスが売れるのは、値引きというカラクリこそありますが、10年前なら消極的だと思われていた『C180』のスペックのバランスの良さが受け入れられている部分もあるんじゃないかと・・・。Cクラスの大成功を受けて、ホンダはシビックを日本へ!? そしてトヨタはどう動くのかな!?

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↓28年式、29年式がAMAZONでもたくさん出てます
    


2018年1月14日日曜日

VWゴルフ(2018 / NO1) 『神』と『哲学』




ゴルフに「全面降伏」ってさ・・・


  プリウスが月に10000台以上売れていて、VWゴルフが2000台『しか』売れない。300万円くらいの予算で、そこそこ名前が知られたクルマに乗っておこうという『中流』感覚な人々はまだまだたくさんいるし、なんだかんだ言っても「プリウス/ゴルフ」周辺のクルマの日本での使い勝手はとても良好です。

  個人的な見解ですけども、Cセグの販売が振るわなかったのは、団塊世代のリタイア直前の時期の現象であり、還暦くらいの人々にとっては日本車のCセグは「安物」に感じる一方で、VWゴルフは40年刷り込まれた「輸入車」のステータスを維持する独特なCセグという扱いだったのじゃないか!?そして楽観的な憶測だけども、これからCセグは売れるようになるのでは!?

ゴルフ、カローラ、シビック一番売れたのは!?

  あと1、2世代のうちにCセグは日本から消えてなくなる!!みたいな予測を立てるプロのジャーナリストもいるみたいですけど、プリウス、ゴルフといった売れるべきクルマはしっかり台数を稼いでいます。その中で40年にわたって日本にも輸入され続けてきたVWゴルフが、しばしばカーメディアで「Cセグの主役」と囃されるのはある程度納得できます。

  その一方でカローラは連続的な開発とは言えない経緯があったし、シビックは日本から離脱していた時期があったけど、それはトヨタやホンダにとって日本市場の虚ろいに踊らされただけじゃなく、トヨタやホンダの幹部もカローラやシビックを「安物」としか見ていたかった部分のあったのだと思う。その時点でカローラやシビックはVWゴルフには勝てないと断じてもいいかもしれないけど、メーカーもライターもユーザーもオッサンはみんな「安物」と断じてしまった世代の『文化的な乏しさ』でドイツに負けたと言っていいのかもしれない。

ゴルフの本当の価値について持論

  マツダのアクセラも、ファミリアの系譜を引き継いでいるのでゴルフに匹敵するキャリアがある。インプレッサやオーリスはまだまだゴルフの半分程度の期間しか経過していない。なのでカーメディアは「ゴルフ凄いね!!アクセラ凄いね!!」ってとりあえず言ってるようだ・・・。

  長い期間販売してそのフィードバックからさらに改良して40年なのだから、ゴルフもアクセラも良くて当たり前。・・・なんですけども、日本の自動車ライターの手にかかるとここから先が大きく歪曲されます。あ?先に断って起きますがゴルフを貶すつもりは毛頭ないですよ!! 「ゴルフは常に時代の最先端」とか何のためらいもなく書けるオッサンライターに訊いて見たい。ハッチバックのボデーはゴルフが最初なのか!?FF横置きユニットは?ダウンサイジングターボは?DCTは?

「ゴルフ7は神」という某有名ライターは・・・

  「どこが最先端なのか?」そこを直視しないでゴルフを語るから、変な『神格化』がすすんでしまうのかな。VWは『神格化』され万能であるべきだったが、ご存知のようにまさかの大クラッシュを起こします。『神』ゆえに大クラッシュです。トヨタが同じ子をも大きく騒がれる出しょうけども、日本向けカローラにゴルフと同じような業界に衝撃を与える影響力があるかどうかは相当に疑わしいです。

  VWの本質は『神』ではなくて、その『哲学』を通して他社のアイディアを冷静に分析して、貪欲に取り入れつつVWなりの見解、主張みたいなものがうまくできているから、ゴルフはファンが多いクルマだと思うんですよ。もちろん神格化したカーメディアだけが悪いというわけではなく、彼らを操縦しているVWのプロモーション戦略も過剰なところはあったと思いますけども。

  ゴルフ7とアクセラ3は間違いなくCセグの基本スペックを押し上げたのは、まあよっぽどのひねくれものでない限りは同意すると思います。ゴルフとアクセラが「粘った」結果、シビックが日本でも復活し次期カローラも近々同じような方向性で参入してくるらしいです。VWとマツダはそれぞれが掲げる「理想」を拗らせつつも、欧州から再びクルマ文化が湧き出す未来を夢見た部分が「少し」はあったからこそ新しい展開があった!?(そこがトヨタやホンダとは違った!?)。

  VWもマツダもそれぞれにCセグの進化のために新開発した機能もあるけど、やはりゴルフやアクセラの「魅力」は、これまでのクルマ文化の集大成として、堂々とクルマを仕上げる「自信」だと思う。ゴルフは、アクセラは、これまでのCセグの全てを飲み込んだ(パクった!!)からこそ、この2台に乗ると、ふとしたステアリング、シート、サスの動きのしなやかさ一つ一つから感動が「染み出してくる」と錯覚してしまうのかもしれない。Cセグの定義はまだまだ完成してはいないけど・・・。


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2018年1月10日水曜日

SMART (2018 / NO1) 日本車へのリスペクトから生まれた!?

最初はキワモノに見えるよなー

  「これクルマか!?」・・・うーん。人間が乗って移動できるがクルマの定義だとするならばクルマだな。しかし世の中には「ポルシェとマツダ以外は認めねー」みたいな奇人もいるから否定されることもあるかも。「RWDしか認めない!!」と言ってる人なら・・・。

東洋の小さい芸術

  スズキやダイハツが作る「小さい芸術」こと軽自動車は、欧州市場で大々的に市販されている訳ではないが、東洋の神秘としてフェラーリのデザイナーの愛車になっていたりするらしい。最近に始まった話じゃないけども、山が多くて狭い日本やイタリアみたいな国で無意味にデカいクルマを走らせる必然性って何だろう。中国人の真似か!? レクサスのフラッグシップなんて全長4400mmくらいのサイズで作ったら世界が注目するよ!!今こそブレビスじゃね!?

ダイムラーの夢!?

  東洋の神秘に刺激を受けたダイムラー社が、新たにスマートというブランドを時計メーカーとのコラボで作り、そこにM&Aで手に入れた「世界の三菱」の最先端技術を注ぎ込んで作ったのが初代スマートだったけど、そもそも軽自動車が三菱のフィールドではないってのもあったのか、見事に大コケ。それでも「小さい芸術」の価値を信じて疑わないドイツ人は、ルノーを誘って『メイドインEU』で作ることに。






全てが機能的

  いきなりブラバスのチューンモデルで、やり過ぎなホイール径に目がテンになりますが、タイトなトレッドで最大限の旋回性能を引き出すならば扁平タイヤも一理あるのかも。単純に限界性能が高そうと思わせる視覚効果だけかもしれないですが・・・。

走行性能よりも機能美

  2ドアモデルだと車重は960kgで90ps出る直3ターボならば、直線だけならなんとかS660をちぎれるんじゃないかと思われます。「欧州版サンバー」と揶揄されるほど寸法が日本の軽バンの設計をパクっていて、RWDを支えるリアサスもストラットではなく、ドデオンじゃないか!!同じサス形式のRWDといえばホンダ・バモス。S660はストラットを使ってます(基本的には86と同じ)。

極端な設計(RR)は間違いではない!!

  ちなみに兄弟車となるルノー・トゥインゴも同じサス形式です。ルノーといえば「GT」や「RS」「RSゴルディーニ」ですが、「小さい芸術」には直3ユニットしか載らない。ターボチャージャーもIHIのコンパクトなポンプがつくだけ。欧州車では常識となりつつある直噴化もしない。でもそれでいいと思います。無理にメルセデスに近づけて、Aクラスと同じエンジンを積んだところで、どんどん原点=「小さい芸術」を見失っていくだけじゃないかと。BMW傘下の某英国ブランドの変容っぷりには呆れます・・・。あれを喜んでいる奴はちょっと趣味が悪い!?



やはり・・・完全EV化

  幸いなことに、ダイムラーもルノーも「日本の軽自動車をリスペクト」という姿勢を履き違えていない!!・・・と感心していたのですが、ここにきてちょっと異変が起きています。途上国への支配をさらに強める方針のルノーは『3K』(3000ユーロで利益出せるクルマ)戦略モデルと位置付けていますが、OECDの年間所得50000ドルクラス(日本の1.5倍の水準)を狙い撃ちするスマートは2020年に「完全EV化」を打ち出しました。



 BMW「イセッタ」というアイコン

  VWグループはすでに(スズキを散々に利用して)『3K』戦略を遂行しているし、BMWの歴史のスタートにはOEMだったとはいえ「イセッタ」という可愛らしいモデルがある。オペルにもスズキと一緒に作った「アダム」という愛されキャラがいて、ダイムラーグループも「小さいの」が欲しかったようですが、今度は「日本の小さい芸術」に、日本メーカーから接収したEV技術(これに関しては三菱でEV開発を担当していた人が恨み節を書いてますね・・・)を載せて、欧州の感覚で飾り立てて(稼ぐ)。・・・まあ経緯はともかく結構なことじゃないですか。

スマートは「日本の心」を持っている!!

  今はスマートの経営から身を引いているスウォッチ。このメーカーも元々は偉大なるSEIKOへのリスペクトから始まったクォーツに特化したブランドです。スウォッチもスマートも東洋から生まれる技術に敬意を払って、その文化を自らの手で保存・普及していこう!!という非常に欧州文化人的なマインドのブランドなので、日本市場も好意的にリアクションすればいいんじゃないか!?と思います。2017年の東京MSで唯一乗ったクルマがスマート・ブラバスでした。ドアの質感もこだわっていて良かったですね。一度所有してみたいと思いました。EV買うならスマート!?来年には発売されるのかな!?

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↓初代スマートはスバルR1を三菱で作ろうとしていたのか!?