2014年2月27日木曜日

BMW2クーペ 「限りなくポルシェに近いBMWが再上陸」

  おそらくライバルのメルセデスに日本市場でかなりの差をつけられて、焦りまくっているBMWジャパンが矢のような催促をしたであろう、BMW M235が早くも日本で発売になりました。ちょっと自惚れ全開で申し訳ありませんが、4シリーズが発売されたときに生意気にも「さっさと諦めて2シリーズクーペを持ってこい!」みたいな事を書いたのですが、おそらくBMWジャパンの方々も同じこと考えていたんだと思います。

  去年の9月か10月頃に南アフリカのBMW生産工場(ロスリン)でラインオフという海外ニュースがあり、本国ドイツでの価格発表など無かった?まま、いきなり日本で発売。BMWが日本市場のためにわざわざスケジュールを変えてまで頑張ってくれたのかなという気がします。先日M3/M4の価格が発表されましたが、M235(6MT)はM4の半額程度の584万円! 先代の135クーペからの値上げも20万円程度に抑えられていて、先代よりも大幅な軽量化&パワーアップですからこれは素晴らしいんじゃないですか?(追伸:最新刊AUTOCARによると重量増だそうです。がっかり。)

  昨年に発売されたライバル車のA45AMGは予想以上に人気のようですね。さすがはAMGブランドの威光。東京や横浜周辺で大繁殖というほどではないですけど、青いラインが入った限定車カラーのクルマは休日なら1日で何台も見かけます。このクルマの他にドイツ勢のライバルは「アウディTT-RS」「ポルシェケイマン」といったところなんですけど、比較するとM235がいろいろと魅力的な気がします。

  MT設定が「ケイマン」「M235」の2台。やはりこの手のクルマの醍醐味は箱根などの急峻な峠を軽量ハイパワーで軽快に駆け上がることなので、操作感にもこだわりたいところですが、パドルよりも体のダイナミックな動きが好きな人はやはりMT操作。ちなみに「A45AMG」はAクラスの最悪なコラムシフトではなく、ちゃんとシフトレバーになってます。

  AWDの「TT-RS」「A45AMG」とRWDの「ケイマン」「M235」と分かれるのですが、あれれ・・・実は峠で大切なトラクションでおそらく最も不利なのが「M235」かも。そこは腕でカバー? ハンドリングに関してはRWD勢が絶対的に優位。信号のない峠道ではAWDが優位な発進加速はあまり必要ないので、日本向け峠マシンという特性に重きを置いて開発されているのは「ケイマン」「M235」の2台でしょうか。AWD勢は高速道路で優位です。ランエボのように瞬く間に車線変更をして先行車をパスする能力は非常に高いですね。

  価格はというと、やはり世界的にAWDは高いという常識がそのまま適用されていて、単純に本体価格で比較するなら「ケイマン」と「M235」がいくらかお買い得です。この2台をさらに比較するとNAの「ケイマン」とターボの「M235」。普段から「ターボは日本に要らない」と主張している立場としては「ケイマン」推しですが、これはあくまでスポーツカーなので「M235」もいい気がします。

  重い車体に不釣り合いな小さなエンジンを無理矢理ターボで動かすような欧州車は日本の道路ではかなり非効率なんです。技術系雑誌などでは常識ですし、欧州でも最近では道路事情が日本化してきてダウンサイジングターボじゃなくてEVやHVを使うべきだという議論が英国カーメディアでもされているので、それをブログで書くと「なんて無知で情弱なブログ」だと罵声を浴びます。どんだけディーラーに丸めこまれてんだコイツら・・・。こういう人々は欧州ターボ車でどこぞのデパートの立体駐車場の壁でもブチ抜いてダイブするまで分からないと思います(その前に死ぬかもしれないですが)。

  「M235」が直6ターボ、「TT-RS」が直5ターボ、「A45AMG」が直4ターボ、「ケイマン」が水平6NAとエンジンタイプが見事に分かれていますね。最も低価格の「M235」がこの4台では一番素性の良いエンジンを載せています。なによりも直6エンジンは振動が少なくなる理想的な設計が最大の長所です。軽量化が図られているスポーツカーならばその影響はさらに大きくなります。この中では一番振動がヒドいであろう「A45AMG」のロングストロークの直4エンジンもバランサーシャフトという部品を組み込むことで、機械的に振動を打ち消しているので、まあそこまで気になることはありません。「ケイマン」の水平6エンジンとはV6エンジンを理想的に振動が発生しない角度にしたもので、さらにV6並みにコンパクトでクルマの設計において有利になります。

  この4台はセカンドカーとしての位置づけなのであまり普段使い(チョイ乗り)や通勤にはオススメしませんが、実用性では唯一の4ドア車「A45AMG」が圧倒的に有利。残り3台はどれも同じようなものですが、2シーターの「ケイマン」が一番融通が利かないタイプでしょうか。ただ個人的な意見としては、3人以上のドライブがなんとか可能なのは「A45AMG」だけで、このクルマも後ろに人を載せて走っていると周囲から見ると狭苦しそうで、クルマの優雅さ?が台無しです。4台ともあくまで2人乗りです。



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   ↓M235でこれ聞きながら峠走りたいっす!
  

2014年2月18日火曜日

ルノー・キャプチャー 「ルノー版ジュークを日本で売る日産の魂胆」

  日産というメーカーは難解だ。世界で一番無責任でやる気がないメーカーと批判する声が聞こえてきたかと思うと、世界最高の技術を惜しみなく投入し日産でしか作れないようなとんでもないクルマを作ってくる。日本車で一番安易なクルマをタイで作らせながら、一番複雑なクルマを栃木でゆったり組み立てている。フォードやホンダが全てのラインナップに魂を込めてブランドを十分に味合わせるように組み立てているのに、日産は徹底的にユーザー本位で、安くて気軽なクルマも作るし、GT-Rみたいなクルマも作る。ホンダと日産のどちらが優れているかを判断するのは単なるエゴでしかないのかもしれない。

  日産は叩かれることを恐れない。現行マーチは日本の登録車の水準を大きく下回っているかもしれないし、新型スカイラインは確実にオーバースペックなのかもしれない。まるである種を批判を誘発することが趣味であるかのように、問題作ばかりを連発する。このルノー・キャプチャーの元ネタと言えるジュークもその奇抜過ぎるデザインを見ると、日産は一体どこまでが本気なんだ?と首を傾げるほどのぶっとび具合だ。それでもなぜか売れる。気持ちいいくらいに売れる。

  世界のジャーナリストも日産のクルマにはやや呆れ返ったようなコメントをストレートにぶつけるのを良く目にする。日産キューブ「日本でカルト的人気を誇る2BOX。なぜ人気があるかはまったくもって不明。(ドイツメディア)」。キューブには激しくツッコむくせに、ジュークには「キュート」という謎の形容をするドイツメディアの方がオカシイという声もあるけど。日本では「でっかいゴキブリ」と言われるジュークはよく見ると、ドイツ車のカ◯エンに似て無くもない。

  日産の冷静な評価は、欧州では最も成功しているSUVメーカーであり、日本では最も成功しているミニバンメーカーだ。セレナもエルグラも最終的にはトヨタ・ホンダを退けたと言っていい。日産は確かに変態メーカーだけど、それと同時に器用さを持ち合わせている。欧州でもキャッシュカイ(デュアリス)という中型SUVを大ヒットさせ、新たにジュークを投入するとこちらも大ヒット。このSUVラインナップはドイツでもフランスでもイギリスでも大人気となっている。

  ルノー日産グループはジュークのヒットが醒めやらぬ中で、新たにルノー・キャプチャーを投入すると、今度はデザインの良さも相まってジューク以上に売れているのだとか。ジュークは一般にノートのクロスオーバーモデルと位置づけられ、キャプチャーはノートの姉妹車にあたるルノー・ルーテシアのクロスオーバーモデルだ。ジュークは日本と欧州で共通の1.5NAと1.6Tの上下2ユニットで構成されているが、キャプチャーはルーテシアに使われる日産製1.2Tをそのまま流用している。

  よってジュークとキャプチャーの差別化はエンジンスペックからして異なるので、十分に配慮されてはいるのでしょうが、やはり輸入車なので割高な価格設定で、1.2Tのキャプチャーが価格で1.6T(190ps)のジュークを上回る。クルマの基本設計は同じで、デザインとエンジンが異なるのですが、やや物議を醸しそうな価格設定を平然とやってくるルノー日産の図太いマーケティングには、「クルマ離れ世代」に向けての新たな戦略といった要素が含まれているのだろうか。このキャプチャーの日本発売はいろいろと考えさせられることが多いと感じる。
  

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2014年2月13日木曜日

フォード・マスタング 500万円台のV8マシン

  V8エンジン搭載のモデルが本体価格570万円。潔癖性で新車しかうけつけない私にとってはフォード・マスタングは月に1回くらいは乗ってみようかなという気持ちにさせられます。詳細が乗っているアメ車専門ムックを本棚から取り出して見てみる。価格やスタイリングには大満足なので最初はルンルンなのですが、読み進めていくと「ちょっと待てよ・・・」となる。

  まず最初のネガティブなポイントは「内装」。まあ格安車なんだから文句言うなという意見もあるでしょうが、もうちょっとなんとかして欲しい。もしショップに持っていってリフォームしたらどれくらいの見積もりが来るのかな。いつもヘアカットしてもらってる美容師さんと雑談してたら、木目だろうがピアノブラックだろうがパネルはいくらでも自力で処理できると言っていましたが・・・。材料費5万円で良しとしましょうか。

  次に「スペック表」に見える後輪サス「3LR」。なんじゃこりゃ?ひたすら調べる。「3リンク・リジッドアスクル」というらしい。リジッドアスクル自体はキャデラックなどアメ車の大型車では割と当たり前に使われているみたいだ。しかしライバル車のシボレー・カマーロはレクサスや日産でおなじみのマルチリンク。まあでもこれだけ大柄なクルマならサスのストローク量も十分にあるだろうし、日本車とは意味合いが違うのだろうと、納得しかかっていたところで・・・。どうやら次期マスタングは「独立懸架式」(おそらくマルチリンク)になるらしい・・・? え、それなら次期モデルを待った方がいいのかな。しかしモデル末期の在庫車は魅力ですが。

  現行と次期モデルと比べて最も悩むのがデザインでしょうか。現行デザインの方がキャラが立っていて、前期モデルよりややおとなしくなったと言われる後期モデルでも貫禄十分。しかも孤高のブットんだデザインというわけではなく、フォードの他のクルマよりも日本人の感性に合った優美さがあります。その一方で新型は・・・。確かに目新しさがあるのですが、あまりにも小綺麗になり過ぎてないですか? 一目見てマ◯ダア◯ンザみたいです。どうもモンスターマシンの片鱗みたいな要素が見えてこないです。

  新型は2.3L直4ターボが新たに設定されるようで、直4でも似合うようなこじんまりしたデザインへ変更されたということか。フォードで2.3Lターボと聞くと、これはMSアクセラか?と思いましたが、ボア×ストロークが全く違ったのでどうやら別のエンジンのようです。とりあえずFRに直4ターボ載せる3BOX車は完全否定の立場なので、このグレードには全く関心はないですね。マスタングと言えばV8だと思うので、やはりV8に相応しいデザインで良かったのではないかという気がします。

  日本市場のラインナップでは格安ということになっている、フォードマスタングV8GTですが、一番買う気分を沈めてくれるのが、このクルマの北米での価格です。日本円で約300万円ほどしかしません。つまりアメリカで売られているBMWの最底辺グレードの3シリーズとほぼ同じです。3シリーズの日本価格は430万円程度ですから、インポーターがだいぶボッタクっているようです。しかも正規輸入でも左ハンドルしかないので、もう並行輸入業者に頼んだほうがいいのではという気がします。日本価格を約2倍に見積もっているくらいなので、アメ車のモデル末期の値引きは相当良いのではと期待できますが・・・。さて動くべきか?

  
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