2017年1月30日月曜日

BMW・Z5 ブランド初の専用設計FRスポーツ!?BMWもいよいよ本物かい。

  最近のカーメディアの流行のワードは、「(日産の)プロパイロットは初心者レベル」みたいです・・・。一体どこのスポンサーがそう言わせているのやら。カーメディアでは指定したワードを1回使うと相応の金額が振り込まれる仕組みがあるようですね・・・。そんな茶番はもう2013年で懲り懲りですわ。「世界のベンチマーク」「クラウンに匹敵する静粛性」なんて噴飯ワードがカーメディアに何回出て来たことか・・・。まあ自動運転の広まりに警戒感・嫌悪感を示す自動車ライターが自発的に使っている可能性もありますけどね。「技術の日産ももう昔だね・・・」とか結構露骨にディスってますけど、RJCでセレナ選んだのはオマエらだろ!!!

  島下さんが年末に発売した「間違いだらけシリーズ」の中で、「自動運転の時代がやってきたらもうBMWやマツダは買わなくなる」とかもっともらしいこと書いてましたけど、そもそもそうなったらBMWやマツダを好んで買っていた輩にとってクルマを所有するメリットなんてあるの? 島下さんは「そうなったらレクサスかメルセデスを買う」とか続けてましたけどね、移動手段としてのクルマって実際そこまでポテンシャル高くないですって・・・。東京に住んでいるとせいぜい福島や長野、岐阜くらいが守備範囲で九州のオシャレなリゾートホテルまで行こうなんて思わないですよ。

  自動運転が出来たら移動中は寝てられるとか言ってますけど、近所で冬になるとあちこちでやっている道路工事での片面通行すら突破できねーんじゃないか!?という気が。寝て起きたら全然知らないところを走っていたら怖いっすよね。自動運転の広まりは実際にクルマつくるメーカーがもっとも真剣に社運を賭けてシュミレーションをしているわけで、安倍首相がいくら宣言したって無理なものは無理じゃないの!?って気がするんですけどね。

  しかも自動運転の機運が高まっているタイミングでトヨタ&BMWが共同で専用設計スポーツカーを開発したり、メルセデスが2シータークーペ(SL、SLC)の新型モデルには専用設計シャシーを与えると発表したわけです。自動運転の時代が目前に迫っているけども、ドライビングを愉しむクルマの需要はさらに伸びることに確信を持っているといってよさそうです。各メーカーがそれぞれに「より魅力的なドライビングカー作り」に邁進する姿勢がハッキリしているワケですから結構なことじゃないですか。あと10年もしたら路上を走るドライビングカーのほとんどが、WRC、TCR、GT3規格の普通車と、マツダやロータスくらいにエキサイティングな専用シャシーのピュアスポーツカーだけになる!?

  トヨタは今年からWRC参戦し、スーパーGTにも参戦中、そしてピュアスポーツによるドライビング革命を目指して発売された86も5年経ってもなお月に1000台以上(BRZ込み)売れるモデルへと成長しました。そして今年はいよいよBMWと共同で開発したスープラが復活を果たす見込みです。ドイツで100年の歴史を誇る名門ブランドをいよいよ「ピュアスポーツ」の領域に巻き込んだのはお手柄だったと思います。BMWはちょっと前にi8という「?」なスポーツモデルを登場させ失笑を買いましたが、そんな相手を「ピュアスポーツで直6を回しましょう!!」とでも言って励ましたのでしょうか・・・。

  まあZ3やZ4をずっとスポーツカーだと思い込んで来たBMWファンにはちょっとショックかもしれないですが、どちらもあまりにも「上っ面」だけのクルマだったですね。マツダ・ロードスターのようなピュアスポーツには必須の哲学もなければ、日産やポルシェのような「最速に懸ける意地」ってのも無かった。ただただ中途半端な客に売れればいいっていう下衆な存在。・・・まあフェアに言えば他のメーカーにも似たような立ち位置のクルマはありましたけどね。Z4か86どっちか好きな方が貰えるなら、私は絶対に86貰いますね・・・この2台なら座った瞬間に86が上だって気がつく。

  これが全長4600mmを越えるGTセダンになるとトヨタとBMWの立場がすっかり入れ替わるんですよね。マークXとBMW4erグランクーペだと完全に4erグランクーペが欲しいレベルです。マークXとBMW3erだとあまり差はないんですけども、4erになると真面目にハンドリングを仕上げました!!というエンジニアの情熱にほだされます。マツダ乗ってると4erの凄さがよーくわかるんですよ!!なんでBMWはもっとこのハンドリングをアピールしないのか不思議なくらい。これに比べたら1erや3erのハンドリングなんて軽く「故障」のレベル(なんでこの程度で満足できるか不思議)。

  フォードとともに世界の恵まれないスポーツメーカーを助ける慈善活動に従事するトヨタ。英国のスポーツメーカー(ケータハム、ゼノス、ラディカル、ジャガー)にマツダの旧式エンジンを供給するフォードに対して、英国ロータスに4気筒&6気筒を供給するのはトヨタ。そして英国MINIにはBMWのモジュラー3気筒&4気筒が。いよいよ欧州にも羽ばたいたフォード・マスタングは英国トップギア誌にも頻繁に登場するなど人気ですが、ユーロNCAPでは二つ星という大失態を晒しました。ちょっと前にフォードの撤退後はマツダブランドで売れ!!とか提案しましたけど撤回します(笑)。

  各国でハンドル位置の固定が法制化されているようですが、同じ右ハンドル国として日本とイギリスはこれからは開発面でより緊密な関係を構築することが大事になってくるでしょう。トヨタとのジョイントでBMWも右ハンドルでイケるクルマになるといいですね。右ハンドルのコクピットの左足スペースを圧迫するクソZFなんかさっさと降ろして、アイシンの10速使わせてもらったらいいんじゃないの? さて新しいZ5/スープラにはどっちのミッションが積まれるのでしょうか? いやいやもちろんMTを設定してくれると信じてしますが、それでもお買い物車として間違って買って行くセレブなバーさんもいるでしょうから、その2ペダルはZFなのか?アイシンAWなのか?・・・それともアイシンAIのツインクラッチか?いやいやゲトラグか?

  ミッションとサスペンションの選択がクルマの性格を決める!!ってくらいに大切ですが、やはりブランド内の役割分担として3er(マークX) ⇒ 4er(マークX・G's) ⇒ Z5(スープラ)というグラデーションでユーザーのニーズに応えよう!という姿勢は大事です。乗り心地を求めるならば3er(非Mスポ)を、よりフラットな乗り味を求めるならば4er(Mスポ)を、さらにエキサイティングで地面を舐めるような走りと、ヒップポイントが刺激的にグラインドする86みたいなファントゥドライブを求めるならばZ5!!といった売り込み方ができるといいですね。86は交差点一つ回っただけで感動しましたね。とっても低い!!「上屋がしなる」なんていうチープな挙動はいっさいなく、ジュラルミンケースのようなパリパリの剛性感。

  実際のところ3erでも4erでもやはり乗用車なりのコーナーでのギクシャク感はあります。クルマもある程度は重たいですから、アンダーステア気味な「遅れる」感じも出ますし、そもそも思ったほどにはタイヤも使えないです(応答遅れはタイヤに起因!?)。50対50ってこんなもんか!?もちろんセダン/ワゴンでありラグジュアリークーペですから、これで十分だと思います(レガシィよりはよっぽど良く曲れています)。しかしより車体の運動性能をBMWというブランドに盲目的に求めたい人々にとってZ5はかなり期待できるモデルになるんじゃないでしょうか!?

  


  

2017年1月19日木曜日

シトロエンDS5 ディーゼル追加でレザー仕様が497万円

  フランスの大統領公用車にも使われるシトロエンDS5。見た目に優雅ではありますけども、いわゆる高級リムジンとは方向性が違うクルマで、トヨタのロングセラーミニバンであるエスティマを彷彿させるスタイルで、キャビンにゆとりがあるクロスオーバー・サルーンという独特の立ち位置です。これで3列シートならもっと需要があるのでしょうが、3列収まりそうなスペースを広々と2列で使うから優雅なのであって、このクルマの個性を考えたならばやっぱり2列が正しいように思います。

  1950年代に生まれたシトロエンの「DS」というフラッグシップサルーンは、ド・ゴール大統領も愛用したフランス自動車産業を今も照らし続ける名車ですが、そんな「ユニーク」で「ゴージャス」で「ハイセンス」なクルマを現代に甦らせよう!!という企画でDSブランドが立ち上げられ、その新ブランドのフラッグシップを務めるDS5は「エキセントリック」だけど「アリ」なクルマというギリギリのところを「攻め切った」設計になっています。いちいち文章で伝えるのは難しいので、興味を持った人は「シトロエンDS」と検索してDS専用サイトでその全体像を見てみて下さい!!なかなか圧倒されますよ!!

  一体いつからフランス車は平凡で単なるドイツ車の下位互換くらいにしかならない、つまらないクルマばかりになったんだ!!っていうと怒る人もいるかもしれません。しかし某ドイツメーカーの主力モデルを単純に真似たような設計は、本当に実用一点張りでしかなく、そもそも「設計作業」からして面倒だから省いた!!ようなクルマばっかりじゃん・・・。そんな中で新ブランドであるはずの「DS」もイマイチ気合いが足りないですね。プジョーやシトロエンと同じシャシーで仕立てられていてメカニック面での差別意識が乏しい!!レクサスやアウディよりも圧倒的に乏しい!!

  しかし愛情を持ってフランスブランドが21世紀にサバイバルしている足取りを応援する人の気持ちはとてもよくわかります。イタリア車や英国車はマニアック過ぎる!!日本車やドイツ車は当たり前過ぎてダサ過ぎる!!だから俺はハイセンスなフランス車が好きなんだー!!って心の中で散々に叫んでいるストイックな原理主義者もたくさんいることでしょう。そのイカレっぷりはスバルやマツダが大好きで堪らない人々と相通じるところがあります。

  これは解る人にしか伝わらないでしょうけど、ドイツ車やトヨタ、日産、ホンダといった日本の大手メーカーはひたすらに「主導権を取る」マーケティングが要求されていて、そこでいちいち「燃費」とか「スペック」だとか「車格」だとかに囚われているのがかなりダサい!!実車を見てそういう意図を汲み取ると、いちいちアホくさー!!って気持ちが冷めてしまう要素があまりに多いんですよねー。例えばランフラットを使うスカイラインとか、トヨタとかBMWとかいろいろな要素が混ぜこぜになっていて、しかも古臭く見えるレクサスのインパネとか・・・。いちいちセンス無いんですよ。

  それに対して「俺がこのブランドのクルマを買ってあげて応援しないと、やがては消え行く運命なのかなー」くらいに思わせてくれるブランドはそれだけでいいですね。何とも言えない「儚さ」があって、そういうブランドに限って面白い機能が付いていたり、走りがとても個性的だったりで、まーそれで初めてクルマってのは実用性から離れた「価値」を持つんだと思います。スポーツカーを単発で作る零細ブランドはまだまだたくさんありますし、これからも必要に応じて出て来るでしょうけど、総合ラインナップの普通車メーカーで、ドイツ3陣営&日本の大手3メーカーを相手に健気に「中型車」を送り込んでくるブランドは特に大事にしたいです・・・シトロエン、プジョー、ボルボ、ジャガー、アルファロメオ、スバル、マツダ。

  「DS5」「508GT」「S60」「XE」「ジュリア」「アウトバック」「アテンザ」・・・この内の1台はこれから導入予定ですが、日本市場に輝く7つの宝石と言っていいと思います。DS5のディーゼル搭載で、アウトバック以外の6台はすべてディーゼルが用意されることになりましたが、果たして来年2018年を7台揃って迎えられるのか!?というくらいに現状では販売は低迷しています。フランス車の2台はマイナー過ぎる。ボルボとジャガーは価格が高め。アウトバックとアテンザは価格は手頃だがややサイズがデカいですかね・・・。

  Cクラス、3er、スカイライン、レクサスISといったDセグの王道プレミアムを相手に、互角以上のハイスペックな装備を持つモデルばかりなので、もう少し売れてもいいのかなーという気がします。たとえばリアシートヒーターは王道の4ブランドはどこもオプションでも用意されていませんが、ボルボ、スバル(標準装備)、マツダでは付けることができます。母親を乗せることもままあるので、これだけでも選ぶ価値はあるなーと思います。508GTとXEは王道にくらべてハンドリングの出来が素晴らしいです。

  そんななか「7つの宝石」のリーダー格はやっぱり「DS5」で、キャビンを広く見せる工夫として前後に3分割された「コクピットルーフ」は、Dセグながらもなんともハイエンドなセレブ感を演出するすばらしい仕掛けです。さすがは大統領専用車にもつかわれるクルマですね・・・。ボデー剛性ばかりを気にするドイツメーカーには絶対に出来ない発想じゃないですか!?日本の自動車評論家の手にかかれば、そんな上屋にガラスルーフをたくさん広げたら、重心が高くなってしまってダメだ!!みたいなこと言い兼ねないです。だから日本メーカーも安易にそんな設計にはしないみたいですね。やっぱりカーメディアは「害」だな。ヤツらの理論に基づいたとってもつまんねー日本車とドイツ車に「NO」を突き付けたい・・・。

  自分のライフスタイルに合わせてDS5に乗ってみよう!!というオシャレな選択は、とりあえず日本のサラリーマンにはまだまだ難しそうですね。借り上げの社宅からクルマまで、周囲に合わせた選択にせざるを得ない。もし若いうちから輸入車なんかに乗っているのが上司にバレたら、もう出世が遅くなるー!!っていう窮屈な人生を送る限りは、「DS5」なんてまったく縁のないクルマかもしれません。今のところはフリーランスでガッツリ稼げる人だけが愉しめるクルマなのかも。確かに7台の中では断然に派手なエクステリアですから・・・。



 

2017年1月7日土曜日

2016年は輸入車ブランドの転換点だった!!と記憶される!?

   2015年の下半期に巻き起こった「VW疑獄事件」の余波が収まらないままに始まった2016年でした。プジョー、シトロエン、ボルボなどイマイチ調子が上がらない欧州ブランドにとっては、せっかくディーゼルという「日本市場への手掛かり」を見つけ出した矢先だったのに、とんでもない事が起こってしまったものだな〜。しかし輸入車が抱えている問題はもっと複雑で、単に有効なパワートレインの不在という話ではなく、もっと根深いところにあった!!それを浮き彫りに出来た実りの1年だったとも言えるのではないでしょうか。

  「ディーゼルの躓き」で輸入ブランド&マツダが失速すると、恐ろしい勢いで新型プリウスが1月から上半期を独走します・・・。もうHVなんて珍しくもなんともなくなった2016年なんですけども、300万円台半ばに達するちょっとリッチなCセグ車が月に20000台も売れる!!これはちょっとした快挙です!!同じ価格帯でクルマを売るPSAやボルボにとっては、なんとも口惜しかったことでしょうけどね。果たして順調に日本に上陸できたとしても、法人需要や販売店向けも見込めるプリウスとは違って純然たる一般ユーザーだけに向けたクルマが、突如として月5000台とか売れるとはなかなか考えにくいです。

  もしかしたら「トヨタが利益の為にVWネタをリークした!?」そんなしょうもない陰謀論もちょっと頭を過りましたが、これまで散々にハイブリッドへのネガティブキャンペーンを浴びても堅実に成長してきたプリウスと、何の根拠もないディーゼルでは全く「役者が違う」わけで、「輸入車大好き」な我々のアンチプリウスな行動の愚かさを粛々と恥じるべき時なのかもしれません。いまでも熱心に某掲示板で「新型プリウスのデザインがダサい」とストレートにディスっている高い志の同士も多数おられますが、それもなんだかなー・・・プリウスの進化に俺達は嫉妬してないですか!?。もし現行プリウスが先代と同じような味気ないドライブフィールのままで代替わりしていたら、ここまでムキになって「ブサイク」と連呼するもんですかね!?・・・とそんなつむじ曲がりな事を考えてしまいます。

  2012年からディーゼルに取り組んだBMWとマツダはそこそこ良く売れましたけど、トラックやバスで使われている排ガス浄化装置(尿素SCR)が装備されていないBMWやマツダのディーゼルに対して、それを完備してしかも価格も抑えてまで日本市場で頑張ろうとしたPSA(プジョー&シトロエン)はちょっと不憫だなー。そしてその辺の環境性能の進化を積極的に啓蒙しようとしないカーメディアにもやや疑問です(メーカーがデータを積極的に開示しないとなにも書けないとは思いますが)。

  もっとも尿素SCRも経年とともに処理能力がかなり低下して「無効化」するという問題もあるようで、付いてさえいればOKという話でも無いみたいです。考えようによってはマツダのディーゼルみたいに「温度管理」によってNOxの生成を抑え込む技術の方が合理的なのかもしれません(マツダは胸を張ってますが)。ただしマツダもユーロ6こそ通過したものの(スバルなどこれを契機にディーゼルを辞めたメーカーもある)、北米の厳しい排ガス基準には新たに尿素SCRで対応したみたいです。ただし装置の劣化を考慮に入れるとアメリカの当局はいつでもその気になればマツダを弾圧できるわけで、「カード」をみすみす与えてしまって大丈夫なんでしょうか・・・トランプ政権に尻尾を掴まれたマツダ!?

  さて終わってしまった2016年。欧州車はもうディーゼルじゃないと生き残れないのか?・・・そんな言い訳がましい「欧州車観念論」をドヤ顔で語るクソつまんないオッサンライターのレビューを無限ループで読まされた1年でした。しかし「何か違うんじゃねーの?」って想いがずっとありました。正直言ってストップ&ゴーが多い日本でディーゼルを使うメリットなんてあまり多くないです。選択肢に入る人はよっぽど限られた条件だと思います。マツダ、BMW、ジャガーに関してはとりあえずガソリンエンジンの方が圧倒的にフィーリングに優れています。

  クルマが重くなって、燃費が要求されて、それでいて最高出力で本体価格がある程度決められる・・・そんなメチャクチャな状況の中で、日本車も輸入車もそれぞれに迷走しているわけですが、その中から合理的にいち早く突破口を見出したのが、メルセデス、ボルボ、シトロエン、ルノーといった輸入ブランドじゃないか?という気がします。パワーなんて要らない。走らないなら軽くしちゃえばいい!!乗り心地とか静粛性とかあまり敏感に反応しない。とりあえず「個人所有の楽しいクルマ」として完結していればそれでいい!!そういうクルマにユーザーが殺到していった2016年だったと思います。

  「4気筒でもいい!!それがエモーショナルでありさえすれば!!」・・・ポルシェ718ボクスター/ケイマンの話じゃないです、メルセデスEクラスです。このクルマは、レクサスGS-Fのようにスポーティでもなければ、LSやSクラスのような過剰なラグジュアリーというわけでもなく、ホンダレジェンドのように「押し出し感」が強いわけでもない・・・。しかし上級セダンとして抜群の存在感があるんですよね。とても不思議なクルマです。何の変哲もない直4ターボにCクラスとあまり質感の変わらない内装で700万円をボッタくるクルマのはずが・・・これがどうしても気になって仕方ない。このクルマよりも合理的な選択肢なんていくらでもありそうですけども、Eクラス自体に絶対的な「魅力」があるんですよね。

  他にも限定モデルがあっという間に売り切れた「ルノー・トゥインゴ(MTモデル)」と「シトロエンC4カクタス」が見せてくれた・・・クルマ好きの「渇望」をそのまま具現化したようなイディア的な設計。これは間違いなく「血の通った」人間が設計したクルマなんだ!!とすぐに解ります。しかも俺達に極めて近い感覚を持った「カーガイ」が心を込めて設計している!!少なくともAクラスやゴルフが話題を独占した2013年頃よりは、これらの「新しい息吹」によって輸入モデルが輝いて見えます。

  定番のボデー設計にディーゼルやらハイブリットやらと搭載して、中国やアメリカ向けに売れる要素を増やした「パラメータ」的な設計に、ここ数年はずっと辟易していました。名指しで失礼ですがレクサス、BMW、アウディ、VW、日産、ホンダ、スバル、マツダ・・・全部迷走しているように見えます。プリウス、2erツアラー、ヴェゼル、レガシィ、アテンザとどれもそこそこ結果を出しましたけども、手堅く保守的な進化が盛り込まれた結果として「ファミリーカー」の人気モデルとしてリーズナブルな需要があったに過ぎないです。どれも「悪くないクルマ(相対的に優れたクルマ)」ではありますが、積極的に買いたいクルマか!?っていうとかなり疑問です。

  もちろんクルマなんて必要なヤツだけが買えばいい!とっても自己満足な商品なわけですが、まだまだ経済大国の日本では、全人口の1%くらいはお金の心配から開放された「自由人」なわけで、とりあえず100万人くらいはNSXとかGT-Rを買ってくれる潜在的な顧客はいます。2016年の日本市場は500万台の大台を割り込んだようですが、500万台の「上位20%(100万台)」が業界の浮沈の「80%」を担っている・・・かなりテキトーな経済学ですけども、カネを持っている100万人に「刺さる」クルマが決定的に不足していることで、彼らがプリウスや2erを買っているんじゃねーの!?LSの変わりにプリウス。7erの変わりに2er・・・ディーゼルとかハイブリッドとかに拘っているメーカーは自分で自分の首を絞めてないですか!?

  ポルシェやマセラティはお客が増えているようですけども、アウディR8やBMW・M2といったご機嫌なモデルで徹底的に「勝負」することが、日本市場を左右するコアなユーザー(100万人)が輸入ブランドに強く求めているポイントなんじゃないの!?って思うんです。カーメディアのマヌケな「ディーゼル」推しは、まったく日本のユーザーの気持ちに応えてないです。それよりも2017年に投入されるであろう、アルファジュリアやシボレーカマロといった旧来のガソリンエンジンの「魅力」を伝えてくれるモデルこそが、素直に日本市場で評価されればいいなーと思う次第です。


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