2018年1月31日水曜日

プジョー3008 & 5008 (2018 / NO1) 長所と短所が凝縮されている!?

『もはや俺たちの知っているプジョーじゃない』
『さようならプジョー』
(ニューモデルマガジンX・2017年9月号)

プジョーのアイディアが市場に届くといいな

  意地悪い『老害さん』達によるレビューが出てくるくらいに革新的なフォルムです。この手のオッサンたちにはもう日本メーカー傘下サプライヤーのミッションを使っているってだけでアレルギー反応が出るんでしょうね。シトロエン、MINI、BMW(FFモデル)、ボルボ、ポルシェカイエンなども軒並み低評価を食らうケースが多い。VWゴルフやルノーメガーヌだって他の市場ではアイシンAW製の6AT使っているのにー。

SUVはAWDじゃなきゃダメ?

  PSAはシャシーがAWDに対応できないという少々致命的な欠点があります(北海道にもディーラーあるけど)。まだHVもないですけども、スバルもHV無しで堂々と営業しているので問題無し。自動ブレーキはしっかり用意されています。N川という有名ライターは、SUVはAWDじゃないと納得できない!!とか書いてました。なるほど。しかしプジョーのSUVは『偽物』って感じの言い分にはちょっと反論したいかも。ラダーフレームじゃない時点でSUBARUもMAZDAもNISSANも偽物じゃねーか。しかもAWDといってもフォレスター以外はオンデマンドだから基本はFFだろーが。

日本車的なファミリーカー設計じゃダメ?

  PSAのEMP2シャシーのリアサスは、日本のファミリーカーでは定番のトーションビーム。日本メーカーのコンパクトカーやミニバンも基本的にはこのリアサスで作られてきました。MAZDAという一風変わったメーカーはミニバンにマルチリンクを使っていましたが、日本市場では思ったほど受け入れられず、失意のまま同じ足回りで今度はSUVを作ったら大当たりしました。マルチリンクならAWD化も簡単ですし。

トヨタがトーションビーム廃止宣言

  ちょっとPSAには辛い言い方になっちゃいますが、リーマンショックから立ち直るために策定した次世代モデルの計画は、もはや日本メーカーでは少々時代遅れになりつつあります。EMP2は欧州市場では十分に最大手のVWグループをキャッチアップできる設計ですが、日本市場ではトヨタが自社開発モデルでのトーションビームの廃止を宣言しています。今後はTNGA車とFR車(ラダーフレーム車含む)だけをトヨタが開発し、それ以外の小型モデルはダイハツなどのグループ内のOEMで済ます方針だそうです。

タイムスリップした感覚の設計

  BMWやメルセデスといった欧州市場でいうところの「プレミアムブランド」の設計でないと、トヨタの水準には辿りつけなくなってきています。MAZDAとSUBARUが育ててきたリアサスのスタンダードが、大手のトヨタ、ホンダ、日産を完全に動かしてしまった。そんな転換期に日本にたどり着いてしまった3008と5008は、少々無念ですが、日本のミドルミニバンのような設計で仕立てられたSUVという評価から逃れられない部分もあるでしょう。しかし(トーションビームのままの)ヴォクシーもセレナも日本ではダンパーを変えた純正スポーティ・コンプリートモデルがあったりするので、あとはプジョーの売り方次第じゃないでしょうか!?

プジョー・ジャポンは我慢が必要!?

  期待されたほどにはまだまだ浸透していないのか、それほどは売れていないプジョー3008です。やはりSUVの超先進国である日本市場はさすがにハードルが高過ぎたかも。クルマ好きのバカどもに売るには絶妙かもしれないですけど、日本の堅実なファミリー層にとって重要なのはやはり「信頼性」かと。アルファードやハリアーをトヨタ以外のメーカーが作ったところで多分ダメなんだと思いますね。

フランス人が作る「ファミリーカー」なんてちゃんちゃら可笑しい


  さらに余計なことを言ってしまうと、フランスって日本と比べて離婚率が高くて、そもそも子供がいても入籍しないままで過ごし別れていくらしい。ほぼ偏見ですけども、そんなお国柄で5008のような3列シートのファミリーカーがまともに設計できるのか!?って思う・・・。

日本のクルマ文化を理解しないクルマバカも多いけど。

  日本でのアルファードをはじめとしたミニバンのカルト的な人気は、日本の多くのカップルが一生同じ相手と過ごそうと思っているからであり、結婚後も両親とともに時間を過ごすからこその3列シートだと思うのですが、この素晴らしい日本ユーザーの嗜好/国民性を、「ミニバンばかりが売れるダメな市場」と徹底否定するカーメディア人ってなんなの!?

フランスが日本に家族愛を教えるっていうのか!?

  家族愛が広がる東アジア、東南アジア圏ではアルファードが900万円くらいで売られていて、日本市場と同じような3列シートが大人気です。ミニバンという東洋思想の産物が、欧州に最初に持ち込まれたのがトヨタ・エスティマとMAZDAのMPVでしたが、欧州人と日本のカーメディアはあざ笑っていたっけ。BMWもプジョーも今頃になって3列作って日本で売ることになるなんてね。あ、最初にミニバンを作ったのはアメリカのクライスラーですけどね・・・。




プジョーのイメチェンはまだ始まったばかり

  もともとの日本のプジョーのファンにとっては、プジョーにはSUVのイメージは乏しく、まだまだ心の準備がまだできていないですし、日本メーカーみたいなクルマ作りを露骨にされることでちょっと醒めてしまう部分すらあったのかもしれません。

プジョー好きは頑固だからなー・・・

  プジョーが好きで、ずっとオーナーですっていう人を何人か個人的に知っていますが、これが揃ってちょびっと変人ばかりです。他のメーカーに全くと言っていいほど興味がない!! そしてプジョーといえば・・・やはり208の一択らしい。中古車市場ではクーペ407やRCZがまだまだ手に入りますけども、あれも邪道なんだってさ。プジョー好きな奴はずっと208に乗るっぽいですね。まあこれから地道に新しいファンを開拓していくしかなさそうだな。もちろん応援してますけども。
  





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↓個人的にはプジョーといえばやっぱりこれ!!

2018年1月26日金曜日

MINI(2018 / NO1) 問題作だけど大ヒット・・・。

日本市場に怪物現る!!

  毎度のことですけども、ここで書くことが気に入らなければ、ほぼ嘘と断定してもらって構わないです。とうとう日本メーカーのデザインにまで大きな影響力を持ち始めたMINIブランドですが、日本市場ではあれよあれよという間に、月1000台を超えたなー・・・と思っていらた今では月2500台を販売するにまで成長しました。

BMWよりも高いこともある!!

  平均単価が300万円以上するコンパクトカーが月2500台売れるなんて日本もまだまだ元気だなーって気がしますが、300万円でプリウスを買う時にちょっと考えると出てくる選択肢かも・・・。メルセデスやBMWの底辺モデルは乗るのが恥ずかしいからMINIにしておこう!!というマトモな感覚の人に選ばれているようですけども、販売側もその心理を逆手に取るように巧妙なグレード設定がされていて、同じユニットを使っていてボデーも一回り以上大きいBMW車よりも割高になっているケースもあります。クーパーS買う時は「320iが400万円なのでそれと同じにして!!」と主張すれば値引きOKかも。

英国車に乗ってます!!の魅力

  それでも『ドイツ車乗ってます!!』っていうより『英国車乗ってます!!』って方がまだまだレアでかっこいいからか、MINIの人気は止まりそうにありません。別に批判しているわけではないですけども、BMW傘下に入って3世代目となったMINIですが、初代から15年余りでそのアイデンティティは徹底的に破壊されました。ジアコーサ式の横置きFF車という枠組みこそ守っているものの、左端からかなり右の方へと移行しました。アバルトがカローラになった感じ。

いい意味でデジャブ!?

  アバルトよりもカローラの方が絶対によく売れるのが日本市場ですから、3世代目の現行モデルが「プレミアム・カローラ」をテーマに開発されたなんてあまり知られてないですけども、かつてカローラに乗っていたことがある人ならば、座った瞬間に「懐かしい」感触が蘇ります。あ?これ褒めてますよ!!デミオのぎこちないレイアウトでも、フィットの素っ気ない感じでもない、紛れもない全盛期のカローラらしいディスタンス!!シートの調製幅などは、それなりなんだけども、やはりトヨタ車インテリアの温もりには作り手の真心が感じられる。

カローラを愛していた人が買っている!?

  そしてミッションも、そのまんまトヨタ!!最近のトヨタのFF車はCVTばかりになってますけども、2000年頃のカローラに使われていた、4ATは今考えるとプレミアムカー並みのハイスペック装備でした。このMINIは同じアイシンAWの後継となるトルコンAT使っているので、当たり前だけれども、加速のタイミングもカローラが蘇る!!ただしエンジンはBMW製のシャープなカムで、グイーンと息切れすることなく回るのでいいですね。これが2000年当時のカローラに積まれていたら・・・。ユニットは余力たっぷりで、いわゆるシャシーがエンジンに負けちゃってる感じではありますが、わざとそういう味付けを狙ったのでしょうけど、これは・・・ベタ踏みするともうまっすぐ走らないって!!

カローラとは決定的に違うところ

  元々は90psでコトコト走る、上半身揺らしてコーナリングするクルマだったのが、BMWの手が入ればあっという間にGTカーじゃねーか!?しかもまっすぐ走らない!! もっと褒めてあげてもいいのかもしれない。腕が要求されるクルマって嬉しいよね。厳密に言うと、シャシーが足りないのではなくて、タイヤグリップそのものとフロントタイヤを保持するアームやら、ハンドリングがややチグハグするところが、クルマのバランスを決定的に崩壊させている。俺って運転下手だな・・・と納得するしかない。

日本車へのアンチテーゼとして完全に機能!!

  しかしリニアなハンドリングを目指すセットアップなんて、本物のプレミアムカーでも完成しているものはほとんどないし、400psなんてユニットを積み始めた現在では、半機械制御のステアリングシステムじゃないとクルマ自体が成立しないらしい。日産がステアバイワイアを投入したのも、この状況を完全に見越したからだとか・・・。

ホイールスピン上等!!

  もちろんそんなギミックなどついていないMINIですから、アクセル操作のタイミングを誤れば、すぐにホイールはスピンし始めるし、ハンドル操作がちょっと雑になれば、何の前触れもなくクルマが横向きになる!?くらいのタックインすることも。FRのBMWのようなフラットなクルマ乗ってる人が、ちょっと踏み込むとヒヤリとするんじゃないでしょうか!?FFこわーい!!ってなる。

FFの『二大流派』をクロスオーバー!?

  誤解を恐れずに言うならば、FF車には2つの大きな勢力があって、1つはVWとMAZDAが推し進める「フラット」な乗り味で高級感を演出するタイプ。もう1つはホンダ、フィアット、スズキが信じる「上半身で曲がる」タイプ。前者は中型車用エンジン (2L級)を載せたい派で、後者は小型車専用エンジン(1~1.5L級)にこだわる派。

4代目を見ないことにはジャッジ不能・・・

  つまりBMW傘下のMINIは、初代は90psチューンの1.6L自然吸気を使った後者であり、二代目もPSAと共同で開発した130ps程度のプリンスエンジンを使っていてまだ後者の一員であったものの、現行モデルになってBMWと共通の2Lユニットが搭載されるようになり、いよいよ前者へと移行しました。ホンダのシャシーを下敷きに始まっているモダンMINIですけども、その現在地は「前者」と「後者」のちょうど中間あたりを大きく蛇行しています。

誰かドイツの馬鹿どもを止めてくれー!!

  ちょっと知られた某英国誌が言うには、あと数年のうちにCセグの「ホット」な走りをするゾーンは完全にメルセデス、BMW、アウディの「三国志」になるんだとか。そうなると『前者』も『後者』もなくドイツの規格外だけを武器にしたひたすらなる「暴力」が全てを支配するジャンルになるんだろうな。確かにもうマツダもスバルもやる気は全くなさそうだ・・・。上からプレミアム勢による「ユニット」の支配が及び、Bセグ出身のMINIは現行モデルですでにCセグに軸足を移していますが、下からアブノーマルなMINIがCセグの盟主として日本市場で対抗する!?

・・・そもそもCセグってなんだっけ!?っていうカオスな疑問だけがグルグル回る。シビックtypeRやフランス勢がオモチャに感じられるほどにクレイジーなドイツCセグが無益な争いをするらしい。ふーん。



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2018年1月22日月曜日

メルセデスCクラス(2018 / NO1) セダン復興の神が現る!?

シンプルさで『孤高』の存在!?

  昨今の日本車のDセグメントは、やたらとハイテク満載で上昇志向の塊みたいなクルマが多いですけど(スカイライン、カムリ、アテンザなど)、それに対してドイツの名門プレミアムブランドとなると、同じDセグでも方向性がまるで違っていて、なんともシンプルに『洗練』されたパッケージのクルマになります。あまりゴチャゴチャとした要素がない。素っ気なくそ物足りないと感じる人は日本車に乗ってろってのがメルセデスの主張というか、敷居の高さを感じます。

メルセデスの好調にはワケがある。

  未使用のC180なら400万円でお釣りがくるくらいの価格。Cクラスと比べてちょっと幅がタイトだけども(それがいいという意見も)、211psのユニットを積んだAWDモデルのCLA250も450万円程度で未使用車がたくさん出てます。日本車の価格がそれなりに上がったことで、400万円台ならば割高感もそれほどなく、憧れのメルセデスに乗れるのだから買う人の気持ちもよくわかる。しかも日本車を移植したような出来のFFのAクラスではなく、メルセデスが長年作り続けてきたFRシャシーと立て置きミッションが載っているCクラスが400万円以下ってのは嬉しい。

Cクラスのマーケティングは冴えている

  日本人は元々からFR好きというのもありますし、このクラスのプレミアムブランド車の中で他に見当たらない妥協なき『世界観の構築』を掲げたクルマという美点も非常にわかりやすいです。消耗戦になりがちなスペック競争ではなく、「センス」で勝負!!という割り切った判断で完全勝利しています。メルセデスが声高に(どっかの日本メーカーみたいな)「イメージ戦略」を叫んでいるわけではないのですが、10年前のメルセデスとはまるで違う『感触』しかないインテリアは、Sクラス、Eクラス、Cクラスだけでなく、Aクラスとその派生のボトムグレードまでもしっかりと貫かれていて、これがなかなか和みます。エンジンスペックなんてどーでもよくなる。



(レクサスISを喰った)Cクラスの劇的変化

  2000年頃のCクラスは、ユーザーからもほぼメルセデスと見なされておらず、Dセグメントサルーンとしても見るべきものが少ないなど、非常に存在感が薄かったわけですが、ちょっとビックリなのは、その当時の価値観(バランス良いスペック)を変えることなく、気がつけば日本市場で最も売れるDセグへとのし上がりました。『C180』とは1.8L自然吸気相当のユニットを積んだモデルなわけで、その走行性能はトヨタが今も国内専用で作り続けていて、1.5L/1,8L/2.0Lの3段階の自然吸気ユニットを使うプレミオ/アリオンみたいなクルマです。

Cクラスが日本市場を撃ち抜いた!!

  プレミオ/アリオンをレクサスで売ればほぼCクラスみたいなもの!? 駆動方式も違うし、ボデーサイズもグローバルモデルのCクラスが一回り大きいわけですが、Cクラスとプレミオ/アリオンに共通しているのは、むやみに「スポーティ」だとか「ラグジュアリー」だとか変なキャラ付けをせずに、「中型車の本分」を守って淡々と開発が進められた(守り抜いた)ことで、それが個性となり逆にコアなファンを獲得していること。

計画的な販売戦略も素晴らしい!!

  確かにCクラスには超絶スペックを擁するAMGモデルも存在するわけですが、月に2000台を超える販売の主流はもちろん素のモデルです。現状の日本市場では400万円前半の「C180」に加えて、シンプルなパッケージを意識して500万円以下に抑えた「C180ローレウスエディション」が、未使用中古車の実勢価格400万円で流通しており、これが発売から3年が経過してもなお好調を維持しつつ、さらなる販売拡大をみせる快進撃に大きく貢献しているようです。

Cクラスの作った道に、ホンダのあのクルマが・・・

  走りに関して過剰なまでにハイテクになっている新世代の日本車勢を抑えて、必要最小限スペックを「掲げる」Cクラスとプレミオ/アリオンが販売で優位に立っているという状況となっています。これは日本が単純に高齢化しているからという理由だけでは片付けられない、クルマに関する新しい価値観がDセグにおいて生まれつつあるという、全く新しいトレンドではないかと思います。

中型車の美徳ってヤツですねー

  156psの1.6Lターボを使うC180が441万円、184psの2Lターボを使うC200が530万円なのに対して、同じメルセデス製211psの2Lターボを使うスカイライン200tが416万円という設定でもCクラスが売れるのは、値引きというカラクリこそありますが、10年前なら消極的だと思われていた『C180』のスペックのバランスの良さが受け入れられている部分もあるんじゃないかと・・・。Cクラスの大成功を受けて、ホンダはシビックを日本へ!? そしてトヨタはどう動くのかな!?

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↓28年式、29年式がAMAZONでもたくさん出てます
    


2018年1月14日日曜日

VWゴルフ(2018 / NO1) 『神』と『哲学』




ゴルフに「全面降伏」ってさ・・・


  プリウスが月に10000台以上売れていて、VWゴルフが2000台『しか』売れない。300万円くらいの予算で、そこそこ名前が知られたクルマに乗っておこうという『中流』感覚な人々はまだまだたくさんいるし、なんだかんだ言っても「プリウス/ゴルフ」周辺のクルマの日本での使い勝手はとても良好です。

  個人的な見解ですけども、Cセグの販売が振るわなかったのは、団塊世代のリタイア直前の時期の現象であり、還暦くらいの人々にとっては日本車のCセグは「安物」に感じる一方で、VWゴルフは40年刷り込まれた「輸入車」のステータスを維持する独特なCセグという扱いだったのじゃないか!?そして楽観的な憶測だけども、これからCセグは売れるようになるのでは!?

ゴルフ、カローラ、シビック一番売れたのは!?

  あと1、2世代のうちにCセグは日本から消えてなくなる!!みたいな予測を立てるプロのジャーナリストもいるみたいですけど、プリウス、ゴルフといった売れるべきクルマはしっかり台数を稼いでいます。その中で40年にわたって日本にも輸入され続けてきたVWゴルフが、しばしばカーメディアで「Cセグの主役」と囃されるのはある程度納得できます。

  その一方でカローラは連続的な開発とは言えない経緯があったし、シビックは日本から離脱していた時期があったけど、それはトヨタやホンダにとって日本市場の虚ろいに踊らされただけじゃなく、トヨタやホンダの幹部もカローラやシビックを「安物」としか見ていたかった部分のあったのだと思う。その時点でカローラやシビックはVWゴルフには勝てないと断じてもいいかもしれないけど、メーカーもライターもユーザーもオッサンはみんな「安物」と断じてしまった世代の『文化的な乏しさ』でドイツに負けたと言っていいのかもしれない。

ゴルフの本当の価値について持論

  マツダのアクセラも、ファミリアの系譜を引き継いでいるのでゴルフに匹敵するキャリアがある。インプレッサやオーリスはまだまだゴルフの半分程度の期間しか経過していない。なのでカーメディアは「ゴルフ凄いね!!アクセラ凄いね!!」ってとりあえず言ってるようだ・・・。

  長い期間販売してそのフィードバックからさらに改良して40年なのだから、ゴルフもアクセラも良くて当たり前。・・・なんですけども、日本の自動車ライターの手にかかるとここから先が大きく歪曲されます。あ?先に断って起きますがゴルフを貶すつもりは毛頭ないですよ!! 「ゴルフは常に時代の最先端」とか何のためらいもなく書けるオッサンライターに訊いて見たい。ハッチバックのボデーはゴルフが最初なのか!?FF横置きユニットは?ダウンサイジングターボは?DCTは?

「ゴルフ7は神」という某有名ライターは・・・

  「どこが最先端なのか?」そこを直視しないでゴルフを語るから、変な『神格化』がすすんでしまうのかな。VWは『神格化』され万能であるべきだったが、ご存知のようにまさかの大クラッシュを起こします。『神』ゆえに大クラッシュです。トヨタが同じ子をも大きく騒がれる出しょうけども、日本向けカローラにゴルフと同じような業界に衝撃を与える影響力があるかどうかは相当に疑わしいです。

  VWの本質は『神』ではなくて、その『哲学』を通して他社のアイディアを冷静に分析して、貪欲に取り入れつつVWなりの見解、主張みたいなものがうまくできているから、ゴルフはファンが多いクルマだと思うんですよ。もちろん神格化したカーメディアだけが悪いというわけではなく、彼らを操縦しているVWのプロモーション戦略も過剰なところはあったと思いますけども。

  ゴルフ7とアクセラ3は間違いなくCセグの基本スペックを押し上げたのは、まあよっぽどのひねくれものでない限りは同意すると思います。ゴルフとアクセラが「粘った」結果、シビックが日本でも復活し次期カローラも近々同じような方向性で参入してくるらしいです。VWとマツダはそれぞれが掲げる「理想」を拗らせつつも、欧州から再びクルマ文化が湧き出す未来を夢見た部分が「少し」はあったからこそ新しい展開があった!?(そこがトヨタやホンダとは違った!?)。

  VWもマツダもそれぞれにCセグの進化のために新開発した機能もあるけど、やはりゴルフやアクセラの「魅力」は、これまでのクルマ文化の集大成として、堂々とクルマを仕上げる「自信」だと思う。ゴルフは、アクセラは、これまでのCセグの全てを飲み込んだ(パクった!!)からこそ、この2台に乗ると、ふとしたステアリング、シート、サスの動きのしなやかさ一つ一つから感動が「染み出してくる」と錯覚してしまうのかもしれない。Cセグの定義はまだまだ完成してはいないけど・・・。


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2018年1月10日水曜日

SMART (2018 / NO1) 日本車へのリスペクトから生まれた!?

最初はキワモノに見えるよなー

  「これクルマか!?」・・・うーん。人間が乗って移動できるがクルマの定義だとするならばクルマだな。しかし世の中には「ポルシェとマツダ以外は認めねー」みたいな奇人もいるから否定されることもあるかも。「RWDしか認めない!!」と言ってる人なら・・・。

東洋の小さい芸術

  スズキやダイハツが作る「小さい芸術」こと軽自動車は、欧州市場で大々的に市販されている訳ではないが、東洋の神秘としてフェラーリのデザイナーの愛車になっていたりするらしい。最近に始まった話じゃないけども、山が多くて狭い日本やイタリアみたいな国で無意味にデカいクルマを走らせる必然性って何だろう。中国人の真似か!? レクサスのフラッグシップなんて全長4400mmくらいのサイズで作ったら世界が注目するよ!!今こそブレビスじゃね!?

ダイムラーの夢!?

  東洋の神秘に刺激を受けたダイムラー社が、新たにスマートというブランドを時計メーカーとのコラボで作り、そこにM&Aで手に入れた「世界の三菱」の最先端技術を注ぎ込んで作ったのが初代スマートだったけど、そもそも軽自動車が三菱のフィールドではないってのもあったのか、見事に大コケ。それでも「小さい芸術」の価値を信じて疑わないドイツ人は、ルノーを誘って『メイドインEU』で作ることに。






全てが機能的

  いきなりブラバスのチューンモデルで、やり過ぎなホイール径に目がテンになりますが、タイトなトレッドで最大限の旋回性能を引き出すならば扁平タイヤも一理あるのかも。単純に限界性能が高そうと思わせる視覚効果だけかもしれないですが・・・。

走行性能よりも機能美

  2ドアモデルだと車重は960kgで90ps出る直3ターボならば、直線だけならなんとかS660をちぎれるんじゃないかと思われます。「欧州版サンバー」と揶揄されるほど寸法が日本の軽バンの設計をパクっていて、RWDを支えるリアサスもストラットではなく、ドデオンじゃないか!!同じサス形式のRWDといえばホンダ・バモス。S660はストラットを使ってます(基本的には86と同じ)。

極端な設計(RR)は間違いではない!!

  ちなみに兄弟車となるルノー・トゥインゴも同じサス形式です。ルノーといえば「GT」や「RS」「RSゴルディーニ」ですが、「小さい芸術」には直3ユニットしか載らない。ターボチャージャーもIHIのコンパクトなポンプがつくだけ。欧州車では常識となりつつある直噴化もしない。でもそれでいいと思います。無理にメルセデスに近づけて、Aクラスと同じエンジンを積んだところで、どんどん原点=「小さい芸術」を見失っていくだけじゃないかと。BMW傘下の某英国ブランドの変容っぷりには呆れます・・・。あれを喜んでいる奴はちょっと趣味が悪い!?



やはり・・・完全EV化

  幸いなことに、ダイムラーもルノーも「日本の軽自動車をリスペクト」という姿勢を履き違えていない!!・・・と感心していたのですが、ここにきてちょっと異変が起きています。途上国への支配をさらに強める方針のルノーは『3K』(3000ユーロで利益出せるクルマ)戦略モデルと位置付けていますが、OECDの年間所得50000ドルクラス(日本の1.5倍の水準)を狙い撃ちするスマートは2020年に「完全EV化」を打ち出しました。



 BMW「イセッタ」というアイコン

  VWグループはすでに(スズキを散々に利用して)『3K』戦略を遂行しているし、BMWの歴史のスタートにはOEMだったとはいえ「イセッタ」という可愛らしいモデルがある。オペルにもスズキと一緒に作った「アダム」という愛されキャラがいて、ダイムラーグループも「小さいの」が欲しかったようですが、今度は「日本の小さい芸術」に、日本メーカーから接収したEV技術(これに関しては三菱でEV開発を担当していた人が恨み節を書いてますね・・・)を載せて、欧州の感覚で飾り立てて(稼ぐ)。・・・まあ経緯はともかく結構なことじゃないですか。

スマートは「日本の心」を持っている!!

  今はスマートの経営から身を引いているスウォッチ。このメーカーも元々は偉大なるSEIKOへのリスペクトから始まったクォーツに特化したブランドです。スウォッチもスマートも東洋から生まれる技術に敬意を払って、その文化を自らの手で保存・普及していこう!!という非常に欧州文化人的なマインドのブランドなので、日本市場も好意的にリアクションすればいいんじゃないか!?と思います。2017年の東京MSで唯一乗ったクルマがスマート・ブラバスでした。ドアの質感もこだわっていて良かったですね。一度所有してみたいと思いました。EV買うならスマート!?来年には発売されるのかな!?

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↓初代スマートはスバルR1を三菱で作ろうとしていたのか!?