一部のSUVを除いてフォードは日本市場にあまりコミットできていない「ビッグメーカー」です。ただ日本で現在ノリにノっているマツダのかつての親会社として、フォードから出向した社長の元、現在のマツダの原動力といえるコンセプトを数々生み出した功績はとてつもなく偉大だと思います。2002年のアテンザ誕生とともにマツダが「ZOOM-ZOOM」(アメリカの子供がミニカーで遊ぶときに発するクルマの擬音語)というコンセプトを掲げてきた理由は、当時の社長がアメリカ人だったからです。
今そのマツダに触発されたのか、トヨタも「良いクルマ」作りへとシフトしてきて、日本のクルマ業界はにわかに明るくなってきました。それはもちろん日本のクルマ開発に関わる人々の情熱によるものですが、日本メーカーよりも長い歴史を刻むフォードが「自動車後進国」日本の発展のために誠意を持って示してくれた「クオリティカーの文化」によるところも大きいと思います。2000年頃の世界規模の自動車業界再編に対しては批判の声もありますが、マツダがフォードの傘下にいたことは、日本のクルマ好きにとってはとても幸せなことだったのではないでしょうか。
いま30歳くらいの人にとっては、社会に出るころにデビュした「アテンザ」と「RX-8」に憧れた人も少なくないと思います。当時はまだ世の中のことがよくわからず、この2台がフォードがマツダに作らせたクルマなんて知る由もなかったですが、どちらも抜群にカッコ良くて、クルマ雑誌をコンビニで立ち読みしては「250〜300万くらいか・・・」なんて目標というか意識していた記憶があります。当時ほかにもアルティツァなどが人気がありましたが、その頃からアテンザの方が圧倒的に好きでしたね。
今の30〜35歳は一般にクルマに興味がない世代とか言われていますが(なんとなくわかりますが)、もしマツダのこの2台が発売されてなかったら、クルマに憧れるイメージが作れずにもっと興味なかったのでは?と思ってしまいます(BMWに500万円掛けたいとはなかなか思いませんね・・・)。20代は「丁稚奉公」として休日返上で働く人も多くいて、クルマなんてそもそもいらないですし、それでいいと思います(20代都会暮らしでクルマ所有は人生狂うかも・・・)。30代になって働き方が変わって生活の中にクルマが入ってきて、クルマへの興味も高まるのですがそんなとき、このマツダの2台があったおかげで純粋にクルマが好きになれたと思います。まさにフォードさん「ありがとう」の気持ちですね。
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