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2018年3月4日日曜日

アルファロメオ・ジュリア(2018 / NO1) 本物の・・・欧州設計&欧州車



Dセグが再び活性化する!?
  プジョーが新しい508を発表するらしい。いわゆるDセグセダンだけれども、4800mmを超えていた先代モデルから一転して4750mmまで全長が縮まるようで、何やら新しい潮流がやってきたようにも感じる。実際のところ実用域でのDセグセダンの落とし所は4750mmくらいにあるのでは?とは日本で走っていて薄々は感じてましたが、日本市場で堂々の躍進を果たしたメルセデスCクラスの成功により、いよいよそれがスタンダードになる!?ちなみにマークXや先代アテンザなどがこのサイズです。やっぱりベストだよね。

北米&中華サイズに振り回されすぎ
  アメリカビッグ3が作るDセグのシボレー・マリブ、クライスラー200、フォード・フュージョンは4860~4950mmの範囲にある。これほぼクラウンサイズです。北米と中国をメイン市場と定める日本車のうち、カムリ、アコード、アルティマ(ティアナ)、アテンザなどはいずれも4850mm前後の車体を持つようになった。北米には展開されないフランス車も中国市場のトレンドに左右されていて、ルノー・タリスマン、現行プジョー508、シトロエンC5は4800mm台に突入している。その一方で、やや保守的なスバル(レガシィB4)とVW(パサート)は、先代で躍進したものの、現行も4700mm台に留まった結果、現在の北米市場ではやや苦戦を強いられている様子。

Dセグの選び方
  日本市場のDセグ4ドアをまとめると、4600mm台が3/4シリーズ、A5、ジャガーXE、ジュリア、キャデラックATS。4700mm台がCクラス、A4、スカイライン、レクサスIS、マークX、パサート、レガシィB4。4800mm台がカムリ、アコード、アテンザ、ティアナ、現行プジョー508。 同ブランド内にCLAやA3セダンを持つCクラスとA4は、差別化のためにワンサイズ上げているようだ。

406の時代とは違う
  プジョーは新しい508でDセグのマーケットを再び獲得して、映画「TAXI」の続編を作りたいでしょうけども、どーですかね。406が人気だった頃と比べて、Cクラスは確実にレベルアップしていますし、後から出てきたジャガーXEやアルファロメオ・ジュリアもひたすらに「商品力」「付加価値」を意識したクルマ作りになっているので、406時代の技術アプローチのままで、主要市場で影響力を持つことは難しいのではないかと思います。

4700mm未満は北米ではサブコンパクト
  4600mm台のDセグセダン。岩貞るみ子とかいうライターは「存在意義が無い」と断言しておられました(ジュリアは特別にOKらしいが・・・)。4ドアなのにリアのスペースが結構きつそうなイメージかもしれませんが、最新のモデルは結構座れる。4800mmサイズのFFセダンはそのスペース効率を生かして5000mm級のFRセダンと同じかそれ以上のゆとりを持たせているので、それに比べるとFRの4600mm台は不利なんですけど、3シリーズでもF30系からは後ろが極端に狭いとは感じなくなりました。XEやジュリアにしてもF30の寸法をかなり意識しているので、同様に使い勝手は悪くないです。

Dセグを引っ張ってほしい3台
  基本フロントシートしか使わないカーライフで、かつ中長距離を楽しむGTセダンとしてスポーティな要素を重視するなら、むしろ4600mm台のFRを積極的に選んでもいいんじゃないの!? キャデラックATSは、400万円代で276psのハイパワーユニットが付いてくるコスパ最強の1台ですが、左ハンドルだけしか導入しないのがややネックか。グランドツアラーへのイメージにつながる『力強さ』と『安定感』を求めるならA5スポーツバックのクワトロなのですが、やはりハンドリング対決となると、4シリーズグランクーペ、XE、ジュリアの3台に絞られる。A5はデザイン先行でまだ決定的な中身のクルマにはなっていない。

ストイックさは伝わった!!
  ホイールベースは2810mm(4GC)、2835mm(XE)、2820mm(ジュリア)で、単純に2400mm前後のスポーツカー的ディスタンスに近いのは意外にもBMWですが、他の2台はフロントサスペンションにダブルウィッシュボーンを仕込んでいて、これが効いているようでBMWよりもハンドリングのレスポンスに関しては優位に感じます。さすがはジャガーとアルファロメオがそれぞれ3シリーズの『長所』を潰すべく作り込んだ結果だと思いますし、BMWもそれに応戦するかのように仕上げた4シリーズがこれまたいい。いくら日本車好きでも認めなければならない。今のBMW、アルファロメオ、ジャガーは・・・ホンダ、MAZDAよりも清々しい設計であることを。


さらに先の勝負
「スポーツセダン」という商品を、そつなく設計してライバルと切磋琢磨して、高い評価を得た4erGC、XE、ジュリアですが、この先に何があるのか!?ベースグレードから6000rpmオーバークラスのガソリンターボを使う!? Eデフ装備のAWDになる!? 4WS&トルクベクタリングでFRのままスポーツカーに挑む!? まだまだ車体&シャシーの素材であったり、タイヤやサスペンション形式における進化も見込めるでしょう。あとは世界のユーザーが実際にドライビングを楽しんで、この手のクルマの価値が高まるかどうか・・・。この3台の売れ行きに注目したい。10年後にこの市場がどーなっているのかな!?


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2017年7月29日土曜日

アルファロメオ4C 「理想論だけではダメなのかなー」



  大変に失礼ですが、個性的な設計のクルマには、冷静にその構造を分析できる優秀なレヴュアーが必要ですね。最初から最後まで「アルファロメオは新しくプレミアムになるんだからこれじゃあ・・・」を連呼しているだけなら、その辺のクルマが好きなじーさんにだって言えるよ。プレミアムといってもライバルはせいぜいBMWやジャガーです。アルファロメオ・ジュリアも同じものを使ってますけど、『あの』縦置きミッションはまともに動き出せないですし、アイドリングストップから起動する時のディーゼルの振動もひどい、これにわざわざ特別なおカネを払うのはちょっとねー・・・って二の足を踏みたくなるんですけど。果たしてこのオッサンが夢想しているプレミアムカーってどんなクルマなんだろーか!?

  新生アルファロメオが、「4C」「ジュリア」「ステルヴィオ」というスポーツ、セダン、SUVのアメリカ人が大好きな3車種を揃えて、アメリカに再上陸しております。なんとも潔い精鋭3車種のラインナップ編成。これはアメリカよりも、案外日本で再び火が付く予感もするんですがね。日本向けのジュリエッタやミトもその濃いキャラクターで、価格の割にユーザーを獲得しているようですが、エンジンもミッションも長いこと更新されずに、野ざらしのままになっていて、中身はハッキリ言ってゴルフ6世代のまま。『古いからいいんだよ!!』という意見も一理ありますけどねー。しかしですよ!?そもそもVWと争っていていいのかー!?

  アクアにしようか?ノートe-POWERにしようか?と目星をつけている人々に対して、VWポロ、ルーテシア、シトロエンC3、マツダCX3、スズキSX4クロスが『200万円バトル』に次々と参入しています。そのちょっと上くらいをVWザ・ビートル、フィアット500X、MINIクロスオーバー、そしてミトが、「アイコニック」なデザイナーモデルとして300万円くらいで販売されてます。アルファロメオは2000年代に日本でも人気になった輸入車ブランドですが、なんかファッションや時計のブランドのようにブームが一巡して、機能面で最先端を追わないで、世界観だけで勝負するブランドに落ち着いちゃっています。それはそれで一定の需要はあるでしょうけど・・・。

  日本よりも巨大な市場のはずのアメリカですが、今の日本向けアルファロメオのような「おとぎばなし」では全く相手にされないです。まあ日本でも全く儲かってはいない。そんな現状を根底から打破して、新しいストーリーを描こう!!指標としてアウディのようなドル箱ブランドに仕立てよう!!というのが新生アルファロメオです。その尖兵としてたった1台でそのイメージを180度変えることに成功し、見事に仕切り直しに持ち込んだのが『アルファ4C』というスポーツカーの業績ですね。『オシャレ』なブランドから『エンスー』のブランドへ。ザ・ビートルがケイマンSになったくらいのありえないほど劇的な変化を、ごくごく自然に起こしています。それがアルファロメオ!? それなのにS水K夫さんの「プレミアム路線にあらず」という心無い判断基準には少々違和感があります。宿命とはいえGLA180を家族の車に選ぶ人の基準で評価されるのにはちょっと同情しますよ・・・。




  アルファ4C。ここまで所有することの『価値』を追求したモデルはスッカリ少なくなりました。クルマ作る側も乗る側も完全にマインドが『大衆化』しちゃってますから、ポルシェ718ケイマン(655万円)とか、マツダロードスター(249万円)/アバルト124スパイダー(388万円)、ロードスターRF(324万円)といったモデルに出会うと頭がちょっとフリーズします。何でそんなハッピーな価格に収まるの!? 大衆化したマインドでは理解できない「変態設計」こそに所有する価値が生まれるんじゃないの!? ケイマンとボクスターが無いポルシェは単なる『道楽ブランド』ですし、ロードスターが無いマツダは・・・あまりに悲しすぎる。

  メーカーそれぞれが自己の存在意義を客観的に見据えているからこその「変態設計」。嬉しいことにルノー傘下でアルピーヌA110が復活しました。A110の開発陣には、元々はマツダでRX8などの仕事をしていたデザイナー(日本人)なども参加していたりして、「スポーツカーを作りたい!!」というピュアな想いを抱くカーガイがまだまだ活躍しているんですねー。何だろうな・・・こういう「クリエイティブ」な仕事が自動車産業に脈々と残ることが素晴らしいと思うのですが、アルファ4Cを全く理解しないS水K夫さんや『小物入れがない』というだけでロードスターに失格の烙印を押したS藤S輔さんみたいな、横柄なベビーブーマー世代にはちょっとがっかりですよ。動画のK口さんの方がよっぽど事情がよくわかってるよーですね・・・。

  K口さんは「スパルタン』を連呼してますが、これだけだったらトヨタ86でもいいんじゃない!?あまりみなさん言わないですけど、86もなかなかスパルタンで、4Cのバスタブ構造のような剛性感がなかなか押し付けがましいくらいです。おそらく買った人のほとんどは、このなかなか本格的な「雰囲気」がツボだったはず。86を3年なり5年なり乗り倒した人が、予想外に高い下取り代金に気分を良くしてポルシェやロータスへと進むのか、それとも『もうスポーツカーはいいかな』とハリアーでも買うのか・・・。

  86よりももっと本格的なものが欲しくなる人も一定割合はいるはず。例えば直4ながらもショートストロークを採用しているレアな1.75Lターボ(ジュリエッタの最上級グレードにも使われています)は、エンスー的なポイントが高いです。まあ動画では『古臭いエンジン』とか言われてちゃってますけどねー。

  FFで欧州の頂点に立とうとした名車156から、いきなりミッドシップのスポーツカーを作ったかと思うと、今度はFRをベースに展開・・・経営困難な荒波を乗り越えての存続とはいえ、節操のない変わり身が少々気になるわけですが、アルファロメオの旗のもとに、クルマが好きなエンジニアが集まり、そのタイミングで一番作りたい設計を具現化する・・・プロジェクトの拠点としてブランドが機能する!!そんな自動車文化が日本にもあればいいですけどねー。


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2016年12月21日水曜日

アルファロメオ と ミドルBIG「3」

  今年もいよいよ「輸入車ガイドブック」が届きました。何と言っても残念なのがフォードの日本撤退で、当然ではありますがフォードとリンカーンは掲載されていません。昨年版から新たに追加になったブランドはスウェーデンのスーパーカーブランドのケーニッグセグです。全39ブランドの内で平均価格が2000万円を越えるスーパーブランドは、ケーニッグセグの他にフェラーリ、ランボルギーニ、ロールスロイス、ベントレー、アストンマーティン、マクラーレン、ルーフ、パガーニ、ラディカルの10。全体の4分の1が「とりあえず用がない」ブランドだなんて・・・。

  他にもマセラティ、BMWアルピナ、テスラを始め、キャデラック、クライスラー、ランドローバー、ポルシェなど、まだまだ日本価格であまり売る気を見せないブランド7つ(マカン、718を除く)に、かなりアバンギャルドなクルマを展開するケータハム、ロータス、モーガン、ポラリス、プロトンの5つ、さらにラインナップが崩壊の一途を辿るシボレーを加えると、もう残りは16だけ・・・ドイツ5(BMW、VW、アウディ、メルセデス、スマート)、フランス4(シトロエン、DS、プジョー、ルノー)、イギリス2(MINI、ジャガー)、イタリア3(フィアット、アバルト、アルファロメオ)、スウェーデン1(ボルボ)、アメリカ1(ジープ)。

  どれも日本向けにもかなり頑張っているブランドばかりだなー。月に1000台売れるブランドはドイツの4つとMINIとボルボの合計6つ。他にもジープ、プジョー、フィアット、ルノーは手頃な価格のモデルを拡充していて1000台突破の可能性があります。この16ブランドに関してはもっと売れていいんじゃないか?とは思うんですけど、なんだか無難なモデルが増えてきているんじゃないかと・・・。もちろんルノー・トゥインゴやシトロエンC4ピカソを「小粒」と貶すのは全くの見当違いですけどね。低リスクで衝動買いできるモデルだけじゃなくて、「よしこれで人生を愉しもう!!」と飛び込みたくなるモデルもある程度は欲しいですね・・・。

  まだ日本での販売価格も決まっていないですが、アルファロメオの新しいフラッグシップモデルとして登場する「ジュリア」には去年からずっとソワソワさせられっぱなしです。2017年は話題のクルマがたくさん発売される見込みなので、その中でアルファロメオが存在感を十分に発揮できるのかなー? いやいや!!アルファロメオこそが!!こそが!!こそが!!このブランドこそが日本中のクルマ好き(一般ユーザーも)を熱くさせるツボを持っているんじゃないか!!欧州カーオブザイヤーを引っさげて日本で大反響を巻き起こしたアルファ156&147はまだまだ日本の街をハッピーにしてくれています(ジュリエッタ&ミトもいい味出してますけど)。

  「アルファロメオがない日本の中型車市場なんてクソだ!!」とまでは言いませんけども、その存在感はBMW、マツダ、スバルの「ミドル・ビッグ3」に匹敵します。ミドルカー主体のブランドが、どれだけプライドを持ってミドルカーを仕上げるか?を評価の基準にするならば、やはりBMW、マツダ、スバルのクオリティは短時間の試乗でも十分に感じられますが、これらと同じくらいに、いやむしろその上を行く可能性すらあるブランドがアルファロメオですね。別の言い方をすれば、新型プリウスに走り負けないクオリティを保証してくれるブランドがBMW、マツダ、スバル、アルファロメオ(ジュリエッタ&ミトは怪しいが・・・)。

  そんなアルファロメオですが、ジュリアだけでなく、これに続くクロスオーバー版のステルヴィオもすでに公開されていて、早ければ2017年中に日本でも発売される可能性があります。日本市場でも大人気となっているSUVですが、各ブランドから複数のモデルが発売されるのが当たり前の状況の中で、「ホンダ・ヴェゼル」と「ポルシェ・マカン」という全く別のアプローチの2台の大ヒット車に象徴されるように、SUV自体もある種の目的というかコンセプトや哲学を明確に持って開発される時代になってきたように感じます。

  コンパクトカーよりリッチなボデーで「安っぽく見られない」ことを売りにしたヴェゼル的なSUV(メルセデスGLA、スズキ新型エスクードなど)と、SUVながらも中途半端に作られたセダンやハッチバックなどよりもよっぽど操縦安定性に優れているマカン的なSUV(エクストレイル、CX5など)は、それぞれよく売れました(GLAとエスクードは微妙)。完全に空振りに終わったのが、レクサスNX&トヨタハリアーで、どうやら設計段階ではひたすらにパッケージ優先だったようで、価格も走りも中途半端な仕上がりで出て来てしまいました。トヨタ自慢の居住性&HVを享受するならば、わざわざ400〜500万円するSUVじゃなくてもヴォクシーで良くない?ってなっちゃうよ・・・。

  600万円台で出て来たマカンの前にX1以外のBMWのSUVラインナップは全く歯が立たずで、次世代モデルが待たれるところですが、2017年に投入されるのはX2という新型モデルになりそうです(FFか?)。「走り」のクオリティで勝負するSUVは、ポルシェがBMWを研究して直4ターボのレスポンスから、自慢のブレーキ、トルク制御によるスポーツカー的な演出まで計算づくで盛り込んだマカンに対して、エクストレイルがGベクタリングコントロール機構を先に持ち込み、日産の真似が大好きなマツダも全ラインナップに「Gベクタリング・コントロール」を装備して、まるでマツダの専売特許のように宣伝していたりします。

  マカン、エクストレイル、CX5が「付加価値を持ったミドルSUV」として日本市場で人気になっています。CX5が出て来るまでは日本ナンバー1の売り上げを誇っていたスバル・フォレスターもCX5のデビューと同じ2012年にFMCをしますが、こちらは足回りの作り込みがスバルの仕事とは思えないほど酷い仕上がりだったことで、トップシェアから一気に滑り落ちました(その後MCで修正はしましたが)。新型インプレッサから採用された新型シャシーを使って、早ければ2017年中にもフォレスターもFMCが行われて巻き返すとは思いますが・・・。

  さてアルファロメオですから、ミラノ製初のSUVに相当の技術的な「裏付け」をしてくるとは思いますが、果たしてポルシェ、日産、マツダといった世界のトップエンドなテクニカル・ブランドに対してどれだけ競争力があるのか?ちょっと心配なところもあります。マツダCX3に判定負けしちゃうくらい(に平凡な走り?)のアウディQ2やメルセデスGLAを相手には優位を築けると思いますが、「走りを極限まで研ぎ澄ませた」とか大口を叩いているトヨタC-HRに足元を掬われるのか? それとも2017年にやはり日本投入が決まっているプジョーの「秘密兵器」と言われる新型3008の驚異的な進化を遂げた走りの前に敗れさるのか? ・・・いやいやたぶんマカンターボを越える超絶パフォーマンスグレード有り!のド派手な展開で度肝を抜いてくれるでしょう。


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2016年9月6日火曜日

アルファロメオとルノーは風を吹かすか!?

  自分の感覚がどれだけクルマ好きの気持ちを代表できているのか?それに関してはあまり自信はないですけども、マツダやスバルというよりもルノーやアルファロメオにワクワクしています。何がそうさせるのかというと、うーん!やっぱり1台のモデルに捧げる情熱ですかね。マツダやスバルももちろんなかなか高い水準にあるんですが、それをさらに越えてきたんじゃないの?

  ルノーは日産に、アルファロメオの母体フィアットもマツダに投資するなど、日本の自動車産業にも非常に関係が深いです。おそらく日本での知名度を確保する為だとは思いますが、どちらも細々と日本市場での展開を続けています。どちらも日本で発売するモデルは数えるほどですが、それぞれに気になるモデルが幾つもあるのがスゴい。ルノーはメガーヌエステートGT、カングー、トゥインゴ。アルファロメオは4C、ジュリア、ジュリエッタQV。ライバル多数のジュリアはともかく、他の5モデルはとても個性的な立ち位置で、220ps&MT(メガーヌエステートGT)や、1.75L直4ショートストロークターボ(ジュリエッタQV)は、どちらもハイレベルな日本の直4にも負けないくらいの「ユニット買い」モデルです。

  それぞれの最新モデルとなるトゥインゴとジュリアは、どちらも本格導入が2017年だそうでなかなか焦らしてきます。なんだか限定版の左ハンドルだけで日本からドロップアウトしてしまったフォード・マスタングみたいな売り方にいささか嫌な予感もします。それから「風向き」がどうなるかも気になるところです。せっかくトゥインゴなのに、スイフトのFMCの後に本格導入するんですか?ジュリアもこのままだとスープラとガチンコですが・・・。

  もっとも各メーカーともに「自信のあるクルマ」に関しては発売日よりもかなり早くから情報を公開する傾向にあるようですから、従来よりも早く情報公開してしまって生産工程の段取りができてないのかもしれません。

  ジュリアはいよいよ並行輸入業者によって510psの最上級モデルが「900万円」と値段がでました。超絶スペックを考えるとかなり戦略的な価格です。ただしこれによってただちにM3の日本価格が下がるとはなかなか考えにくいですし、十分に楽しいM2をもっと割安で買う事ができます。それでもM3のスペックを軽々越えてフェラーリ製エンジンが搭載されるという、なんともわかりやすい「商品力」を考えると・・・(売れるかどうかは別にして)注目度は高いはずです。

  フィアットグループの日本戦略としては、今年は輸送コストがかからない(広島から出荷)アバルト124を目一杯売って、2017年はジュリアを売るってことなんでしょうか。グループ全体で考えれば極めてまともな戦略ではありますが、いつまでも人々の中でジュリアへの情熱を持ち続けてくれるとは限らないー・・・。あのアバンギャルドなデザインが1年後はどんな印象になっているのでしょうかわからないですよー・・・。

  ジュリアに関して言えば、ベースモデル(DかGかわからんけど)は400万円を割り込む価格でのインパクトのある投入が検討されているようです。日本市場のDセグセダンは参戦するブランドこそ多いものの、突き抜けるようなモデルは・・・どこに?とうとう悪名に染まった3er、見かけ倒しの未完成Cクラス、オンボロユニットのレクサスIS(&マークX)、借り物ユニットのスカイライン、価格の割に迫力不足のジャガーXE・・・名ばかりのスポーティで高齢者向けのクルマに成り下がっていますね。そういう閉塞的な状況を今度こそは打破してくれーっていう想いがジュリアへの期待感になっています。これでベースモデルの乗り出しが500万円を軽く越えるようならズッコケちゃいますね。

  ルノーの方もトゥインゴの先行予約を開始していますが、当面は2ペダルのみの展開になっていて、新たに追加されたカングーの新グレードへのプロモーションへと移っています。たしかに今の日本市場ならば190万円のトゥインゴより、240万円のカングーの方がポテンシャル高いのもよーくわかります。シエンタ、フリード、ノア、セレナ、ステップワゴンがグレード別に混在する価格帯にそのまま突っ込んでいけるコスパと機能性(7人乗りではないですけど)は、グラグラ来るでしょうし、なんといっても日本車でもっともユーザーのボリュームがあるところですから、もしかしたら大ブレイクもあるでしょう。

  ボリュームという点ではトゥインゴも熱いです。特に5erとかEクラスとかいったフルサイズセダンのユーザーから見れば、見るからに楽しそうでぜひセカンドカーに欲しいっていう人が限定50台のMTモデルに殺到したのかなー・・・という気がします。ちょっとしたセカンドカーにマツダのCX3辺りを所有していた人は、ちょっと飽きて来たディーゼルカーをほっぽり出して(CX3は下取り高いですよ!)、トゥインゴに行きたくなるでしょうね。

  「風を吹かせて」注目を集めるブランドってのは、日本に生活する中でクルマを使って何がしたいか?をハッキリと意識させることが出来るんだと思います。アルファロメオやルノーが本物の風を吹かせるかどうかは、ちょっとわかりませんけども、どちらの陣営も既に実際に風を吹かせているポルシェやMINIをよく研究しているな〜・・・(笑)。510psのハイパフォーマンスユニットを搭載するとか、RRシャシーを使うとか、コミカル(ポップ)なデザインだとか、MTを積極的に採用するとか・・・。とりあえず楽しみに待ちたいと思います。

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2016年6月7日火曜日

小型車マニアが泣いて喜ぶ!!!「アルファロメオ&フィアットのすべて」発売!!!

  「日本とドイツは似ている」とか、「日本とイギリスは似ている」とか、ふと旧型モデルが満載のムックを読んでいるといろいろなことに気がつきます。旧型モデルを知る前までは、ドイツ車に対する畏怖を感じていたりしますが、ポルシェ356などを見ると、まるでホンダやスバルの最初の4輪車モデルみたいです。ホンダもスバルも初号機をそのまま進化させた結果のシビックtypeRだったりWRX・STIだったりすればポルシェと肩を並べるスーパーブランドになったのかな? いやいやtypeRもSTIも限定車が速攻で売り切れる大人気ブランドに違いないです。

  ポルシェ、アウディ、BMW、メルセデスといったドイツブランドと、スバル、ホンダ、日産、三菱といった日本ブランドの対峙を時系列に眺めていると、クルマとは要するに「塊を表現」する1つの方法なんだな〜・・・とか、勝手に1人で納得してたりします。そして現代においても「塊の表現」はやはり名デザインの称号を手っ取り早く得るための近道ではあります。しかし真の傑作デザインとなると、必ずしも「塊」ではないケースも多いです。特に歴代のトヨタやマツダの名デザインとなると、「塊じゃない」方向性がちょいちょい見られます。

  「テメーが言う塊とは何ぞや!」とかキレられそうですが、1967年にほぼ同じタイミングで登場した日本が誇るスーパーGTカーである「トヨタ2000GT」と「マツダ・コスモスポーツ」の2台をよーく見ると、トヨタとマツダのデザインの原点は通説で言われているようなドイツ車との対峙ではないことがわかります。この2台は設計当初から「スペシャルティ」の完成形であることを宿命とされていて、それぞれに独特の曲線でボデーが包まれていますが、私が思うにどちらも受けている影響を考えると、どうやらマセラティの別々のロードカー(GTカー)に行き着きます。

  トヨタ2000GTが影響を受けたであろうモデルは、1953年に登場した「A6・GCS/53」というマセラティデザインの原点ともいえるモデルです。現行のクワトロポルテの団子っ鼻のようなルックスはこの60年前のモデルから受け継がれているのがよくわかります。そしてマツダ・コスモスポーツがおそらくスタイリングの「参考」にしたと思われるのが、「ミストラル」という1963年に登場した華奢なGTカーです。こちらは思わず笑っちゃうくらいのモロパクリ状態ですね〜・・・。決してポルシェ901のパクリではないと思います。

マセラティA6・GCSの動画

マセラティ・ミストラルの動画

  その後バブル期に突入して、1991年に再び「3代目ソアラ(Z30系)」と「3代目RX7(FD3S系)」が、それぞれ先代までのデザインをかなぐり捨てるかのような斬新なデビューを飾ります。どちらも発売から今年で25年経過しますが、まだまだ街中で十分に「カッコいい」方で目立つピカピカのデザインです。そしてどちらも「なよなよ」した流線型モードをまとっていますけど・・・これが不思議と劣化しないです。NSXやGTOみたいなゴリゴリのスーパースポーツならわかりますけども、よくよく考えるとチャラいだけなのに、なんでトヨタとマツダはそんな芸当ができるのか?これはやはりマセラティを再びパクっているのでしょうか?

  1980年代後半からマセラティの経営は大きく傾いていて、新型車も満足に出せない状況の中でした。1975年から実質的な経営権を握ったイタリアメーカーの「デ・トマソ」の介入によって、トヨタやマツダを魅了したかつてのピニンファリーナによるスタイリングは影を潜めて角張ったライトケースを備えたメルセデスのようなセダンが作られていました。もちろん栄光のメルセデスに勝てるはずもなく・・・1993年からはフィアットの管理下におかれるようになりました。よってマセラティがトヨタやマツダに影響を与える時代ではなく・・・不遜ながらもトヨタやマツダが世界中のGTブランドにデザインを指南する側の立場にあったようです(ジャガーXKやアストンDB7など「なよなよ系」がこの後に大ヒット!!!)。

  さて現行の「レクサス」や「マツダ魂動」は、25年前の「偉業」を引き継ぐだけの仕事ができているでしょうか? 「マセラティ」「アストンマーティン」「ジャガー」といった幾多のGTカー・ブランドを軽く踏み越えて行くはずでしたが、バブル崩壊など方針転換を余儀なくされた挙げ句に、これらの古豪ブランドによって「クルマの評価」という意味では、再び置き去りにされている屈辱的な状況です・・・。もちろん両社は捲土重来を賭けて!!!来年に再び「トヨタ」と「マツダ」の競演があるという噂があります。「レクサスLC」と「新型ロータリースポーツ」がまたまた同じ年に出て来るようです。

  さて「マセラティ」を生んだイタリア自動車産業の歴史を俯瞰するのにちょうどいいムックが発売されました。歴代のアルファロメオやフィアットには奇抜なデザインのクルマが多いですね。パラパラとめくるうちに、無意識に同時代の日本車がシンクロしたりするわけですが、その中で連想するのが、「トヨタ・セラ」「ユーノス100」「トヨタ・カローラⅡ」「マツダ・ファミリアカブリオレ」「ホンダ・シティ」「スズキ・セルボ」などなど。100万円そこそこの廉価車なのにやたらと「個性」を主張したモデルばかりです。

  そういえば最近の小型車もなんだか個性的ですね。いちいち例は挙げませんけど、トヨタ(ダイハツ)、スズキ、ホンダの最新のスタイリングに街で出くわすと、ちょっと目がテンになります!!!なんじゃこりゃ!?そんななんの脈絡もなさそうな「今だけ」デザイン・・・と思いきや、この「アルファロメオ&フィアットのすべて」を見るとデザイナーの教養が見えてきて愉しいです・・・。あ!もちろん今回も沢村さんのコラムもありますよ!!!

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2016年3月2日水曜日

アルファロメオ・ジュリア 「GTセダンの鎮魂歌!?」

  ほんの10年前までは、そこいら中のカーメディアで「最強のGTカーはどれだ?」みたいなハッピーな企画をやっていました。そもそも「GTカー(グランドツアラー)」という表現自体が最近ではあまり見られず、とにかく「スポーツカー」「スポーツモデル」という表現に終始してます(読者の多い雑誌ではウザいカーキチさんになにかと絡まれるのは勘弁なんでしょうけども・・・)。

  「グランドツアラー」という表現の中には、「乗用車」と「趣味車」の要素が両立していて、さらに「自分のクルマ」というニュアンスもあるので、とっても気持ちがいい言葉です。・・・暗黙の了解かどうかはわかりませんが、総額で2000万円越えたらもはや「乗用車」の域は完全に逸脱してると思いますから「グランドツアラー」の定義から除外でいいと思います。2000万円越えたら、それは「サーキットで走るクルマ」、あるいは「お台場や大黒で見せびらかすクルマ」ですね。

  10年くらい前はまだまだフェラーリもポルシェもせいぜい400ps程度の出力に収まっていて、フェラーリが2000万円以下、ポルシェは1000万円以下で買えた時代です。次元が違うくらいに超絶に速いクルマが欲しい人は、競技用に作られたシャシーを持つベース車(ポルシェか日産)を買って、1000~2000万円くらいの大金を叩いてチューンして600ps台を手に入れていた・・・そんな話を年配のクルマ好きな人々からはしょっちゅう聞かされます。

  話を聞く限りでは・・・600psで武装した某国産メーカーの改造車が、首都高湾岸線を我がもの顔で走っていたら、さぞかし迷惑千万で当然に「規制すべき」ではあったと思います。さて当局から自動車メーカーにどんな圧力があったのかわかりませんが、2002年には排ガス規制強化とともに国産の有名スポーツモデルが多数姿を消すという事態になりました。それでもしばらくは中古車のタマ数も豊富で、NSX、S2000、ランエボ、インプレッサSTIなどの生産が続いていましたから、すぐには風潮が変わることはなかったようです。・・・それから10年以上が経過した今になってなんかジワジワ効いてきたのかもしれません。公共交通機関と都市機能の充実による「クルマ離れ」と、欲しいクルマがなかなか見つからない「クルマ文化の空洞化」は・・・別物!!!

  カーメディアもこの10年で大きく様変わりしました。2000年代前半の雑誌を改めて広げてみると、なんとも素朴で心地よい文章が多いです。今とは何が違うのか、身も蓋もないですが、書いている人も違えば、扱っているクルマも違う・・・だから全てが違う!のかな・・。欧州のセレブがサーキットでモータースポーツを楽しむために作られた「道具」を、あたかも「乗用車」としてインプレする雑誌が多いです。ランボルギーニの詳しい乗り心地なんてほとんどの人は興味はないですから。それから大衆向けの市販「乗用車」を、サーキット基準で検分しようとする愚行も(そんなことやってるから乗り心地が悪くなるスタビを不必要に入れるメーカーが現れる)、・・・市販車を片っ端から筑波サーキットに持って行ってタイム計測して悦に入っているクソ雑誌がありますね・・・。

  ちょっと的外れかもしれないですけど、クルマがつまらなくなった理由はまだあると思います。2007年に某日本メーカーが超絶スポーツカーを発売して世界中で話題になりました。開発者のMさんはメディアに出てきておしゃべりするのも大好きなようで、それが「神様の言葉」であるかのようにカーメディアの編集部員の間に広まりました。「スーパーカーは専門のディーラーで販売すべきだ!」「公道テストができない日本ではいいクルマは作れない!」「ニュルブルックリンクでタイムが出せるクルマこそが至高!」・・・突然に日本の市販車の出力が480psまで跳ね上がり、これまで日本のクルマ文化を支えてきたチューニングショップの仕事をことごとく奪いました。「純正部品以外を使ったら、すぐに保証を打ち切ります!」なんて覚書を交わさないと購入できない仕組みなんてさ・・・ゴミだな。

  この2007年を境に、どんどんとカーメディアは狂ってきたようで、クルマ文化の多様性を作り出してきた名門チューナーは次々と廃業し、後からでてくる次世代の「スペシャルなクルマ」は500ps、600psと最高出力を上げ続けます。価格も3000万円、4000万円が当たり前に・・・これでは「グランドツアラー」が死語になるのも仕方ないですね。「クルマつまんないな・・・」という雰囲気を作っちまった一端は・・・Mさんとその超絶スポーツカーにあるんじゃないですか? ポルシェもBMWもこの辺から魅力が褪せてきたように思います。

  さてスッキリしないジジイの回顧談みたいなしょぼくれた話が続きましたが、今ではMさんは退役し某超絶スポーツカーもだんだんと風化した存在になってきました。先日のデトロイトMSでは新たな2ドアのスペシャルティカーが続々と登場してきて、新しい時代が始まりつつあることを感じます。トヨタ86のような新たな「グランドツアラー」候補も今ではすっかり定番車種に落ち着きました(市民権を得ました!)。個人的に永久保存版として気に入っているレビューの1つに、2001年に発売された「SIGHT」春号に収録されているイギリスメディアによるものがあるのですが、そこで扱われているような「色彩豊かな」スペシャルティカーが再び増えてくれそうな予感です。

  そのレビューでは20台もの人気スポーツモデルを集めていて、ユーモアあふれるライターが、個人所有のユーザー目線でクルマの良し悪しを述べています。20台の中で最も高価なのが「フェラーリ360モデナ」ですが、クルマの性格としては超絶スーパーカーというほどではないようで、3.6L(400ps)のV8は、同じくエントリーされているBMW・Z8の5L(400ps)のV8にパワーでは劣る・・・なんて書かれています。「360モデナ」「Z8」「ロータス・エキシージ」「TVRタスカン」の4台でスーパーカー部門が争われますが、1.8Lのトヨタエンジンを使うエキシージが360モデナとともに勝ち抜く!というなかなか溜飲の下がる展開です。

  BMW・Mのエンジンとフェラーリのエンジンが400psという常識の範囲内で並び立つから、リアリティがあって楽しめます。もしこの20台がここ数年のF1に参戦したフォーミュラカーに置き換えられていたら、あきれちゃいますよね・・・。これがマクラーレン、ランボルギーニ、サリーン、ブガティ、ケーニッグセグ、パガーニだったら・・・やっぱりあきれちゃいますよね。600psオーバーのフェラーリ488GTBはアメリカ基準なんでしょうけども、もうモータースポーツ専門誌で扱えばいいじゃん。

  「BMW・M2」「レクサスRC-F」「ロータス・エヴォーラ」「ジャガー・Fタイプ」「ジャガーXE・S」「アストンマーティン・V8ヴァンテージ」「アルファ4C」「アウディS1」「キャデラックATS-V」「A45AMG」「CLA45AMG」「AMG・GT」「ミニ・ロードスター・JCW」「ゴルフR」「プジョー308GTi」「プジョーRCZ」「ルノーメガーヌRS」「ポルシェ718」・・・・あとは「ホンダS2000」「マツダRX7」が復活してくれれば。それからもちろん「アルファ・ジュリアQV」・・・510psの「バカ仕様」みたいですけども。


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2014年3月19日水曜日

フィアットグループがトヨタとVWを超える日

  日本でクルマについての情報を収集していると、VWが世界で評価されているとか、トヨタが1000万台製造したとか、そういうどうでも良いことは良く耳に入ってきますが、なんでいつも褒め称えられるのはV社とT社ばかりなんだろうとちょっと疑問に思ったりします。VWやトヨタ活躍してくれるのは結構なんですが、この2社が他のメーカーを圧倒するほどクルマに魅力があるようには見えないわけです。レクサス、アウディ、ポルシェまで全部否定するつもりはないですけど、「良いクルマが欲しいならプレミアムブランドで買え」みたいなスタンスはどうも好きになれない。レクサス、アウディの600~700万円のクルマを見ると考え込んでしまいます。

  こんな重苦しい状況のおかげで自動車は売れにくくなって道路は空いていてラッキーなのかもしれませんが、もっとクルマを選ぶ楽しさがあってもいいかも?なんて贅沢な悩みがありますね。ちょっと失礼な言い分ですが、今の様子だとVWやトヨタにはこれ以上何も期待できないです・・・。どっか国内外でこの状況を変えてくれる自動車グループは無いのか?そんな切ない願いを叶えてくれるのではないかというブランドが「フィアットグループ」かな・・・。

  フィアットはおそらく日本で一番多くの傘下のブランドを展開している自動車巨大グループです。本体の「フィアット」を筆頭に「フェラーリ」「マセラティ」「アルファロメオ」「アバルト」「ランチア」そして米国の「クライスラー」「ジープ」があります。日本では輸入車と言えばドイツ車になってしまうわけですけど、フィアットはドイツ車に占拠された日本市場を開放すべく、なかなか戦略的なモデルをここ数年で複数投入しています。

  有名なところでは「マセラティ・ギブリ」でしょうか。最高級のラグジュアリーを提供するメーカーが1000万円を下回る高級セダンを投入してメルセデスCLSなどの顧客に揺さぶりをかけています。それでもこれは一部の人々を対称としたものでしかないですが・・・。日本で一般的な高級車の代表格になっているEセグドイツプレミアム(メルセデスE、BMW5、アウディA6)へ強烈な切り込みを掛けるために投入した「クライスラー300」は専門家から好評なV6の3.6Lエンジンを積む大型セダンながらベースモデルのクラウン(2.5L)よりも安いです。

  さらにアルファロメオから発売が発表されているのが、超軽量のスポーツカー「アルファ4C」。これはアルファロメオがスポーツカーに注ぐ情熱を体現したようなクルマで、軽量化のために2000万円以上のスーパースポーツにしかコスト的に用いられないCFRPでシャシーとボディを形成しています。これで800万円前後で発売されると言われています。もちろん素材が圧倒的に有利なので同様のコンセプトを掲げるロータスやポルシェボクスター/ケイマンに対しても圧倒的に優勢というより異次元の加速とハンドリングを実現しているのだとか・・・。

  やっていることは、マツダが400万円以下でRX-7をする感覚に近いものがあります。マツダは日産、スバル、VW等に負けないボデイを作る為に、主力モデルのアテンザやアクセラに通常のコスト感覚では使えないよな技術を投入していますが、外国メーカーでここまで極端なことをするのは皆無と思っていましたが、フィアットグループは「欧州のマツダ」と言ってもいいかもしれません。そしてそのマツダとフィアットが手を組んで2年後にはロードスターと設計を共通化して日本のマツダ工場で生産された「アルファ・スパイダー」が投入されます。高級車もスポーツカーもなんでもござれのフィアットグループが日本から輝き出す日も近いのでは?と思うのです。まだ他にも動きがあるのですが・・・。

  

  


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2013年12月23日月曜日

ジュリエッタ緊急値下げ!いよいよ底が抜けたか・・・

  こんなことを書いたら大ブーイングかもしれませんが、輸入車に乗るなら新車で1000万円超くらいのクルマにしない限りは、あえて「輸入車」と強調する意味がないのではと思います。メルセデスとVWが日本で300万円程度のクルマをヒットさせているようですが、飛びついているのは失礼ですが分別と情報が十分でない人々ばかりのようです。そもそも日本の道路事情でダウンサイジングターボを走らせるなんて、よっぽど人が通らなくて1時間走っても信号機が1つもないような場所にお住まいでない限りは、バカがやることです(NA&CVT中心の日本メーカーの判断はほぼ正しい)。

  情報化社会の中で分別のある若者達はゴルフやAクラスなんて見向きもしないで、トヨタが発売した新型ハリアーを素直に買います。ゴルフやAクラスをハリアーよりもいいクルマと本気で思っているのは、世界中見回しても日本の一部のおバカさんだけです。アメリカ行っても欧州行っても日本のSUVのパッケージングの良さはずば抜けていますし、羨望の眼差しを受けます。そしてハリアーやオデッセイが積んでいるNAの2Lクラスのエンジンこそが日本の市街地と高速をどちらも考えた現状ではベストな選択なのです。

  いくら評論家が欧州Cセグの人気を煽ってみたところで、もはや若者達はそんな雑誌は読まないですし、評論家が誰のために仕事しているかもすぐに見抜きますし。自分の頭でちょっと考えれば「Cセグターボ車」の欠点なんて山ほど思いつきます。とりあえずその手のクルマを盛んに勧めてくるジャーナリストなんてのは、バカか嘘つきのどちらかです。そして私がいちいちそんな啓蒙活動なんてする必要もないようで、華々しいプロモーションとは裏腹に、賢明な日本人の判断力は大勢において極めて健全なようで、それら「Cセグターボ」の市場価格はどんどん落ち込んでいて、すでに値引き合戦に突入しているようです。

  もともと日本で輸入車Cセグのトップの座にいるVWゴルフは、大衆ブランドという敷居の低さもあってか、これまでも50万円を超える大幅値引きで販売台数を伸ばしてきました。アクセラのライバル全車に乗ってきたというマツダの担当者も、Cセグ輸入車ではゴルフ・ハイラインが断トツの出来で、あとはアクセラの敵ではないと熱心に語っていましたが、一番熟成されているゴルフが大幅値引きして月1000台がやっとなのです。実勢価格は月2万台のプリウスとほぼ同じですし、早くも2万台受注したハリアーよりも断然に安いのです。

  結局ゴルフだけが辛うじて損しないレベルのクルマとなっていて、それ以外の例えばBMW1などは発売当初に購入した多くのユーザーが痛い目に遭ったようです。ダウンサイジングターボですので、5年も乗れば査定額は付かなくなることぐらい想像できないのでしょうか? そして今度はAクラスやV40に飛び付いた人々が痛い目に遭うのではないでしょうか。3年で50万円、5年でゼロです。そして10年乗り潰そうものなら、ほとんどの期間を「ダサい」「満足できない」クルマと付き合う羽目になってしまいます。さらにタービンや電装が壊れたら見積をみるだけでもう修理代を出す意欲はなくなるはずです。

  これだけ「Cセグターボ」のリスクが目に見えているのに、これまでのジュリエッタのベースグレードが余裕の300万円オーバーという殿様商売には正直言って驚きです。VWやメルセデスならまだしも、今後の展開次第では日本から尻尾を巻いて逃亡しそうなアルファロメオですから、そのリスクを考えたら新価格の299万円でもまだまだ異常です。自動車大国のアメリカで店じまいしてしまうほどのマズいブランドなんだからもっと謙虚でよさそうなものですが・・・。

  そもそもCセグの貧弱なターボに価値を感じている感性が全く理解できないです。まともな評論家ならこの手のターボユニットを評価する人などほとんどいません。そもそもGT-Rや911ターボが過給器を使うのとはそもそも意味合いが違うのですから・・・。その辺がまったく分かっていないクルマ音痴なオッサンと、冷静に情報を精査してその手の輸入車に対して軽蔑の念しか抱かない若者の温度差は歴然たるものがあります。若者の多くはゴルフやAクラスなんてダサいとしか思っていません。そしてもしアルファードやハリアーがターボだったらどうなるかわかりますか?想像できますか? ゴルフではなくハリアーを買う人なら分かっているでしょう。

2013年2月28日木曜日

アルファロメオに日本製スポーツカーを投入予定。

  フィアットの新しい戦略はとてもユニークだ。アルファロメオの新しいオープンスポーツを日本のマツダに供給させるというものだ(マツダロードスターと基本設計が同じ)。この提携は前代未聞で、海外ブランドのスポーツカーを日本で作らせて(決してタイやメキシコの工場ではない)、国産への愛着が高い日本のユーザーだけでなく、「メイドインジャパン」がよく売れるオセアニアなどの市場への展開も狙っているようです。

  日本における現地生産はまったくないわけではないが(アストンマーティンシグネット)、欧州の有名ブランドの中核モデルを日本で作るというのは珍しいことです。できれば小型スポーツだけでなく、アルファロメオ159の後継モデルまでマツダが作り始めたら、買ってみたいなと思いますね。こんどトヨタがBMW製のミドルサイズクーペを販売するそうだが、ドイツ製の日本ブランド車よりも、日本製のイタリアブランド車のほうに強い興味を持ってしまう人は結構多いのではないでしょうか。フィアットの「日本生産戦略」はぜひうまくいってほしいですね。

  フィアットはさらに今後マセラティで新型セダンを複数投入して、ドイツプレミアムや日本プレミアム(レクサス・インフィニティ・アキュラ)の6メーカーを、マセラティが持つさらなる高いステータスで押し潰す計画があるようです。グランツーリスモやクワトロポルテに近い質感とフォルムを持ち、もっと買いやすい価格設定の新型セダンを投入するようです。マセラティは北米価格でも12万ドル〜でメルセデスのSやCL以上のステータスがあるのですが、6万ドル(北米だとBMW5やベンツEよりちょっと上)くらいまで下げてくるという噂です。

  ありきたりなセダンのデザインを展開するドイツ勢と比べると、マセラティのフォルムはセダン(クワトロポルテ)もクーペ(グランツーリスモ)のどちらも官能的で、ドイツ車や日本車にはなかなか影すら踏ませない抜群のデザインです(なぜ他車がコピーできないかが不思議)。このブランドが「超高級ブランド」から「プレミアム」へ下がってきたときに、3BOXカーの概念もまた大きく変わるように思います。アテンザやクラウンでセダン人気が復活との噂がある日本でも、マセラティが少し「一般化」されるようになったら、いままでドイツセダンをベンチマークしていたクルマ(ドイツ車を超えつつあるデザイン?が再び進化を遂げそうです(新型ISはマセラティのレベルかも・・・)。