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2018年3月11日日曜日

ボルボXC60(2018 / NO1) 『WCOTYに手がとどくか!?』


世界の頂点が見えてきた 

  WCOTY2018のフィナリスト3台が発表された。マツダCX5、レンジローバー・ヴェラールそれからXC60。3台ともSUVになってしまうのは昨年と同じですども、今年は旧フォードグループが独占しての「エモーショナル頂上決戦」となりました。去年はどんぐりの背比べのスペック&装備ポイント評価に対して、「エモーショナル」評価でジャガーFペースだけが8点台を記録して圧勝。(WCOTYの採点表にはエコ、安全性、売り上げ、エモーショナルなどいくつかの項目があります)

「エモーショナル」の進化は?
  ここ数年の「ワールドカー」部門(メイン)で、エモーショナルで8点台後半以上を繰り出せているのは、旧フォードとポルシェだけ。ラグジュアリー部門でこそBMWi8が「8.9」を記録してますが、「ワールドカー」部門では渾身デザインの4シリーズで「8.2」こそありますが、他のモデルは低調。日本で売れているメルセデスはびっくりなほど評価されていません。ちなみにCクラス「8.0」がメルセデスでは「ワールドカー」部門の最高です。伝統主義の頭デッカチが審査員に多いから、最近のメルセデスデザインは「邪道」とか思われているのか!? 

M以外の日本メーカーはダメだ・・・
  トヨタや日産などの日本の主流メーカーはもっと悲惨で、2014年にスカイラインとレクサスISが参戦して「激戦」と注目されたものの、両車ともに4シリーズに及ばないばかりか、格下のマツダアクセラにも大きな差をつけられる始末。WCOTYが正しいという根拠は全くないですけども、安定企業が大好きな日本のサラリーマンにカーデザインなんて無理だ!!という先入観が強まる。トヨタ、日産の名誉のために書いておくとトヨタ86は2013年に「8.3」を、GT-Rは2009年に「8.6」を獲得。

旧フォードグループの創造性は止まらない
  昨年(2017)はFペース「8.4」の他に他部門ですがDB11が「8.8」のミラクルスコア。さらに一昨年(2016)はNDロードスターが史上最高タイの「9.0」を記録。9.0を過去記録したのは2011年のレンジローバー・イヴォークと2010年のメルセデスSLSだけ。その前(2015)は大賞こそ取れなかったもののマスタングがエモーショナルでトップスコアを記録。新生ボルボにとっては未だに8点台も出せていないのでプレッシャーがかかる展開ではあります。今年のXC60に加えて来年のXC40にも期待がかかるところ。

エモーショナルなSUVとは?
SUVってのは「アクティブ」か「ファミリー」かをはっきりさせた方がいいと思う。キャラクター、カテゴリーを色濃く示してくれないと書いにくい。そう感じるのは、去年CH-Rが、そして今年はCX8が目立ってブレイクしているからかもしれないけど。日本市場だけならば、今後しばらくもしかしたらCX5よりCX8が売れるかも。CX3はややキャラ設定に失敗したな・・・。

「ボンクラ」に見えるけど・・・。
  ボルボにおいてもXC90と今年登場する新型XC40の間に位置するXC60は少々ボンヤリ見える。河口さんは「ボンヤリ」でも売れると太鼓判を押してますけど、実際のところ、潜在ユーザーの推計7割近くは「個性不足」というだけで敬遠しているんじゃないだろうか。そんな状況で強力なライバルモデルが出現したら販売はほぼ壊滅的だと思う(ボルボにとってはいつものことだけど)。600万円台のDセグメントSUVで印象的なモデルは、今のところはマカンとRXですが、スポーティとラグジュアリーファミリータイプに分かれて市場を二分してます。この2台と比べてもXC60、SLC、 Q5、X3はちょっとボヤけた印象がある。

販売業者の都合でトレンドが左右されてしまっている!?
  輸入車販売業者にとっては、適度な値引きをしておけば、「アクティブ」「ファミリー」どっちに需要に対しても売り込み可能なので重宝するのだろう。今のところ日本導入モデルは全グレードがAWD。ガソリン(T5・254ps)でもディーゼル(D4・190ps)でも実勢価格は500万円〜。BMW、メルセデスのAWDのDセグ・SUVを同じ価格で買えたら相当にラッキー。ハリアーのAWDで2LターボもしくはHVを選んでも400万円以上するので、トヨタ並みにコスパが良いとも言える。


輸入車のメリットが伝わる市場になればいいけど・・・
  いろいろなタイプのユーザーがいるから、なかなか輸入車にヒットモデルが生まれにくい。日本メーカーの新型車にしてもメーカーが巧妙なPR戦略を繰り広げてなんとか誘導して売っているけど、半年もすれば一気に売れなくなる。定価で600万円とかするクルマではほとんどのPRが空振りに終わる。早い話が金を持っている人だけにDMを撃った方が圧倒的に効率がいいわけだ。東京モーターショーにのこのこやってくる人々に、高額モデルを見せつけたところで販売は伸びないから、どんどん参加メーカーが減る。

いいクルマを効率よく売る方法がない
  ボルボはXC60は東京MS2017ではインポーターが独自に展示を行ったけど、ボルボ本体は参加を見送っていた。まあS90やXC90を売るなら東京モーターショーとは別の方法がいいのは素人にもわかるからそっちにお金を使ったのだと思う。WCOTYも「ワールドカー」「アーバンカー」「ラグジュアリーカー」「パフォーマンスカー」に細かく分かれて審査する時代なので、メーカーもジャンルに応じて販売方法を選ぶ時代なんだろうな。

自動車販売における大革命が待たれる
  東京MSで販売が捗るのは「アーバンカー」と「パフォーマンスカー」くらいじゃないだろうか!?今ではBMWやメルセデスよりも敷居が高くなりつつある新生ボルボにとって東京MSにはもはやメリットを見出せないかも。ポルシェのようにわぎゃわぎゃいる観衆を観客に見立てて「太い客」をステージにあげて、優越感を煽る接客をやってたりするけど・・・。

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2014年4月18日金曜日

ボルボ S60/XC60 T5搭載の新型エンジン

  北欧ブランドの「雄」ボルボは、新興国マネーの流入により再びグローバルでの展開を意図した意欲的な開発を行っている様子は素直に嬉しい限りです。日本のファンの間ではこの新生ボルボの今後を危ぶむ声も聞こえましたが、やはりクルマを愛する気持ちは世界共通というべきかボルボの魅力が損なわれることなく、経営自体も軌道に乗りつつあるようです。

  当初から開発資源が極めて限られているという状況から、1.6Lターボに一本化するPSAのような合理化路線が予想されていましたが、そんなナメた見方を一蹴するかのように、ここに来て新開発の2Lターボ「Drive-E」を登場させました。主力セダンのS60は日本では1.6L直4ターボの「T4」と3.0L直6ターボの「T6」が導入されていましたが、欧州では展開されている2L直4ターボの「T5」が輸入されませんでした。これにはおそらく「大人の事情」があるのでしょう。

  従来の「T5」で使われていた2L直4ターボは、ボア×ストロークが「87.5×83.1」の希少なショートストローク・・・これはまさしくマツダの「MZRエンジン」で現行ロードスターに積まれているものと同じです。つまりマツダとのライセンスの関係で日本に導入できなかったのでは無いかと想像できます。そしてXC60T5もこの「マツダエンジン」だったのですがはSUVならアテンザ(GH系2L)と被らないからOKだったのか? それにしても日本のライターはXC60T5の従来のエンジンに言及するときも決して「マツダ」とは言いません(これも大人の事情か?)。

  新開発された「T5」用エンジンはボア×ストロークが「82.0×93.1」とロングストローク化されました。最近の欧州エンジンのトレンドなのでこれは予想の範囲内。現在使われているBMWやメルセデスとほぼ同じサイズになっています。ロングストローク化の効果は一般には低回転トルクを増やす効果がありますが、ストロークが長くなることで回転数の上限が抑えられてしまうという難点もあります。そして欧州メーカーは近年では2L以下に関しては「ロング」で、3L以上に関しては「ショート」を採用するという仕分けがされています。

  BMWやメルセデスを見ると「ただ走るだけ」のモデルは「ロング」への切り替えが進み、一方で「スポーティな走り」を追求するモデルには積極的に「ショート」を使っています。この両極端の特性を使ってグレードの味わいを徹底的に差別化しています。BMWだったら1.6L/2Lはロングで、3Lはショート。メルセデスなら1.6L/2Lはロングで、3.5Lはショートといった具合です。そしてボルボの場合は・・・この新型の2Lがロング、そして3L直6も全く同じボアストロークなのでロングになります。官能的需要がまだまだ高いドイツプレミアムに対して、そういう需要が計算できないボルボの実用性一本槍の設定。これが自動車メーカーに突きつけられている現実なのだと思います。

  マツダやフォードの本拠地で商売せざるを得ない新生ボルボにとって、エンジンのライセンスの制約でフルラインナップの投入ができなかったわけですが、やっと待望の自社ブランドエンジンを手にしました。フォード「エコブースト」、マツダ「スカイアクティブ」と同様にボルボ「Drive-E」と銘打った"セルフブランディング"の新型エンジンはトヨタ系の部品メーカー「デンソー」の全面バックアップを受けて、環境性能を重視した出来映えなのだとか。

  トヨタとの接近により、今後はトヨタ陣営の尖兵として、メルセデス=日産陣営に対抗する勢力として日本や北米で勢力を伸ばすかもしれません。特に2Lターボに新技術を入れて怪気炎を挙げるメルセデスに対し、トヨタが牽制の意味を込めてボルボの新型エンジン開発を裏で支援してそうな気配も・・・。レクサス本隊にスポーティなBMWとスバル、そして環境&安全志向でジェントルなボルボを配するという布陣。新型Cクラスと新型スカイラインの2枚看板を完全包囲して勢いを封じることができるのか? ボルボの今後はまだまだいろいろな展開がありそうですね。

  
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