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2017年7月3日月曜日

シトロエンC3 「日本市場で爆発するポテンシャルありそう」

 

  最近のオシャレな小型車で大流行している塗り分けです。街中にこの『白・黒・赤』が繁殖するのとしたら・・・ちょっと異様な光景なのかも。シトロエンだったらもっともっと独創性があってもよかったんじゃないの? フロントのレトロフューチャーな装いと、サイドのウレタンパネルで十分差別化できてますけどね。かっこいいなー。フィアット500、ダイハツキャストスポーツ、スズキアルトターボRS/ワークス、ノートNISMO、ジュークNISMO、エクストレイルNISMO。ホワイトをベースにレッド&ブラックのアクセントを加える塗り分けはいいですね。

  あまりにも「様」になっているので、逆にホワイト一色で塗るノーマルなままの小型車がちょっと地味すぎるように感じます。街中で見かける新型モデルも、塗り分けや加飾パーツが付いたモデルが多い気がします。本体よりもアクセサリーにお金をかける時代なのか!? トヨタ(アクア、ヴィッツ)、マツダ(デミオ、CX3)、ホンダ(S660)などは純正オプションパーツで、『白・黒・赤』カラーリングに対応しています。中にはドアミラーだけ『赤』みたいな中途半端なデコの個体もあったり。MINIやボルボの国旗アクセントみたいに『日の丸』アクセントなんてどうでしょう。今ではカラーリングを楽しむのは小型車を持つ醍醐味ですから、色々あって良さそうです。

  ダイハツの新型ミラーイースのデザインはなかなかイケメンだなと思ったのですが、このミライースのようにシンプルでそれほど奇抜ではない造形の方が、カラーリングを楽しむには向いているかもしれません。配色も完全にオリジナルでももちろんいいのですけど、周囲とのコミュニケーション(痛車か!?)という意味では『パロディ』もいいかも。あの『ハチロク』みたいな白黒の塗り分けなんてどうでしょう。そんなことが思いつくと、結構本気で購入計画を立ててしまったりします。

  先日ガソリンモデルの投入を発表したマツダCX3の価格が210万円〜と発表され、約30万円ほどベースモデルの価格が下がりました。マツダはC-HRやXV相手にするなら、これで十分に勝負できる!!と見ているようです。シトロエンC3もCX3くらいの価格が予想されているのですが、マツダの視界にこのクルマがあったのか!?「走り」が好きなユーザーならば、CX3か?シトロエンC3か?という二択も十分にありえます。200万円そこそこでCX3とC3が激突!!これはなかなかのマッチアップになるのではないでしょうか!?

  CX3のような都市型コンパクトクロスオーバーは、ちょっといいグレードを選ぶとすぐに300万円超えるので、なかなか贅沢な選択肢でした。300万円あれば、衝突安全性でトップレベルのミドルセダン(レガシィB4、ティアナ、アテンザなど)が買えますから・・・。そんなミステイクな戦略に気がついたのか(?)マツダはCX3の値下げを断行しましたが、やはりある程度は高級なイメージを維持するためにも、さすがに200万円を切る設定にはしなかったです。あまりに極端な値下げはすでにディーゼルを買ってくれているユーザーにも不親切極まり無いですし、そこは非常に良心的な対応だったと思います。果たしてシトロエンC3は210万円を下回ってくるのか!?

  CX3、XV、C-HRの3台の日本車SUVは、出色の出来で、ちょっと見ただけでもメーカーの気迫が伝わってくるんですが、強いて難点を挙げるならば、C-HRの1.2Lターボと、XVの1.6L自然吸気はやや役不足な気がします。同じくらいの車重のシビックが1.5Lターボ(180ps)で登場するので、これが日本でも基準になっていくようです。1300~1500kgの間の車重で、欧州スタイルだとベースが90~140ps前後、スポーティタイプが150ps以上。北米スタイルだと150ps〜200ps前後がベースモデルのスペックになってます。日本市場もこれまでは欧州タイプに近かったのですが、XVが2Lモデルを中心に販売していたり、CX3が今回2Lモデルを配備するなど、北米&欧州スポーティなタイプが中心になってます。

  そんな中でシトロエンC3のような欧州スタイルど真ん中の1.2Lターボエンジンを搭載したグレードが日本にやってきました。C-HRみたいにオーバーウエイトなのか?というとそうでは無いようで、『1100kg程度の車重』に、『アイシンAWのロックアップするトルコンAT』が使われていて、とりあえずCX3やXVに匹敵するくらいに元気に走れそうです。スズキの新型スイフトがデザインはともかく、動的質感においては破格の評価をされてますが、それと同じ軽量化路線をとっています。

  価格において、スイフト(1L/T・170万円)<シトロエンC3(1.2L/T)<マツダCX3(2L/NA・210万円)<スバルXV(2L/NA・248万円)<トヨタC-HR(1.8L/HV・264万円) のポジションに収まるならば、もはや日本生産車と同列に並んで『リーズナブル』『お買い得』と言ってもいいかもしれません。ちなみにスバルの名誉のために付け加えておくと、XVのみAWDで衝突安全基準でもぶっちぎりの数字を出していて、上位カテゴリーのアテンザ、ティアナ、レガシィB4をも超えてしまっています(つまり248万円でも相当にコスパは高い)。

  ベタに価格&スペックを並べたてましたが、やはり小型車は『相性』じゃないですか。北米IIHSのトップ23車(保険料が割安になる安全なクルマ)に選ばれているCX3や、JNCAPでほぼ満点を取ってしまったXVなら、ファーストカーとしてのチョイスもありかも。高速道路もガンガン巡行できる。それに対してスイフトやシトロエンC3は、ある意味で『スポーツカー』です。スイフトの場合はこのあとに出てくるスイスポが本命でしょうけども、マツダやスバルが訴求する乗用車としての機能性とは、逆の路線を追求してスポーティさを『軽さ』に求めました。

  スイフト、C3、CX3、XV、C-HRの5台。どれを買っても満足度は高そうですが、それなりに考えて選ばないいけないなと思います。実際にどれが一番スポーティなのか!?車重、シャシー性能、タイヤ、駆動方式、エンジン、ミッション、シート、インターフェースの少しの違いでかなり印象が変わるのが小型車ですが、小型車の傑作を作ってきた『キャリア』で選ぶならスズキとシトロエン。これに対して、スバル、マツダ、トヨタがどれだけ意地を見せるのか!?今後のマイナーチェンジを含めて楽しみです。

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2017年1月19日木曜日

シトロエンDS5 ディーゼル追加でレザー仕様が497万円

  フランスの大統領公用車にも使われるシトロエンDS5。見た目に優雅ではありますけども、いわゆる高級リムジンとは方向性が違うクルマで、トヨタのロングセラーミニバンであるエスティマを彷彿させるスタイルで、キャビンにゆとりがあるクロスオーバー・サルーンという独特の立ち位置です。これで3列シートならもっと需要があるのでしょうが、3列収まりそうなスペースを広々と2列で使うから優雅なのであって、このクルマの個性を考えたならばやっぱり2列が正しいように思います。

  1950年代に生まれたシトロエンの「DS」というフラッグシップサルーンは、ド・ゴール大統領も愛用したフランス自動車産業を今も照らし続ける名車ですが、そんな「ユニーク」で「ゴージャス」で「ハイセンス」なクルマを現代に甦らせよう!!という企画でDSブランドが立ち上げられ、その新ブランドのフラッグシップを務めるDS5は「エキセントリック」だけど「アリ」なクルマというギリギリのところを「攻め切った」設計になっています。いちいち文章で伝えるのは難しいので、興味を持った人は「シトロエンDS」と検索してDS専用サイトでその全体像を見てみて下さい!!なかなか圧倒されますよ!!

  一体いつからフランス車は平凡で単なるドイツ車の下位互換くらいにしかならない、つまらないクルマばかりになったんだ!!っていうと怒る人もいるかもしれません。しかし某ドイツメーカーの主力モデルを単純に真似たような設計は、本当に実用一点張りでしかなく、そもそも「設計作業」からして面倒だから省いた!!ようなクルマばっかりじゃん・・・。そんな中で新ブランドであるはずの「DS」もイマイチ気合いが足りないですね。プジョーやシトロエンと同じシャシーで仕立てられていてメカニック面での差別意識が乏しい!!レクサスやアウディよりも圧倒的に乏しい!!

  しかし愛情を持ってフランスブランドが21世紀にサバイバルしている足取りを応援する人の気持ちはとてもよくわかります。イタリア車や英国車はマニアック過ぎる!!日本車やドイツ車は当たり前過ぎてダサ過ぎる!!だから俺はハイセンスなフランス車が好きなんだー!!って心の中で散々に叫んでいるストイックな原理主義者もたくさんいることでしょう。そのイカレっぷりはスバルやマツダが大好きで堪らない人々と相通じるところがあります。

  これは解る人にしか伝わらないでしょうけど、ドイツ車やトヨタ、日産、ホンダといった日本の大手メーカーはひたすらに「主導権を取る」マーケティングが要求されていて、そこでいちいち「燃費」とか「スペック」だとか「車格」だとかに囚われているのがかなりダサい!!実車を見てそういう意図を汲み取ると、いちいちアホくさー!!って気持ちが冷めてしまう要素があまりに多いんですよねー。例えばランフラットを使うスカイラインとか、トヨタとかBMWとかいろいろな要素が混ぜこぜになっていて、しかも古臭く見えるレクサスのインパネとか・・・。いちいちセンス無いんですよ。

  それに対して「俺がこのブランドのクルマを買ってあげて応援しないと、やがては消え行く運命なのかなー」くらいに思わせてくれるブランドはそれだけでいいですね。何とも言えない「儚さ」があって、そういうブランドに限って面白い機能が付いていたり、走りがとても個性的だったりで、まーそれで初めてクルマってのは実用性から離れた「価値」を持つんだと思います。スポーツカーを単発で作る零細ブランドはまだまだたくさんありますし、これからも必要に応じて出て来るでしょうけど、総合ラインナップの普通車メーカーで、ドイツ3陣営&日本の大手3メーカーを相手に健気に「中型車」を送り込んでくるブランドは特に大事にしたいです・・・シトロエン、プジョー、ボルボ、ジャガー、アルファロメオ、スバル、マツダ。

  「DS5」「508GT」「S60」「XE」「ジュリア」「アウトバック」「アテンザ」・・・この内の1台はこれから導入予定ですが、日本市場に輝く7つの宝石と言っていいと思います。DS5のディーゼル搭載で、アウトバック以外の6台はすべてディーゼルが用意されることになりましたが、果たして来年2018年を7台揃って迎えられるのか!?というくらいに現状では販売は低迷しています。フランス車の2台はマイナー過ぎる。ボルボとジャガーは価格が高め。アウトバックとアテンザは価格は手頃だがややサイズがデカいですかね・・・。

  Cクラス、3er、スカイライン、レクサスISといったDセグの王道プレミアムを相手に、互角以上のハイスペックな装備を持つモデルばかりなので、もう少し売れてもいいのかなーという気がします。たとえばリアシートヒーターは王道の4ブランドはどこもオプションでも用意されていませんが、ボルボ、スバル(標準装備)、マツダでは付けることができます。母親を乗せることもままあるので、これだけでも選ぶ価値はあるなーと思います。508GTとXEは王道にくらべてハンドリングの出来が素晴らしいです。

  そんななか「7つの宝石」のリーダー格はやっぱり「DS5」で、キャビンを広く見せる工夫として前後に3分割された「コクピットルーフ」は、Dセグながらもなんともハイエンドなセレブ感を演出するすばらしい仕掛けです。さすがは大統領専用車にもつかわれるクルマですね・・・。ボデー剛性ばかりを気にするドイツメーカーには絶対に出来ない発想じゃないですか!?日本の自動車評論家の手にかかれば、そんな上屋にガラスルーフをたくさん広げたら、重心が高くなってしまってダメだ!!みたいなこと言い兼ねないです。だから日本メーカーも安易にそんな設計にはしないみたいですね。やっぱりカーメディアは「害」だな。ヤツらの理論に基づいたとってもつまんねー日本車とドイツ車に「NO」を突き付けたい・・・。

  自分のライフスタイルに合わせてDS5に乗ってみよう!!というオシャレな選択は、とりあえず日本のサラリーマンにはまだまだ難しそうですね。借り上げの社宅からクルマまで、周囲に合わせた選択にせざるを得ない。もし若いうちから輸入車なんかに乗っているのが上司にバレたら、もう出世が遅くなるー!!っていう窮屈な人生を送る限りは、「DS5」なんてまったく縁のないクルマかもしれません。今のところはフリーランスでガッツリ稼げる人だけが愉しめるクルマなのかも。確かに7台の中では断然に派手なエクステリアですから・・・。



 

2015年8月14日金曜日

PSAグループから新ブランド「DS」が誕生!これはプレミアムファミリーブランド!?

  シトロエンから新しいプレミアムブランドとして独立した「DS」の今後の展開が楽しみです。フランスにもプレミアムブランドの波が・・・と言われたらそれまでなんですけど、単なる「PSA版のアウディ/レクサス」というわけではなさそうです。PSA車をベースにFFのオシャレに仕立てていて、格式張った「高級」を狙わないクルマ作りこそがこのブランドの特徴ですが、今の自動車業界に求められているのがまさにコレでは?という気がします。「高級」よりも「センス」という視点は・・・まるでバブル期にマツダが創設して瞬く間に終わった「ユーノス」みたいです。

  しかしあれから25年経った現在にユーノスブランドみたいな存在があったら面白いんじゃないかと思います。幸いなことに今ではマツダブランド全体がユーノスで目指そうとした形に収束してきているようで、今度は見事に成功?を収めつつあります。1989~1990年頃にマツダが生産する独自モデルを次々に展開した「ユーノス」のデザインは今見てもセンスが薫る出来映えです。フラッグシップに置かれたロータリー搭載のラグジュアリークーペ「コスモ」は、スープラ、三菱GTO、スカイラインGT-R(R32)をも上回っていた豪華版だったようですが(実勢価格は知りません・・・)。

  そもそもユーノスはマツダがまだまだ欧州市場が群雄割拠の時代(1990年頃)に、「デザイン」で覇を唱えるといった、自動車メーカーの経営戦略の枠を超えた「野心」に満ちた企画だったのだと思います。残念ながら冷戦終結後に押し寄せたバブル崩壊の波に飲まれて木っ端みじんになりましたが、RX7FD3Sが「フェラーリよりも美しい」という本物の評価を得ていたマツダゆえに、欧州で躍進して世界的な権威のある自動車メーカーへと登り詰める青写真を持っていたのかもしれません。

  マツダの高いデザイン力をまったく理解してくれない日本市場から抜け出し、その実力がそのまま「競争力」になるうる欧州市場へと軸足を移すのは必然の流れだったようで、同じ境遇の三菱も日本ではパジェロとランエボのイメージが強いですが、ディアマンテやエクリプスなど非常に高いデザイン性を持ったクルマを2000年代まで輸出していました。

  「スープラ」「スカイラインGT-R」「NSX」「GTO」「コスモ」「アルシオーネSVK」とバブルの絶頂に作られた日本のラグジュアリー・スポーツクーペ(いずれも当時はポルシェよりも断然に速い!)を改めて比べると、三菱GTOとユーノスコスモの知名度がやや劣るのかな・・・という気がします。しかしドイツでは、この時代に築き上げたブランドイメージによってマツダや三菱が大手3メーカーを凌ぐ人気を誇っています。

  マツダや三菱の魅力はもちろん世界最高を自認できる高い技術開発力ですから、「コスモ」や「GTO」といったハイテク車でブランドイメージを牽引する戦略は当然であり、それ自体を否定することはできません。しかし「ロードスター/RX7」や「ランエボ」を育て上げたマツダや三菱にはオシャレな小型スペシャリティも手を抜かずに作り込むというDNAが備わっていたようで、その流れがそのまま現在の欧州スペシャリティ市場で芽を開きました。日本でも人気の「ボクスター」「BMW Z4」あるいは「アウディTT」「A45AMG」などは、マツダや三菱が築いたジャンルの上に成り立っているといってもいいでしょう(パクリです)。

  ロードスターやランエボのコンセプトを、ポルシェやメルセデスがコピーすると700万円のクルマに変わる!?ようで、このなんともバカヤローなドイツメーカーの手法が、スペヤルティカーの市場を徹底的につまらないものにしてしまった感はあります。ロードスターがボクスターになったからといって、そのまま華やかな都心の大通りに出て行ける風格があるわけでもないですし、ランエボがA45AMGになったところで使い道が増えるということもありません。オーラも車格もそのままでただただ車両価格が高くなっただけ・・・。

  先駆的で輝く存在のクルマをさらにブラッシュアップして、新たな付加価値を加えることが、プレミアムブランドの本来的な意味ならば、それを実直に行っているのは・・・「レクサスCT」なのではないかという気がします。HV創成期にトヨタは普及のためのダンピングを行ったため、プリウスは基本的な素養においていささか不満が噴出するモデルでしたが、それをしっかりフォローして満足度をしっかり引き上げ、それに応じた車両価格を適正に賦課した「レクサスCT」は世界的にもヒットしました。

  レクサスにおいては異端的な存在とされている「CT」ですが、トヨタブランドの上級モデルをそのままスライドさせた他のモデルに対して、顧客の視点から納得できる「プレミアムカー」ではないかと思います。実際のところレクサスHSとSAIあるいはレクサスNX/RXとハリアーにそれほど決定的な違いはないですが、CTとプリウスの間には看過できない開きがあります。残念ながらレクサスは低価格路線のこれ以上の展開は、トヨタブランドとの兼ね合いを考えても無理そうなので、「ヴィッツ/アクア」のレクサス版が出ると噂されていますが、実現するかどうかは微妙です。

  そんな「レクサス」の隠れた美点に目を付けたかどうかはわかりませんが、「DS」ブランドは現行のラインナップを見る限りは、レクサスCT的な手法のモデルで上から下までの全ラインナップを構成しています。「そんなブランド興味ない!」という人もまだまだ多いでしょうけど、少なくともメルセデスやBMWが裾野を広げるために投入している、廉価ファミリーカー路線のモデルを選ぶくらいなら、もともとFF車で実績のあるPSA車をベースにデザインされた「DS」の各モデルがいいのではないか?という気がします。

  これまでは「ファミリー」と「プレミアム」はあまり関連するキーワードではなかったのですが、プレミアムブランドにとってはいかに「ファミリー」を攻略すべきか?が今後の戦略では非常に重要となっていて、その一つの解決がSUVのフルラインナップ化だったりするようです。そして「DS」ブランドのもう一つの特徴が「SUVに背を向ける戦略」のようです。プレミアムブランド化を宣言して、SUVをフルラインナップしたところで、ドイツ・日本・韓国のメーカーとの煩雑な販売合戦に巻き込まれるだけ!ということを見越しているのでしょうが、「オレたちはフランスのブランドだ!」という自己主張とも受け取れます。もちろんフランス市場は日産ジューク以来SUVブームが続いていて、ルノーもプジョーも小型SUVで業績を確保しているわけですが、「DS」にはアンチSUVのアイデンティティが備わっているかのようです(発売されちゃうかもしれないですが)。

  「DS」ブランド設置の追い風となるのが、欧州の排ガス規制強化で、BMWやメルセデスなどによるハイパワー化の流れは完全に止まり、ガソリンターボは200ps程度に抑えられ、4気筒が完全に主流なので、PSAのエンジンでも全く引けをとりません。さらに日本でも欧州車はディーゼルへという方向が完全に出来上がってきていて、PSAのクリーンディーゼルがプジョー、シトロエン、DSの3ブランドから発売されるのも時間の問題となっています。どのブランドが最も早く「プレミアム」「ファミリー」「ディーゼル(経済性)」を高いレベルで融合させるのか?・・・DS(5)・BMW(218d)・メルセデス(CLAシューティング)・ホンダ(ジェイド)・マツダ(アテンザワゴン)・スバル(エクシーガ)に対してトヨタがどう出るか?(フィールダーではちょっと・・・)

  とにかくSUVは嫌いです!というファミリーユーザーは少なくないです。理由は・・・お察しください。まあ基本的には好き嫌いの問題ではあるんですけどね。SUVは確かに売れてますが、日本においては一時の勢いは弱まってきています。ライバル車も多いですから見かけ程には儲からないジャンルになってきていると思います。そんな中でも力強く伸びていくためには、SUVやミニバンではない「裏メニュー」的ファミリーカーを試行錯誤して売り抜く(シェアを奪う)ことが大事なのだと思います。ホンダなどの日本メーカーに負けない「低床化」のノウハウなどを持つPSAが、DSブランドを使ってファミリーカーに新しい流れを作り、ドイツブランドも日本ブランドも押し退けることが出来るか?見ものです。

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2014年1月31日金曜日

シトロエンDS3 「いよいよ感染力拡大中!」

  日本人が好むクルマのサイズはどんどん小さくなっているようだ。地域によって多少は違いがあるのかもしれないが、私が住んでいる地域(東京都西部)では軽自動車の割合はとても4割とは思えないくらいに少ないが、プライベート利用の普通車はやたらと5ナンバーが目立つ。どうやら軽自動車に乗るには勇気が要ると考えている人が多いようで、見栄で普通車を選んでいる様子が伺える。なんとも貧相な価値観なんだろうと住人としてちょっと虚しい気分にさせられる。

  あくまでご近所の話だが、国産車ユーザーはHV率が高くアクアやフィットが主流。しかし最近では輸入車の小型車が急速に増えてきている。特にポロやビートルといったVW車が目立つ。日本製のHV車と東南アジア製のターボ車。世界的に見れば断然に日本製HVの方が高級品なのだが、モノの価値が解らない東京西部の愚民の中には、ドヤ顔しながらASEANターボ車で国産HVに対して高圧的な煽り運転するクズ(意外と中年女性が多い)もよく目にする。これを見る限りでは「ゆとり」と言って若者をバカにする風潮がある中で、日本人としてのプライドの欠片すらも持ち合わせていないバブル世代の方が圧倒的にイタい・・・。

  アクアの後ろから「遅!」とばかりに煽り倒すDCT装備のASEANターボを見かける。「いやオマエも十分に出だしが遅い」とツッコミたくなる。信号の無い直線道路でぶっ飛ばす分にはVW車はよく出来ているが、右折左折や発進でのモタモタはどうにかならないのか?信号の多い日本ではとりあえずNAエンジン&トルコンATに乗っておけよ・・・。さらにVW車に言いたいのはポロとゴルフとトゥーランは地味過ぎる。今の日本の元気のなさに拍車をかけるのはやめてくれ。町の風景が余計に不活性になるからもっと派手なパーツでも付けてから走ってくれ・・・。もちろんもっと目障りな連中もいるけど。 

  日本の自動車行政が燃費とかCO2排出とかに優遇措置をするのに反論する気はないけど、これだけ日本の町が急速に魅力を失って不活性になっているのだから、町の景色に少しでも貢献するデザインのクルマを何らかの形で評価してもいいんじゃないかという気がする。オシャレで若者が欲しいと思うクルマなら国産・輸入問わず経済の活性化に貢献するのではないか? 若者がドライブし始めれば地方都市も潤う。むざむざと海外旅行ばかりに行かせていては日本はすっかり負け組だ・・・。

  そういう意味で活躍が期待できるクルマがシトロエンDS3。最近では近所のスーパーで良く見かけるようになった。シトロエンというブランドのクルマ作りを他の全てのメーカーが取り入れろというつもりは毛頭ないけど、かれこれ4年前に投入されたこのDS3が徐々に影響力を増している。ホンダもトヨタもこのクルマのコンセプトを密かに取り入れている。いや「密かに」どころか・・・CR-ZやレクサスCTのマイナーチェンジを見れば誰にだってその影響力の大きさはわかる。

  史上初めて1000万台の大台を突破したトヨタは偉大なメーカーだが、かつてハッチバックや5ナンバーセダンの高級車化という「目標」は達成できないままに投げ出してしまった。トヨタが出来ないのだからどこがやっても無理だろうという想いはあった。BMWやメルセデスがハッチバックを作ってもやはり茶番にしかならなかった。だれもが小型車に限界を感じていたけども、シトロエンは史上初めて「小型車のプレミア化」に成功したと言ってもいいかもしれない。DS3は思わず近づいて見てしまうほどに良いデザインだ。


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2013年3月8日金曜日

プジョーとシトロエン 日本人が愛するブランド

  プジョとシトロエンは意外なことに北米では販売されていません。理由はいろいろあるのでしょうが、簡単に言うと「フランスメーカーのプライドが北米仕様のクルマを作ることを望まなかったから」というのが両メーカーのファンの皆様の見解です。日本メーカーのように国内市場を無視してまで北米仕様のフラッグシップモデルを作ろうとは思わないようです。

  ドイツ車のように北米や東アジアを強く意識したクルマを作ることは、欧州車としてのアイデンティティの喪失につながるとフランス人の多くは考えていて、そのことは日本車をめぐる環境にもそのまま当てはめることができます。日本の普通車市場ではトヨタだけが国内専用車を多数展開していますが、その甲斐あって日本で5割に及ぶ普通車のシェアを持っています(独占禁止法の上限すれすれか?)。プジョとシトロエンが北米へ進出しないことは「プライド」であると同時に「戦略」ともいえます。欧州におけるPSAのシェアは13%でVWグループに次いで2位です。これは世界シェアでは9位のメーカーグループとしてはかなりの好成績です。VWグループはドイツとチェコ(シュコダ)とスペイン(セアト)の多国籍編成に加え超小型車を売りにして販売台数を伸ばしているので、フランス単独のメーカーであることと、ミドルクラス主体の展開であることを考えれば欧州ナンバーワンのメーカーと言ってもいいと思います。

  また北米や東アジアを意識したクルマ作りをしていないので、日本で販売される輸入車ではフィアット(アルファロメオ)と並んで最も「欧州車」と呼ぶのにふさわしいメーカーといえます。日本のインフィニティ・アキュラ・レクサスとドイツのメルセデス・BMW・アウディが、世界市場(主に北米)で競合する中でお互いによく似ていて個性のないクルマ作りになっているのに対し、プジョやシトロエンのクルマには日独のメーカーにはない「オリジナリティ」を感じます(たとえエンジンがBMW製でも・・・)。どちらがよいかとなるとまた話は別ですが。

  アメリカ人やドイツ人のクルマ好きは、日本人がスカイラインよりもベンツCやBMW3に高い価値を持っていることに驚きを感じるようです。彼らにとってベンツCやBMW3ももちろんいいクルマですが、スカイラインはスーパーカーとも言える別格の存在だからです(日本ではベンツCやBMW3よりスカイラインが安いことも驚きのようだ)。だからスカイラインがあればドイツ車はいらないということでは決してないですが、日本車に無い魅力が輸入車の本質だとするならば、プジョ・シトロエン・フィアットの方がその要素は強いと思います。素晴らしいことに日本にはこれらのクルマの愛好者もたくさんいて、それぞれ日本向けに右ハンドル車(イギリス向けか?)を作って正規販売が続いています。日本のクルマ好きの懐の広さは世界のどの地域にも負けないものがあると思います。北米専用車しか受容しないクルマ先進国のアメリカよりも優れた部分ではないでしょうか?

  

  

2013年3月1日金曜日

PSAグループは早くも苦境から進化を見せている!

  フランスを代表する2つのメーカー「プジョ」と「シトロエン」のM&Aによって生まれたPSAグループは北米や日本ではシェアが小さいので、主戦場の欧州での不況により一昨年から苦境に立たされています。日本市場を狙った?渾身のスポーツカー「RCZ」は、トヨタ86などの強力ライバルの出現で思うように販売が伸びない(ユーザーにとってはうれしいかも・・・)状況です。それでも日本でのプジョー車は「ドイツ車ほど高価ではない」「オープンモデルが豊富で作りがよい」「リアデザインの日本車やドイツ車にはない良さ」などに定評があり、神奈川県や静岡県辺りの別荘地では良く見かけます。

  プジョはこれまで、Bセグハッチバックからフルサイズセダンまでラインナップして、車種ごとに別々のスペックを持っていましたが、今では経営再建のためほぼ全てのエンジンをBMW製1.6Lエンジンにしていて、Bセグの208からミニバンの5008まで同じエンジンになっています(シトロエンも同じ)。これは他社に先駆けての素晴らしい思い切った戦略だと思います(エンジンでリコールが発生したら全車に及ぶが、それはBMWが負担?)。BセグやCセグだとライバルよりもハイパワーのいいエンジンだし、セダンやミニバンでもダウンサイジングエンジンとして十分過ぎるパワーがあります。

  もう一方のシトロエンも不振が嘘のように新型モデルのDSシリーズをどんどん発売しています(不振だから勝負してるのかも・・・)。こちらも新しいデザインが受け入れられていて、日本市場で復活しつつあるアルファロメオやランドローバーと同じくらいは売れています(月400台)。このDSシリーズはトーションビームを使っていて、日本で大人気のトヨタのファミリーカーの趣があります。「DS3」はヴィッツにBMW1.6Lターボエンジン搭載。「DS4」はオーリスにDS3と同じエンジン。「DS5」はエスティマにこれまたDS3と同じエンジンを積んだようなクルマになっています(あくまでデザインは別物ですが)。このシトロエン「DSライン」はあくまでデザインで買うものであって、中身(ドライビングフィール)にはあまり過剰な期待をしない人にとってはとても納得できるものじゃないかと思います(オーリスやエスティマがかっこ良かったら嬉しいですよね)。個人的にはシトロエン車にはセダンのC5に装備されている世界で唯一の乗り心地を実現した「ハイドロサス」のような装備が欲しいと思ってしまいます(C5ももちろん絶賛発売中です)。

  シトロエンDSシリーズは大雑把に言うと、「トヨタの合理的といえるハッチバック・ミニバンを、シトロエン版のデザインにして、信頼性の高いBMWの1.6Lターボエンジンを積んだ」クルマです。輸入車としては価格も十分に押さえられていて悪くないと思います。例えばDS4は本体で約300万円ですが、オーリスにこのBMWエンジンならトヨタでも200万以上の価格になるので、デザインが大幅に向上しているので、オーリスの外装を取り替えて100万円と考えれば納得できます。もっとブランドの知名度を上げていければ、トヨタのデザインに物足りない人をうまく取込めるのではないかと思います。

  プジョもシトロエンも輸入車にしてはお買い得で、小型車になると日本車とあまり価格が変わらなかったりします。それでも内外装はさすがの出来映えで満足感も非常に高いクルマになっています。ブランドの強みである「デザイン力」を武器に、トヨタをベンチマークした車体にBMWのエンジンという最先端の「企画力」を発揮できていると思うので、ブランドが定着すれば確実に業績は上がってくるのでは?と思います。