2014年7月24日木曜日

聖地・群馬は BMWミニ 天国だった・・・

  先日は道案内を頼まれて、他人のクルマに同乗して群馬を「視察」してきました。祝日が絡んだ連休ということで家族連れのフリードが・・・と思いきや、最近は大人連れが多いです。基本はドライバーしか楽しめない群馬ドライブに大人4名というのは、なんとも手持ち無沙汰な感じがあります。まあクルマ好きとしては観察に専念できて、高速道路を走る高級車のサスの動きまでじっくり見る事ができました。しかしトヨタ車の後部座席に乗ってると、すぐにクルマ酔いしちゃいますね・・・エアコンフィルターをちゃんと変えてないのかも。

  群馬を走ってみて感じたのが、新型アクセラがいないってことです。V37スカイラインやレヴォーグはまだまだ数が出てないのでなかなか居ないですけど、アクセラは東京ではたくさん見かけるようになりました。江ノ島方面に行くとちょくちょく見かけるんですよね。まだ「慣らし」が終わってないから山岳路は無理なのかも知れません。2代目アクセラといえば箱根や長野ビーナスラインにいくと「集結」しているイメージすらあるのですが、どうやらFMCによる大幅なデザイン変更の結果、「山のクルマ」が「海のクルマ」になってしまったようです。まあ3代目にもスピードアクセラが出ればまた山に戻ってくるでしょうが・・・。

  日本の中でのハッチバックの存在感は少しずつ変わってきていて、今ではアクセラサイズに関しては輸入車を中心に「高級車もどき」なクルマが増えていて、特にハイパワーモデルというわけでもないのにオプション込み総額で400万円なんてこともザラだそうです。アテンザやティアナに乗ってる人から見れば「スモールカーなんて何がいいの?」思うかもしれないですが、そのスモールカーが400万円もすると聞いたら「金銭感覚がオカシイ」と驚いてしまうでしょう。

  アクセラのユーザー層に変化があったかどうかわかりませんが、とりあえず群馬を走る限り2013年に流行したボルボV40・VWゴルフ・メルセデスAクラスの「三大CセグHB」は今回ほとんど見かけませんでした。休日に群馬でクルマ走らせる趣味の人にはあまり人気がないだろうなという気はしていました。たしかに群馬を走るにはどれも少々かったるいスペックです。軽さの分だけゴルフのトレンドラインが良いという意見もありますけど、やはり1200kgを下回る水準までシェイプアップしてあるBセグが「群馬走り」の本命みたいですね。

  このクラスのクルマは、国産車の他にVW、アウディ、プジョー、シトロエン、ルノー、フィアット、フォードが200万円を下回る価格をちらつかせて一生懸命売ってます。国産にもスイフトとデミオの2大スターがいて、質の良い小型エンジンと軽快なハンドリングで世界的にも高い評価を受けています。まだまだプレミアムブランドの本格参入はアウディA1くらいなものなんですが、日本車と輸入車の価格差も小さくなかなかの激戦になっています。その中で名実ともに人気ナンバー1になっているのが、BMWミニです。ほとんどのBセグ車が日本での使い勝手を考慮して5ドアHBを採用しているのに対して、欧州での「走り」のスタイルそのまま日本に持ってきた3ドアHBが、趣味のクルマとしての満足感を高めているようです。

  今現在FMCが進行していて、ボディサイズからエンジンまでことごとく刷新されているのですが、この前まで発売されていたミニも売れるべくして売れるスペックだったと思います。クラス水準からみるとハイパワーで余裕があるBMWの1.6Lターボエンジンを採用していて、しかも車重もライバルと同程度の水準にしっかり抑えつつ、3ドアの恩恵を受けてボディ剛性は頭一つ抜け出していました。確かにベースグレード以外は軽く300万円を超えてしまう車両価格は割高感がありますが、逆に全長4m以下でこのクルマ並みの機動力を発揮できるモデルは、カタログモデルでは「スイフトスポーツ」くらいしか無かったですから、スズキブランドを避けたいユーザーにとっては納得できる選択だったようです。

  長野〜群馬〜栃木を結ぶ「日本ロマンティック街道」という観光道路があるのですが、対向車線を気持ちよさそうに何台もミニが駆け抜けていきましたし、榛名山を中之条町から登る交通量が少ない絶好のヒルクライムルートがあるのですが、そこでも軽快に登っていくミニを何台か目撃しました。・・・これまで輸入ブランドとは、日本メーカーが作らなくなったV8のスペシャルティカーみたいなクルマの為にあると思ってましたが、まさか日本車が最も盤石と思っていた小型車部門で、こんな形で惨敗しているとは思いもよらなかったのでショックでした・・・それにしてもミニはいい走りをしております。

  アテンザ、アクセラ、スカイライン、レヴォーグと「鉄壁」の中型車勢に対して、小型車の陣容は貧弱です。新型デミオが話題になっていますが、なんだかこのクルマもアクセラと同じで「海」へ行ってしまいそうな雰囲気がプンプンします。つくば・日光・赤城・榛名・碓氷・箱根を「ミニ」と「Z4」のBMWコンビにやられてしまわない内に、これらを圧倒できる日本メーカーのBセグホットハッチ&小型スポーツに出て来てもらいたいものです。86&BRZは街中では見るけど、群馬にはほとんどいなかったですね。マツダも「箱根ターンパイク」のネーミングライツを取得する前に、スズキと共同でNA1.8Lの日本車らしいスポーツエンジンでも作ってもらいたいものです。


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2014年7月2日水曜日

メルセデスCクラス が今年の本命ってマジですか?

  今年の日本カーオブザイヤーも輸入車が獲ると言われているみたいですね。選考委員を務めている評論家がすでに「やります!」みたいな雰囲気を漂わせています。しかしこのクルマは本当にゴルフみたいに同クラスの日本車を押し退ける勢いで売れるのか?という素朴な疑問があります。もちろん「メルセデスCクラス」という比較的にお手頃で日本の道路事情に適したサイズでユーザーが多いのは分りますが、この新型(W205)がさらにそのシェアをさらに伸ばせるようには感じない部分もあります。

  いよいよ今月にも日本発売が開始されるそうですが、すでにメディアにリークされているゲレード別のスペック装備などを見ると、最初はレヴォーグと同じように1.6Lと2Lの直4ターボのみの構成になるようで、プレミアムブランドにしては「華」がないように感じます。しかも価格を見るとまたビックリ!でエンジン次第で価格が大きく変わる欧州ブランドの日本価格はまあ仕方ないとしても、そこそこのエンジンのグレードにさらにエアサス装備車を選べば、すぐにレクサスGSが買えちゃうくらいのお会計になってしまいます。スカイライン200GT-tと同じエンジンのグレードは噂によると「644万円」のグレードだけで、しかもエアサスは標準装備になっているのだとか・・・。

  メルセデスの下級グレード車は今後は全てが「パッケージ」商法になっていくようで、「419万円」「467万円」「524万円」「644万円」の4段階で主要装備が区切られています。ちょっと穿った見方をすると、全てが見込み生産の在庫販売になるために、安いグレードを選んで必要な装備だけを「メーカーオプション」で追加するということが原則できなくなっています。安全装備も例外ではなく、上のグレードに行くほどにセンサーが追加されより安全な運転支援が盛り込まれていきます。ちょっと前まで「日本メーカーは安全装備を全車標準にしないからけしからん!」と徳大寺さんなんかがキレまくってましたが、4段階で完全に分断されて段階的に盛り込まれているメルセデスの「安全装備」について何か一言頂きたいものです・・・。

  しかしもっと残念なことに、「安全装備」の有無に目がいく前に、現状ではこのクルマの良さが全くと言っていいほど伝わってきません。「Sクラスと同等の足回り」みたいな宣伝文句が飛び交っていますが、先代までのC/Eクラスが車格にしてはやや低レベルなサスペンション形式を採用していただけで、やっとスカイラインやレクサスISと肩を並べられるくらいまで高性能なものへと品質を上げてきたに過ぎません(もちろんアウディやBMWに対して優位にはなりましたが)。一時的ですがEクラスよりも良い足回りを使うので、乗り味が良くなってお買い得!という説明が早くも広まっていますが、とりあえずラウンチ段階の4グレードに関してはどれも首を傾げたくなります。

  先日追加されたスカイライン200GT-tは、350GTから幾つかの装備を簡略化した上で383万4千円でした。メルセデスから調達したエンジンを使うためか、350GTよりも割高感があったりします。Cクラスの当面の最上級グレードはこの200GT-tと同じエンジンを積んでいて「644万円」とさらに割高感があります。もちろん剛性重視で車重はクラス随一の重さを誇るスカイラインと違って、公表こそされていませんがCクラスはかなりの軽量化に踏み込んだと言われているので、パワー・トルク感は当然に違うでしょうし、直4ターボを搭載することを視野に入れて設計されているCクラスのシャシーの方がエンジンからのNVHへの対応力も高そうです。そして何より「644万円」にはエアサスが付いてきますので、200GT-tと同じレベルとクルマとは到底言えないですが・・・それでも高い気が。

  メルセデスとしてはコストがかかっていないモデルを先行発売で売り払ったあとで、その後の売れ行きを見てディーゼルやHVを追加してくる「後だしジャンケン」戦法のようです。まあおそらくどちらも一般ユーザーを無意味に後ずさりさせる600万円コースなのでしょう。「どうせ日本人なんてドライブを楽しまないから直4ターボで十分」と完全にユーザー像が分析されてしまっているようです。週末の買い物以外は家の前の「オブジェ」的な用途しか見出していない・・・ナメられてますね。

  すでにディーゼルとHVでそれぞれ3シリーズ、レクサスIS、スカイラインがかなりの実績を挙げている中で、Cクラスの「環境性能が高い」ユニットがどれほどの「バリュー感」を見せてくれるかわかりませんが、このクラスの燃費の常識を変えつつあるレクサスIS300hやスカイライン350GTの功績を差し置いて、「Cクラス」が素晴らしいという評論家の頭の中ってどうなってんでしょうか? Cクラスが悪いクルマとは思いませんが、ゴルフほどに日本COTY受賞に相応しいとは思えないです。ここまで急激な変化を迎えていろいろなヒット車が飛び出している中で、Cクラスが選ばれるなんて・・・日本メーカーを腐らせるのがこの賞の目的なんですか?って感じですね。選考委員の今後の言動には注意を払ってみたいとおもいます。


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