2014年1月31日金曜日

シトロエンDS3 「いよいよ感染力拡大中!」

  日本人が好むクルマのサイズはどんどん小さくなっているようだ。地域によって多少は違いがあるのかもしれないが、私が住んでいる地域(東京都西部)では軽自動車の割合はとても4割とは思えないくらいに少ないが、プライベート利用の普通車はやたらと5ナンバーが目立つ。どうやら軽自動車に乗るには勇気が要ると考えている人が多いようで、見栄で普通車を選んでいる様子が伺える。なんとも貧相な価値観なんだろうと住人としてちょっと虚しい気分にさせられる。

  あくまでご近所の話だが、国産車ユーザーはHV率が高くアクアやフィットが主流。しかし最近では輸入車の小型車が急速に増えてきている。特にポロやビートルといったVW車が目立つ。日本製のHV車と東南アジア製のターボ車。世界的に見れば断然に日本製HVの方が高級品なのだが、モノの価値が解らない東京西部の愚民の中には、ドヤ顔しながらASEANターボ車で国産HVに対して高圧的な煽り運転するクズ(意外と中年女性が多い)もよく目にする。これを見る限りでは「ゆとり」と言って若者をバカにする風潮がある中で、日本人としてのプライドの欠片すらも持ち合わせていないバブル世代の方が圧倒的にイタい・・・。

  アクアの後ろから「遅!」とばかりに煽り倒すDCT装備のASEANターボを見かける。「いやオマエも十分に出だしが遅い」とツッコミたくなる。信号の無い直線道路でぶっ飛ばす分にはVW車はよく出来ているが、右折左折や発進でのモタモタはどうにかならないのか?信号の多い日本ではとりあえずNAエンジン&トルコンATに乗っておけよ・・・。さらにVW車に言いたいのはポロとゴルフとトゥーランは地味過ぎる。今の日本の元気のなさに拍車をかけるのはやめてくれ。町の風景が余計に不活性になるからもっと派手なパーツでも付けてから走ってくれ・・・。もちろんもっと目障りな連中もいるけど。 

  日本の自動車行政が燃費とかCO2排出とかに優遇措置をするのに反論する気はないけど、これだけ日本の町が急速に魅力を失って不活性になっているのだから、町の景色に少しでも貢献するデザインのクルマを何らかの形で評価してもいいんじゃないかという気がする。オシャレで若者が欲しいと思うクルマなら国産・輸入問わず経済の活性化に貢献するのではないか? 若者がドライブし始めれば地方都市も潤う。むざむざと海外旅行ばかりに行かせていては日本はすっかり負け組だ・・・。

  そういう意味で活躍が期待できるクルマがシトロエンDS3。最近では近所のスーパーで良く見かけるようになった。シトロエンというブランドのクルマ作りを他の全てのメーカーが取り入れろというつもりは毛頭ないけど、かれこれ4年前に投入されたこのDS3が徐々に影響力を増している。ホンダもトヨタもこのクルマのコンセプトを密かに取り入れている。いや「密かに」どころか・・・CR-ZやレクサスCTのマイナーチェンジを見れば誰にだってその影響力の大きさはわかる。

  史上初めて1000万台の大台を突破したトヨタは偉大なメーカーだが、かつてハッチバックや5ナンバーセダンの高級車化という「目標」は達成できないままに投げ出してしまった。トヨタが出来ないのだからどこがやっても無理だろうという想いはあった。BMWやメルセデスがハッチバックを作ってもやはり茶番にしかならなかった。だれもが小型車に限界を感じていたけども、シトロエンは史上初めて「小型車のプレミア化」に成功したと言ってもいいかもしれない。DS3は思わず近づいて見てしまうほどに良いデザインだ。


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2014年1月21日火曜日

ゴルフ・ヴァリアントとレヴォーグ・・・どっちでも良い?

  なぜレクサスはワゴンを作らないのか? それはレクサスが欧州市場を軽視しているから。一般メディア(産経や東洋経済など)ではしばしば「レクサスはドイツメーカーへのコンプレックスの塊」として紹介されたりするせいか、ドイツメーカーのパクリと揶揄する声が多いのですが、ワゴンを作らないというこだわりには何らかの意味があるのでしょう。レクサスだけでなく、ホンダや日産も同様で日本メーカーにとってはもはやワゴンなんて作るだけムダと考えている節がある。

  日本メーカーで唯一欧州市場を大事にしているマツダは、未だにワゴンを作り続けていて、アテンザも日本市場でもそれなりに存在感を出しているので、日本車のワゴンが少なくなったという実感はまだない。しかし現実には日本のほとんどのメーカーはすでにワゴン開発を放棄していて、今後は絶滅していく見通しだ。街中でもレガシィとアテンザそして旧型アコードくらいしかDセグワゴンは見かけなくなって久しい。

  そんな情勢の中、ワゴン専用の新規車種であるレヴォーグをスバルが発売するのは、他の日本メーカーとは違う路線を模索するスバルのスタンスが良く現れていると言える。軽自動車生産を整理して、中型車だけで勝負すると腹をくくったせいか、以来出てくるモデルがBRZ、フォレスター、XVと全てヒットして目下のところ絶好調。そして次は意欲作のレヴォーグというわけだが・・・。しかしスポーツカーやSUVのヒットとは勝手が違うようで、ちょっと逆風が吹いているようだ。

  初売りから、予約を受付!と大々的にアピールするも試乗車も無い状況。それでも10日間で2400台のオーダーがあったそうだが、なんとも微妙な数字です。試乗車がくれば今後増えるのだろうけど・・・。ちょっとプロモーションにお金掛け過ぎて、本体価格にお買い得感が感じられない印象が気になる。レガシィの後継なのかインプのワゴンなのかよく分からない立ち位置も決断を鈍らせているのだろうか。

  夏頃には、一回り立派になった新型レガシィB4が日本でも結局は発売されるんじゃないかという見方もある。すでにデザインの概要が発表されているが、現行のB4が高級化に手間取った失敗を繰り返さないように念入りに作り込まれているようで、2014年の大きな話題になることは確実だ。あくまで日本発売は未定だが、「これが新しいスバルだ!」というバイブレーションは、レヴォーグやWRXではなく新型レガシィから感じる。そしてそれが実現した後のレヴォーグやWRXはおそらく「過去のスバル」として色褪せてしまうのでは?

  そんな複雑な事情を抱えるレヴォーグに敢然と立ち向かうかのように発売されたのが、VWのゴルフヴァリアント(ゴルフのワゴン版)だ。VWがドイツメーカーの中で現在のところ頭一つ以上抜け出しつつあるのは、高剛性の鉄鋼やスポット溶接を多用してボディの堅牢性を優先したクルマ作りが一定の評価を得ているからだ。ボディに直接投資してクルマの基本能力を担保してから高出力ユニットのパワーを余す事無く使うという発想は、日産やスバルの高性能モデルに通じる概念だ。

  この手法を使って作られる新たなVWの戦略車ラインナップの中で、最も効果的に実力を発揮するのがこのワゴン版のヴァリアントではないかという気がする。極論するとBセグとCセグの丁度中間に位置するゴルフのホイールベースならば、それほど剛性が旋回性能に影響はしない。ゆえに昔から軽いボディを信条とする日本車は小型車分野では圧倒的に強かった。その一方で中型以上のクルマはグローバルでなかなか評価されなかった。

  その中で日産スカイラインとスバルレガシィは、日本メーカーの意地とばかりに高剛性ボディの開発へと邁進したが、それに反比例するように燃費が悪化したのでニーズは極めて限定的であり、おまけに日産とスバルの業績悪化・・・、そしてスカイラインとレガシィの貢献利益を考えると「モデル廃止」か「再検討」が妥当な水準だった。しかし自動車メーカーとしての「基礎工学」という意味では価値があったとは思うが・・・。

  ドイツではスーパースポーツセダンに分類される旧スカイラインGT-Rやレガシィターボは当然ながらドイツメーカーにとっての恰好の研究対象になった。今ではVW、マツダ、スバル、日産の4メーカーが量産車レベルにも関わらず、次世代の中型車の覇権をめぐって堅牢ボディの開発合戦を繰り広げている。この4つの中では最小のボディ構造を持つゴルフがヴァリアントへと拡大しても同等の性能を発揮できるのか? そしてレヴォーグと張り合うことができるのか? もし高いレベルを維持しているなら、日本車にとってはゴルフ以上に新たなる脅威となりそうだ。



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2014年1月9日木曜日

up!、V40、Aクラス。いくらなんでも低レベルすぎだろ・・・

  1000万円クラスのクルマを作っているメーカーがその自慢のフラッグシップを日本に送り込むことに関しては、総じて異論はない。ポルシェ、マセラティ、ジャガーは日本人のニーズを強く満たしてくれるし、メルセデス、BMW、アウディもハイパフォーマンスモデルに限れば、ほとんどの日本メーカーがカタログモデルとして用意できないレベルなので、日本で売ることの意義を強く感じる。

  その国の自動車産業が不得手なところを補完するのが輸入車の本来の役割であるはずが、怪しいブランドイメージに包み込みながら、とんでもないクルマを無理矢理に売ろうとすることがお人好しな日本市場では起きていたりする。日本車は世界中の国々へ輸出または生産され、地域によっては80%近いシェアを獲得しているが、これは小型車の安全性と信頼性に置いて日本車が特別な地位にあることの証明だ。

  欧州市場でもかつては日本の小型車に人気があったが、バブル期以降は日本メーカーと同水準以上の生産技術を獲得したフォードやVWの生産車に関税の影響で価格面で遅れを取っていることもあり、日本車のシェアは下がっている。さらに近年ではEUといち早くFTAを結んだ韓国車が日本のシェアを奪っていると言われている。実際にドイツ国内の価格を見ると日本の小型車が1万ユーロを切ることは無いが、ヒュンダイ系のキアやVW系のシュコダ、独立系のダキアなどから7000ユーロ程度の低価格車が発売されている。

  特にシュコダは旧型のゴルフやアウディA3、A4のノックダウン生産で大きくシェアを上げているようだ。日本で例えるならトヨタ系の関東自動車がアルテッツァやアリストを低価格で販売しているようなものだ。こういう商習慣が日本にもあっていい気がするが・・・。ちょっと話がズレたが、日本車は欧州でかつては技術力で称賛されたが、大きな差が無くなり価格面で不利となると、一転して不人気になってきた。スポーツメーカーと勘違いされているスバルやマツダは日本生産車が根強い人気を得ているが、トヨタ・日産・ホンダに至っては現地生産工場がある国でしか人気がないというシビアな現実に直面している。

  しかし一転して日本市場では、輸入車に対してあまり厳しい眼が向けられることは少ない。もちろんプロモーション不足で認知されずにフェードアウトするクルマもあるが、最近では販売戦略を綿密に練り上げた上でカーメディアを巧みに抱き込み、発売前から大々的にプロモーションを行うため、かなりの確率で良い結果が出るようになっているようだ。実際は広告費に圧迫されてほとんど利益は出ないのかもしれないが、VWup!やボルボV40、メルセデスAクラスなど、日本車には絶対にあり得ないくらいに低レベルなクルマがそこそこ売れてしまっている。

  メルセデスAクラスは発売後の半年で欧州で9万台を売り上げたそうだが、メルセデスが欧州で売れないわけにはいかないので、必死のプロモーションだったとか。メルセデスがプライドを捨てて大衆車のコンセプトをパクる・・・。まるで欧州の破綻への序章のような象徴的な出来事といったところか。ジャガーとベントレーがスバルのようなSUVを必死でコピーし、BMWがホンダのようなミニバンを作るなんて、数年前までは確実に笑い話の次元だったのに・・・。しかもスバルやホンダよりも安い価格で発売?と言われている。欧州ではスバルとホンダは高過ぎではあるけど・・・。

  up!はVWがインドや東南アジアの20億人市場に送り込んだ「秘密兵器」で、そのままじゃ日本に出せないから廉価な安全装備を適当に盛り込んだクルマ。実車を見るとそこかしこにクルマのルーツを語る不思議なパーツが・・・。これとフィットが同価格って完全にイカれてるとしか言いようがない。

  V40は一見お手頃価格に思えるが、このクルマは一体何が売りなんだろうと果てしなく首を傾げたくなるレベル。日本市場で完全に埋もれていて自他ともに認める失敗作の三菱ギャランフォルティスというクルマがあるが、これが日本の2強であるアクセラとインプレッサに完敗した理由を考えると、あらゆる設計理念において完全に遅れをとっていることが挙げられる。2008年発売の1.8LのギャランFが2009年発売の2Lのアクセラに完膚なきまでに叩きのめされ、日本だけでなく欧州やオセアニア、北米からも叩き出された理由を考えれば、いまさらのように新型車としてV40を出してくる状況はジョーク以外の何者でもない・・・。鉄の棺桶を動かすための劣悪燃費の直4ターボ。300万円だすならAWDのギャランFのラリーアートにしておいたほうが何倍も楽しめる。

  

   ↓島下さんのお情け採点でもAクラス「6」V40「7」。Aは輸入車Cセグワースト。ちなみにゴルフ「10」アクセラ「9」インプ「8」。もっと隔絶した差があるように思うが・・・。