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2018年2月8日木曜日

ルノー・メガーヌ(2018 / NO1) CMFの本気?

ルノーがドイツ車に挑む

  いまいちどこへ向かっているのかわからないフランスブランドのルノーです。欧州では主要市場で強力なVWグループを徐々に駆逐しつつあり、フランス本国はもとより、VWの本籍地であるドイツ市場にも侵略しつつあります。今ではVWグループのチェコのシュコダを除けば、ドイツで最も売れている国外のブランドになるらしいです。ちょっと前まではトヨタ、日産、MAZDA、スズキなどの後塵を拝していましたが、今では日本勢とは別格に売れているらしいです。

ドイツ車がつまらないからルノーが売れる!?
  ドイツ市場のユーザーはとっても素直で正直な人が多いようで、メカ的に優れている要素がはっきりわかるクルマなら例外なくそこそこ売れるらしい。歴代の日本車でもアコードCA(3代目)、P10プリメーラ 、歴代のMAZDA626、MAZDA6GG(アテンザ)、欧州カローラ(カローラランクス)、歴代エボ、歴代インプWRX、歴代スイフトスポーツなど、日本ではあまり人いがなくても、設計がやたらと意欲的な日本車はことごとく売れてきました。残念ながら日本車の大将格である『スカG』は、34が短期間のみの正規輸入でしたが・・・。

フランスブランドは「本格志向」
  そんな「メカ」好きなドイツ市場で『メガーヌGT』の販売が好調らしい。フランス車ってのはちょっとドイツ人からバカにされているところがあるようで、高速安定性は期待できないけど、デザインが独創的だからという理由でちょっとは売れているらしい。しかしPSAなどはかなり無視されているという話も。そんな中でメガーヌGTのようにドイツ市場を攻略しようというモデルも出てきます。「ドイツ人好み」のメカ的なフランス車は、以前にもあって、例えばプジョー406、407といった90年代2000年代のプジョーの看板モデルも「メカ」でドイツウケしたらしいが、リーマンショック以降のフランス車ではどうやらこのメガーヌGTが初めてかも。

VWはもはや完全に中国がメインだが、ルノーはまだまだ欧州中心。

  ルノーの販売で評価できるのが欧州市場でその多くが売れていること。欧州メーカーなのだから欧州市場でたくさん売るのは当たり前のような気がするが、ライバルのVWやPSAはすでにグローバル販売の半数以上を中国市場に依存しているのに対して、ルノーは6〜7割を欧州市場で販売している。欧州の「走り」の伝統で最も評価されている一般ブランドといってもいいのかも。低成長なはずの欧州に軸足を置きつつも、2017年は前年比10%の伸びを記録するなど、なかなか『ミラクル』な展開です。

トヨタが失敗した道を押し通る!?
  そんなルノー・メガーヌが「GT」グレードを前面に押し立てて日本市場にやってきました。スポーティと実用性を兼ね備えた「GTカー」&「ハッチバック」=『ホットハッチ』は、あのトヨタも一度仕掛けましたが日本では成功しませんでした。2000年頃にトヨタがカローラランクス発売で仕掛けた「Cセグハッチバックツアラー」を日本で売る!!という構想は、日本では全く受け入れられなかったです。しかしトヨタが失敗した地獄の道をルノーがやってしまおう!!という憎いまでの心意気には敬意を示したいです。


「ルノーは楽しい」という評価は定着するか
  シビックtypeRやゴルフRなど高性能なデフを装備したサーキット向け改造車ならば一定のユーザーは見込めるようですが、エンジン換装(排気量UP)とスポーティな足回りへの変更といった、クルマの使い方自体はそれほど変わらない程度のチューンだけを施して、「日本市場」で余分にお金を払わせるのはなかなか難しいんじゃないかと思います。幸いにCセグで200ps程度のユニットを積む車両の新車価格の相場がやや曖昧になっていて、ホンダ・シビックを基準とすると265万円くらいになります。果たしてここに4WSと派手なサポートが着いたスポーツシートなどの装備で差別化されたとはいえ、334万円のメガーヌGTは割って入っていけるのか!?

ルノー日産CMFの実力!?
  メガーヌに使われるプラットフォームは日産CMFプラットフォームです。これ業界では、MQB、TNGAに先んじて展開された共通シャシー化のトップランナーとか言われていて、欧州で大ヒットしたSUVキャッシュカイ(エクストレイル)とも同じものです。MQB、LMP2、TNGAと比べて、日本市場ではその実力が測定しにくいプラットフォームでしたが、エクストレイルを検分する限りでは、同クラスのSUVに採用される中では、最も優秀なモジュラー型プラットフォームという感触はあります。

北米セントラとの違い
  メガーヌGTに搭載されるエンジンは、1.6Lの208psのユニットで、北米セントラの上級ターボグレードと基本は同じですが、北米の日産版は188psなのでルノーによって特別にチューンが施されています。北米セントラと日本のシルフィは、どちらも旧型のBセグ用シャシーを引き延ばして使っていて、搭載できるエンジンもやや控えめです。CMF時代ルノー日産の本格的なCセグ車としては、このメガーヌと日産パルサー/ティーダが第一弾になりますが、日本に入ってきているのは今のところはメガーヌだけという状況。

国内生産でCMFの実力を見せて
  日本ではトヨタやVWによるメディア支配が進んでいて、TNGAやMQBはよく知られていても、CMFは知らないという人も多いです。TNGA代表のプリウス&C-HR、MQB代表のゴルフに対抗するような、ルノー日産グループCMFの大本命として登場したメガーヌですけども、とりあえず最初に乗った印象では、プリウス、ゴルフを蹴散らすに十分な操縦性が目立ちます。ルノー日産の熱いパッションが伝わって来るような、いい意味でトガった乗り味です。シートのせいもあるかも!?ぜひ日産にもNISMOベースに最適なピュアCセグを国内生産で期待したい。

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2017年7月11日火曜日

ルノー・キャプチャー 「タイミングが悪かった?次行ってみよー」

  ルノーというメーカーには商売気があるのでしょうか!? 日産の親会社という立場で世界に立ち回っている商才の塊みたいなグループの印象もありますが、あまりやる気を感じないですよねー。日本に入ってくる一定規模の輸入ブランドの中では、内装のレベルが世界標準(日本標準)から最も遅れているのがルノーかな!?まだVWやフィアットの方がマシだよなー・・・。特に日本市場におけるフラッグシップのメガーヌは、Cセグの他のクルマと比べるのがかわいそうなくらいにイケてない。10年以上フルモデルチェンジをしていないプレミオ/アリオンと同じくらい古臭さを醸しています。

  まだ日本未導入ですが新型メガーヌではちょっとは改善されてますね。縦長の液晶ディスプレイは好き嫌いがあるかもしれないですが、今では非ドイツ系グローバル車の中型・大型モデルではこれが主流!?な気がします。ドイツブランドは小さめのディスプレイが好きみたいです。最近のメルセデスなどは乗るたびに思うのですが、ディスプレイよりもエアコン吹き出し口が大事みたいです。中にはそんなにたくさん吹き出し口を付ける必要あるの!?(それともこれはスピーカーなのか!?)ってモデルもあります。


 

  ルノーのラインナップは、とにかくキャラクターが非常によく立っていて、日本みたいな飽和市場では案外に売りやすいんじゃないかと思います。内装なんか気にしないという人にとっては、お財布にも優しい価格帯ですし、トヨタのヒット車(C-HRやプリウス)よりもリーズナブルな選択かも。

  特にトウィンゴ、ルーテシア、カングーは日本市場でも競争力が十分にありますし、メガーヌも本国ですでに発売されている『マイクタイソン・フェイス』になっているセダンを持って来れば、『シビックよりカッコいいかも!?』って注目されるんじゃないでしょうか。メガーヌの中身は北米でシビックと戦っているセントラの1.6Lターボ(200ps)ですから、新型シビックとも性能面では互角に戦え流でしょうし、メガーヌRSとシビックtypeRはFFニュル最速をめぐるライバルでもありますし。




さてそんな中で・・・ちょっと宙に浮いた感じになっているのがキャプチャーです。このジャンルの輸入車にしては日本発売が早かったのですが、「なんか良さそうだけど・・・」で終わってしまった感じがします。お年寄りの気持ちはちょっと掴んだかもしれないけど、若者の心は全く掴めなかった・・・。フランスでは若い世代が乗っているクルマなんですけども、フランスよりもGNIが低いのに、高い家賃&スマホ代を負担している日本の若者には260万円は、ちょっと敷居が高かったか!?いやいや同じ金額でトヨタ86が買えるという現実の前に敗北しただけです。

 

  日本のクルマ好きな若者はみんな賢いですからねー。K沢さんが何か言えば、すぐに『老害は黙ってろ!!』みたいな強烈な反論が返ってきますし、K口さんが動画で乗り心地いいですねーといえば、『この人はいつも同じこと言ってるよなー』などと、コミュニケーション不足時代を象徴するような反応が起こります。

  そんな冷めきった日本のクルマが好きな若者を振り向かせてローンを組ませるならば、せめてルーテシアRS用の1.6Lターボでも積んでこないと何も始まらないって。メガーヌRS用の2Lターボを積め!!とまでは言わないけどさ。

  動画の頃と比べて年次改良によるフェイスリフトが行われていて、欧州で大ヒット驀進中!!ついにVWゴルフについで全欧州第2位の地位に上り詰めたルーテシアに近いエクステリアになっているんですが、このベースモデル(ルーテシア)のデザインがとても優秀なのも、キャプチャーの不人気に拍車をかけているようです。ルノーがマツダから引き抜いた、ローレンス=ヴァン・デン・アッカーがルノーでの挨拶がわりに仕上げたルーテシアのエクステリアは全く風化しないですねー。イケメンBセグランキングを作れば間違いなく1位ルーテシア、2位MINI、3位アクア、4位ミト、5位デミオかな・・・。

  MINIより、MINIクロスオーバーの方が高級感があって、デミオよりCX3の方がスタイリッシュだから、それ相応の価格差が受け入れられているわけですが、ルーテシアとキャプチャーに関しては立場がちょっと微妙なんですねー。ヴァン・デン・アッカー時代のマツダがコンパクトカー市場の多様性を狙って作った『ベリーサ』というBセグ車がありましたが、キャプチャーはなんだかベリーサに近いイメージで仕上げられているような感じがするんです(あまり新しくない)。ルーテシアが優秀すぎるけれども、なんとかキャプチャーのキャラを立たせて欲しいですねー。

↓三本さんやっぱり面白いなー



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↓ツートーンを日本で流行らせたのはMINI、シトロエンDSとこのキャプチャー!?

2016年9月6日火曜日

アルファロメオとルノーは風を吹かすか!?

  自分の感覚がどれだけクルマ好きの気持ちを代表できているのか?それに関してはあまり自信はないですけども、マツダやスバルというよりもルノーやアルファロメオにワクワクしています。何がそうさせるのかというと、うーん!やっぱり1台のモデルに捧げる情熱ですかね。マツダやスバルももちろんなかなか高い水準にあるんですが、それをさらに越えてきたんじゃないの?

  ルノーは日産に、アルファロメオの母体フィアットもマツダに投資するなど、日本の自動車産業にも非常に関係が深いです。おそらく日本での知名度を確保する為だとは思いますが、どちらも細々と日本市場での展開を続けています。どちらも日本で発売するモデルは数えるほどですが、それぞれに気になるモデルが幾つもあるのがスゴい。ルノーはメガーヌエステートGT、カングー、トゥインゴ。アルファロメオは4C、ジュリア、ジュリエッタQV。ライバル多数のジュリアはともかく、他の5モデルはとても個性的な立ち位置で、220ps&MT(メガーヌエステートGT)や、1.75L直4ショートストロークターボ(ジュリエッタQV)は、どちらもハイレベルな日本の直4にも負けないくらいの「ユニット買い」モデルです。

  それぞれの最新モデルとなるトゥインゴとジュリアは、どちらも本格導入が2017年だそうでなかなか焦らしてきます。なんだか限定版の左ハンドルだけで日本からドロップアウトしてしまったフォード・マスタングみたいな売り方にいささか嫌な予感もします。それから「風向き」がどうなるかも気になるところです。せっかくトゥインゴなのに、スイフトのFMCの後に本格導入するんですか?ジュリアもこのままだとスープラとガチンコですが・・・。

  もっとも各メーカーともに「自信のあるクルマ」に関しては発売日よりもかなり早くから情報を公開する傾向にあるようですから、従来よりも早く情報公開してしまって生産工程の段取りができてないのかもしれません。

  ジュリアはいよいよ並行輸入業者によって510psの最上級モデルが「900万円」と値段がでました。超絶スペックを考えるとかなり戦略的な価格です。ただしこれによってただちにM3の日本価格が下がるとはなかなか考えにくいですし、十分に楽しいM2をもっと割安で買う事ができます。それでもM3のスペックを軽々越えてフェラーリ製エンジンが搭載されるという、なんともわかりやすい「商品力」を考えると・・・(売れるかどうかは別にして)注目度は高いはずです。

  フィアットグループの日本戦略としては、今年は輸送コストがかからない(広島から出荷)アバルト124を目一杯売って、2017年はジュリアを売るってことなんでしょうか。グループ全体で考えれば極めてまともな戦略ではありますが、いつまでも人々の中でジュリアへの情熱を持ち続けてくれるとは限らないー・・・。あのアバンギャルドなデザインが1年後はどんな印象になっているのでしょうかわからないですよー・・・。

  ジュリアに関して言えば、ベースモデル(DかGかわからんけど)は400万円を割り込む価格でのインパクトのある投入が検討されているようです。日本市場のDセグセダンは参戦するブランドこそ多いものの、突き抜けるようなモデルは・・・どこに?とうとう悪名に染まった3er、見かけ倒しの未完成Cクラス、オンボロユニットのレクサスIS(&マークX)、借り物ユニットのスカイライン、価格の割に迫力不足のジャガーXE・・・名ばかりのスポーティで高齢者向けのクルマに成り下がっていますね。そういう閉塞的な状況を今度こそは打破してくれーっていう想いがジュリアへの期待感になっています。これでベースモデルの乗り出しが500万円を軽く越えるようならズッコケちゃいますね。

  ルノーの方もトゥインゴの先行予約を開始していますが、当面は2ペダルのみの展開になっていて、新たに追加されたカングーの新グレードへのプロモーションへと移っています。たしかに今の日本市場ならば190万円のトゥインゴより、240万円のカングーの方がポテンシャル高いのもよーくわかります。シエンタ、フリード、ノア、セレナ、ステップワゴンがグレード別に混在する価格帯にそのまま突っ込んでいけるコスパと機能性(7人乗りではないですけど)は、グラグラ来るでしょうし、なんといっても日本車でもっともユーザーのボリュームがあるところですから、もしかしたら大ブレイクもあるでしょう。

  ボリュームという点ではトゥインゴも熱いです。特に5erとかEクラスとかいったフルサイズセダンのユーザーから見れば、見るからに楽しそうでぜひセカンドカーに欲しいっていう人が限定50台のMTモデルに殺到したのかなー・・・という気がします。ちょっとしたセカンドカーにマツダのCX3辺りを所有していた人は、ちょっと飽きて来たディーゼルカーをほっぽり出して(CX3は下取り高いですよ!)、トゥインゴに行きたくなるでしょうね。

  「風を吹かせて」注目を集めるブランドってのは、日本に生活する中でクルマを使って何がしたいか?をハッキリと意識させることが出来るんだと思います。アルファロメオやルノーが本物の風を吹かせるかどうかは、ちょっとわかりませんけども、どちらの陣営も既に実際に風を吹かせているポルシェやMINIをよく研究しているな〜・・・(笑)。510psのハイパフォーマンスユニットを搭載するとか、RRシャシーを使うとか、コミカル(ポップ)なデザインだとか、MTを積極的に採用するとか・・・。とりあえず楽しみに待ちたいと思います。

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2016年8月16日火曜日

トゥインゴ と スイフトRS 究極の選択!?

  わずかに3分で売り切れたというルノー・新型トゥインゴの100台限定ラウンチモデル(MTとDCTが50台ずつ)。ちょっと前まで月に300台くらいしか売れてなかったルノー車が、3分で100台売れました!ってそれは一体どんなレアなモデルなんだ!?と思いきや東欧やアジアなど新興国市場で売っている極めてベーシックなクルマです。ちょっと余計なコト言うと、欧州では60~70万円くらいで売られているクルマに170万円〜とか値段が付いているのに、「これはお買い得だ!」って絶賛されてます。ルノーが久々に掘り当てた金鉱?ですね。170万円以上でどんどん売れるんだから、インドなどに降ろす前に日本でたくさん売り捌いた方がいいんじゃない?

  後輪駆動の小型車を熱望する声がずっとありました。スバルが86を量産するためにサンバーのラインを閉鎖した時は惜しむ声も多かったなー。日本メーカーはスポーツカーでもないRWDが売れるわけないと思ってたんでしょうね。トゥインゴ・フィーバーを受けて、「トヨタも躊躇せずにさっさとS-FRを市販化すればよかったのに・・・」とかいう声も聞こえてきそうですが、日本市場ってのはトヨタがルノーのマネして同じクルマ作っても売れ行きが全然違うってことが起こるんですよね。ブランドのイメージが結構大事みたいです。トゥインゴと同じ設計のスマート・フォーフォーは先行して販売されてますけど、「偽メルセデス」のイメージが強い日本では全く売れてないです。要はルノーがコツコツとマジメにやってきた結果のブランド力あってのトゥインゴ人気と言えそうです。

  RRの駆動方式に軽量なボディ、4ドアの使い勝手といったポイントを抑えつつ、限定グレードではMT&自然吸気エンジンという『欧州の香り』をダイレクトに感じられるクルマになってます。『ターボ&DCT』が欧州だと勝手に解釈している人からしばしばコメント貰いますけど、それってあくまで『アジア仕様』の主流に過ぎないんですよね。欧州ではA、Bセグはガソリン自然吸気、Cセグ以上はディーゼルターボが最も多いです。A、Bセグ用のエンジンにターボをポン付けしたものを中国やタイで大量に作っていて、それがCセグやクロスオーバーの日本仕様にも使われてますが、あんなものは欧州テイストではないって乗った瞬間にわかりそうなものですけどね。

  日本市場の欧州ブランド車も徐々にエンジンラインナップの刷新が図られていて、CセグやBセグの重量級にはディーゼルを配置するブランドが一気に増えました。願わくば、軽量級にはもっとガソリン自然吸気を配置してほしいところです。もちろん自然吸気&MTのスポーティなハッチバックなら、ジムカーナなどの競技用に日本メーカーからスペシャルモデルが設定されています。スイスポ、デミオMB、フィットRS、ヴィッツRS、ノートNISMO・Sなどなど。スズキ、マツダはともかくいくら競技用とはいえホンダ、トヨタ、日産の大手の価格はちょっとボッタクリ気味な気が・・・。結局はカネと暇を持て余す中高年向けなんでしょうね。とりあえずWRX・STI、86、フェアレディZのサブマーケットとして位置づけられてるようです。

  クルマ好きな若者にとっては『トゥインゴ』がどう映るのかはわかりませんが、日本メーカーが用意するホットハッチとも、ポロGTIや208GTIといった欧州のターボハッチとも違う、もうちょっと『センチメンタル』な存在として受け止めている人も多いと思います。例えが適切かどうかわかりませんが、ちょうど『頭文字D』の主人公が乗るハチロクことAE86(非ターボ165ps)みたいな立ち位置になっていて、280ps以上のFRスポーツ(RX7、S2000、シルビア)やAWDスポーツ(スカG、エボ)の使い手に「時代遅れのハチロク」と揶揄されるクルマへのシンパシーに近いものがあると思います。峠でトゥインゴ(サンクS・非ターボ70ps)がスイスポ(136ps)や208GTi(200ps)を軽くブッチ切ったらそりゃカッコいいですね・・・。

  このトゥインゴと同じような立ち位置にあるMTモデルのクルマが『スイフトRS』で、1.2Lの自然吸気91psながらも欧州仕様と同じフラット感のある足回りを備えたモデルとして地味に限定販売されています。スズキのラインナップでトゥインゴのライバルモデルになりそうなモデルには他に、軽自動車の『アルト・ワークス』がMTでありますが、こちらはターボ車(64ps)で、しかも超軽量設計(トゥインゴより200kgくらい軽い)なのでそこそこ速いです。出足が生きるコースならばスイスポともいい勝負ができるくらいの性能で、ワークスの名に恥じない立派なスポーツチューンになっちゃってます。トゥインゴGTかルノースポール版が出て来たら好敵手になりそうですけども、とりあえず『素』のトゥインゴとはクルマの方向性が違う気がします。

  さて『スイフトRS』ですがトゥインゴよりも安い148万円。しかもベースのスイフトとはエアロやランプでしっかり差別化が図られていて、リアのブレーキもスイスポと同じディスク式が採用されています。スイスポ(1.6L)ともエンジンが違うだけで大きな外観的な差がないとか。そろそろ次期モデルが噂されているスイフトなので、買えるうちに買っておきたいなーという気がしないでもないです。次期はターボ化されるというスイスポも現行モデルがとっても名残惜しいですけども、その影に隠れてあまり陽の目を見る事がなかった『スイフトRS』には興味が湧きます。買っておかなきゃ後悔するかな!?それともトゥインゴがあればもう十分か・・・ルノーはぜひMT仕様をカタログモデルにしてください!

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2014年5月23日金曜日

ルノー は日産のお荷物ではない!

  フランス資本が入っていることもあってか、日産車は欧州で次々と大ヒット車を生むようになりました。日本では日産の大ヒット車と言われてもあまりピンとこないので、なかなかイメージが湧かないですけども。親会社のルノーとの営業上の兼ね合いもあり、展開できる車種が限られている中でも、イギリス、フランス、ドイツ、ロシアなど主要市場で次々とトヨタを超える販売台数を記録している。さすがに参入してまだ日が浅いインフィニティはほぼ無視された状態だけれども、高給ブランドの多くが本拠を構える欧州ではレクサスもほとんど売れていないので、非欧州のプレミアムブランドが受け入れられるには相当な時間がかかるでしょう。ちなみにその中でトップを伺う勢いで伸びているのはテスラです!

  欧州での日産ブランドはコンパクト・SUV・1BOXが主体で、ルノーと競合するセダン/ワゴンは一切ありません。Cセグも最近までは無かったのですが、さすがにお許しが出たようで、なんとアルメーラを改めて「パルサー」という名称で最近発売されました。1.6Lターボで190psというBMW120i(1.6Lターボ,170ps)やヒュンダイヴォロスター(1.6Lターボ, 186ps)に対抗意識メラメラの上位グレードが設定されていて、とりあえずエンジン出力はクラストップが「指定席」を自認する日産らしいです。デザインは案外でしたが・・・。

  そんな日産を従えてから息を吹き返してきたルノーも欧州でその存在感を高めつつあります。昨年からクリオ(ルーテシア)とキャプチャーが立て続けに大ヒットを記録し、日本でもブランドの販売を倍以上に押し上げる活躍をみせているのですが、この2台以外のモデルもそれぞれに個性と性能を誇り、ルノー・ジャポンは今や鉄壁の少数精鋭ブランドに変わりつつあります。ブランドの「顔」といった立場のCセグ・メガーヌは、私の住んでる東京都の片田舎でもなかなかブログが面白いルノーのディーラーがありまして、その影響もあってか家の前を駆け抜けるメガーヌを時々見かけます。

  メガーヌと言うと2Lターボ・265psでしばしば「FF最速」と言われるコーナーリング性能を併せ持つ「メガーヌ・ルノースポール」というグレードが浮かびますが、このクルマはベース車でもその洒脱なデザインが目を引く好デザインで、日独伊の高級車ぶって「自己矛盾」をきたしたCセグとは違った魅力を発揮しています。2LのNAで276万円ですから、値引き次第ではマツダ・アクセラの2Lとあまり変わらない水準ですし、ターボのメルセデスやボルボ、VWよりも断然に楽しめます。

  ルノーにはほかにも2車種がラインナップされていて、その内の1台が「カングー」というオシャレな小型2BOXが売れ続けています。現在の日本の普通車市場では、若いファミリー層の圧倒的支持を受けて、唯一販売が右肩上がりという小型2BOXの中で、フリードやポルテでは満足できない人々に好まれているようです。価格もかなりお手軽で売れ筋の日本車と大きくは変わりません。ただし車幅は5ナンバー枠からは大きくはみ出した1830mmですが・・・。

  もう1台は「コレオス」というSUVで、日本車でいうとトヨタ・ハリアーのような高級志向の中型SUVです。日産のエクストレイルよりもワンランク上の2.5LのNA(170ps)を積んで、さらに日産の「4WD技術」と「ボディ設計」を持ち込んでいて、フランス車の範疇に入らないような中身の濃いクルマになっています。まさかルノーのSUVがユーロNCAPの評価でBMW(X3)を完全に上回る結果を出しているなんて誰も想像していないと思いますが事実です。日産のキャッシュカイ(日本名デュアリス)が欧州で大ヒットしたのもユーロNCAPでの好成績が要因だったそうですが、その技術を使っているのだから当然と言えば当然の結果ですね。

  エクストレイルの高性能版で、さらに内外装を高級化したクルマとはいえ本体価格385万円はちょっと高い印象もあります。ただルノーの新デザインに適合したフェイスリフトも行われていて、SUVのデザインとしてはメルセデス・アウディ・BMWよりも優れているので、性能面も合わせるとX3やQ5を買うくらいならルノーコレオスがオススメと言えるかもしれません。エクストレイルも大幅にリニューアルされて、完全にコレオスを弟分と言えるコンセプトになり、内装もコレオスに準じた高品質なものへと変わりました。こちらは2L(NA)のAWDモデルで233万円ですから、SUV全体でみたらエクストレイルがベストバイといえるかもしれません。


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ルノー小平のブログ

 ↓ルノー=日産のSUVはどれもレベルが高い!

2014年3月12日水曜日

ルノー・ルーテシアに苦言のCGの言い分

  消費税増税の影響でクルマの需要が前倒しされなかなかの上昇ムードの日本市場ですが、増税後も売れ続けるクルマはどれなのでしょうね。国産車も輸入車も絶好調でバックオーダーを消化できずに伸び悩むなんて悲しいモデルもありそうです。こういう時こそ、クルマを見る眼力を養う絶好の機会かもしれません。自信を持って薦められるクルマはどれかというわけですが・・・。

  輸入車も国産車も評判が良いモデルが目白押しですが、その中で絶対的に頭1つ抜け出す存在となるとあまり見当たりません。輸入車の中ではルノーがブランドとして急成長を遂げている印象があります。昨年の後半に登場したルノー・ルーテシアは2013年のワールド・カーデザイン・オブ・ザ・イヤーで小型車ながら最終選考の一歩手前まで残りました。いままでどこか垢抜けないルノーデザインが突如として、輸入車でもトップクラスのキャッチーなスタイルに変わったのはインパクトがありました。

  ルノーは欧州でもクリオ(ルーテシアの欧州名)が各国でスマッシュヒットし、フランス車にとっては鬼門と言われるドイツ市場でも好評価で現在トヨタ、ヒュンダイよりも販売台数で上回っています。本国フランスではライバルのPSAを遥かに超える伸びを示して爆発していますが、これはクリオのあとから登場したクロスオーバー版のキャプチャーの大成功が原動力になっています。尚、このキャプチャーはすでに日本でも発売が開始されていて、ホンダ・ヴェゼルのライバルとして台数こそ比較にならないですが、ルノーの従来のシェアからすればかなりの人気となっています。

  ルノーの強みは、何といっても「ジャパン・パワー」が後ろに付いていることです。ルーテシアもキャプチャーも日産製の1.2Lターボを搭載していて、燃費こそそれほど伸びないものの、ライバルのVW1.2Lターボを明らかに上回る出力を発揮します。そしてルノーのデザインを一新させたのが、日本最強のデザインメーカー・マツダからやってきたデザイン統括部長の手腕です。確かにマツダらしいクッキリとしたラインを多用していて、端正な顔立ちになっています。

  日産の技術とマツダのデザインがコラボした夢のブランドですから、その気になれば、「アテンザのデザインで中身がスカイライン」みたいな夢のようなクルマを作ってくれるかもという期待ができます。Cセグのメガーヌ(HB)、メガーヌGT(ワゴン)、フルエンス(セダン)が新しいデザインに身を包み、アクセラみたいなデザインで登場するのも遠くないでしょう。さらにルノーが導入を検討しているのがDセグのラグナ(セダン、ワゴン、クーペ)で、現行モデルはまだ古いデザインですが、もしルノーがFMCに踏み切ればルノー版アテンザの可能性大です。ただし大衆ブランドのDセグは欧州では苦戦が目立つようで、どこまでやる気かはわかりませんが・・・。

  そんな絶好調のルノーに今月号のカーグラフィックがチクリを弱点を指摘していました。日産製のエンジンは良いものの、ミッションがどうやら未熟なようで、フォード・フィエスタの方が数段上じゃないかといった主旨でした。さらにルノーの1.2Lターボは4気筒(日産リーフは3気筒)なので、次世代の3気筒ターボがBMW(1.5L)を皮切りに登場しつつあるなかでもはや古いユニットと位置づけられていました。絶好調のルノーですが、いろいろと問題点はつつけば出てくるようです(他の評論は軒並み好評なんですが・・・)。





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2014年2月18日火曜日

ルノー・キャプチャー 「ルノー版ジュークを日本で売る日産の魂胆」

  日産というメーカーは難解だ。世界で一番無責任でやる気がないメーカーと批判する声が聞こえてきたかと思うと、世界最高の技術を惜しみなく投入し日産でしか作れないようなとんでもないクルマを作ってくる。日本車で一番安易なクルマをタイで作らせながら、一番複雑なクルマを栃木でゆったり組み立てている。フォードやホンダが全てのラインナップに魂を込めてブランドを十分に味合わせるように組み立てているのに、日産は徹底的にユーザー本位で、安くて気軽なクルマも作るし、GT-Rみたいなクルマも作る。ホンダと日産のどちらが優れているかを判断するのは単なるエゴでしかないのかもしれない。

  日産は叩かれることを恐れない。現行マーチは日本の登録車の水準を大きく下回っているかもしれないし、新型スカイラインは確実にオーバースペックなのかもしれない。まるである種を批判を誘発することが趣味であるかのように、問題作ばかりを連発する。このルノー・キャプチャーの元ネタと言えるジュークもその奇抜過ぎるデザインを見ると、日産は一体どこまでが本気なんだ?と首を傾げるほどのぶっとび具合だ。それでもなぜか売れる。気持ちいいくらいに売れる。

  世界のジャーナリストも日産のクルマにはやや呆れ返ったようなコメントをストレートにぶつけるのを良く目にする。日産キューブ「日本でカルト的人気を誇る2BOX。なぜ人気があるかはまったくもって不明。(ドイツメディア)」。キューブには激しくツッコむくせに、ジュークには「キュート」という謎の形容をするドイツメディアの方がオカシイという声もあるけど。日本では「でっかいゴキブリ」と言われるジュークはよく見ると、ドイツ車のカ◯エンに似て無くもない。

  日産の冷静な評価は、欧州では最も成功しているSUVメーカーであり、日本では最も成功しているミニバンメーカーだ。セレナもエルグラも最終的にはトヨタ・ホンダを退けたと言っていい。日産は確かに変態メーカーだけど、それと同時に器用さを持ち合わせている。欧州でもキャッシュカイ(デュアリス)という中型SUVを大ヒットさせ、新たにジュークを投入するとこちらも大ヒット。このSUVラインナップはドイツでもフランスでもイギリスでも大人気となっている。

  ルノー日産グループはジュークのヒットが醒めやらぬ中で、新たにルノー・キャプチャーを投入すると、今度はデザインの良さも相まってジューク以上に売れているのだとか。ジュークは一般にノートのクロスオーバーモデルと位置づけられ、キャプチャーはノートの姉妹車にあたるルノー・ルーテシアのクロスオーバーモデルだ。ジュークは日本と欧州で共通の1.5NAと1.6Tの上下2ユニットで構成されているが、キャプチャーはルーテシアに使われる日産製1.2Tをそのまま流用している。

  よってジュークとキャプチャーの差別化はエンジンスペックからして異なるので、十分に配慮されてはいるのでしょうが、やはり輸入車なので割高な価格設定で、1.2Tのキャプチャーが価格で1.6T(190ps)のジュークを上回る。クルマの基本設計は同じで、デザインとエンジンが異なるのですが、やや物議を醸しそうな価格設定を平然とやってくるルノー日産の図太いマーケティングには、「クルマ離れ世代」に向けての新たな戦略といった要素が含まれているのだろうか。このキャプチャーの日本発売はいろいろと考えさせられることが多いと感じる。
  

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2013年9月16日月曜日

「ホットハッチ全面戦争」勃発前夜 フランス車の逆襲が始まる?

  ドイツ人と日本人は「虚構」の民族だと感じることがある。クルマ作り一つとっても非常に「論理的」でその優秀さで世界に認められてきた。いや正確に言うと、絶対的な自信に裏付けされた「論理」を押し付けて世界を納得させてきたのかもしれないが・・・。

  カントとかヘーゲルの時代からドイツ人は世界をリードすべき存在だという自負があっただろうし、ちょっと的外れかもしれないが石原莞爾のような思想家は戦前の日本にはたくさん居ただろう。これまた語弊があるかもしれないが、いずれも「虚構」の巨人じゃないか・・・。

  このドイツと日本の「妄想癖」と「乾いた理性」を宮崎駿監督の最新作を見て改めて感じた。おそらく現代のドイツや日本の自動車メーカーでもあんな「すっとぼけた」主人公が密かに活躍しているのだろう。

  そんなドイツと日本の「虚構」が鍔迫り合いを繰り広げるささやかな舞台がやってきた。新型ゴルフGTIと新型マツダスピードアクセラの対決が迫っている。200psオーバーのFF車を安全でしかもいかに早く走らせるか、そしてコストの壁をいかにかいくぐるか。 まるで大戦期の戦闘機の開発競争のようなスリリングさを感じる。

  このクラスのクルマに興味がない人には何も面白くはないかもしれないが、例え購入対象ではなくても、その歴史を見ると合理性の追求の為なら「何でもあり」の総力戦の中で、幾多の名車が生まれている。2000年の英「Car」誌が行った伝説の企画によると、FF4気筒NAで武装したホンダ・インテグラtype-R(DC2型)が当時の最先端であるポルシェ996型911とフェラーリ360モデナF1に迫る走りと評価された。高出力AWDの34GT-RやエボⅥよりも高い評価を得ているほどだ。

  AWD化してしまえば、400psクラスでも問題なく市販できてしまうようだが、FFにこだわってギリギリの馬力とトラクションで走らせるところに凄みがある。早くも次世代のプロトタイプが続々と発表されているが、本場欧州での競争は激しく、盟主ゴルフGTIの新型に批判が集まっている。すでに発売されているルノー・メガーヌRSとフォード・フォーカスST-3(日本未発売)の現行2トップの牙城を崩すことができていないようだ。

  縮小する欧州市場に後ろ向きなトヨタはオーリスの高性能化には否定的なようだ。86用のボクサーエンジン(スバルFA20型)でも積んでほしい気がするが・・・。日本勢でここに参戦を表明しているのは、ホンダのシビックtypeRとマツダのスピードアクセラだ。スズキは得意な小型車市場にも関わらず、スイフトのさらなる高性能化には否定的だ。Bセグながら後輪にもディスクブレーキを備えた意欲作だが、5ナンバーサイズの車幅では圧倒的に不利と判断しているようだ。

  プジョー・シトロエンも主戦場のFF&小型車が舞台ということで、RCZの新型エンジンを308やDS4に載せ変えて参戦してくるようだ。ただVWに習った多目的プラットホームの採用が、高性能化の足枷になるかもしれない。アウディはゴルフGTIと基本設計が同じ新型A3だろう。早くもwi-hiを車内で飛ばすなど、ライトユーザーの心を捕える打算的な戦略を打ち出しており、クルマの性能での勝負を避けているようだ。そして新規参入となるメルセデスはこのクラスとの競合を嫌ってAWD高出力化を選択した。格式を重んじる欧州メーカーとしては自然な成り行きか・・・。

  どうやらストイックなまでの「虚構」主義を掲げてもどうにもならないほど、トップセグメントとの差は決定的になってしまったのだろうか。メガーヌRSのように「ミッドシップのAWD」と対等な走りを「FF」で実現しようという「クレイジー」な開発者のさらなる出現に期待したいが・・・。


↓デザインも走りも超一流のメガーヌRS。日本での知名度はまだまだだが、WRX STIと互角に走れるFFって!!!