2016年1月7日木曜日

ジャガーXE 「ボルボに見えてしまった・・・終了!」

  ジャガーとボルボに同時に喧嘩を売るマツダ・ユーザーのCARDRIVEGOGOです(2016年もよろしくお願いします)。多くの方がご存知のこととは思いますが、ジャガー、ボルボ、マツダは数年前までフォード傘下のブランドとして共同で開発を行っていた「盟友」でした。現行でもボルボV40のシャシーが先代アクセラのものだったり、ジャガーのベースグレードの2LターボがマツダのMZRエンジンだったりとなにかと関係が深いです。乗り味なども自然と似てくるもので、旧親分のフォードもそうですが、いずれのブランドもハンドリング、アクセル&ブレーキフィール、そして足回り(乗り心地)、さらに静粛性に至るまで全般的に高い水準にある「優等生」なクルマが多いとされています。

  ハンドリングとアクセルフィールが酷いメル◯デス、ブレーキに難があるワー◯ンやト◯タやス◯ル、足回りが残念なホ◯ダとア◯ディ、静粛性無視のB◯Wなどなど、日本市場で人気のブランドはある部分で欠点があるものが多いようで、もちろん他で優れていたりするわけですが・・。その一方で旧フォード陣営あるいは日産のように走りの「総合力」が高いタイプのメーカーは日本ではあまり人気に火が付かない時代が続きました。そんな中で「ディーゼル&コンテンポラリー・デザイン」で見事にブレークスルーを果たしたマツダに続け!とばかりに活気づいたボルボとジャガーが2015年頃から日本市場に攻勢をかけてきました。

  マツダ好きとしてはこれらの「盟友」が日本市場でも、大いに健闘することを願ってはいます。ちょっと期待が高過ぎるのかもしれませんが、マツダ好きゆえに試乗してみて余計に感じてしまうのがボルボやジャガーの「現在地」(マツダとの実力差)で、それを「確認」するたびに毎回のように複雑な思いがします。もう少し具体的に言うと、トヨタユーザー視点ならばボルボもジャガーも引き締まった走りの質感(ダイナミックでキビキビ)が感じられますが、マツダユーザーの視点からだと、マツダ車のピントがややぼやけたような印象になってしまい、なかなか「目が覚める」ような好印象にはつながらないのです。そして結論は・・・「ブランドって一体何だろう?」ということになります。

  OEM=相手方ブランド生産という言葉があるくらいですから、広島のマツダ工場で作られても「フィアット」であり、倉敷の三菱工場で作られても「シトロエン」であっていいと思います。あくまでユーザーが納得してお金を払うならばそれでいい。日本で使われているドイツメーカーの量販車のほとんどがOEMですから、田原や栃木で作っているレクサスや日産と同等の価格設定がされているのには少々呆れますけど、納得できるならそれでいいのとは思います。

  ボルボやジャガーは雇用の空洞化が進むスウェーデンやイギリスの製造業を立て直すという「名目」のもと、公的補助を得て成り立っている特殊な「ブランド」です。本来ならばフォードが手放した段階で市場原理により「消える運命」にありました。本国で生産されることはユーザーにとっては幾分は魅力的でしょうけど、「雇用」を名目に製造されているクルマに、いまもなお市場経済のルールに則って開発競争している日米独韓の各メーカーを完全に出しぬくだけの実力を期待するのはやはり無理です。バックには中国やインドの新興国ファンドがいるとはいえ、自力での開発資源が十分では無い為に、ボルボはトヨタ系列サプライヤー(デンソー&アイシン)、ジャガーはVW問題で注目されたドイツの「ロバート"ボッシュ"グループ」の支援を受けてなんとか排ガス基準に適合させ、フォードが残した設計を元に「それなり」のクルマを作っているに過ぎません。

  誰でも知っている話をタラタラと書きましたが、これからの時代(本質を求め、本質がネットで暴かれる時代)に自前の開発資源も持たないメーカーがそのまま「ブランド」を名乗り続けていいものでしょうか? それはもはや「ブランド」ではなく「レッテル」に過ぎないのではないものでは? 某有名自動車評論家が「21世紀はブランドの時代」だと断言しましたが、それよりもはるかに速いペースで、ネットによる情報化で「ブランド」のメッキが次々と剥がれ「レッテル」と揶揄される時代に突入しつつあるのでは・・・と思います。一部のスーパーカーブランドを除いて、日本でこれからも「ブランド」として堂々と通用する輸入車には何があるでしょうか。メルセデスから分離を果たしたAMGファクトリーのエンジンを載せる「AMG」と、フェラーリ製エンジンとイタリア生産を謳う「マセラティ」と・・・あとは?

  開発資源を持たないメーカーはブランドを名乗ってはいけないのか? いやいやもっとユーザー視線で「透明性」が担保されるようなネーミングに改めるならば、「21世紀的感覚」のユーザーから新たに支持が得られるようになると思います。いわゆる「F1方式」を採用して主要部品のサプライヤーがハッキリとわかるようなブランド名にするというのはどうでしょうか。例えば「ボルボ=デンソー」というブランド名に改めて、日本市場で「適正価格」で販売するならば、「デンソーが関与しているのだから信頼性は高いだろう」という新たな評価が得られると思います。もしこのブランドで不具合が多発すればデンソーにとっても株価暴落&存亡の危機ですから、より高いクオリティを目指した技術協力が行われるのでは?という期待が新たな「ブランド」になるというわけです。他にもいろいろ考えてみました。

「ジャガー=イートン」(イートン製スーパーチャージャー搭載車)
「ジャガー=マツダ」(ベースグレード、DEもマツダにしたら?)
「レクサス=ヤマハ」(ヤマハ製高性能エンジン搭載車)
「レクサス=マツダ」(マツダ製DEの搭載車)
「メルセデス=マグナシュタイナー」(AWD車)
「アウディ=マグナシュタイナー」(TTなど)
「BMW=マグナシュタイナー」(X3)
「BMW=ローバー」(X5、X6)
「BMW=ロスリン」(1シリーズ、3シリーズ)
「フィアット=マツダ」(124)
「トヨタ=スバル」(86)
「アウディ=ランボルギーニ」(R8)
「インフィニティ=TOCHIGI」(Q50, Q60, Q70)
「日産=TOCHIGI」(スカイライン、フーガ、Z、GT-R)
「キャデラック=上海」(中国向け&製造の大型セダン)
「キャデラック=オペル」(ATSなどBMW対抗モデル)
「フォード=マツダ」(塗装とエンジンがマツダのマスタング)
「ルノー=アルピーヌ」(復活まであと少し?)
「ロータス=トヨタ」(エンジンの信頼性は高いです!)
「プロトン=三菱」(マレーシアのメーカー・三菱のネームが入れば売れるのでは?)

お金持ちは「BMW=アルピナ」や「BMW=ローバー」に乗って、若者は「BMW=ロスリン」の3気筒車(メンテナンス=フリー)に乗ればいいんじゃないですかね。どんなお客でも「BMW」1つで受け止めようというのにかなり無理があります。富裕層はブランドの低俗化を、若者は維持費(車検代など)の高止まりを危惧してBMWを回避しているように思います。同じようにジャガーやボルボも日本製部品をアピールして信頼性の高さと維持費を抑えたブランド展開を真剣に考えた方がいいのでは?と思う次第です。

リンク
最新投稿まとめブログ
↓CGアワードにて勝利したロードスターに、ギリギリまで肉薄した非常に高い評価なんですけどね。