2014年2月18日火曜日

ルノー・キャプチャー 「ルノー版ジュークを日本で売る日産の魂胆」

  日産というメーカーは難解だ。世界で一番無責任でやる気がないメーカーと批判する声が聞こえてきたかと思うと、世界最高の技術を惜しみなく投入し日産でしか作れないようなとんでもないクルマを作ってくる。日本車で一番安易なクルマをタイで作らせながら、一番複雑なクルマを栃木でゆったり組み立てている。フォードやホンダが全てのラインナップに魂を込めてブランドを十分に味合わせるように組み立てているのに、日産は徹底的にユーザー本位で、安くて気軽なクルマも作るし、GT-Rみたいなクルマも作る。ホンダと日産のどちらが優れているかを判断するのは単なるエゴでしかないのかもしれない。

  日産は叩かれることを恐れない。現行マーチは日本の登録車の水準を大きく下回っているかもしれないし、新型スカイラインは確実にオーバースペックなのかもしれない。まるである種を批判を誘発することが趣味であるかのように、問題作ばかりを連発する。このルノー・キャプチャーの元ネタと言えるジュークもその奇抜過ぎるデザインを見ると、日産は一体どこまでが本気なんだ?と首を傾げるほどのぶっとび具合だ。それでもなぜか売れる。気持ちいいくらいに売れる。

  世界のジャーナリストも日産のクルマにはやや呆れ返ったようなコメントをストレートにぶつけるのを良く目にする。日産キューブ「日本でカルト的人気を誇る2BOX。なぜ人気があるかはまったくもって不明。(ドイツメディア)」。キューブには激しくツッコむくせに、ジュークには「キュート」という謎の形容をするドイツメディアの方がオカシイという声もあるけど。日本では「でっかいゴキブリ」と言われるジュークはよく見ると、ドイツ車のカ◯エンに似て無くもない。

  日産の冷静な評価は、欧州では最も成功しているSUVメーカーであり、日本では最も成功しているミニバンメーカーだ。セレナもエルグラも最終的にはトヨタ・ホンダを退けたと言っていい。日産は確かに変態メーカーだけど、それと同時に器用さを持ち合わせている。欧州でもキャッシュカイ(デュアリス)という中型SUVを大ヒットさせ、新たにジュークを投入するとこちらも大ヒット。このSUVラインナップはドイツでもフランスでもイギリスでも大人気となっている。

  ルノー日産グループはジュークのヒットが醒めやらぬ中で、新たにルノー・キャプチャーを投入すると、今度はデザインの良さも相まってジューク以上に売れているのだとか。ジュークは一般にノートのクロスオーバーモデルと位置づけられ、キャプチャーはノートの姉妹車にあたるルノー・ルーテシアのクロスオーバーモデルだ。ジュークは日本と欧州で共通の1.5NAと1.6Tの上下2ユニットで構成されているが、キャプチャーはルーテシアに使われる日産製1.2Tをそのまま流用している。

  よってジュークとキャプチャーの差別化はエンジンスペックからして異なるので、十分に配慮されてはいるのでしょうが、やはり輸入車なので割高な価格設定で、1.2Tのキャプチャーが価格で1.6T(190ps)のジュークを上回る。クルマの基本設計は同じで、デザインとエンジンが異なるのですが、やや物議を醸しそうな価格設定を平然とやってくるルノー日産の図太いマーケティングには、「クルマ離れ世代」に向けての新たな戦略といった要素が含まれているのだろうか。このキャプチャーの日本発売はいろいろと考えさせられることが多いと感じる。
  

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