フィアットの新しい戦略はとてもユニークだ。アルファロメオの新しいオープンスポーツを日本のマツダに供給させるというものだ(マツダロードスターと基本設計が同じ)。この提携は前代未聞で、海外ブランドのスポーツカーを日本で作らせて(決してタイやメキシコの工場ではない)、国産への愛着が高い日本のユーザーだけでなく、「メイドインジャパン」がよく売れるオセアニアなどの市場への展開も狙っているようです。
日本における現地生産はまったくないわけではないが(アストンマーティンシグネット)、欧州の有名ブランドの中核モデルを日本で作るというのは珍しいことです。できれば小型スポーツだけでなく、アルファロメオ159の後継モデルまでマツダが作り始めたら、買ってみたいなと思いますね。こんどトヨタがBMW製のミドルサイズクーペを販売するそうだが、ドイツ製の日本ブランド車よりも、日本製のイタリアブランド車のほうに強い興味を持ってしまう人は結構多いのではないでしょうか。フィアットの「日本生産戦略」はぜひうまくいってほしいですね。
フィアットはさらに今後マセラティで新型セダンを複数投入して、ドイツプレミアムや日本プレミアム(レクサス・インフィニティ・アキュラ)の6メーカーを、マセラティが持つさらなる高いステータスで押し潰す計画があるようです。グランツーリスモやクワトロポルテに近い質感とフォルムを持ち、もっと買いやすい価格設定の新型セダンを投入するようです。マセラティは北米価格でも12万ドル〜でメルセデスのSやCL以上のステータスがあるのですが、6万ドル(北米だとBMW5やベンツEよりちょっと上)くらいまで下げてくるという噂です。
ありきたりなセダンのデザインを展開するドイツ勢と比べると、マセラティのフォルムはセダン(クワトロポルテ)もクーペ(グランツーリスモ)のどちらも官能的で、ドイツ車や日本車にはなかなか影すら踏ませない抜群のデザインです(なぜ他車がコピーできないかが不思議)。このブランドが「超高級ブランド」から「プレミアム」へ下がってきたときに、3BOXカーの概念もまた大きく変わるように思います。アテンザやクラウンでセダン人気が復活との噂がある日本でも、マセラティが少し「一般化」されるようになったら、いままでドイツセダンをベンチマークしていたクルマ(ドイツ車を超えつつあるデザイン?が再び進化を遂げそうです(新型ISはマセラティのレベルかも・・・)。
0 件のコメント:
コメントを投稿