2017年7月29日土曜日

アルファロメオ4C 「理想論だけではダメなのかなー」



  大変に失礼ですが、個性的な設計のクルマには、冷静にその構造を分析できる優秀なレヴュアーが必要ですね。最初から最後まで「アルファロメオは新しくプレミアムになるんだからこれじゃあ・・・」を連呼しているだけなら、その辺のクルマが好きなじーさんにだって言えるよ。プレミアムといってもライバルはせいぜいBMWやジャガーです。アルファロメオ・ジュリアも同じものを使ってますけど、『あの』縦置きミッションはまともに動き出せないですし、アイドリングストップから起動する時のディーゼルの振動もひどい、これにわざわざ特別なおカネを払うのはちょっとねー・・・って二の足を踏みたくなるんですけど。果たしてこのオッサンが夢想しているプレミアムカーってどんなクルマなんだろーか!?

  新生アルファロメオが、「4C」「ジュリア」「ステルヴィオ」というスポーツ、セダン、SUVのアメリカ人が大好きな3車種を揃えて、アメリカに再上陸しております。なんとも潔い精鋭3車種のラインナップ編成。これはアメリカよりも、案外日本で再び火が付く予感もするんですがね。日本向けのジュリエッタやミトもその濃いキャラクターで、価格の割にユーザーを獲得しているようですが、エンジンもミッションも長いこと更新されずに、野ざらしのままになっていて、中身はハッキリ言ってゴルフ6世代のまま。『古いからいいんだよ!!』という意見も一理ありますけどねー。しかしですよ!?そもそもVWと争っていていいのかー!?

  アクアにしようか?ノートe-POWERにしようか?と目星をつけている人々に対して、VWポロ、ルーテシア、シトロエンC3、マツダCX3、スズキSX4クロスが『200万円バトル』に次々と参入しています。そのちょっと上くらいをVWザ・ビートル、フィアット500X、MINIクロスオーバー、そしてミトが、「アイコニック」なデザイナーモデルとして300万円くらいで販売されてます。アルファロメオは2000年代に日本でも人気になった輸入車ブランドですが、なんかファッションや時計のブランドのようにブームが一巡して、機能面で最先端を追わないで、世界観だけで勝負するブランドに落ち着いちゃっています。それはそれで一定の需要はあるでしょうけど・・・。

  日本よりも巨大な市場のはずのアメリカですが、今の日本向けアルファロメオのような「おとぎばなし」では全く相手にされないです。まあ日本でも全く儲かってはいない。そんな現状を根底から打破して、新しいストーリーを描こう!!指標としてアウディのようなドル箱ブランドに仕立てよう!!というのが新生アルファロメオです。その尖兵としてたった1台でそのイメージを180度変えることに成功し、見事に仕切り直しに持ち込んだのが『アルファ4C』というスポーツカーの業績ですね。『オシャレ』なブランドから『エンスー』のブランドへ。ザ・ビートルがケイマンSになったくらいのありえないほど劇的な変化を、ごくごく自然に起こしています。それがアルファロメオ!? それなのにS水K夫さんの「プレミアム路線にあらず」という心無い判断基準には少々違和感があります。宿命とはいえGLA180を家族の車に選ぶ人の基準で評価されるのにはちょっと同情しますよ・・・。




  アルファ4C。ここまで所有することの『価値』を追求したモデルはスッカリ少なくなりました。クルマ作る側も乗る側も完全にマインドが『大衆化』しちゃってますから、ポルシェ718ケイマン(655万円)とか、マツダロードスター(249万円)/アバルト124スパイダー(388万円)、ロードスターRF(324万円)といったモデルに出会うと頭がちょっとフリーズします。何でそんなハッピーな価格に収まるの!? 大衆化したマインドでは理解できない「変態設計」こそに所有する価値が生まれるんじゃないの!? ケイマンとボクスターが無いポルシェは単なる『道楽ブランド』ですし、ロードスターが無いマツダは・・・あまりに悲しすぎる。

  メーカーそれぞれが自己の存在意義を客観的に見据えているからこその「変態設計」。嬉しいことにルノー傘下でアルピーヌA110が復活しました。A110の開発陣には、元々はマツダでRX8などの仕事をしていたデザイナー(日本人)なども参加していたりして、「スポーツカーを作りたい!!」というピュアな想いを抱くカーガイがまだまだ活躍しているんですねー。何だろうな・・・こういう「クリエイティブ」な仕事が自動車産業に脈々と残ることが素晴らしいと思うのですが、アルファ4Cを全く理解しないS水K夫さんや『小物入れがない』というだけでロードスターに失格の烙印を押したS藤S輔さんみたいな、横柄なベビーブーマー世代にはちょっとがっかりですよ。動画のK口さんの方がよっぽど事情がよくわかってるよーですね・・・。

  K口さんは「スパルタン』を連呼してますが、これだけだったらトヨタ86でもいいんじゃない!?あまりみなさん言わないですけど、86もなかなかスパルタンで、4Cのバスタブ構造のような剛性感がなかなか押し付けがましいくらいです。おそらく買った人のほとんどは、このなかなか本格的な「雰囲気」がツボだったはず。86を3年なり5年なり乗り倒した人が、予想外に高い下取り代金に気分を良くしてポルシェやロータスへと進むのか、それとも『もうスポーツカーはいいかな』とハリアーでも買うのか・・・。

  86よりももっと本格的なものが欲しくなる人も一定割合はいるはず。例えば直4ながらもショートストロークを採用しているレアな1.75Lターボ(ジュリエッタの最上級グレードにも使われています)は、エンスー的なポイントが高いです。まあ動画では『古臭いエンジン』とか言われてちゃってますけどねー。

  FFで欧州の頂点に立とうとした名車156から、いきなりミッドシップのスポーツカーを作ったかと思うと、今度はFRをベースに展開・・・経営困難な荒波を乗り越えての存続とはいえ、節操のない変わり身が少々気になるわけですが、アルファロメオの旗のもとに、クルマが好きなエンジニアが集まり、そのタイミングで一番作りたい設計を具現化する・・・プロジェクトの拠点としてブランドが機能する!!そんな自動車文化が日本にもあればいいですけどねー。


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2 件のコメント:

  1. こんにちは、初めまして。
    すこぶる同感致します。4Cはその内装からしても、どう考えてもラグジュアリーを狙う車ではないですよね。S水さんみたいな方が幅を利かせているから日本のスポーツは育たないのでは?と感じました。

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    1. コメントありがとうございます。

      そーですよねー。誰かSさんに「ちょっとズレてないですか?」
      って言えるスタッフいないのかよ!?って気がしますよね。

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