2017年7月16日日曜日

アバルト595 「ピッコロモンスターのエンスーライフ」




  100万円でアルト&ミライースが、200万円でスイフトスポーツ&S660が、300万円でアバルト595、マツダロードスターが買える。まだまだ十分に幸せなカーライフが日本でもしばらくは送れそうです。『とことんまで割り切った』という意味でも、軽やAセグはいいなー。ディーゼルだのPHVだの別にありがたくもない装備を押し売りされることもなく、思い通りの車選びができる。価格に応じて速さが選べます。100万円なら必要十分。200万円はかなりスポーティ。300万円はスパルタン。ちょっとおかしな言い方ですけども、ユーザー目線に一番近い(納得できる)価格設定だと思います。

  マイクロサイズに300万円も出せねーぞ!!というとても真っ当な意見もあるでしょう。1100kgくらいのボデーに180psを軽々出す1.4Lターボですから、ちょうど新しいシビックのエンジンが載ったみたいなものです。1400kgのシビック(約300万円〜)がスポーティな走りのために300kgダイエットして、価格はそのまま据え置きと考えれば納得できるかも。でも相当な贅沢品であると思います。セレブな人々がセカンドカーとして使うスマートよりも高いですから!!

  『ピッコロ・モンスター』=アバルトなら、アクアやノートe-powerにプラス100万円でも納得できますよ。下取りもトヨタ86と同等くらいには回収できるだろうし。案外スバルの限定モデルみたいに投資物件としての価値もありそうです。それほど売れてなくて、しかもちょっと高いなー!!だけど廃止にはならない!?そんな不思議なクルマには、案外よく知らない価値があるものですね。

  100万円クラスのアルトやミライースなら『これはよくできてるなー』って感じで、スズキやダイハツの小型車製造技術に感心できます。200万円クラスの特に『スイスポ』や『S660』だとクルマ全体の動的質感は非常に個性的で、日本メーカーだから、日本の小型車だから可能!?そんな世界でオンリーワンなダイナミックな旋回性能を肌で感じて、この理屈を突き詰めた延長線上にマクラーレン720Sがあるのかなー!?なんて感慨にふけることも(どれだけ想像力豊かなんだろう)。

  300万円クラスのアバルト595。全モデルがフィアットの三菱ライセンスでおなじみのマルチエアとか言われる1.4Lターボで、ベースモデルの「595」(294万円)が135ps、上級の「595ツーリズモ」(347万円)が160ps、最上級の「コンペティツィオーネ」(365万円)が180psです。実際に買うとなると相当に悩みそうなスペック違いになってますね。価格差もとても絶妙。135psでも相当に速いですけど、180psの魅力も捨て難い。そして開放感あふれるソフトトップも用意されているのは160psバージョン(377万円)です。そもそも開放感を求めるならば124スパイダー(388万円)がありますけどね。

  輸入車として日本でも人気のドイツ車とイタリア車。誰が乗っても速いのがドイツ車で、自分の腕で速く走らせるのがイタリア車。平気で最高速度300km/hをクリアする直線番長がドイツ車(PマニアはBMやMBと一緒にするな!!って怒るかも)で、小さいボデーに強烈なユニットを積んで、巻き込みながら曲がるのがイタリア車。そんな伝統をしっかり受け継いでいるアバルト。ランチアやアルファロメオにも面白いスポーツモデルを期待したいです。

  日本の自動車メーカーにとっては、極端なホイールベースのクルマを作って、それを10年くらいかけて少しずつでも市場のニーズに一致させていくというクルマ作りができない。トヨタも一時期『iQ』というマイクロモデルを手がけて、アストンマーティンにもOEMするなど模索する時期がありましたが、リーマンと震災のダブルショックで単年赤字を計上したためにあっさりと放棄してしまいました。

  ヤマハなどこれから四輪に参入する新興メーカーのためにも、非軽のAセグ市場からトヨタが撤退したことに関しては良い面もあった!!とは思いますが、もう少し踏ん張って市場を温めて欲しかった気もします。ユーザーにとってはクルマは大きな買い物なので、『極端』なモデルにはなかなか慎重になりますから、時間がかかります。実際にフィアット500を躊躇なく買える人の割合は決して高くないと思います。もしかしたらポルシェよりも行きにくいかも!?(日本での販売台数はポルシェとフィアットはほぼ同数くらいです)

  それでも昨年にルノー・トゥインゴとスマートフォーフォーがセンセーショナルに登場したおかげで、ルノーもスマートも直近では昨年比で約2倍の売り上げで躍進しています。これから投入されるであろうトゥインゴGTやトゥインゴ・ゴルディーニRSがさらにこのクラスを盛り上げてくれれば、もっと多くの人が小さいけどとってもエンスーなクルマ達に目を向けるようになるんじゃないでしょうか。


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