2017年1月19日木曜日

シトロエンDS5 ディーゼル追加でレザー仕様が497万円

  フランスの大統領公用車にも使われるシトロエンDS5。見た目に優雅ではありますけども、いわゆる高級リムジンとは方向性が違うクルマで、トヨタのロングセラーミニバンであるエスティマを彷彿させるスタイルで、キャビンにゆとりがあるクロスオーバー・サルーンという独特の立ち位置です。これで3列シートならもっと需要があるのでしょうが、3列収まりそうなスペースを広々と2列で使うから優雅なのであって、このクルマの個性を考えたならばやっぱり2列が正しいように思います。

  1950年代に生まれたシトロエンの「DS」というフラッグシップサルーンは、ド・ゴール大統領も愛用したフランス自動車産業を今も照らし続ける名車ですが、そんな「ユニーク」で「ゴージャス」で「ハイセンス」なクルマを現代に甦らせよう!!という企画でDSブランドが立ち上げられ、その新ブランドのフラッグシップを務めるDS5は「エキセントリック」だけど「アリ」なクルマというギリギリのところを「攻め切った」設計になっています。いちいち文章で伝えるのは難しいので、興味を持った人は「シトロエンDS」と検索してDS専用サイトでその全体像を見てみて下さい!!なかなか圧倒されますよ!!

  一体いつからフランス車は平凡で単なるドイツ車の下位互換くらいにしかならない、つまらないクルマばかりになったんだ!!っていうと怒る人もいるかもしれません。しかし某ドイツメーカーの主力モデルを単純に真似たような設計は、本当に実用一点張りでしかなく、そもそも「設計作業」からして面倒だから省いた!!ようなクルマばっかりじゃん・・・。そんな中で新ブランドであるはずの「DS」もイマイチ気合いが足りないですね。プジョーやシトロエンと同じシャシーで仕立てられていてメカニック面での差別意識が乏しい!!レクサスやアウディよりも圧倒的に乏しい!!

  しかし愛情を持ってフランスブランドが21世紀にサバイバルしている足取りを応援する人の気持ちはとてもよくわかります。イタリア車や英国車はマニアック過ぎる!!日本車やドイツ車は当たり前過ぎてダサ過ぎる!!だから俺はハイセンスなフランス車が好きなんだー!!って心の中で散々に叫んでいるストイックな原理主義者もたくさんいることでしょう。そのイカレっぷりはスバルやマツダが大好きで堪らない人々と相通じるところがあります。

  これは解る人にしか伝わらないでしょうけど、ドイツ車やトヨタ、日産、ホンダといった日本の大手メーカーはひたすらに「主導権を取る」マーケティングが要求されていて、そこでいちいち「燃費」とか「スペック」だとか「車格」だとかに囚われているのがかなりダサい!!実車を見てそういう意図を汲み取ると、いちいちアホくさー!!って気持ちが冷めてしまう要素があまりに多いんですよねー。例えばランフラットを使うスカイラインとか、トヨタとかBMWとかいろいろな要素が混ぜこぜになっていて、しかも古臭く見えるレクサスのインパネとか・・・。いちいちセンス無いんですよ。

  それに対して「俺がこのブランドのクルマを買ってあげて応援しないと、やがては消え行く運命なのかなー」くらいに思わせてくれるブランドはそれだけでいいですね。何とも言えない「儚さ」があって、そういうブランドに限って面白い機能が付いていたり、走りがとても個性的だったりで、まーそれで初めてクルマってのは実用性から離れた「価値」を持つんだと思います。スポーツカーを単発で作る零細ブランドはまだまだたくさんありますし、これからも必要に応じて出て来るでしょうけど、総合ラインナップの普通車メーカーで、ドイツ3陣営&日本の大手3メーカーを相手に健気に「中型車」を送り込んでくるブランドは特に大事にしたいです・・・シトロエン、プジョー、ボルボ、ジャガー、アルファロメオ、スバル、マツダ。

  「DS5」「508GT」「S60」「XE」「ジュリア」「アウトバック」「アテンザ」・・・この内の1台はこれから導入予定ですが、日本市場に輝く7つの宝石と言っていいと思います。DS5のディーゼル搭載で、アウトバック以外の6台はすべてディーゼルが用意されることになりましたが、果たして来年2018年を7台揃って迎えられるのか!?というくらいに現状では販売は低迷しています。フランス車の2台はマイナー過ぎる。ボルボとジャガーは価格が高め。アウトバックとアテンザは価格は手頃だがややサイズがデカいですかね・・・。

  Cクラス、3er、スカイライン、レクサスISといったDセグの王道プレミアムを相手に、互角以上のハイスペックな装備を持つモデルばかりなので、もう少し売れてもいいのかなーという気がします。たとえばリアシートヒーターは王道の4ブランドはどこもオプションでも用意されていませんが、ボルボ、スバル(標準装備)、マツダでは付けることができます。母親を乗せることもままあるので、これだけでも選ぶ価値はあるなーと思います。508GTとXEは王道にくらべてハンドリングの出来が素晴らしいです。

  そんななか「7つの宝石」のリーダー格はやっぱり「DS5」で、キャビンを広く見せる工夫として前後に3分割された「コクピットルーフ」は、Dセグながらもなんともハイエンドなセレブ感を演出するすばらしい仕掛けです。さすがは大統領専用車にもつかわれるクルマですね・・・。ボデー剛性ばかりを気にするドイツメーカーには絶対に出来ない発想じゃないですか!?日本の自動車評論家の手にかかれば、そんな上屋にガラスルーフをたくさん広げたら、重心が高くなってしまってダメだ!!みたいなこと言い兼ねないです。だから日本メーカーも安易にそんな設計にはしないみたいですね。やっぱりカーメディアは「害」だな。ヤツらの理論に基づいたとってもつまんねー日本車とドイツ車に「NO」を突き付けたい・・・。

  自分のライフスタイルに合わせてDS5に乗ってみよう!!というオシャレな選択は、とりあえず日本のサラリーマンにはまだまだ難しそうですね。借り上げの社宅からクルマまで、周囲に合わせた選択にせざるを得ない。もし若いうちから輸入車なんかに乗っているのが上司にバレたら、もう出世が遅くなるー!!っていう窮屈な人生を送る限りは、「DS5」なんてまったく縁のないクルマかもしれません。今のところはフリーランスでガッツリ稼げる人だけが愉しめるクルマなのかも。確かに7台の中では断然に派手なエクステリアですから・・・。



 

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