2016年3月15日火曜日

ボルボXC90 ドレッドノート級が・・・売れた〜!!!

  アウディ?メルセデス?マツダ?・・・これらのブランドと見紛うエクステリアに変わったボルボの新デザインがウケたのか? それとも予想を裏切って1000万円クラスのラグジュアリーSUVを仕上げてきた新生ボルボの気合に人々が拍手喝采で共感したのか? ボルボの大型ラグジュアリーSUVである「XC90」は、先行して販売が始まっている欧州では、レクサスLS(日本では価格帯が同じ!)などよりもたくさん売れているようです。LSは8気筒、XC90は4気筒なんですけどね・・・日本と違って欧州は合理的なんですね。

  やっぱり「7人乗り」の魅力は日本でも欧州でも同じなんでしょうね。日本でも10年ほど前を考えると、「アルテッツァ」や「S2000」など中古車で大人気のモデルが発売されていたにも関わらず、圧倒的に販売を伸ばしたのがミニバンでした。海外メディアからも「究極の走り」と絶賛されるほどの「傑作車」といえるスポーティモデルを、トヨタやホンダが比較的にお手軽な価格で出していても、「7人乗り」の魅力にはまったく及ばなかった・・・残念ですがこれが現実でした。

  もちろん「スポーティモデル」と「7人乗り」では・・・ユーザーに訴えるポイントが全く違うわけですが、世界屈指の「スポーティ」よりも、「7人乗り」の方がセールスポイントとしては圧倒的に「弾力性」が高かった!というだけの話です。いまでもクルマ好きは「日産がシルビアを復活させれば絶対に売れる!」などどグダグダ言ってますけども、当該モデルが売れることだけを考えるならば、総合メーカーがスポーティなモデルを作るという選択肢はほぼ無いでしょう。ロードスターやS660のように「2座」と割り切ったスポーツカーの方がそこそこ売れる時代ではあるようですが・・・。

  そういう状況にも関わらず、マツダとかいう日本メーカーは何を思ったのか、今後は順次ミニバンの生産を終了させて、ボルボXC90と同じクラスのSUVに3列シートを組み込んで売ることにしたようです。ミニバンでの採算に苦しんでいた事情はわかりますけども、最もこの変革が欲しかったジャンルがミニバンなんじゃないの?と思うので、あまり賢明な判断ではない気がします。新型SUVの投入はともかく、ミニバンやワゴンをマツダの感覚で「7人乗り」のまま新しくデザインすることが、このメーカーの生き残る数少ない選択肢だったんじゃないでしょうか・・・。ボルボは見事に掘り当てましたが、マツダのSUV作りはタイミング的にどうなんだ!?

  当たり前のことですが、世界で販売される乗用車は、①2人乗り(1列)、②4〜5人乗り(2列)、③7〜8人乗り(3列)の3パターンに分けられます。かつては独身男性が①に憧れつつ、結婚を考えて現実路線の②を選び、実際に結婚して子どもがちょっと大きくなると③にするといったカーライフのサイクルがあったようです。しかし今では、まだまだ結婚など考えない独身男性が最初から③を選びます(グループで遊ぶため)!!!結婚すると仲間と遊ばなくなるので、今度はクルマを手放す・・・。日本の子育て環境は非常に過酷で、子育てビジネスでさんざんに生活費をむしり取られる間は、「新車」でクルマを買うなんて感覚は一般的ではないようです。

  もしクルマが好きで2台持ちが可能ならば、走りのクルマは①で、家族とのクルマは③というギャップを持たせた所有が非常に合理的かもしれません。①の候補は・・・マツダロードスター、ホンダS660、ロータスエリーゼ、ポルシェボクスター/ケイマンなどなど。それに引き換え③の候補は・・・「アルファード/ヴェルファイア」以外には、これといったクルマがなかったりします。ランクルやパジェロはいかにも武骨で、アウトランダー、ステップワゴン、ボクシィ/ノア、セレナ・・・2シリーズグランツアラー、プジョー5008を含めて、キャラがちょっと弱いですね。もっとクルマ全体から独自の世界観を醸しているような惹きのあるモデルが欲しいです。

  ボルボXC90が欧州で好調な理由も、おそらくこの「2台持ち」というトレンドの中で、③の需要を満たすことに成功したからという気がします。もちろん「XC90」のパッケージの良さ、ボルボブランドの堅実なイメージ、そして品のあるエクステリアなど要件は見事に揃っているわけですが・・・。日本に「アル/ヴェル」があるならば、スウェーデンには「XC90」があるんだぞ! ドイツ、イギリス、イタリア、フランスがなかなか入って来れない領域とも言えそうです。3列シート車のWCOTYの部門があれば注目されそうですけど、まだまだグローバル車が少ないので無理かも。「アルファード/ヴェルファイア」「XC90」と並ぶ「エレガント」な巨艦主義(2トンオーバー!)の3列シート車となると・・・

日産「エルグランド」
マツダ「MPV」
キャデラック「エスカレード」
フォード「エクスプローラ」
リンカーン「ナビゲーター」
メルセデス「GL」
メルセデス「Vクラス」

  やはりというか・・・「巨艦主義」がどこの国から発信されたムーブメントなのか?これを見るとハッキリとわかります。日本でもキャデラック、フォード、リンカーンといったブランドで売れる数少ないモデルではあったようです。すでに発表されている通り、フォードとリンカーンは年内に撤退するので、その穴を埋める1000万円超のプレミアム・フルサイズSUVと、400〜600万円クラスのラージSUVがこれからそれなりに求められそうです。

  ジャガー、マセラティ、ベントレー、ランボルギーニなど高級ブランドからもSUVの参入が予定されているので、より大きくて存在感が発揮出来る「ドレッドノート級」の人気が日本でも高まるのではないかと思われます(フォード無念・・・)。ボルボに加えて、マツダやスバルにとっても一気にブランドのラインナップを拡大するチャンス到来かもしれません。


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