「スカンジナビアン」って何それ?なんかとってもアホくさいんですけど・・・
ボルボ・カー・ジャパンが自ら「スカンジナビアン」を標榜しているわけではないです!!! 主に見かけるのは「モーター・マガジン」という・・・チンケな日本の自動車雑誌の誌上です。それにしてもまったく読んでる方が恥ずかしくなってしまうコピーですね・・・20年前の電通でもこんなベタな表現はしなかったと思いますけどね。「スカンジナビアン・ラグジュアリー」という言葉だけで、勝手に読者に想像させようという、ポリシーの無い書き手の「感覚」がとてもイヤですね。
「スカンジナビアン」って一体どんなヤツだよ?・・・なんて言ってしまうと、コイツはスカンジナビア半島もしらないのか?とバカにされかねないヘナチョコなインテリ主義がどうも苦手です。世界の地名を知っているだけで「インテリ」かよ!?なんだか幕末か明治の価値観のままで進歩がないですよね〜・・・。アラビア半島やクリミア半島で起こっていることには興味がないけど、イベリア半島やスカンジナビア半島は大好き!ケルト人やバスク人のことはあれこれドヤ顔で話すオバさんいませんか?そんな人に限ってアイヌについては何も知らなかったりします・・・。
そもそもノルウェなんてグーグルアースで見る限り、長野県みたいな景色の中にグランドキャニオンみたいな峡谷がくっついただけの不便そうなところです。山と海の絶景が近接していて非常にダイナミックで見てみたい気はします(日本にも「親不知」があるさ!)。 だけど残念なことに物価が異常に高いようですね。金銭感覚が麻痺した金持ち以外は、旅行が楽しめない禁断の観光地です。物価が高いせいか?住人の購買意欲が非常に低く推移しているようで、商店などはそれこそ必要最低限しかなく、その他のインフラもあまり整っていない模様。フィヨルドのせいとはいえ、隣接する地域への移動は鉄道やバスよりもフェリーが断然に便利なんて・・・瀬戸内海の離島か?
そんな北欧の国々の生活を、「1人当たりのGDP」が高いだけで「素晴らしい!」とやたらめったら評価しているのが日本の新聞ですね(モーターマガジンと同レベル)。低成長な日本にとってはアメリカや中国よりもスウェーデンやノルウェーがお手本だ!とでも書いておけば、そこそこ説得力が生まれて購読料が獲れる。しかし現実には、アメリカや中国の「財・サービス」こそが日本を絶えず変化させているのは間違いでしょうし、欧州から見ればおそらく、日本はアメリカや中国のような「経済のパラダイム」に位置する国だと区分されると思いますけどね。
日本でもアメリカでも中国でも「日本車」はそこそこ・・・いや大人気なんですが、モーター・マガジンが言う「スカンジナビアン」はあまり売れてないです。「日本車」とはぜんぜん違う文化・・・「スカンジナビアン」ですから、まあ仕方がないかもしれないです。アメリカや中国でバカ売れしているポルシェやフェラーリの内装の素材はカーボンやアルミでアクセントを付けますが、「スカンジナビアン」は・・・いや最新のボルボXC90では、福野さんの解説によると「ウォルナットのガンストック」だそうです(実物を見に行くしかねぇ)!
ボルボも「北欧調の仕上げ」と言っているそうなので、「コピー」にはあまりこだわっていたりはしないのでしょうが、それにしても「スカンジナビアン」はあんまりですよね・・・。フィンランドで製造されているメルセデスAクラスも正真正銘の「スカンジナビアン」なんですけどね。「ボルボ→スウェーデン→スカンジナビアン→何か」という絶望的な発想を「幇助」するだけのバカ・ライターが跋扈する中で、福野礼一郎氏は80年前からある由緒ある「仕上げ」がガンストックだ!とXC90のページで熱く書いています。ベントレー出身のインテリアデザイナーの仕事ぶりと素材について、いつも以上に火花が散ってます!この部分だけでも今月号は大満足!・・・これこそプロの仕事!「モーターファン・イラストレーティッド」の「ニューカー二番搾り」は4ページに渡ってますが「スカンジナビア」なんてアバウトな単語は1度も登場しません。
さて日本の人々が「スカンジナビアン」という怪しい「文化コード」にそこそこの関心を示すことは結構なんですけど、なんだかそこに群がる人々のノリが「軽い」のは気になるんです。IKEAの商品を買って一度として満足したことありますか?・・・私は特にはないです。ボルボのクルマで絶対に所有したいほどに気に入ったものはありますか?・・・フォード・クオリティこそ感じますけど、そこに「スカンジナビアン」を体現するものを意識したことはないですね。
くっそ寒い辺境の地域なのに、平均所得が日本やアメリカよりも高い・・・そんな国(ノルウェー)からサーモン買っている日本。人件費は高いはずなのに、誰が魚を育てているのかな?ポーランド人か?シリア人か? 一説によると引退世代への公的給付がやたらと手厚いので、家からめったに出ない金持ちが美味しいものに高いカネ払っているから、自然と生活物価が高く維持されるらしいです。
そんな地方にお住まいのエンジニアが、コツコツと質感のよい高性能車をつくっている?・・・神秘のブランド?が「スカンジナビア〜ン!」な「ボルボ」です!!!。一時は深刻な経営不振で見通しが立たず、日本市場からの撤退すら噂されましたが、スウェーデン政府の内国産業保護政策と某国の「爆買い」というダブルの恩恵によって不死鳥のように復活して、再びラインナップを拡充してきました。
先頃もどこから拠出されたか知りませんが、1兆円を越える額の新規投資によってさらなるラインナップの拡充がはかられた!と大々的に報じられました。1兆円といえば、マツダやスバルの年間売り上げの半分に匹敵しますから、現状ではさらに売り上げが低いボルボにとっては異例中の異例・・・まさに「爆買い」です。
そういえば先日読んだマツダの本には、「カネをかければいいってもんじゃない!頭を使わなければいいクルマは作れない!」とマツダ幹部の暑苦しいまでの「檄文」が載ってましたが・・・。「頭を使うマツダ」と、「カネを使うボルボ」、同じ釜のメシを喰ってきた仲ですね・・・果たして5年後の両者のポジションはどうなっているのでしょうか?(誰かマツダにカネ出してあげて!)
あと「スカンジナビアン VS スカイアクティブ」というのもやめて!!!
「Drive-E」が全然定着してないです!!!
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