2014年7月2日水曜日

メルセデスCクラス が今年の本命ってマジですか?

  今年の日本カーオブザイヤーも輸入車が獲ると言われているみたいですね。選考委員を務めている評論家がすでに「やります!」みたいな雰囲気を漂わせています。しかしこのクルマは本当にゴルフみたいに同クラスの日本車を押し退ける勢いで売れるのか?という素朴な疑問があります。もちろん「メルセデスCクラス」という比較的にお手頃で日本の道路事情に適したサイズでユーザーが多いのは分りますが、この新型(W205)がさらにそのシェアをさらに伸ばせるようには感じない部分もあります。

  いよいよ今月にも日本発売が開始されるそうですが、すでにメディアにリークされているゲレード別のスペック装備などを見ると、最初はレヴォーグと同じように1.6Lと2Lの直4ターボのみの構成になるようで、プレミアムブランドにしては「華」がないように感じます。しかも価格を見るとまたビックリ!でエンジン次第で価格が大きく変わる欧州ブランドの日本価格はまあ仕方ないとしても、そこそこのエンジンのグレードにさらにエアサス装備車を選べば、すぐにレクサスGSが買えちゃうくらいのお会計になってしまいます。スカイライン200GT-tと同じエンジンのグレードは噂によると「644万円」のグレードだけで、しかもエアサスは標準装備になっているのだとか・・・。

  メルセデスの下級グレード車は今後は全てが「パッケージ」商法になっていくようで、「419万円」「467万円」「524万円」「644万円」の4段階で主要装備が区切られています。ちょっと穿った見方をすると、全てが見込み生産の在庫販売になるために、安いグレードを選んで必要な装備だけを「メーカーオプション」で追加するということが原則できなくなっています。安全装備も例外ではなく、上のグレードに行くほどにセンサーが追加されより安全な運転支援が盛り込まれていきます。ちょっと前まで「日本メーカーは安全装備を全車標準にしないからけしからん!」と徳大寺さんなんかがキレまくってましたが、4段階で完全に分断されて段階的に盛り込まれているメルセデスの「安全装備」について何か一言頂きたいものです・・・。

  しかしもっと残念なことに、「安全装備」の有無に目がいく前に、現状ではこのクルマの良さが全くと言っていいほど伝わってきません。「Sクラスと同等の足回り」みたいな宣伝文句が飛び交っていますが、先代までのC/Eクラスが車格にしてはやや低レベルなサスペンション形式を採用していただけで、やっとスカイラインやレクサスISと肩を並べられるくらいまで高性能なものへと品質を上げてきたに過ぎません(もちろんアウディやBMWに対して優位にはなりましたが)。一時的ですがEクラスよりも良い足回りを使うので、乗り味が良くなってお買い得!という説明が早くも広まっていますが、とりあえずラウンチ段階の4グレードに関してはどれも首を傾げたくなります。

  先日追加されたスカイライン200GT-tは、350GTから幾つかの装備を簡略化した上で383万4千円でした。メルセデスから調達したエンジンを使うためか、350GTよりも割高感があったりします。Cクラスの当面の最上級グレードはこの200GT-tと同じエンジンを積んでいて「644万円」とさらに割高感があります。もちろん剛性重視で車重はクラス随一の重さを誇るスカイラインと違って、公表こそされていませんがCクラスはかなりの軽量化に踏み込んだと言われているので、パワー・トルク感は当然に違うでしょうし、直4ターボを搭載することを視野に入れて設計されているCクラスのシャシーの方がエンジンからのNVHへの対応力も高そうです。そして何より「644万円」にはエアサスが付いてきますので、200GT-tと同じレベルとクルマとは到底言えないですが・・・それでも高い気が。

  メルセデスとしてはコストがかかっていないモデルを先行発売で売り払ったあとで、その後の売れ行きを見てディーゼルやHVを追加してくる「後だしジャンケン」戦法のようです。まあおそらくどちらも一般ユーザーを無意味に後ずさりさせる600万円コースなのでしょう。「どうせ日本人なんてドライブを楽しまないから直4ターボで十分」と完全にユーザー像が分析されてしまっているようです。週末の買い物以外は家の前の「オブジェ」的な用途しか見出していない・・・ナメられてますね。

  すでにディーゼルとHVでそれぞれ3シリーズ、レクサスIS、スカイラインがかなりの実績を挙げている中で、Cクラスの「環境性能が高い」ユニットがどれほどの「バリュー感」を見せてくれるかわかりませんが、このクラスの燃費の常識を変えつつあるレクサスIS300hやスカイライン350GTの功績を差し置いて、「Cクラス」が素晴らしいという評論家の頭の中ってどうなってんでしょうか? Cクラスが悪いクルマとは思いませんが、ゴルフほどに日本COTY受賞に相応しいとは思えないです。ここまで急激な変化を迎えていろいろなヒット車が飛び出している中で、Cクラスが選ばれるなんて・・・日本メーカーを腐らせるのがこの賞の目的なんですか?って感じですね。選考委員の今後の言動には注意を払ってみたいとおもいます。


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