2013年2月26日火曜日

ゴルフ7はデザイン変更なしの強気!

  ゴルフ7は先代からほとんど外観を変化することなく去年の暮れに欧州で発売された。4年でのFMCはゴルフとしては異例の早さであるが、世界的な経済危機の影響を受けた2008年頃に登場したクルマはどのメーカーも短いスパンで製造が打ち切られているので、ゴルフもその影響を受けたのだろう。この短命の2008年モデルからのFMCは、経営の見直しから押し進められると考えられるので、その内容(コストダウンはないか?)をよく見極めたほうがいいかもしれない。

  このクルマは日本において毀誉褒貶が激しいクルマで、さまざまな情報がまかり通っていて正しい評価がされていなかったりする。「日本価格が高すぎる」という声もあるが、米国販売価格は約$18,000(約150万円)〜だが、北米生産をほとんどしない日本勢のマツダのアクセラが約$16,000(約135万円)〜で、新型アテンザが約$20,000(約170万円)〜なので、ゴルフの日本価格250万円〜はそこまで極端に高いわけではない。

  「カローラのライバルなのに価格差が酷い」とも言われます。それはあくまで北米市場での話であって、北米のカローラは1.8L仕様で約$16,000〜で、上級モデルのマトリックス(ブレイド)は2.4L仕様でゴルフよりも高い約$20,000〜です。はっきり言うとトヨタが日米のカローラに格差を付けて売っていることが問題なのであって(日本の新型カローラはヴィッツと同じ)、ゴルフの価格自体は「グローバリゼーション」そのままに、ごくごく標準の販売価格です。

  日本のモータージャーナリストが度々言及していることは、トヨタが軽自動車に対抗するために代表車種カローラを低スペックなクルマにしてしまっていることを、一般化して「日本車はダメ」と言っているのだと思います。しかし受け取る側は日本のクオリティカーにもそれを当てはめて解釈してしまう部分があります。「軽自動車規格」が価格設定の主導権を握ってしまっていることを指摘しているジャーナリストも多いです。そういった要因がここ10年余りの日本車の不遇な時代に横たわっていたのですが、ここにきて日本のクオリティカーにも正当な評価がされるようになってきたことは良い兆候です。

  このゴルフというクルマも10年前なら日本で発売されるカローラと同じ水準のものでした。しかし日本市場とは別にグローバル市場(欧州・北米)はクオリティカーが順当に売れる健全な市場へと進んだ(やはりクルマ文化の違いか・・・)ため、このゴルフはその市場のニーズを満たすクルマとして、グローバルでの評価は高まりました。当然ながら評価軸がグルーバル市場とはズレていた今までの日本市場では「このクルマはいったい何なんだ?」ということになっていました。

  もちろん渋滞のヒドい日本ではドイツで走るようなクオリティカーは要らないという人もいます。世界一の高齢社会なので、低価格な国内専用車で十分という声も「健全」なものです。じゃあ「クオリティカーの土俵」に乗っけたときに、ゴルフと日本車はどっちが優れているのか?といわれれば・・・、北米で圧勝しているのはだんぜん日本勢です。日本でもっとクオリティカーが売れるようになれば、北米トヨタも北米ホンダも本気でゴルフへの対抗車種を日本に送り込んでくると思います(フォードフォーカスもやって来たので、そういう状況になっている気もしますね)。
  

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