2016年6月7日火曜日

小型車マニアが泣いて喜ぶ!!!「アルファロメオ&フィアットのすべて」発売!!!

  「日本とドイツは似ている」とか、「日本とイギリスは似ている」とか、ふと旧型モデルが満載のムックを読んでいるといろいろなことに気がつきます。旧型モデルを知る前までは、ドイツ車に対する畏怖を感じていたりしますが、ポルシェ356などを見ると、まるでホンダやスバルの最初の4輪車モデルみたいです。ホンダもスバルも初号機をそのまま進化させた結果のシビックtypeRだったりWRX・STIだったりすればポルシェと肩を並べるスーパーブランドになったのかな? いやいやtypeRもSTIも限定車が速攻で売り切れる大人気ブランドに違いないです。

  ポルシェ、アウディ、BMW、メルセデスといったドイツブランドと、スバル、ホンダ、日産、三菱といった日本ブランドの対峙を時系列に眺めていると、クルマとは要するに「塊を表現」する1つの方法なんだな〜・・・とか、勝手に1人で納得してたりします。そして現代においても「塊の表現」はやはり名デザインの称号を手っ取り早く得るための近道ではあります。しかし真の傑作デザインとなると、必ずしも「塊」ではないケースも多いです。特に歴代のトヨタやマツダの名デザインとなると、「塊じゃない」方向性がちょいちょい見られます。

  「テメーが言う塊とは何ぞや!」とかキレられそうですが、1967年にほぼ同じタイミングで登場した日本が誇るスーパーGTカーである「トヨタ2000GT」と「マツダ・コスモスポーツ」の2台をよーく見ると、トヨタとマツダのデザインの原点は通説で言われているようなドイツ車との対峙ではないことがわかります。この2台は設計当初から「スペシャルティ」の完成形であることを宿命とされていて、それぞれに独特の曲線でボデーが包まれていますが、私が思うにどちらも受けている影響を考えると、どうやらマセラティの別々のロードカー(GTカー)に行き着きます。

  トヨタ2000GTが影響を受けたであろうモデルは、1953年に登場した「A6・GCS/53」というマセラティデザインの原点ともいえるモデルです。現行のクワトロポルテの団子っ鼻のようなルックスはこの60年前のモデルから受け継がれているのがよくわかります。そしてマツダ・コスモスポーツがおそらくスタイリングの「参考」にしたと思われるのが、「ミストラル」という1963年に登場した華奢なGTカーです。こちらは思わず笑っちゃうくらいのモロパクリ状態ですね〜・・・。決してポルシェ901のパクリではないと思います。

マセラティA6・GCSの動画

マセラティ・ミストラルの動画

  その後バブル期に突入して、1991年に再び「3代目ソアラ(Z30系)」と「3代目RX7(FD3S系)」が、それぞれ先代までのデザインをかなぐり捨てるかのような斬新なデビューを飾ります。どちらも発売から今年で25年経過しますが、まだまだ街中で十分に「カッコいい」方で目立つピカピカのデザインです。そしてどちらも「なよなよ」した流線型モードをまとっていますけど・・・これが不思議と劣化しないです。NSXやGTOみたいなゴリゴリのスーパースポーツならわかりますけども、よくよく考えるとチャラいだけなのに、なんでトヨタとマツダはそんな芸当ができるのか?これはやはりマセラティを再びパクっているのでしょうか?

  1980年代後半からマセラティの経営は大きく傾いていて、新型車も満足に出せない状況の中でした。1975年から実質的な経営権を握ったイタリアメーカーの「デ・トマソ」の介入によって、トヨタやマツダを魅了したかつてのピニンファリーナによるスタイリングは影を潜めて角張ったライトケースを備えたメルセデスのようなセダンが作られていました。もちろん栄光のメルセデスに勝てるはずもなく・・・1993年からはフィアットの管理下におかれるようになりました。よってマセラティがトヨタやマツダに影響を与える時代ではなく・・・不遜ながらもトヨタやマツダが世界中のGTブランドにデザインを指南する側の立場にあったようです(ジャガーXKやアストンDB7など「なよなよ系」がこの後に大ヒット!!!)。

  さて現行の「レクサス」や「マツダ魂動」は、25年前の「偉業」を引き継ぐだけの仕事ができているでしょうか? 「マセラティ」「アストンマーティン」「ジャガー」といった幾多のGTカー・ブランドを軽く踏み越えて行くはずでしたが、バブル崩壊など方針転換を余儀なくされた挙げ句に、これらの古豪ブランドによって「クルマの評価」という意味では、再び置き去りにされている屈辱的な状況です・・・。もちろん両社は捲土重来を賭けて!!!来年に再び「トヨタ」と「マツダ」の競演があるという噂があります。「レクサスLC」と「新型ロータリースポーツ」がまたまた同じ年に出て来るようです。

  さて「マセラティ」を生んだイタリア自動車産業の歴史を俯瞰するのにちょうどいいムックが発売されました。歴代のアルファロメオやフィアットには奇抜なデザインのクルマが多いですね。パラパラとめくるうちに、無意識に同時代の日本車がシンクロしたりするわけですが、その中で連想するのが、「トヨタ・セラ」「ユーノス100」「トヨタ・カローラⅡ」「マツダ・ファミリアカブリオレ」「ホンダ・シティ」「スズキ・セルボ」などなど。100万円そこそこの廉価車なのにやたらと「個性」を主張したモデルばかりです。

  そういえば最近の小型車もなんだか個性的ですね。いちいち例は挙げませんけど、トヨタ(ダイハツ)、スズキ、ホンダの最新のスタイリングに街で出くわすと、ちょっと目がテンになります!!!なんじゃこりゃ!?そんななんの脈絡もなさそうな「今だけ」デザイン・・・と思いきや、この「アルファロメオ&フィアットのすべて」を見るとデザイナーの教養が見えてきて愉しいです・・・。あ!もちろん今回も沢村さんのコラムもありますよ!!!

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