イタフラってなんだよ!・・・安易に欧州文化を適当に括ったりすると、必ず知識人ぶって文句を言ってくる人っていますよね。「ラテン車」なんて使った瞬間に人間性そのものを疑われかねないデンジャラス・ワードです。たしかに「東亜細亜車」なんて括りでトヨタ・ヒュンダイ・一汽をまとめられたらやっぱり嫌ですけどね・・・。フェラーリ愛好家などは「イタフラ」にも「ラテン」にも違和感を通り越して嫌悪感すらあるそうですね。要はフィアット、PSA、ルノーだろ! ・・・はいその通りです。
もしかしたらとんでもない勘違いかもしれませんが、これらの「イタフラ」ブランドは今では「クルマなんてオワコンだ・・・」と言わんばかりに、やたら厭世的・終末的なニュアンスを出しつつ、中国・インド・ブラジル向けにせっせと量販車を作り続けているイメージがあります。「イタフラはどう頑張ってもフェラーリにはなれない」と最初から諦めていて、身分相応のクルマを淡々と作り、売れるところで売るという地味な商売です。社会インフラを供給する工業メーカーとして本来のあるべき姿とも言えます。「イタフラ」ブランドは日本市場でも売れてるトップ15ブランドには1つも入っていないので、何だかグローバルでも停滞しているイメージがありますが、いずれも世界10大自動車グループの中核メーカーとして君臨していて、メルセデス、BMW、マツダ、スバルなどよりも重要な地位にいます。
「イタフラ」ブランドは、アメリカ・日本・イギリス・ドイツといった「能無し・センス無し」な下衆な国民性で知られる市場ではどうやら勝負はしないみたいです。ドイツ人も日本人もフランス車を馬鹿にしていい気になってます。ドイツの自動車雑誌はフランス車を徹底的に見下していますし、沢村慎太朗という日本の評論家は、PSAに対して厳しく糾弾し、クルマを作る姿勢が根本的に間違っている!とまで扱き下ろしました。その裏にはその意見に諸手を挙げて賛同する無数のドイツ人や日本人のクルマ好きがいるからこそ、カーメディアも苛烈になるのかもしれません。ドイツ人や日本人が「イタ・フラ」を下に見るのは本当に妥当なことなのでしょうか?
逆にイタリア人やフランス人の視点から見た時に、一体ドイツ車や日本車はどのように映るのでしょうか? ドイツ車と日本車が必死になって競い合っている「プレミアムカー」なんてイタフラ的な価値観から見ればただのゴミかもしれません。やたらと出力のあるエンジン積んで、これ見よがしにスペックを誇っていますが、いざ乗ってみるとちっとも面白くないクルマばかりです。こんなつまらないクルマでも、サウンド・ジェネレーターから流れてくる疑似エクゾーストを聴いて悶えちゃっているクズ野郎なドイツ人・日本人にとっては感激しちゃうみたいです。なんと愚かな・・・。そしてそんなアイディアを白々しく考える姑息なメーカー・・・もう完全に道を踏み外してないですか?
官能的なクルマを作るならば、とことんやらないとダメです!パガーニ・ウエイラやブガティ・ヴェイロンみたいに「クルマ道楽」を極限まで追求する超絶マシンを作ってみることも必要かもしれません。気がつけばドイツや日本は、なんだかガンダムみたいな顔したシルバー塗装のブサイクなクルマばかり作っています・・・メルセデス、レクサス、アウディ、キャデラック、VW、ホンダ、スバルは「ガンダム7兄弟ブランド」とでも名付けましょうか?どれもアホみたいに個性がないですね。中にはガンダムじゃなくて「アンパンマン」になっちゃった日産や、「ウルトラマン」になったポルシェといった笑えるのもあります・・・イタリアでもケーブルテレビでアンパンマン見れるから知ってます!デザインするヤツもとても安易だけど、これをを欲しがるユーザーがゴロゴロいるのがアメリカ・日本・イギリス・ドイツのクソなとことです。韓国メーカーがデザインをパクった!とか騒いでたりしますが、そもそもガンダムを集団でパクっただけです。ちゃんと7ブランドは富野由悠季(よしゆき)さんに権利料払ってんのか?日産の場合は柳瀬嵩さん(故人)で、ポルシェは円谷プロか・・・。
なんてイタリア人やフランス人に影で言われているような気がするんですよね。イタリアでもフランスでもドイツ車も日本車もそれほど売れてないですし・・・。少なくともいいクルマなんて思ってないとはずです。レクサスや日産はドイツ車を目指してシャシーやらボディやらを鍛えているそうですが、肝心のドイツ車が「軽量化」「ダウンサイジング」に一目散になっていて、現行の3シリーズやCクラスなんてどこか、トヨタのプレミオに似てたりします。ドアの質感なんてそっくりですし、乗り心地もどんどんプレミオに近づいています(良くなってます)。トヨタもプレミオをベースに内装をレクサス水準にしたものを用意すれば、メルセデスやBMWを「挟み撃ち」することができるかも・・・。
しかしイタ・フラ的価値観からしてみたら、そんなの「何でもない」です。レクサスRCがいくら剛性を上げてもランボルギーニ・ウラカンには勝てないですし、プレミオみたいな乗り心地の良いサルーンをさらに上質に仕立てても、ハイドロサスを装備したシトロエンC5のインパクトを超えられません。そしてLSやSクラスが束になってもマセラティ・クワトロポルテの魅力には適いません・・・。結局ドイツや日本なんてのは、メーカーが適当な仕事して、「玉虫色」の中途半端なクルマをつくり、それを無能な評論家が適当に狭い了見で脚色・宣伝して、気がつけば平気で「世界最良」みたいなコピーを使っていたりします。
世界最良のはずですが、ドイツや日本の高級車はあくまで先進国市場の中でしか受容されず、最近では裾野を広げるためにクルマのことを良く知らない層に対して、スーパーマリオを起用したりして熱心にアプローチしています。それでもVW・スバル・マツダといった優秀な一般ブランドに開発競争で遅れをとっているため、その地位を脅かされつつあります。いずれこれらのプレミアムブランドの「底」が抜ける日もやってくるでしょう。ドイツ車も日本車も従来のハイスペックなクルマ作りから、方向転換を余儀なくされています。今後はメルセデスもBMWもレクサスも日産もコンパクトカーを重視した戦略なしには成り立たなくなるはずです。これらのブランドよりもいち早く小型車に将来性を見出していたメーカーがスズキ・ホンダ・オペルといった一般ブランドです。これらはイタ・フラ的なテイストを受け入れつつ一歩進んだコンパクトカー作りを行っています。
皆さんの周りにも「スズキは絶対に嫌!」とか「ホンダはちょっと・・・」といったバブルの頃の価値観のままの人はいませんか? 恥ずかしながら、私の身内の母・妹・彼女が揃ってこれに当てはまります。しかしスズキもホンダもとても「イタフラ」的なクルマ作りをしている素晴らしいメーカーです。今では多くのクルマで直4エンジンが使われるようになりましたが、直4エンジンの技術ならば世界的に見ても、マツダ・ホンダ・スズキはその頂点に位置しています。よって4気筒のクルマを買うならばこの3ブランドから選ぶべきで、身内がNGを出してるスズキやホンダが選べないのでマツダに乗っていますが・・・。この3ブランドのクルマにはシトロエンC5のハイドロサスのような、絶対に譲れない本質的な素晴らしさが備わっています。
世間知らず(バカ)で名高い日本のクルマ好きの中には、「コンパクトカーやミニバンばかりの日本は異常!」とネット上などで発狂している人も見られます。イタフラ的なブランドにとって、コンパクトカーやミニバンはクルマの本質に適った素晴らしく合理的な設計として、ラインナップの中核に位置づけられています。制限速度が100km/hなのに、250km/h設計のGTカーや、舗装路がしっかりと整備されてオフロード走行の必要などないのにフルタイム4WDを備えたSUVを一生懸命作っていることが滑稽ですし、ドヤ顔でそんなクルマに乗ってノロノロ運転している日本人の方が、ずっと異常に見えます。コンパクトカーやミニバンは「イタフラ」ブランドによって南の国々に今後は広く販売されていくことでしょう。「イタフラ」的視点から見た日本のカーメディアなんて、「思考停止の90年代から1mmも進歩してないクズ」にしか見えません。
追伸:別にイタリアやフランスのクルマが本質的に優れているというつもりはありませんし、無理にオススメする気も無いです。コンパクトカーをお求めならば、スズキ・ホンダ・マツダ・VWあたりが良いのではないでしょうか・・・。
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