2017年6月8日木曜日

BMW・M4 「スーパー・チャリオット」

  都会のゴミゴミした路地を、渋滞に辟易しながら流していると、ふと晴天の高原道路を気持ちよく走り抜ける情景が湧いてきたりします。場所は大分・熊本のやまなみハイウェイ。あるいは長野のビーナスライン。たまにはハイスペックなGTマシンを駆ってみたいですねー。やっぱりGT-R!?いやいやフィールを重視するならRWDのジャガーかBMWがいいんじゃないかなー。

  『M4』(というクルマ)を最も強く意識する瞬間かも。世間一般ではサーキット向けモデルとして認知されているようですが、サーキットに向かうには色々と余分な贅肉がついているクルマな気がするんです。これは明らかにストリート向けじゃなかろーか。7000rpm前後まで余裕で回る専用チューンエンジンが、この古典的なスタイルのクーペにもたらしてくれる素晴らしい効果は、あらゆる速度域からの意のままの加速。それはサーキット内で『絶対的な速さ』を競うためにもある程度は有効でしょうけど、エクストリームというよりはオールマイティ。ドライバーの『感覚』との対峙に果敢に挑んだユニットです。踏んだ時に『不満』に感じさせない・・・その意義はアップルのiphoneが世界を驚愕させた人間工学と同種のもので、だからこれはストリートだな・・・。

  『ストリート』といってもユーザーが好きな時間に好きなドライブルートを自分の思い思いの乗り方で楽しむという意味です(夜中の公道レースではない!!)。それはタイムや競争相手がいるコンペとは違って、まともに生きている人間なら誰でも感じている『抑圧』から、ほんのひと時だけ自らを解放する瞬間。通勤電車でスマホゲームするだけでは何も解決できない人々が求める、ある種の精神世界での葛藤だったりします。

  ユーザー自身が抱える『闇』が大きければ大きいほど、BMW・M4というクルマに価値が生まれる・・・そしてとても恣意的な見方ですけど、このクルマの魅力を極大化させたいなら、もっとハードにファイトして深い『闇』を抱えろ!!もっともっと手に負えない何かにぶち当たって、粉々に砕け落ちろ!!何も信じられなくなったはずの心が、エンジン音に触れて子供の頃のように震えた時にさ・・・BMWっていいよな。

  やっぱり『名車』というのは、誰かの人生の重大な局面を照らすのかも・・・。いやいや名車に乗ることで、重大な局面が訪れやすくなる!? 刺激的な人生に寄り添う。ボロボロになりそうな心に、再び生命を吹き込むためのクルマ。やたらと計算高い日本車にはなかなか真似できない芸当じゃないですか。レクサスLCでは代わりは務まらないよ。

 

  BMWにもいよいよ『あからさま』なスタイルになった8シリーズが登場するみたいですけど、2、4、6、8から選ぶならどれ!? ・・・全部いい。BMWの偶数番はどれも『古典的なGTクーペスタイル』と『自在な走り』の2つを手堅く守ってくるんでしょうな。バブルの頃には乱立していたクーペがどんどん淘汰されていく中で、BMWが残ったということは、世界中の孤独でダークなソーシャル・ソルジャー連中にとっての最良の『メタファー』として選ばれた結果なんでしょうね・・・。

  『BMWに対しての正当な賛辞』は、クルマのパフォーマンスを通じて『解放』を表現することに最も成功したブランドだということです。確かにクルマは安くはないですが、この価格が現実として受け止められないうちは、まだまだ『学生気分が抜けてない』くそガキの部類なのかも。最もそういう生き方に興味がない!!という意見もあるでしょうけど。800万円でお安めになっているM2は『ちょいお疲れの人』向け!? 1150万円のM4は『かなり末期的な症状の人』向けかな? 1850万円のM6は『地獄に落ちてから不死鳥のごとく生き返った人』向け。 ????万円のM8は岸信介元首相のような『ほぼゾンビな人』向け(1回くらい拘置所入った人向け!?)。

  さてさてみなさんにはどのモデルがリアルに視界に入るでしょうか!? 私はまだまだM4にも辿り着けないくらいな気がします。もっともっと修練を積んで多くの修羅場を通り抜けた先に、ゾンビまで辿り着けるのか!?なんとも『因果』な世情を反映したグレード設定ですね・・・『いつかはクラウン』ならぬ『いつかはゾンビ』。それでもBMWにはこれからも素晴らしいモデルを供給し続けて欲しいです。



最新投稿まとめブログ

0 件のコメント:

コメントを投稿