2016年5月10日火曜日

アウディS8 「中古300万以下で恐らく最強クラスのクルマじゃないか?」

  現行モデルで三代目のアウディのフラッグシップセダンが「A8」その高性能版が「S8」です。ドイツ・プレミアム御三家はメディアにやたらとフラッグシップサルーンを露出させるので、福野礼一郎さんの連載見たさにルボランを毎月買っていると、自然とスペックや価格が頭に入ってきます。普段見慣れないような内装の写真とか出て来ると思わず見ちゃいますから・・・。

  「アウディS8」の初代は4.2LのV8自然吸気で360psを出す高級サルーンらしい設計でしたが、21世紀に入り新たな次元に突入した高性能車の開発競争の中で、2代目は5.2LのV10自然吸気で450psに達しました。10気筒エンジンは当時はいろいろなメーカーで人気で、ホンダの二代目NSXは当初はV10をミッドシップに積んだスーパーカーになる予定でしたが、それは一旦幻に終わりました(いよいよV6+HVで復活)。レクサスはLFAというV10自然吸気の官能GTカーを完成させました。


  それにくらべてS8は「フルサイズセダン」というボデータイプからあまり脚光を浴びることはなく、スーパーカーのエンジンを積んだセダンに対しては市場(特に日本)は全くついてゆけず、北米で発売されているダッジ・チャージャー(V8自然吸気430ps・日本でも500万円程度で正規販売)などのの違いがあまり認識されなかったのも事実です。なんでアウディS8は1500万円もするんだ!?チャージャーは500万円でおつりがくるのに。そういった感じでやや市場からもウケが悪かったようですね。要は「登場するのが早過ぎた」わけです。それが今では「自然吸気のV10搭載の高級セダン」これならば、その辺をちょこまか走っている全てのメルセデスAMG、BMW、レクサス、アウディ、マセラティ、ポルシェに対して「え?V8?エンジン軽くていいね・・・」と軽口を叩けます(12気筒なんてめったにいないよ)。

  乗用車のエンジンとしてはなかなか異彩を放っていた・・・いやいやもはや常識を越えたところにあった5.2LのV10自然吸気から、現行の三代目に代わりいよいよ時代の流れに呑み込まれるようにターボ化が図られました。欧州当局の排ガス規制に合わせるように、アウディでも気筒数ダウンが各モデルでザックリと行われましたが、V10(450ps)からV8ターボ(560ps)への変更は果たしてエコなのかどうか・・・。

  4.0LのV8ツインターボ、1気筒当たり500ccという理想的なエネルギー効率が期待できるシリンダーサイズの設計によって、単純にスペック面で出力は2代目の「450ps」から3代目に追加された「S8プラス」ではなんと「605ps」とおよそ33%の上昇を果たしています。そして日本での販売価格を比べるとこちらも1500万円から2000万円へ33%の上昇。・・・まあ雲上人が乗るパーフェクトなクルマですから、庶民が物申すのは気がひけますけどね。V10自然吸気・・・乗っとく!?

  やっぱりアメリカで高級車をたくさん売る!!!となると、欧州のフルサイズセダン(10万米ドル以上)は、全てマッスルカーの規格までスープアップするしか売る方法がないんですね。600~700psもあると、前に進むのも一苦労な「イカれたスペック」のクルマにしかならないですけど、それを誰でも前に進めるようにする「運転補助機能」の性能の高さを競う時代になっているようです。「商品力を高める」ことが会社の貢献利益に直結している・・・600psクラスのセダンを発売している、「メルセデスAMG」「BMWアルピナ」「アウディ」によるレクサスを蚊帳の外にした争いが巻き起こっています。(何台売れてんのかわかりませんけど・・・)

  野蛮(アメリカン?)過ぎるスペックとか、一般人には理解不能な価格とか、あくまでも日本人の庶民感覚に過ぎないのかもしれないです。2000万円(20万ドル)のクルマだとしても、アメリカ人の0.1%くらいは余裕で購入可能だと思うのでそれだけでも30万台の需要があります。フェラーリの年間製造台数がグローバルでやっと1万台ですから、その10倍以上くらいの需要はあるんじゃないかと・・・。

  同じ割合でいけば、日本だってせいぜい10万台くらいの需要はある計算になります。しかし起業して大成功している若年層の数がアメリカとは段違いに少ないですし、プロスポーツでの成功者の数もハッキリと違うと思います。日本の資産家のほとんどは高齢者というありきたりなデータも・・・。何が言いたいか!? 日本人は今こそこのアウディS8みたいなクルマから目を背けずに、そこに到達できるように人生に算段を付けて張り切って生きるべきだな〜・・・と思うんです(うぜ〜・・・)。アウディA4みたいなありふれたクルマに誤魔化されるのではなく、もっと根元的な欲求に忠実に生きた方がいい。一度きりの人生だからと・・・アウディA3で満足でもいいですけども。自分に嘘を付いてないですか!?(笑)

  さてこの「マッスル化」は日本メーカーにも飛び火するのでしょうか!?まずやりそうなのが、日産とホンダですね。どちらもHVを軸とした高級車向けの高性能ユニットを開発してます。日産はHV以外にもシーマやフーガには北米向けの5.7LのV8があるので、これを過給すれば650psくらいすぐにひねり出せますし、VR38DETTも600ps台に突入していますからそのまま積めばOKです。ただし日産もホンダも品格が備わったフルサイズのセダンボデーが作れるのか?が不安です。販売店がお得意様の趣味をそのまま訊いてきたように、ベージュの内装でちゃちな木目風パネルが貼付けられるようでは・・・。

  1994年に登場してから、3世代のアウディS8はバブル期の熱狂から今に至るまでの高級車の変遷を辿ったマイルストーン的なモデルだと思います。BMW(7er)やメルセデスAMG(S63)が割と変化をこのまずにキープコンセプトだったのに対して、その市場に切り込むための創意工夫が詰まった過去20数年は・・・高級車をあれこれ考える大きなヒントがたくさんあるように思います。中古車価格を見てみれば、やはり日本には馴染まないスケールのセダンだけあってかなり安く2代目ならば200万円台から複数見つかります。5.2L自然吸気のV10を積んだ唯一無二のラグジュアリーセダン・・・よーし試してみるか!?


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