2014年8月10日日曜日

最近の日本車は凄くいいけど、本物の輸入車にはまだまだアドバンテージがあるようだ。

  メルセデスCクラスが発売されましたが、なぜか早くも「失敗作」という声が挙がったりしてます。確かにCクラスとしてコンセプトが大きく変わっているので、期待を裏切られたと感じる人も少なからずいるのでしょう。しかしW205を素直に評価すれば「レクサス」を思わせるマーケティングの上手さを感じるので失敗作と切り捨てるのはちょっと早計な気がします。Cクラスを待っていた人の中には、かつてのトヨタ・アリストのようなスポーツセダンの再来をイメージしていた人もいたかもしれません。しかしトルクを水増ししてスペックだけ揃えた直4ターボで構成された「日本向けW205」は、どう考えてもアリストはおろかマークⅡですらなく、イメージがダブるのはかつての「カリーナ」あたりでしょうか。

  メルセデスだけでなく世界のあらゆるメーカーにとって、今後の戦略で重要なのは「アリスト」ではなく「カリーナ」なのはほぼ間違いないわけですが、Cクラスが突如としてレクサスISやスカイラインとはやや違う方向に走り出したのはちょっと意外でした。レクサスISとスカイラインの「闘い」は日本メーカー特有の激しいつば迫り合いでどちらも消耗していて、どうもあまり生産性が高いとは感じません。ましてやこのクラスが本業ではないメルセデスがムキになって首を突っ込む必要は無いという判断もあるでしょう。トヨタと日産の過熱ぶりはどうやら、最近の日本メーカーのエコカー競争の果ての手詰まり感から来ているようで、1989年が再来したかのような高性能車の開発合戦へと舵を切っています。Cクラスや3シリーズがとても「控えめな」クルマに見えてしまうくらいですから
やはりユーザー不在の過当競争と言えるかもしれません。

  日本車がこのように「アグレッシブ」になっていて、一方でドイツ車が皮肉にも日本車や韓国車に追従しておとなしくなったことで、日独のメーカーの相対的位置関係が入れ替わり、その変化の振り幅がとても大きく感じます。ただしここで厳しい事を言うならば、日独のどちらもそれほど良い方向に進んでいるとは言い難いです。IS350やスカイライン350GTは「力技」でクルマの実力を押し上げてはいますが、それぞれに「経済性(燃費)」と「車重」という致命的な欠陥を抱えています。一方でCクラスや3シリーズは「輸入車」であるという事実以外にはなかなか存在価値を見出せないクルマに成り果てました。とりあえず輸入車に乗っていないと気が済まない人の弱みに上手く付け込んだ「緩い」設計がとても意図的に感じてしまいます。まあクルマの個性を尊重するならばとても良い棲み分けと言えるかもしれないですが・・・。

  ちょっと話が変わりますが、8月10日発売のベストカーで国沢光宏氏が「日本車はなぜまだNAにこだわる?」という妄言記事を書いてました。まず大前提としてVWの1.4Lターボがエンジンとして「感動」に値するとはとうてい思えないですし、メルセデスやBMWの2Lターボをわざわざ指名買いするクルマ好きなんてとりあえずいないはずです。ポルシェやフェラーリがターボになったからといって喜ぶ人なんてまずいないのです。クルマに興味が無い連中がメルセデス、BMW、VWを何となく買っているだけなのに、「ターボがトレンド!」と決めつけたがるベストカーという雑誌そのものがイカレてますし、こんな低俗な自動車雑誌を読んでる人間にはとてもクルマの良さなんてわかるわけないですね・・・。

  この国沢氏のテキスト一つとっても内容はとてもメチャクチャで、ガソリンターボが欧州の主力(いやいやディーゼルのシェアが半数以上ですけど・・・)と言い出したり、アメリカでもターボがメインになった(いやいやゴルフなんてターボ止めてますけど・・・)と言っちゃってます。話題の新型CクラスだってディーゼルやガソリンHV、ディーゼルHVの早期日本導入が強く叫ばれているほどで、現状のガソリンターボに対する満足度は限りなく低いです。それなのにこの人は日本メーカーに対して「なんでNAエンジンばかり作るの?」とわざとらしく疑問を呈する辺りが、「悪徳ライター」か「ガチアホ・ライター」のどっちかなんだなと思ってしまう次第です。

  「カリーナ」だと思えばなんとか受け入れられますが、「アリスト」を望む人にとっては、とりあえず1000万円以下に限定すればFRベースの輸入車の最近のラインナップは本当に酷いと思います。どれも日本メーカーが作ったら「大失敗作」としてフルボッコにされること間違い無しのレベルです。それくらいに「やる気」の無いクルマばかりです。600万円台でBMWの直6ターボに乗れるという「M235i」などはどうしても気になってしまうモデルですが、どうやら細部に煮詰め方が相当に酷いようでFFのスポーツモデル「プジョーRCZ-R」との運動性能の比較でボロクソに言われていました。しかもBMWが強いと言われていたブレーキングが特に酷く、100km/hからの制動距離でRCZ-Rに10m以上の差を付けられて完敗・・・まあエンジンブレーキの特性上FR車は、トラクションに強いFFやRRにはまず勝てないと言われてはいますが、BMW=高性能が完全に過去のものだということを物語っていると思います。

  それでもBMW「アルピナ」や「M」となると、車両価格こそ1000万円を超えてきますが、ベースモデルの「やる気のなさ」がまるでウソのように、良いクルマを作ろうというスピリッツに満ちあふれています。もはやここでは国沢氏が語るような「ターボ論」なんて全く通用しない世界です。日本メーカーではなかなかここまでストイックにクルマを作る環境は与えられていないと思います。トヨタも安易にヤマハにチューニングを頼むことも少なくなりました。ちなみにRCZ-Rの1.6Lターボ(270ps)を作り上げたのはマグナ・シュタイナーというオーストリアのチューナーだそうですが、カーレースが盛んな欧州では「本物のスポーティ」とエンジニアリングが存在していて、多くのクルマ好きはそういう「仕事」に熱狂するようです。日本に入ってくるタイ・南ア・東欧で大量生産されるドイツメーカー車とは似ても似つかない「スペクタクル」なクルマに関しては輸入車の優位性がまだまだあるように思います。

  国沢氏がNAに固執して貧乏臭いと蔑んだマツダやスズキは、粗悪なエンジンに過給器を仕込んでスペックだけ揃えるみたいなカスな仕事はプライドが許さないとして、エンジン内部の改良にさらに邁進しています。直4ガソリンエンジンを比べれば、欧州メーカーのエンジンはマツダやスズキの内製エンジンの足元にも及ばない駄作でしかないです。新型BMWミニのエンジンよりもスイフトの方が断然に気持ちよく回ります。そんなカスみたいな大量生産の輸入車なんか全く魅力はないです・・・国沢さんもいい加減に「提灯」止めて! もし今後、輸入車を買うのならば・・・RCZ-Rのような欧州の一流チューナーの手が入ったものがいいですね。とりあえずポルシェ、ジャガー、アルピナ、AMGといった欧州のクルマ好きが熱狂するようなクルマを選びたいものです。


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