2017年1月30日月曜日

BMW・Z5 ブランド初の専用設計FRスポーツ!?BMWもいよいよ本物かい。

  最近のカーメディアの流行のワードは、「(日産の)プロパイロットは初心者レベル」みたいです・・・。一体どこのスポンサーがそう言わせているのやら。カーメディアでは指定したワードを1回使うと相応の金額が振り込まれる仕組みがあるようですね・・・。そんな茶番はもう2013年で懲り懲りですわ。「世界のベンチマーク」「クラウンに匹敵する静粛性」なんて噴飯ワードがカーメディアに何回出て来たことか・・・。まあ自動運転の広まりに警戒感・嫌悪感を示す自動車ライターが自発的に使っている可能性もありますけどね。「技術の日産ももう昔だね・・・」とか結構露骨にディスってますけど、RJCでセレナ選んだのはオマエらだろ!!!

  島下さんが年末に発売した「間違いだらけシリーズ」の中で、「自動運転の時代がやってきたらもうBMWやマツダは買わなくなる」とかもっともらしいこと書いてましたけど、そもそもそうなったらBMWやマツダを好んで買っていた輩にとってクルマを所有するメリットなんてあるの? 島下さんは「そうなったらレクサスかメルセデスを買う」とか続けてましたけどね、移動手段としてのクルマって実際そこまでポテンシャル高くないですって・・・。東京に住んでいるとせいぜい福島や長野、岐阜くらいが守備範囲で九州のオシャレなリゾートホテルまで行こうなんて思わないですよ。

  自動運転が出来たら移動中は寝てられるとか言ってますけど、近所で冬になるとあちこちでやっている道路工事での片面通行すら突破できねーんじゃないか!?という気が。寝て起きたら全然知らないところを走っていたら怖いっすよね。自動運転の広まりは実際にクルマつくるメーカーがもっとも真剣に社運を賭けてシュミレーションをしているわけで、安倍首相がいくら宣言したって無理なものは無理じゃないの!?って気がするんですけどね。

  しかも自動運転の機運が高まっているタイミングでトヨタ&BMWが共同で専用設計スポーツカーを開発したり、メルセデスが2シータークーペ(SL、SLC)の新型モデルには専用設計シャシーを与えると発表したわけです。自動運転の時代が目前に迫っているけども、ドライビングを愉しむクルマの需要はさらに伸びることに確信を持っているといってよさそうです。各メーカーがそれぞれに「より魅力的なドライビングカー作り」に邁進する姿勢がハッキリしているワケですから結構なことじゃないですか。あと10年もしたら路上を走るドライビングカーのほとんどが、WRC、TCR、GT3規格の普通車と、マツダやロータスくらいにエキサイティングな専用シャシーのピュアスポーツカーだけになる!?

  トヨタは今年からWRC参戦し、スーパーGTにも参戦中、そしてピュアスポーツによるドライビング革命を目指して発売された86も5年経ってもなお月に1000台以上(BRZ込み)売れるモデルへと成長しました。そして今年はいよいよBMWと共同で開発したスープラが復活を果たす見込みです。ドイツで100年の歴史を誇る名門ブランドをいよいよ「ピュアスポーツ」の領域に巻き込んだのはお手柄だったと思います。BMWはちょっと前にi8という「?」なスポーツモデルを登場させ失笑を買いましたが、そんな相手を「ピュアスポーツで直6を回しましょう!!」とでも言って励ましたのでしょうか・・・。

  まあZ3やZ4をずっとスポーツカーだと思い込んで来たBMWファンにはちょっとショックかもしれないですが、どちらもあまりにも「上っ面」だけのクルマだったですね。マツダ・ロードスターのようなピュアスポーツには必須の哲学もなければ、日産やポルシェのような「最速に懸ける意地」ってのも無かった。ただただ中途半端な客に売れればいいっていう下衆な存在。・・・まあフェアに言えば他のメーカーにも似たような立ち位置のクルマはありましたけどね。Z4か86どっちか好きな方が貰えるなら、私は絶対に86貰いますね・・・この2台なら座った瞬間に86が上だって気がつく。

  これが全長4600mmを越えるGTセダンになるとトヨタとBMWの立場がすっかり入れ替わるんですよね。マークXとBMW4erグランクーペだと完全に4erグランクーペが欲しいレベルです。マークXとBMW3erだとあまり差はないんですけども、4erになると真面目にハンドリングを仕上げました!!というエンジニアの情熱にほだされます。マツダ乗ってると4erの凄さがよーくわかるんですよ!!なんでBMWはもっとこのハンドリングをアピールしないのか不思議なくらい。これに比べたら1erや3erのハンドリングなんて軽く「故障」のレベル(なんでこの程度で満足できるか不思議)。

  フォードとともに世界の恵まれないスポーツメーカーを助ける慈善活動に従事するトヨタ。英国のスポーツメーカー(ケータハム、ゼノス、ラディカル、ジャガー)にマツダの旧式エンジンを供給するフォードに対して、英国ロータスに4気筒&6気筒を供給するのはトヨタ。そして英国MINIにはBMWのモジュラー3気筒&4気筒が。いよいよ欧州にも羽ばたいたフォード・マスタングは英国トップギア誌にも頻繁に登場するなど人気ですが、ユーロNCAPでは二つ星という大失態を晒しました。ちょっと前にフォードの撤退後はマツダブランドで売れ!!とか提案しましたけど撤回します(笑)。

  各国でハンドル位置の固定が法制化されているようですが、同じ右ハンドル国として日本とイギリスはこれからは開発面でより緊密な関係を構築することが大事になってくるでしょう。トヨタとのジョイントでBMWも右ハンドルでイケるクルマになるといいですね。右ハンドルのコクピットの左足スペースを圧迫するクソZFなんかさっさと降ろして、アイシンの10速使わせてもらったらいいんじゃないの? さて新しいZ5/スープラにはどっちのミッションが積まれるのでしょうか? いやいやもちろんMTを設定してくれると信じてしますが、それでもお買い物車として間違って買って行くセレブなバーさんもいるでしょうから、その2ペダルはZFなのか?アイシンAWなのか?・・・それともアイシンAIのツインクラッチか?いやいやゲトラグか?

  ミッションとサスペンションの選択がクルマの性格を決める!!ってくらいに大切ですが、やはりブランド内の役割分担として3er(マークX) ⇒ 4er(マークX・G's) ⇒ Z5(スープラ)というグラデーションでユーザーのニーズに応えよう!という姿勢は大事です。乗り心地を求めるならば3er(非Mスポ)を、よりフラットな乗り味を求めるならば4er(Mスポ)を、さらにエキサイティングで地面を舐めるような走りと、ヒップポイントが刺激的にグラインドする86みたいなファントゥドライブを求めるならばZ5!!といった売り込み方ができるといいですね。86は交差点一つ回っただけで感動しましたね。とっても低い!!「上屋がしなる」なんていうチープな挙動はいっさいなく、ジュラルミンケースのようなパリパリの剛性感。

  実際のところ3erでも4erでもやはり乗用車なりのコーナーでのギクシャク感はあります。クルマもある程度は重たいですから、アンダーステア気味な「遅れる」感じも出ますし、そもそも思ったほどにはタイヤも使えないです(応答遅れはタイヤに起因!?)。50対50ってこんなもんか!?もちろんセダン/ワゴンでありラグジュアリークーペですから、これで十分だと思います(レガシィよりはよっぽど良く曲れています)。しかしより車体の運動性能をBMWというブランドに盲目的に求めたい人々にとってZ5はかなり期待できるモデルになるんじゃないでしょうか!?

  


  

2017年1月19日木曜日

シトロエンDS5 ディーゼル追加でレザー仕様が497万円

  フランスの大統領公用車にも使われるシトロエンDS5。見た目に優雅ではありますけども、いわゆる高級リムジンとは方向性が違うクルマで、トヨタのロングセラーミニバンであるエスティマを彷彿させるスタイルで、キャビンにゆとりがあるクロスオーバー・サルーンという独特の立ち位置です。これで3列シートならもっと需要があるのでしょうが、3列収まりそうなスペースを広々と2列で使うから優雅なのであって、このクルマの個性を考えたならばやっぱり2列が正しいように思います。

  1950年代に生まれたシトロエンの「DS」というフラッグシップサルーンは、ド・ゴール大統領も愛用したフランス自動車産業を今も照らし続ける名車ですが、そんな「ユニーク」で「ゴージャス」で「ハイセンス」なクルマを現代に甦らせよう!!という企画でDSブランドが立ち上げられ、その新ブランドのフラッグシップを務めるDS5は「エキセントリック」だけど「アリ」なクルマというギリギリのところを「攻め切った」設計になっています。いちいち文章で伝えるのは難しいので、興味を持った人は「シトロエンDS」と検索してDS専用サイトでその全体像を見てみて下さい!!なかなか圧倒されますよ!!

  一体いつからフランス車は平凡で単なるドイツ車の下位互換くらいにしかならない、つまらないクルマばかりになったんだ!!っていうと怒る人もいるかもしれません。しかし某ドイツメーカーの主力モデルを単純に真似たような設計は、本当に実用一点張りでしかなく、そもそも「設計作業」からして面倒だから省いた!!ようなクルマばっかりじゃん・・・。そんな中で新ブランドであるはずの「DS」もイマイチ気合いが足りないですね。プジョーやシトロエンと同じシャシーで仕立てられていてメカニック面での差別意識が乏しい!!レクサスやアウディよりも圧倒的に乏しい!!

  しかし愛情を持ってフランスブランドが21世紀にサバイバルしている足取りを応援する人の気持ちはとてもよくわかります。イタリア車や英国車はマニアック過ぎる!!日本車やドイツ車は当たり前過ぎてダサ過ぎる!!だから俺はハイセンスなフランス車が好きなんだー!!って心の中で散々に叫んでいるストイックな原理主義者もたくさんいることでしょう。そのイカレっぷりはスバルやマツダが大好きで堪らない人々と相通じるところがあります。

  これは解る人にしか伝わらないでしょうけど、ドイツ車やトヨタ、日産、ホンダといった日本の大手メーカーはひたすらに「主導権を取る」マーケティングが要求されていて、そこでいちいち「燃費」とか「スペック」だとか「車格」だとかに囚われているのがかなりダサい!!実車を見てそういう意図を汲み取ると、いちいちアホくさー!!って気持ちが冷めてしまう要素があまりに多いんですよねー。例えばランフラットを使うスカイラインとか、トヨタとかBMWとかいろいろな要素が混ぜこぜになっていて、しかも古臭く見えるレクサスのインパネとか・・・。いちいちセンス無いんですよ。

  それに対して「俺がこのブランドのクルマを買ってあげて応援しないと、やがては消え行く運命なのかなー」くらいに思わせてくれるブランドはそれだけでいいですね。何とも言えない「儚さ」があって、そういうブランドに限って面白い機能が付いていたり、走りがとても個性的だったりで、まーそれで初めてクルマってのは実用性から離れた「価値」を持つんだと思います。スポーツカーを単発で作る零細ブランドはまだまだたくさんありますし、これからも必要に応じて出て来るでしょうけど、総合ラインナップの普通車メーカーで、ドイツ3陣営&日本の大手3メーカーを相手に健気に「中型車」を送り込んでくるブランドは特に大事にしたいです・・・シトロエン、プジョー、ボルボ、ジャガー、アルファロメオ、スバル、マツダ。

  「DS5」「508GT」「S60」「XE」「ジュリア」「アウトバック」「アテンザ」・・・この内の1台はこれから導入予定ですが、日本市場に輝く7つの宝石と言っていいと思います。DS5のディーゼル搭載で、アウトバック以外の6台はすべてディーゼルが用意されることになりましたが、果たして来年2018年を7台揃って迎えられるのか!?というくらいに現状では販売は低迷しています。フランス車の2台はマイナー過ぎる。ボルボとジャガーは価格が高め。アウトバックとアテンザは価格は手頃だがややサイズがデカいですかね・・・。

  Cクラス、3er、スカイライン、レクサスISといったDセグの王道プレミアムを相手に、互角以上のハイスペックな装備を持つモデルばかりなので、もう少し売れてもいいのかなーという気がします。たとえばリアシートヒーターは王道の4ブランドはどこもオプションでも用意されていませんが、ボルボ、スバル(標準装備)、マツダでは付けることができます。母親を乗せることもままあるので、これだけでも選ぶ価値はあるなーと思います。508GTとXEは王道にくらべてハンドリングの出来が素晴らしいです。

  そんななか「7つの宝石」のリーダー格はやっぱり「DS5」で、キャビンを広く見せる工夫として前後に3分割された「コクピットルーフ」は、Dセグながらもなんともハイエンドなセレブ感を演出するすばらしい仕掛けです。さすがは大統領専用車にもつかわれるクルマですね・・・。ボデー剛性ばかりを気にするドイツメーカーには絶対に出来ない発想じゃないですか!?日本の自動車評論家の手にかかれば、そんな上屋にガラスルーフをたくさん広げたら、重心が高くなってしまってダメだ!!みたいなこと言い兼ねないです。だから日本メーカーも安易にそんな設計にはしないみたいですね。やっぱりカーメディアは「害」だな。ヤツらの理論に基づいたとってもつまんねー日本車とドイツ車に「NO」を突き付けたい・・・。

  自分のライフスタイルに合わせてDS5に乗ってみよう!!というオシャレな選択は、とりあえず日本のサラリーマンにはまだまだ難しそうですね。借り上げの社宅からクルマまで、周囲に合わせた選択にせざるを得ない。もし若いうちから輸入車なんかに乗っているのが上司にバレたら、もう出世が遅くなるー!!っていう窮屈な人生を送る限りは、「DS5」なんてまったく縁のないクルマかもしれません。今のところはフリーランスでガッツリ稼げる人だけが愉しめるクルマなのかも。確かに7台の中では断然に派手なエクステリアですから・・・。



 

2017年1月7日土曜日

2016年は輸入車ブランドの転換点だった!!と記憶される!?

   2015年の下半期に巻き起こった「VW疑獄事件」の余波が収まらないままに始まった2016年でした。プジョー、シトロエン、ボルボなどイマイチ調子が上がらない欧州ブランドにとっては、せっかくディーゼルという「日本市場への手掛かり」を見つけ出した矢先だったのに、とんでもない事が起こってしまったものだな〜。しかし輸入車が抱えている問題はもっと複雑で、単に有効なパワートレインの不在という話ではなく、もっと根深いところにあった!!それを浮き彫りに出来た実りの1年だったとも言えるのではないでしょうか。

  「ディーゼルの躓き」で輸入ブランド&マツダが失速すると、恐ろしい勢いで新型プリウスが1月から上半期を独走します・・・。もうHVなんて珍しくもなんともなくなった2016年なんですけども、300万円台半ばに達するちょっとリッチなCセグ車が月に20000台も売れる!!これはちょっとした快挙です!!同じ価格帯でクルマを売るPSAやボルボにとっては、なんとも口惜しかったことでしょうけどね。果たして順調に日本に上陸できたとしても、法人需要や販売店向けも見込めるプリウスとは違って純然たる一般ユーザーだけに向けたクルマが、突如として月5000台とか売れるとはなかなか考えにくいです。

  もしかしたら「トヨタが利益の為にVWネタをリークした!?」そんなしょうもない陰謀論もちょっと頭を過りましたが、これまで散々にハイブリッドへのネガティブキャンペーンを浴びても堅実に成長してきたプリウスと、何の根拠もないディーゼルでは全く「役者が違う」わけで、「輸入車大好き」な我々のアンチプリウスな行動の愚かさを粛々と恥じるべき時なのかもしれません。いまでも熱心に某掲示板で「新型プリウスのデザインがダサい」とストレートにディスっている高い志の同士も多数おられますが、それもなんだかなー・・・プリウスの進化に俺達は嫉妬してないですか!?。もし現行プリウスが先代と同じような味気ないドライブフィールのままで代替わりしていたら、ここまでムキになって「ブサイク」と連呼するもんですかね!?・・・とそんなつむじ曲がりな事を考えてしまいます。

  2012年からディーゼルに取り組んだBMWとマツダはそこそこ良く売れましたけど、トラックやバスで使われている排ガス浄化装置(尿素SCR)が装備されていないBMWやマツダのディーゼルに対して、それを完備してしかも価格も抑えてまで日本市場で頑張ろうとしたPSA(プジョー&シトロエン)はちょっと不憫だなー。そしてその辺の環境性能の進化を積極的に啓蒙しようとしないカーメディアにもやや疑問です(メーカーがデータを積極的に開示しないとなにも書けないとは思いますが)。

  もっとも尿素SCRも経年とともに処理能力がかなり低下して「無効化」するという問題もあるようで、付いてさえいればOKという話でも無いみたいです。考えようによってはマツダのディーゼルみたいに「温度管理」によってNOxの生成を抑え込む技術の方が合理的なのかもしれません(マツダは胸を張ってますが)。ただしマツダもユーロ6こそ通過したものの(スバルなどこれを契機にディーゼルを辞めたメーカーもある)、北米の厳しい排ガス基準には新たに尿素SCRで対応したみたいです。ただし装置の劣化を考慮に入れるとアメリカの当局はいつでもその気になればマツダを弾圧できるわけで、「カード」をみすみす与えてしまって大丈夫なんでしょうか・・・トランプ政権に尻尾を掴まれたマツダ!?

  さて終わってしまった2016年。欧州車はもうディーゼルじゃないと生き残れないのか?・・・そんな言い訳がましい「欧州車観念論」をドヤ顔で語るクソつまんないオッサンライターのレビューを無限ループで読まされた1年でした。しかし「何か違うんじゃねーの?」って想いがずっとありました。正直言ってストップ&ゴーが多い日本でディーゼルを使うメリットなんてあまり多くないです。選択肢に入る人はよっぽど限られた条件だと思います。マツダ、BMW、ジャガーに関してはとりあえずガソリンエンジンの方が圧倒的にフィーリングに優れています。

  クルマが重くなって、燃費が要求されて、それでいて最高出力で本体価格がある程度決められる・・・そんなメチャクチャな状況の中で、日本車も輸入車もそれぞれに迷走しているわけですが、その中から合理的にいち早く突破口を見出したのが、メルセデス、ボルボ、シトロエン、ルノーといった輸入ブランドじゃないか?という気がします。パワーなんて要らない。走らないなら軽くしちゃえばいい!!乗り心地とか静粛性とかあまり敏感に反応しない。とりあえず「個人所有の楽しいクルマ」として完結していればそれでいい!!そういうクルマにユーザーが殺到していった2016年だったと思います。

  「4気筒でもいい!!それがエモーショナルでありさえすれば!!」・・・ポルシェ718ボクスター/ケイマンの話じゃないです、メルセデスEクラスです。このクルマは、レクサスGS-Fのようにスポーティでもなければ、LSやSクラスのような過剰なラグジュアリーというわけでもなく、ホンダレジェンドのように「押し出し感」が強いわけでもない・・・。しかし上級セダンとして抜群の存在感があるんですよね。とても不思議なクルマです。何の変哲もない直4ターボにCクラスとあまり質感の変わらない内装で700万円をボッタくるクルマのはずが・・・これがどうしても気になって仕方ない。このクルマよりも合理的な選択肢なんていくらでもありそうですけども、Eクラス自体に絶対的な「魅力」があるんですよね。

  他にも限定モデルがあっという間に売り切れた「ルノー・トゥインゴ(MTモデル)」と「シトロエンC4カクタス」が見せてくれた・・・クルマ好きの「渇望」をそのまま具現化したようなイディア的な設計。これは間違いなく「血の通った」人間が設計したクルマなんだ!!とすぐに解ります。しかも俺達に極めて近い感覚を持った「カーガイ」が心を込めて設計している!!少なくともAクラスやゴルフが話題を独占した2013年頃よりは、これらの「新しい息吹」によって輸入モデルが輝いて見えます。

  定番のボデー設計にディーゼルやらハイブリットやらと搭載して、中国やアメリカ向けに売れる要素を増やした「パラメータ」的な設計に、ここ数年はずっと辟易していました。名指しで失礼ですがレクサス、BMW、アウディ、VW、日産、ホンダ、スバル、マツダ・・・全部迷走しているように見えます。プリウス、2erツアラー、ヴェゼル、レガシィ、アテンザとどれもそこそこ結果を出しましたけども、手堅く保守的な進化が盛り込まれた結果として「ファミリーカー」の人気モデルとしてリーズナブルな需要があったに過ぎないです。どれも「悪くないクルマ(相対的に優れたクルマ)」ではありますが、積極的に買いたいクルマか!?っていうとかなり疑問です。

  もちろんクルマなんて必要なヤツだけが買えばいい!とっても自己満足な商品なわけですが、まだまだ経済大国の日本では、全人口の1%くらいはお金の心配から開放された「自由人」なわけで、とりあえず100万人くらいはNSXとかGT-Rを買ってくれる潜在的な顧客はいます。2016年の日本市場は500万台の大台を割り込んだようですが、500万台の「上位20%(100万台)」が業界の浮沈の「80%」を担っている・・・かなりテキトーな経済学ですけども、カネを持っている100万人に「刺さる」クルマが決定的に不足していることで、彼らがプリウスや2erを買っているんじゃねーの!?LSの変わりにプリウス。7erの変わりに2er・・・ディーゼルとかハイブリッドとかに拘っているメーカーは自分で自分の首を絞めてないですか!?

  ポルシェやマセラティはお客が増えているようですけども、アウディR8やBMW・M2といったご機嫌なモデルで徹底的に「勝負」することが、日本市場を左右するコアなユーザー(100万人)が輸入ブランドに強く求めているポイントなんじゃないの!?って思うんです。カーメディアのマヌケな「ディーゼル」推しは、まったく日本のユーザーの気持ちに応えてないです。それよりも2017年に投入されるであろう、アルファジュリアやシボレーカマロといった旧来のガソリンエンジンの「魅力」を伝えてくれるモデルこそが、素直に日本市場で評価されればいいなーと思う次第です。


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2016年12月21日水曜日

アルファロメオ と ミドルBIG「3」

  今年もいよいよ「輸入車ガイドブック」が届きました。何と言っても残念なのがフォードの日本撤退で、当然ではありますがフォードとリンカーンは掲載されていません。昨年版から新たに追加になったブランドはスウェーデンのスーパーカーブランドのケーニッグセグです。全39ブランドの内で平均価格が2000万円を越えるスーパーブランドは、ケーニッグセグの他にフェラーリ、ランボルギーニ、ロールスロイス、ベントレー、アストンマーティン、マクラーレン、ルーフ、パガーニ、ラディカルの10。全体の4分の1が「とりあえず用がない」ブランドだなんて・・・。

  他にもマセラティ、BMWアルピナ、テスラを始め、キャデラック、クライスラー、ランドローバー、ポルシェなど、まだまだ日本価格であまり売る気を見せないブランド7つ(マカン、718を除く)に、かなりアバンギャルドなクルマを展開するケータハム、ロータス、モーガン、ポラリス、プロトンの5つ、さらにラインナップが崩壊の一途を辿るシボレーを加えると、もう残りは16だけ・・・ドイツ5(BMW、VW、アウディ、メルセデス、スマート)、フランス4(シトロエン、DS、プジョー、ルノー)、イギリス2(MINI、ジャガー)、イタリア3(フィアット、アバルト、アルファロメオ)、スウェーデン1(ボルボ)、アメリカ1(ジープ)。

  どれも日本向けにもかなり頑張っているブランドばかりだなー。月に1000台売れるブランドはドイツの4つとMINIとボルボの合計6つ。他にもジープ、プジョー、フィアット、ルノーは手頃な価格のモデルを拡充していて1000台突破の可能性があります。この16ブランドに関してはもっと売れていいんじゃないか?とは思うんですけど、なんだか無難なモデルが増えてきているんじゃないかと・・・。もちろんルノー・トゥインゴやシトロエンC4ピカソを「小粒」と貶すのは全くの見当違いですけどね。低リスクで衝動買いできるモデルだけじゃなくて、「よしこれで人生を愉しもう!!」と飛び込みたくなるモデルもある程度は欲しいですね・・・。

  まだ日本での販売価格も決まっていないですが、アルファロメオの新しいフラッグシップモデルとして登場する「ジュリア」には去年からずっとソワソワさせられっぱなしです。2017年は話題のクルマがたくさん発売される見込みなので、その中でアルファロメオが存在感を十分に発揮できるのかなー? いやいや!!アルファロメオこそが!!こそが!!こそが!!このブランドこそが日本中のクルマ好き(一般ユーザーも)を熱くさせるツボを持っているんじゃないか!!欧州カーオブザイヤーを引っさげて日本で大反響を巻き起こしたアルファ156&147はまだまだ日本の街をハッピーにしてくれています(ジュリエッタ&ミトもいい味出してますけど)。

  「アルファロメオがない日本の中型車市場なんてクソだ!!」とまでは言いませんけども、その存在感はBMW、マツダ、スバルの「ミドル・ビッグ3」に匹敵します。ミドルカー主体のブランドが、どれだけプライドを持ってミドルカーを仕上げるか?を評価の基準にするならば、やはりBMW、マツダ、スバルのクオリティは短時間の試乗でも十分に感じられますが、これらと同じくらいに、いやむしろその上を行く可能性すらあるブランドがアルファロメオですね。別の言い方をすれば、新型プリウスに走り負けないクオリティを保証してくれるブランドがBMW、マツダ、スバル、アルファロメオ(ジュリエッタ&ミトは怪しいが・・・)。

  そんなアルファロメオですが、ジュリアだけでなく、これに続くクロスオーバー版のステルヴィオもすでに公開されていて、早ければ2017年中に日本でも発売される可能性があります。日本市場でも大人気となっているSUVですが、各ブランドから複数のモデルが発売されるのが当たり前の状況の中で、「ホンダ・ヴェゼル」と「ポルシェ・マカン」という全く別のアプローチの2台の大ヒット車に象徴されるように、SUV自体もある種の目的というかコンセプトや哲学を明確に持って開発される時代になってきたように感じます。

  コンパクトカーよりリッチなボデーで「安っぽく見られない」ことを売りにしたヴェゼル的なSUV(メルセデスGLA、スズキ新型エスクードなど)と、SUVながらも中途半端に作られたセダンやハッチバックなどよりもよっぽど操縦安定性に優れているマカン的なSUV(エクストレイル、CX5など)は、それぞれよく売れました(GLAとエスクードは微妙)。完全に空振りに終わったのが、レクサスNX&トヨタハリアーで、どうやら設計段階ではひたすらにパッケージ優先だったようで、価格も走りも中途半端な仕上がりで出て来てしまいました。トヨタ自慢の居住性&HVを享受するならば、わざわざ400〜500万円するSUVじゃなくてもヴォクシーで良くない?ってなっちゃうよ・・・。

  600万円台で出て来たマカンの前にX1以外のBMWのSUVラインナップは全く歯が立たずで、次世代モデルが待たれるところですが、2017年に投入されるのはX2という新型モデルになりそうです(FFか?)。「走り」のクオリティで勝負するSUVは、ポルシェがBMWを研究して直4ターボのレスポンスから、自慢のブレーキ、トルク制御によるスポーツカー的な演出まで計算づくで盛り込んだマカンに対して、エクストレイルがGベクタリングコントロール機構を先に持ち込み、日産の真似が大好きなマツダも全ラインナップに「Gベクタリング・コントロール」を装備して、まるでマツダの専売特許のように宣伝していたりします。

  マカン、エクストレイル、CX5が「付加価値を持ったミドルSUV」として日本市場で人気になっています。CX5が出て来るまでは日本ナンバー1の売り上げを誇っていたスバル・フォレスターもCX5のデビューと同じ2012年にFMCをしますが、こちらは足回りの作り込みがスバルの仕事とは思えないほど酷い仕上がりだったことで、トップシェアから一気に滑り落ちました(その後MCで修正はしましたが)。新型インプレッサから採用された新型シャシーを使って、早ければ2017年中にもフォレスターもFMCが行われて巻き返すとは思いますが・・・。

  さてアルファロメオですから、ミラノ製初のSUVに相当の技術的な「裏付け」をしてくるとは思いますが、果たしてポルシェ、日産、マツダといった世界のトップエンドなテクニカル・ブランドに対してどれだけ競争力があるのか?ちょっと心配なところもあります。マツダCX3に判定負けしちゃうくらい(に平凡な走り?)のアウディQ2やメルセデスGLAを相手には優位を築けると思いますが、「走りを極限まで研ぎ澄ませた」とか大口を叩いているトヨタC-HRに足元を掬われるのか? それとも2017年にやはり日本投入が決まっているプジョーの「秘密兵器」と言われる新型3008の驚異的な進化を遂げた走りの前に敗れさるのか? ・・・いやいやたぶんマカンターボを越える超絶パフォーマンスグレード有り!のド派手な展開で度肝を抜いてくれるでしょう。


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2016年12月13日火曜日

ポルシェ718ケイマン 無我の境地で乗りたい1台

  昨今のポルシェを始めとしたロードカー・ブランドは不可解なとこがしばしば起こります。まあ日本国内だけでクルマ乗って愉しんでいる輩には、ポルシェの本当の価値なんて到底に解りっこないわけですけども、日本人は相変わらずにポルシェが好きです。そしてやたらと文句もいいます。「ターボになったポルシェをどう思う?」「もうこれ以上速くなくていいよ、それよりはフラット6の音を大事にしてほしい」「そうだよねスポーツカーは官能性こそが商品価値だ!!だからターボのポルシェは否定する!!」

  日産、ホンダ、スバル、マツダにとってはもはや日本市場なんて無くなってもいいくらいの存在かもしれませんが、ポルシェのような高級ブランドにとっては日本市場はまだまだ魅力たっぷりなようです(だからわざわざ東京モーターショーにも出品!!)。しかし大事な日本のファンの気持ちを知ってか知らずか、ターボ化だったり4気筒化だったりを大胆に行う潔さ・・・これもポルシェの魅力なのかもしれません。過去にも空冷エンジンが廃止されて賛否両論が巻き起こりましたし、直後の996型は中古車市場でもやや不人気で歴代911で最も手軽に手に入るモデルとなっています。

  4気筒ターボのミッドシップになった718ケイマン。ポルシェが常に真剣に目指している「パフォーマンスの進化」においては、ニュル北で997GT3を越えるタイムを出したとかで、4気筒のポテンシャルにはちょっと驚きます。それだけの完成度のマシンがお値段はほぼ据え置きのままの619万円で買えるなんて!!。うーん。決して安くはないですけども、どーしようもなくつまんないクルマに400万円、500万円と投じるくらいならばさ・・・。

  ポルシェっていうと、日本ではだいぶ年配のそこそこカネ持っているオッサンが好むクルマになってますけど、映画「アイアムサム」に出て来る女性弁護士のようなアクティブな女性に似合うクルマだったりするなど、アメリカや欧州ではもっと幅広い年代の人々が愉しむブランドみたいです。718ケイマンの北米価格は$53000なので、それほど日本価格も法外なものではないです。619万円ならば、レクサスISを買うくらいの負担で賄えそうです。そして「ステータス」や「非日常なスポーティ」を考えれば、レクサスISなどよりもむしろお買い得といっていいかも。

  「欲しいクルマがないー」と同じことを毎週のようにつぶやきながら、ゾンビのように漂っている日本のクルマ好きは多いです。しかし実際のところはいざ輸入車のMTモデルが候補nなるとすぐに尻込みするし、5km/L程度しか走らない極悪燃費の大排気量モデルにも及び腰でなかなか踏ん切りが付きません。結局のところ自分自身が問題なく「乗れる」クルマの範疇がとてつもなく狭い結果のゾンビ化じゃないか?という気がします。718ケイマンにしても、ポルシェの年間のメンテナンス代はとてつもなく高額になりそうだし、MTを買うべきなのはよく解っているんだけど、最初の興奮が過ぎ去っていく経過に対して、ほぼ確実に購入前に想像を巡らしています。乗り始めて半年経って3ペダル車が手に負えなくなっている自分の姿が見えてしまっているんだと思います。

  手軽に買えて、決して手に余ることなく、周囲からバカにされることもなく、カッコいいクルマ・・・そんなメチャクチャな条件に合致するモデルなんて無いですよ!!そんな自分勝手なユーザーの為にメーカーが開発努力をする必要なんてさらさら無いと思います。既にスポーツカーだけでも相当な数のモデルが日本でも発売されています。マツダ・ロードスター/アバルト124スパイダー、トヨタ86/スバルBRZ、ホンダS660といったお手軽な日本勢と、ロータスエリーゼ、アルファロメオ4C、ジャガーFタイプ、シボレーコルベットなど1000万円以下のモデルだけでも相当な数があります。これにスープラ、シルビア、RX9が加わる!?

  これだけ多彩なラインナップがある中で、パフォーマンスというスポーツカーの正義を貫いているモデルが「718ケイマン」であり、価格帯でもちょうど中間くらいに位置していることからも、現状の1000万円以下のスポーツカー市場においては唯一無二の存在といって良さそうです。4気筒ターボ300psにミッドシップ、さらに抜群の制動性能、ハンドリング。これに追従出来るモデルは・・・GTカーとしてならジャガーFタイプ、ピュアスポーツならアルファロメオ4Cくらいでしょうか。もし4Cに載っている1750TBをアバルト124スパイダーに載せた特別モデルが競技用ではなく、市販ロードカーとして発売してくれるなら、総合力でも718ケイマンにかなり近づくような気がしますが・・・。

  ちょっと前に沢村慎太朗さんが「本物のスポーツカーは911とロードスターだけ!!」という名言を著書の中に残しました。厳密に言うと「991系とNCロードスターだけ!」ということらしいです。ジャガーもロータスもアルファロメオも否定できるほどに、ポルシェとマツダのスポーツカーへの情熱は際立ったものなのだと思います。ロードスターと991系911の2台持ちは最強!?お買い物はロードスターで、お出かけは911で・・・これが正解なんだと。・・・718ケイマンが1台あればOKじゃ?もう1台はファミリー用にマツダCX5でもあれば幸せなカーライフかも。

2016年12月2日金曜日

BMW・X2 「ビーエムだって真似ることもあるさ・・・」

  MINIのプラットフォームを使うFFのBMW車がじわじわと増えてきました。「2erアクティブツアラー/グランツアラー」に始まり「X1」そして来年中にも発売される「X2」と投入時期は未定ながら開発の最終段階に入ったとされている「1er」もFF化されるみたいです。身も蓋もないつまらない事を言うと、BMWも「総合プレミアムブランド」としてファミリーカーのラインナップを充実させるためには、キャビンスペースの確保が最優先課題になりますので、横置きエンジンでフロント部を短くしたり、プロペラシャフトを廃止して床がフラットにもできるFFのメリットを真剣に考えた結果ですから、ビーエムはFRだ!とか言っている旧来のファンはとりあえず放っておきましょう。

  FFのBMWが登場するまでは、BMWブランドはおおよそ3つのプラットフォームで構成されていました(i3とi8は除く)。5〜7erを担当する「L6」、1~4erとX1~X4およびZ4担当する「L7」、X5~6は「ラダーフレーム」です。意地悪い言い方をすれば「L6」と「ラダーフレーム」がパフォーマンス志向で、「L7」がコスト軽減を徹底したモデルです。価格はどれくらい幅があるかというと、「L6」や「ラダーフレーム」にBMWらしい6気筒が搭載されれば、最も安いモデルでも日本価格では1000万円前後に設定されています。一方で「L7」に関しては4気筒エンジンでは300万円を下回る設定までされていて、6気筒を積んでも500万円程度から購入可能です。

  まだBMWがホンダに負けないくらいの気持ちのいい高回転エンジンを作っていた10年前はE90系という先代の3erが大ヒットしたりしていましたが、4気筒でしかも低回転のターボばかりのラインナップになってからというもの、この二者択一のプラットフォーム分けによるマーケティングが、日本ではどうも裏目に出たように思います。「ラダーフレーム」はそれなりに支持されるも、もしかしたら戦略の一環かもしれませんが「L6」使用車の販売はごくごく限られたものになりました。マセラティ・ギブリのヒットやレクサスの日本での拡販に圧された印象もあります。

  一方で「L7」が担当する下級モデルも、VWやFF化したメルセデスに「輸入車需要」をかなり吸い取られ、またプリウスやヴェゼルなど300万円前後の価格帯で独自にマーケットを切り開いた日本車にもいくらかヤラレてしまった印象があります。そしてもちろん傘下のMINIブランドの成長にも喰われている部分も相当にあるはずですが・・・。そんな窮状を結果的に救う形になったのが、どうやらBMW2erアクティブツアラーみたいですね。BMWファンからのブーイングをものともせず、カーメディアに350万円の価値無し!とまで書かれても、そしておそらく「プライドをかなぐり捨てて」作ったであろうFFツアラーでしたが、見事に日本でも結果を出しました!!

  Cセグが売れないといわれる日本市場で発売初年度とはいえ月に1000台以上をコンスタントに売ったのはとても立派です!!ベースグレードは100万円台後半に設定されているアクセラやインプレッサを相手にしたことを考えると大健闘だと思います(ゴルフの一時的失墜という幸運もありましたが)。コストパフォーマンスがあまり通用しなくなった新規ユーザーやリタイア世代を取り込む日本のCセグは解読不能な部分も多く、スバルの異常なまでの新型インプレッサのプロモーションや、アクセラが自動ブレーキテストでトップを獲ったという報道(マツダがコミにカネを払って報じてもらってる?)が飛び出すなど、ライバル陣営もかなり神経質になっている様子が伺えます。そんな市場を298万円のFRの1erではまったく切り崩せなかったのに、FFの2erによって見事に扉が開いたわけです。

  車高が低くてスポーティな見た目のプリウスに対して、Cセグではもっとも腰高なデザインでいかにも「ピープルムーバー」的な2erアクティブツアラー。先代までのプリウスと1erの関係と対比すれば、完全に立ち位置が入れ替わっています。2erアクティブツアラーの牧歌的なスタンスは一体どこの市場の発注なのでしょうか?日本?フランス?それとも中国か? もちろん「あのBMW」が作るからこそ効果的な部分もあるでしょうが、ホンダの流れを組んでいて操縦安定性の高さに定評があるMINIのシャシーに、トヨタ系列アイシンAWの「世界で最もコンフォート」と言われるFF用ミッションを躊躇無く採用し、車体は日産のピープルムーバーを思わせるNVH対策バッチリの堅牢な設計。80年代に世界を制した日本のFF車の「ハイライト」が詰まったクルマだと言えなくもないです。

  スバルがビルシュタインだ!!トヨタがザックスだ!!とアピールするように、日本車はドイツ車をモチーフにクルマを仕上げることをある種の「文化」にしています。その反対にドイツメーカーも直4ターボ&AWDのハイパフォーマンス車が増えるなど、日本のランエボ&WRX・STIのスタンスをスポーティの理想として掲げていたりします。そんな中でBMWの2erアクティブツアラーには、日本メーカーへ捧げるメッセージが詰まっているクルマじゃないかなーという気もします。(BMWも日本メーカーも)「我々はアメリカナイズに走り過ぎてないか?日本とドイツの栄光のロードカー文化を取り戻そうぜ!!」という呼びかけではないかと・・・。

  さて先日のパリモーターショーで公開された「BMW・X2」です。日本車へのオマージュと言うと語弊があるかもしれないですが、日本のユーザーとは心で通じ合った2erアクティブツアラーの設計を使いつつ、クロスオーバー化に際して、さらに新たな日本メーカーをリスペクトに加えたようで、日本車のオマージュを上乗せして来ました!!もうリアデザインなんて完全にドイツ車ではない!!そう断言できるくらいの作り込みっぷりです。もはやどの日本車よりも日本メーカーのエッセンスが凝縮された1台にまで昇華しましたねー。できれば価格も日本車並みにしてくれるとさらにGOODなんですけど・・・。

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2016年11月23日水曜日

VWの新型ティグアン ある意味でSUVの常識を越えた!?

  まもなく日本でも発売されるであろうVWのミドルサイズのSUVである新型ティグアンが、なかなかとんでもないことをやってのけました。SUVとしては異例のユーロNCAPによる衝突安全基準でハイスコアを出しました。2016年測定車の中ではアルファロメオ・ジュリアに次いで第二位!!!メルセデスEクラスにもまさかの完勝!!!もはや「セダンは安心だから」と言ってられる時代じゃなくなっているのか? ユーロNCAP無敵の帝王といえばボルボ、マツダ、ジャガーの旧フォード勢ですけども、SUV同士の評価に限ればティグアンが最強!!あのプリウスにも負けちゃうボロクソワーゲンがクラスの頂点に立つなんて!!

  「VW(あと三菱とスズキ)に関するデータは鵜呑みにするな!」というご意見もあるでしょうけど、2014年に日本の研究機関にガソリンターボの排ガスの劣悪な処理機構を指摘され、2015年にアメリカの研究機関にディーゼル排ガステストを意図的に無効化するシステムが暴露されてますから、2016年にユーロNCAPに特殊車両を提供!!なんてことは・・・そこまで不祥事は続かないとは思いますけどねー。

  北米で今も根強い人気で販売されるピックアップトラックのシャシーに、たっぷりサイズのボデーを載せた設計から始まったSUVの歩みですが、当初は「SUVが世界を轢きつぶす」としてその操縦安定性の悪さから都市部への拡大にはいくらかの批判もありました。2トン超級のボデーに5Lオーバーの大排気量エンジンが街中を我がもの顏で走れば、当然に車種別の事故率でも上位になっていて、北米では統計を交えた批判本も出てます(日本じゃ考えられない!!!)。

  北米のSUVは「危険で燃費が悪い」です。こういうクルマは日本では目も当てられないくらいに売れないですけど、それでも不思議な存在感を発揮します。SUVに限らずスポーツカーやマッスルカーなどなど。アルコールやタバコ、飽和脂肪酸(動物性脂肪)などなど「不健康なもの」を求めるメンタリティが同じように無意識の内にガソリンを垂れ流すクルマをも好んでしまっているようです。ロータリーエンジン車が復活?だったりフェアレディZが作られ続けたり・・・。

  北米のピックアップトラックは今も専用のラダーフレームシャシーに大排気量エンジンをマウントして販売されています。もはや世界でアメリカにしか許されないであろう設計!!(日本にだって軽規格があるさ!)。北米ナンバー1の売り上げを誇る車種といえばフォードのF150というピックアップトラックで、これをベースにしたエクスペディションという大型SUVがあります。環境対応にも積極的なフォードなので最近ではV6の2.7Lエコブーストも設定されています(2.7の6発ターボのどこがエコなんだ!!!スカGか!!)。

  日本のSUVでもアメリカの伝統的なラダーフレームを継承しているのが、ランクルとパジェロ、それから小型ボデーに大きめのエンジンで武装するスズキの旧型エスクード(現在も販売継続)です(あとはジムニーシエラとジムニーもラダーです)。ジムニー以外のモデルは燃費の悪さが敬遠されて日本では少数派になってまして、日本のSUVといえばもっぱら量販車と共通のプラットフォームを使う「なんちゃってSUV」が主流です。

  1997年にトヨタが北米向けに開発した「ハリアー」が大ヒットしました。北米でベストセラーになっていたカムリのシャシーを使ったことで高い信頼性を確保し、開発コストも低減できるアイディアモデルでした。カムリ譲りの走行安定性が高い評価を得て瞬く間にラダーフレームSUVから市場を奪い始めます。これに追従したのが日産で2002年にティアナをベースとする「ムラーノ」を発売して日産自慢の3.5L自然吸気VQエンジンを搭載して人気となります。トヨタも2003年の2代目ハリアーでは3.5Lを搭載して対抗し、瞬く間に北米市場を席巻します。

  同時期に発売されたBMW・X5(2000年〜)など、SUVのヒット車が連発したこともあって、北米と日本からクロスオーバー・ブームが広がります。当時はまだまだ衝突安全基準の評価(NCAP)が黎明期で広く報じられることもなかったですが、北米市場がいち早く始めた「評価」によって売れ筋のSUVが片っ端から低い成績で、堅牢なイメージがあるBMW・X5でさえも部分によっては「POOR」評価を受けるなど、SUVの弱点が噴出しました。ちなみに「SUVが世界を轢きつぶす」という本もこれを受けて2004年に書かれました。ただし衝突安全の評価は一般ユーザーの認識にまでは浸透せず、売れ行きは今も右肩上がりです。

  北米・日本でのブームが、中国の市場拡大によってさらに加速し、中国向けにアメリカ仕様よりも小型になったコンパクトSUVが、今度は成熟・飽和市場であったはずのフランスやイギリスに飛び火します。ハリアーも2013年の三代目からはカムリではなく、北米カローラ(オーリス)のCセグをベースに設計され、日産もムラーノを撤収し新たにCセグのセントラ(シルフィ、パルサー)をベースとしたローグ(エクストレイル、キャッシュカイ)による世界同時発売を行っています。同じようなCセグベース設計でマツダもCX5を、スバルもフォレスターとエクシーガクロスオーバー7を投入しています。

  しかしこれら2012年頃から登場した日本メーカー群による「なんちゃってSUV」は、乗用車トップレベルの安全基準を得ることはできておらず、いずれもベース車に衝突安全基準で劣るというデータが出ています。縦方向に拡大したボデーは当然ながら堅牢さは弱まりますし、大径タイヤを支えるタスクが要求されるシャシーに、ストロークが長めのサスペンションコイルの組み合わせも、当然ながら衝突による衝撃入力に対する強化を施す必要のある「角度」が水平方向からより多くなりますので、軽量化との両立が難しくなります。キャビンを大きくし、冠水路面の走行を可能にする車高を確保することで、通常走行時の安全性が犠牲になっているという宿痾から逃れられません。なぜかこのような背反で二項対立的な局面になるとそれ以上の追求をあっさりと諦めるのが日本メーカーの特徴なんですよね・・・。

  SUVの弱点はシャシーやボデーの強化が難しいだけでなく、開口部が広く大型化されているリアゲートが究極の弱点だと言われています。こういうコトを書くと、どんなクルマだってダンプに突っ込まれればジ・エンドだ!!なんてNCAPの存在価値そのものを否定してくる人もいますが・・・。私はマツダというメーカーが好きなのですが、その一番の理由はハンドリングでもスタイリングでもなく、安全性能に対する妥協ない努力が感じられるからです。そんなマツダでもCX5は低い得点でした。同じように安全性で信頼できるメーカーであるボルボ、スズキ、日産、ホンダに関してもやはりSUVでは大きく点数が下がります。(ス◯ル、メル◯デス、B◯Wは車種によって差が大きいです。「安全」を完全にナメているスコアを平気で出すところが嫌いです・・・700万円もするあの新型フルサイズセダンも酷いことになってますよ)

  さて・・・冒頭の話に戻りますが、VWです。安全性のアベレージが圧倒的に高いDセグのさらに頂点を目指して設計されたアルファ・ジュリアも見事ですけども、それとあまり遜色が無いレベルのスコアを出した新型ティグアンも素晴らしい!!!昨年末から苦境にあるVWが、存続を賭けて多少はコスト度外視してでも「安全なSUVを作ろう!」と努力したようです。ドイツでは今年の春から発売されていますから、タイミング的にも「再出発」の思いが強く隠ったモデルなんだと思います。まだ日本価格は一切公表されていませんが、VW買うならコレじゃないですか?デザインも渋くていい!!グレーメタリックで!!